陥没呼吸,喘鳴・胸郭変形,側彎,ばち状指などを呈し,定頸のない15名の重度脳性麻痺児らの呼吸について検討し,次の知見を得た.
1) 動脈血酸素飽和度(SaO
2)は覚醒時11/15の患児で境界以下であった.睡眠時には全例が呼吸不全状態にあった.
2) 姿勢によりSaO
2が変化する.側臥位,腹臥位が最良,仰臥位が最悪の例が多い.また慢性肺病変のある例では側彎の有無,向きにかかわらず病変側を下に,肺病変のない例では側彎の凸側を下にするとSaO
2が改善する場合が多い.
3) これらの患児の呼吸不全状態の多くは複合要因によるものである.しかし,姿勢変換で呼吸状態の改善する者では,姿勢変換用体幹装具(positioning block)を作製し,よい結果を得た.体幹装具としての普及を望む.
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