The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
Online ISSN : 1881-8560
Print ISSN : 1881-3526
53 巻 , 10 号
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巻頭言
特集『リハ専門医が知っておくべき骨関節の3次元動態』
  • 長本 行隆
    2016 年 53 巻 10 号 p. 746-749
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     頚椎は,脊椎の中で最大の可動域を有し,環軸椎という軸椎下の椎骨と大きく形態を異にする椎骨の存在のために,そのバイオメカニクスは脊椎の中でも独特である.近年の3次元動作解析により,生体内での頚椎前後屈,回旋,側屈のすべての基本運動の詳細な挙動が明らかにされ,中でも回旋や側屈における椎間レベルの可動域や,カップルドモーションと呼ばれる3次元的な運動パターンの解明が,飛躍的に進んだ.頚椎疾患の治療に携わる医療従事者にとって,頚椎のバイオメカニクスを理解しておくことは重要である.そこで本稿では,バイオメカニクスの中でもリハビリテーションにおいて,特に重要と思われる頚椎の機能解剖やキネマティクスを中心に取り上げ解説する.

  • 佐原 亘, 菅本 一臣
    2016 年 53 巻 10 号 p. 750-753
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     肩は上肢の基盤ともいえる部位であり,肩甲上腕関節と肩甲帯から構成される.肩甲上腕関節は体の中で最も広い可動域をもつ関節であり,その肩甲上腕関節が機能を十分発揮するためには肩甲帯が機能的に働くことが必要不可欠である.肩甲帯は通常の関節のように関節包や靱帯によって支えられておらず,肩甲骨に付着する筋群によって複雑にコントロールされている.そのため肩甲帯がどのように動いているのか,その仕組みを知ることは肩や上肢のリハビリテーションを考えるうえで非常に重要である.本稿では肩甲帯の解剖とその運動の仕組みについて解説する.

  • 芝野 康司, 菅本 一臣
    2016 年 53 巻 10 号 p. 754-757
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     肩関節運動は肩甲骨と上腕骨の共同運動であり,またリハビリテーション(以下,リハ)においてもその役割は重要視されている.しかし,肩甲骨の動きは外転運動などでは明らかにされているが,水平内外転運動に関しては,あまりよく知られていない.
     また肩関節外旋位での水平内外転運動は,肩関節脱臼や投球動作のcocking phaseに相当し,脱臼術後のリハにおいても肩甲骨の動きが不十分であれば,可動域制限をきたす.健常人の肩関節水平内外転運動における肩甲骨の3次元動態解析を行い,肩甲骨の動態を解明することにより,肩関節の機能改善につながることを期待する.

  • 岡 久仁洋
    2016 年 53 巻 10 号 p. 758-761
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     肘関節には腕尺関節,腕橈関節,近位橈尺関節の3つの関節があり,屈伸運動と前腕回旋運動を行うことができる.安定した関節運動を行うための機構として内側側副靱帯,外側側副靱帯複合体があり,靱帯機能が破たんすることにより,肘関節拘縮,不安定性の原因となる.屈伸運動の回転軸の通過する位置は,上腕骨滑車中心の内側側副靱帯前斜走線維の付着部に一致するが,外側は屈曲肢位により外側側副靱帯付着部面に分布し,回転軸の軌跡は円錐状となる.前腕回旋軸は尺骨小窩と橈骨頭中心を通過し,前腕は,ほぼ一軸性の回旋運動を行う.これらの肘関節における解剖学的特徴と3次元的動態解析に基づいた運動機能について述べる.

  • 大森 信介
    2016 年 53 巻 10 号 p. 762-764
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     手関節は橈骨手根関節,手根中央関節,遠位橈尺関節の複合運動により,掌背屈,橈尺屈,回内外運動が可能な関節である.手関節の効果的なリハビリテーションを行うためには,手関節の機能解剖を理解することが重要である.しかし,手関節の3次元バイオメカニクスを含めた機能解剖についてはいまだ解明されていない部分も多く,議論も多い.本稿では,まず手関節の正常機能解剖について述べ,次に手関節外傷として頻度の高い橈骨遠位端骨折,DISI変形に代表される手根不安定症における3次元手関節バイオメカニクスについて述べる.

  • 片岡 利行
    2016 年 53 巻 10 号 p. 765-769
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     母指および指関節は手根中手関節,中手指節関節,指節間関節からなる.母指はつまみ動作や握り動作など手の機能の中で中心的な役割を果たしている.その中で,母指の手根中手関節は中手指節関節や指節間関節と比べて,関節の自由度が高く,屈曲伸展,内外転,回旋動作が可能で母指のkey jointとされている.一方,指では手根中手関節の動きは限られており,軽度の屈曲伸展運動を認めるのみであるが,中手指節関節は,屈曲伸展に加えて,内外転も許容し,関節の自由度が高く,指のkey jointとされている.本稿ではその母指ならびに指の関節の構造と機能について解説する.

  • 松尾 庸平
    2016 年 53 巻 10 号 p. 770-773
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     腰椎のキネマティクスは胸椎とは異なり,胸郭,肋骨による支持がないために大きな運動性と可動域を有する.また腰部脊柱管狭窄症・腰椎変性すべり症・腰椎変性側弯症などの変性疾患や腰椎圧迫骨折・腰椎破裂骨折などの外傷の好発部位となる.その理由としては,上位脊柱からの荷重や運動負荷が腰椎に集中するからであると考えられている.こういった疾患を治療するうえで,腰椎の解剖とキネマティクスへの理解は大変重要である.本稿では腰椎の解剖と疾患との関係性,キネマティクス研究の歴史について述べる.

  • 玉城 雅史, 冨田 哲也, 菅本 一臣, 川島 邦彦, 清水 憲政
    2016 年 53 巻 10 号 p. 774-778
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     膝関節は,骨,靱帯,筋肉のそれぞれが合わさって屈曲と伸展だけではなく,屈曲に伴う大腿骨-脛骨間のrollback motionと外旋運動を認める.変形性膝関節症では,一部に内旋運動を認める症例があり,正常膝とは異なる動態を認めた.2D/3Dレジストレーション法を用いた人工膝関節術後の動態解析では,大腿-脛骨コンポーネント間の屈曲角度は平均120°程度であった.脛骨に対する大腿骨の外旋運動は認められるものの,その回旋量は約10°前後と正常膝に比べて少なかった.またキネマティックパターンはさまざまであり,インプラントの表面形状,手術手技により規定されている可能性が高かった.

  • 福本 貴彦
    2016 年 53 巻 10 号 p. 779-784
    発行日: 2016/10/18
    公開日: 2016/11/17
    ジャーナル フリー

     足関節は複雑な構造をしているかと思いきや,いたってシンプルな構造である.しかも,その構造は合目的的であるため,構造の理屈がわかれば理にかなった動きをしていることがわかる.ここで述べる距腿関節・距骨下関節・遠位脛腓関節は,それぞれの形状によりその動きが規定され,画一的な方向への運動が起こる.リハビリテーション場面では,このような関節運動学上の特性を理解し,内容を踏まえ,定義的な単純運動方向(一方向)である底背屈・内外反などといった3次元空間の定義ではなく,足関節が本来有する運動方向への動き(背屈+外反,底屈+内反)によって運動療法を行うべきであろう.

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