目的:重度変形性膝関節症(膝OA)患者における,歩行時の膝関節周囲筋の筋活動と拮抗筋の同時収縮指数(co-contraction index:CCI)の特徴について解析を行い,膝関節の疼痛との関係について検討した.
方法:膝OA患者11名のKellgren-Lawrence分類でⅢまたはⅣ度である13膝を対象とした.快適歩行における内側広筋,外側広筋,半腱様筋,大腿二頭筋の平均筋活動とCCIを算出した.膝関節の疼痛は,numerical rating scale(NRS)を用いて測定を行った.平均筋活動,膝関節内側および外側の平均CCIとNRSとの関係を,Spearmanの順位相関係数により検定した.
結果:NRSと立脚後期での大腿二頭筋の平均筋活動(r=-0.61,p<0.05),外側平均CCI(r=-0.582,p<0.05),内側平均CCI(r=-0.596,p<0.05)にそれぞれ負の相関を認めた.
結論:歩行時の膝OA患者に特徴的な膝関節周囲筋のCCIの増大は,歩行時の疼痛と負の相関関係があった.
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