The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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54 巻 , 8 号
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巻頭言
特集『電気刺激療法―最新の知見と展望―』
  • 島田 洋一, 松永 俊樹, 工藤 大輔, 斉藤 公男
    2017 年 54 巻 8 号 p. 564-569
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    機能的電気刺激(FES)は,中枢神経障害による運動麻痺に対し,プログラムされた刺激による機能再建を行う治療法である.適応として,脳卒中・脳外傷,脊髄損傷,脳性麻痺,多発性硬化症などがあり,治療効果のエビデンスも豊富になりつつある.FESは,上肢用では手指把持動作再建,下肢用では麻痺性内反尖足・下垂足の歩行再建などが可能であり,表面電極システムを中心に臨床的に十分利用可能な実用的な製品がある.今後は費用面での患者家族負担が軽減されるよう,公的支援の拡充に期待したい.

  • 越智 光宏, 加藤 徳明, 佐伯 覚, 蜂須賀 研二
    2017 年 54 巻 8 号 p. 570-573
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    機能的電気刺激の慢性期脳卒中片麻痺下肢に対する効果を考える際には,効果を時系列と,機能的電気刺激の装着の有無により,即時効果,訓練効果,治療効果,複合効果の4つに分けて考えるとよい.本稿では3つの多施設共同無作為化前向き比較研究に関して10 m歩行試験を中心に検討した.4つの効果ともにそれぞれ臨床的に意味があるが,AFOと比較し有意とはいえなかった.現状では脳卒中片麻痺でfoot dropを呈する患者に対し,機能的電気刺激を用いるとAFOと同等の歩行能力の改善が得られるといえる.今後は,効果のメカニズムの検討や病態に応じた機能的電気刺激とAFOの使い分けを検討した報告が望まれる.

  • 藤原 俊之
    2017 年 54 巻 8 号 p. 574-578
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    Hybrid Assistive Neuromuscular Dynamic Stimulation(HANDS)therapyは,脳卒中片麻痺患者における上肢機能を改善させる目的に開発された新たな治療法で,随意運動介助型電気刺激装置と上肢装具を1日8時間装着し,3週間行う治療である.中等度~重度の上肢麻痺において有意な上肢機能の改善ならびに日常生活での実用性を改善させることが可能である.機序に関しても脊髄相反性抑制の改善,運動野皮質内抑制の脱抑制などが電気生理学的に確認されている.近年は外来でのプログラムも開発され,またbrain machine interfaceとの併用により,重度片麻痺患者においても実用性の改善が認められている.

  • 天野 暁, 道免 和久
    2017 年 54 巻 8 号 p. 579-582
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    脳卒中リハビリテーションの歴史の中でも強いエビデンスを有するconstraint-induced movement therapy(CI療法)に電気刺激が併用されたのは,対象症例におけるさらなる機能改善や元来のCI療法適用基準外症例(より重度な麻痺を呈した症例)への適応を目指したためである.実際に併用されている「電気刺激」は,経頭蓋直流電気刺激(tDCS)と筋電誘発電気刺激(ETMS)が多く,慢性期脳卒中患者に対しては,臨床運動機能評価における改善が比較群と比べて介入前後で大きくなる傾向があることを示している点において結果は統一的である.

  • 下堂薗 恵, 野間 知一, 宮田 隆司
    2017 年 54 巻 8 号 p. 583-586
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    促通反復療法は,促通手技による意図した運動の実現とその集中反復により運動性下行路の再建,強化を目指した新たな運動療法で,主に軽度から中程度の片麻痺に対して良好な治療成績が得られている.一方,重度麻痺や痙縮などのために麻痺肢の随意性が低い場合,促通反復療法と他の治療法との併用療法が重要となる.われわれは低振幅の持続的低周波電気刺激と促通反復療法との同時併用,すなわち,わずかに筋収縮を生じる程度の神経筋電気刺激下に促通反復療法を行う方法を考案し,特に中重度の片麻痺に対して応用している.本法は患者の麻痺の程度や回復段階に応じて電気刺激強度を調整することで促通反復療法の適応を広げることが可能と考えられる.

