The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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57 巻, 5 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
特集『ロボットリハビリテーション治療up date』
  • 越智 光宏, 佐伯 覚
    2020 年57 巻5 号 p. 382-386
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    高齢社会を背景に訓練支援ロボットの開発は国内外で加速度的に進んでいる.多種多様な訓練支援ロボットを理解するためには,ロボット自体の「構造」と,目的となる「動作」,実際に動かす関節の「運動」に分けて考えるとよい.訓練支援ロボットの特徴は,決まった「動作」を設定した「運動」で,療法士の負担を少なく十分な量を反復して安全に行えることである.理学療法・作業療法と併用しロボットで得られた改善を生かすことが必要である.効果のエビデンスは少しずつ構築されており,併用療法も含め今後の発展が期待できる.臨床に導入していくうえではより適応を広げ,簡便に操作できることが求められている.

  • 浅見 豊子, 北島 昌輝, 村田 和樹, 牟田 隆則, 田中 玲
    2020 年57 巻5 号 p. 387-391
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    近年の少子高齢化により,2025年には超高齢社会を迎えるといわれている.その中で,医療分野や介護分野において,リハビリテーションロボットをいかに取り入れていくかが課題となる.さまざまな種類のリハビリテーションロボットがあるとはいえ,1つのロボットが万能ではなく,各種ロボットの特徴を十分に理解したうえで使用する必要がある.それにより,ロボットがリハビリテーション治療のツールとして,リハビリテーション治療の効果と効率を上げ,医療経済的なメリットをもたらし,社会的意義がさらに高まることを期待している.

  • 平野 哲
    2020 年57 巻5 号 p. 392-398
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    脳卒中患者で下肢麻痺が中等度以上である場合には,麻痺の完全な回復は困難であり,装具や歩行補助具を用いた歩行再建が現実的な目標であることが多い.道具を使った新しい歩容を修得する過程では運動学習が起こるため,効果の高い歩行練習とは,運動学習を促進させる歩行練習であるといってよい.したがって,歩行練習を支援するロボットにも,運動学習を促進する機序が必要であり,医療者もこのことを理解してロボットを活用する必要がある.本稿では,運動学習を促進する工夫を備えたロボットについて,ウェルウォークを例に説明する.ロボットを用いた歩行練習のエビデンスや今後の展望についても言及する.

  • ―臨床におけるロボティクス活用の意義―
    河島 則天, 愛知 諒, 緒方 徹
    2020 年57 巻5 号 p. 399-403
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    神経可塑性(plasticity)は機能改善や運動学習の根本原理であり,リハビリテーション臨床ではこの原理理解に基づいた動作様式や介入手法の選択,プロトコルの構築を行うことが重要である.本稿では脊髄損傷者の歩行機能改善をトピックとして,リハビリテーション領域におけるロボティクス活用の意義を概説する.前半は神経可塑性の原理や歩行の神経制御を整理したうえで,ロボットによる身体動作の補助や繰り返しの動作反復がもたらす意義と効果を解説する.後半は脊髄損傷者に対する歩行リハビリテーションの実践例を挙げ,ロボティクス活用によって想定される利点や課題について述べる.

  • 小林 龍生
    2020 年57 巻5 号 p. 404-408
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    運動器疾患の診療にもロボットが導入されつつある.人工関節手術ロボットは術者の技量によらず術前計画通りの手術を可能にする.リハビリテーションにおいても療法士の技量にかかわらずよいリハビリテーションを可能にするロボットが期待される.Honda歩行アシストは歩行練習に際し,療法士の技量にかかわらず,微妙な股関節の可動域の変化を数値として表示し,微妙なアシストを加え,動きの悪い患側の股関節の動きを健側とほぼ同じ動きに誘導する歩行練習が可能で有用性が期待できる.また,慢性期歩行障害患者の歩行速度,歩幅の改善にも有効であり,ロコモティブシンドロームやサルコペニアのリハビリテーションへの応用も期待される.

  • 中島 孝
    2020 年57 巻5 号 p. 409-414
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    装着型サイボーグロボットHAL(HALはCYBERDYNE社の商標)による歩行運動療法には今まで機能改善が不可能と考えられてきた進行性の神経筋疾患に対する歩行改善効果があることが,治験により検証され,診療報酬点数が適用された.本機器は他のリハビリテーションロボットと異なりサイバニクス技術により開発されている.その原理の特徴と神経筋疾患に対する機能回復のポイント,アンチセンス核酸医薬などの疾患修飾薬との複合療法の可能性について今後の展望をまとめた.

