リハビリテーション医学
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43 巻, 4 号
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原著
  • —嚥下回数,食塊残留·逆流への影響—
    西 将則, 武原 格, 猪飼 哲夫, 宮野 佐年
    2006 年 43 巻 4 号 p. 243-248
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/05/01
    ジャーナル フリー
    経鼻経管栄養チューブ(以下NGチューブ)が嚥下に与える影響について検討した.対象は健常成人15名.1)NGチューブなし,2)8 Fr NGチューブ留置,3)14 Fr NGチューブ留置,それぞれの状態でバリウム溶液5 ml,ゼラチンゼリーと寒天ゼリーを5 gずつ摂取し,嚥下造影検査(以下VF)にて各状態の嚥下動態を比較検討した.またNGチューブ留置による自覚症状をNumerical rating scaleにて評価した.NGチューブ留置によって全ての被検者が違和感および嚥下困難を訴えた.NGチューブの口径が大きくなるにつれゼリー摂取時の嚥下回数が増加した.NGチューブ周囲に食塊が残留する例や通過した食塊がチューブに沿って逆流する例も認めた.NGチューブの留置は嚥下に悪影響を及ぼし,口径の大きいものほどその影響が強いことが証明された.本研究は嚥下機能に問題のないものを対象に行ったが,嚥下障害患者においてはNGチューブの留置により誤嚥の危険性が高くなることが容易に推察され,経口摂取はNGチューブを抜去して行うことが望ましい.
  • —小児における高次脳機能評価法の予備的検討—
    荏原 実千代, 高橋 伸佳, 山崎 正子, 赤城 建夫
    2006 年 43 巻 4 号 p. 249-258
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/05/01
    ジャーナル フリー
    小児の高次脳機能障害を評価するために必要なコントロール値作成のため,成人用検査を6~18歳の健常児133名に行った.行ったのはウエクスラー記憶検査(WMS-R),Trail making testなどの注意機能検査,Wisconsin card sorting test—慶応—F-S version(WCST)および標準失語症検査(SLTA)である.WMS-Rで記銘力は12歳で16~17歳レベルの90%以上に達していた.注意機能も14歳まで急速に発達し以後ほぼ一定になった.SLTAでは6~7歳で90~100%の正答率を示す項目が多いが,8~12歳で90~100%の正答率に達する項目もあった.一方,WCSTの処理能力は10歳まで向上後思春期に停滞し,16歳以降再び向上する2段階の発達を示した.これらの検査を小児に用いる場合にはWISC-III知能検査と組み合わせて,総合的に評価する必要がある.
Editorial
第42回日本リハビリテーション医学会学術集会
パネルディスカッション
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