右大脳半球損傷により失語症を呈した25例の脳卒中患者で,利き手,失語症タイプ,言語症状および責任病巣などの関連を検討した.右利き群と非右利き群の多くは,通常の右利き左大脳半球損傷による失語症と比べ,タイプや病巣,重症度はほぼ一致していた.しかし,家族性素因のある非右利き群では,病巣からは推察しがたい言語症状を呈した例や重度で回復の悪い失語例もみられた.右大脳半球損傷で生じる失語症は,出現する症状や経過が多様性に富み,利き手の違いによって言語機能の側性化が異なる可能性が示唆された.
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