  • 加賀谷 斉, 藤村 健太
    2017 年 54 巻 8 号 p. 587-589
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    ボツリヌス療法は局所の痙縮の抑制を目的として行われる治療法であり,本邦では四肢痙縮に対して広範に使用可能である.また,痙縮の抑制には電気刺激も用いられており,「脳卒中治療ガイドライン2015」においても,両者の記載がみられる.ボツリヌス療法と電気刺激を併用するときには,①ボツリヌス療法の痙縮抑制効果をさらに増強させる,②ボツリヌス療法により痙縮を抑制し,電気刺激によって筋力増強,機能改善を目指す,③①と②の両者を目指す,の3通りが考えられる.電気刺激の併用によりボツリヌス療法の痙縮抑制効果は増強するようであるが,まだ十分なエビデンスがあるとは言い難いのが現状である.

  • 木村 浩彰, 三上 幸夫, 牛尾 会, 澤 衣利子, 上田 健人
    2017 年 54 巻 8 号 p. 590-595
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    リハビリテーション医学は物理療法(physical therapy)とともに発展してきた.電気刺激療法は物理療法の1つである.電気刺激療法は骨格筋に対して最初に臨床応用され,治療と機能回復に用いられている.治療を目的とした治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation:TES)と,機能回復を目的とした機能的電気刺激(functional electrical stimulation:FES)は厳密に区別される.電気刺激療法は,筋力増強や鎮痛,麻痺筋の機能制御などに使用されるが,運動障害以外にも創傷治癒促進や排尿機能改善,嚥下機能改善に用いられる.また,筋肉を刺激することで疑似的に運動した効果が得られ,糖や脂質代謝を活性化し,肥満や糖尿病,サルコペニア,寝たきり患者にも適応が拡大されている.

  • 山西 友典, 加賀 勘家, 加賀 麻祐子, 布施 美樹
    2017 年 54 巻 8 号 p. 596-600
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    下部尿路機能障害に用いられる電気刺激療法(神経変調法:neuromodulation)には,骨盤底電気刺激療法,干渉低周波療法,体内植え込み式の仙骨神経電気刺激法などがあるが,本邦では,干渉低周波療法に保険適用がある.電気刺激療法のメカニズムは,腹圧性尿失禁に対しては,骨盤底筋群の収縮性の増強,切迫性尿失禁に対しては,主に仙髄領域の求心路刺激による排尿反射の抑制によると考えられている.電気刺激療法の尿失禁に対する有効性は,治癒30~50%,改善60~70%と報告され,dummy(プラセボ)装置を使用した二重盲検試験によりその有効性も裏づけられている.非侵襲的な刺激法として,磁気刺激療法が開発され,2014年に保険適応となった.仙骨神経電気刺激法は,侵襲的であるが,難治性の過活動膀胱の治療として注目されており,保険適用となる予定である.

教育講座
連載 参加してためになる国際会議
原著
  • 野口 翔平, 玉置 昌孝, 中道 哲朗, 鈴木 俊明
    2017 年 54 巻 8 号 p. 618-626
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    目的:立位での一側下肢への側方体重移動における腰背筋群・足部周囲筋の役割を解明する目的で,側方移動中の姿勢変化と腰背筋群・足部周囲筋の筋活動パターンを検討した.

    方法:対象は健常男性24名(24.3±2.6歳).直立位から2秒間で側方移動させ,そのときの足底圧中心(COP)と両側多裂筋・腸肋筋・最長筋,移動側足部内反筋群・腓骨筋群の筋電図波形,ビデオ画像を計測した.

    結果:骨盤は水平移動した後,COPの移動側変位途中から非移動側挙上を生じた.下肢では側方移動に伴い移動側足部回内による下腿の外側傾斜を生じた.このとき,COPが移動側へ変位する途中から非移動側多裂筋・腸肋筋・最長筋,移動側足部内反筋群・腓骨筋群の筋活動が増加した.

    結論:非移動側多裂筋・腸肋筋・最長筋は骨盤非移動側挙上に対する胸腰部非移動側側屈に関与した.このとき,足部内反筋群・腓骨筋群は足底接地した状態での足部回内に関与した.

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