独立歩行可能な肢体不自由児を対象に,心拍数を手がかりとして日常生活における身体活動水準を明らかにし,彼らの健康維持,体力向上の可能性を検討した.この結果,覚醒時の平均心拍数は従来の報告より幾分か低い値を示したが,体育,養護・訓練,走行などの運動的な活動ではかなりの上昇がみられた.心拍数の標準偏差は彼らの日常生活が多様であることを示し,偏りは高心拍数を必要とする積極的な活動の存在を推察させた.彼らの身体活動を健康維持,疾病の予防の面からみると,これに必要な活動量は十分存在した.しかしながら全身持久力の向上を考えると,運動強度の条件は満たされたが,持続時間が不足していると結論された.
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