目的:変形性膝関節症(膝OA)患者の歩行異常性に関する観察項目の内容妥当性を検討したうえで,それらの項目と三次元歩行解析データとの基準関連妥当性および再検査信頼性を検証することを目的とした.
方法:歩行異常性の項目プールを作成し,評定を三件法とした.内容妥当性は膝OAの有識者4名から意見を得て精査し,3名以上が同意した内容を検討項目とした.各項目の基準関連妥当性は三次元歩行解析装置にて検討し,再検査信頼性は同一対象者を2回評価した際の一致率から検討した.
結果:観察による歩行異常性の項目として11項目の内容妥当性を吟味し得た.そのうち,8項目が三次元歩行解析データと関連する傾向を示した.信頼性の検討では,8項目が0.61を超える結果となった.
結論:観察による歩行異常性評価は三次元歩行解析データとの基準関連妥当性および再検査信頼性を備えることから,膝OAの特異的な歩行動態を評価できる可能性がある.
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