  • 内山 侑紀, 道免 和久
    2020 年57 巻5 号 p. 415-420
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    上肢リハビリテーション支援ロボット(以下,上肢ロボット)の開発と実用化が近年急速に加速し,治療のエビデンスも徐々に増加しその効果が期待されている.上肢ロボットによる治療は,脳の可塑性を誘導するための訓練課題の繰り返し回数を確保できる点において,従来のリハビリテーション治療より優れているといえる.しかしながら,上肢ロボット治療が上肢活動の改善につながるかどうかは今後の重要な検討課題である.運動学習理論を応用したCI療法をベースに上肢ロボット治療をはじめとした各種治療を複合的に併用することで,上肢活動の日常生活への汎化を含めた上肢機能再建が可能と考えられる.

  • 近藤 和泉, 尾崎 健一, 大沢 愛子
    2020 年57 巻5 号 p. 421-424
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    ジャーナル フリー

    現在,日本では約462万人の認知症患者が存在し,2025年には約700万人に達すると推計されている.認知症に対する非薬物療法である回想法は,その効果のエビデンスが積み上げられつつあるが,長時間の会話や個人史の把握などが必要であり,人工知能を装備したロボットの適用の可能性が検討されつつある.また,認知症の発症および進行のリスク要因である身体的不活動にも,運動をサポートするためのロボットの適用が試みられている.認知症に対するAIおよびロボットの活用範囲は今後さらに広がっていくものと予想され,最終的には機能の高いAIが認知症患者のパートナーとなるようなロボットが幅広く適用されていくものと考えられる.

教育講座
連載 英語論文の書き方―誰も教えてくれなかったコツ―
原著
  • ―離島を多く抱える地域での療育―
    岡野 邦彦, 穐山 富太郎, 川口 幸義, 山口 和正, 二宮 義和, 岡本 義久
    原稿種別: 原著
    2020 年57 巻5 号 p. 456-467
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    [早期公開] 公開日: 2020/05/14
    ジャーナル フリー

    目的:1954年,長崎県の県央地区に肢体不自由児施設,整肢療育園が開設され,翌年から施設職員が県下各地域に出向き,地域の療育関係者の相談に応じる巡回療育相談が開始された.開始から62年継続している本事業に関して,現在までの変遷を調査した.

    方法:巡回療育相談に出向いた地域数およびその回数,相談件数を調査した.現存する資料を調べ,過去の巡回療育相談と現在のそれとを比較した.考察に必要な歴史的背景に関しては共同著者を中心に,また各地域での本事業の受け止め方に関しては,巡回療育相談に出向いた際,現地保健師から直接聞き取りを行った.

    結果と考察:調査可能であった期間は36年で全期間の58%であった.1980年代は15カ所であった訪問地域数は,離島を中心とした5カ所に減少していた.相談件数は最も多かった1985年と比較して1/5程度となっていた.地域に出向いた回数に大きな変化はなかった.

症例報告
  • 岡田 貴士, 門野 泉, 金野 鈴奈, 杉山 純也, 菱田 愛加, 西田 佳弘, 杉浦 英志
    原稿種別: 症例報告
    2020 年57 巻5 号 p. 468-473
    発行日: 2020/05/18
    公開日: 2020/06/13
    [早期公開] 公開日: 2020/05/14
    ジャーナル フリー

    Introduction:Respiratory failures are categorized into types I and II. To our knowledge, we report the first case of pulmonary rehabilitation in a patient with systemic sclerosis/polymyositis overlap syndrome who developed type II respiratory failure.

    Methods:The patient was a 77-year-old woman who had received treatment for systemic sclerosis and polymyositis at another hospital. When she visited our hospital to obtain a second opinion, she suddenly lost consciousness and underwent trachea intubation because of typeⅡrespiratory failure. She received physical therapy on the third day of hospitalization and underwent a tracheotomy on the 16th day. As her thoracic movement was markedly restricted, we started physical training. After she was weaned off from the ventilator on the 43rd day, we performed muscular strength training and aerobic exercise. No exacerbation of CO2 storage was observed even if chest motion training was performed. She was discharged on the 72nd day and advised to wear retina®.Administration of therapeutic drugs such as steroids was maintained at the same dose.

    Conclusion:Physical therapy, such as chest mobilization, was effective for marked restriction of chest movement in a patient who had both polymyositis and systemic sclerosis.

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