症例は31歳女性.喘鳴を主訴に近医を受診した.経気管支生検やPET-CTで肺門部扁平上皮癌(cT2aN2M1c, stage ⅣB),WHSC1L1-NUTM1融合遺伝子陽性と診断された.骨転移による腰背部痛で緊急入院し,カルボプラチン(carboplatin),アルブミン懸濁型パクリタキセル(nanoparticle albumin-bound paclitaxel),ペムブロリズマブ(pembrolizumab)療法を開始した.腫瘍はいったん縮小したが2コース目開始前に再増大と全身状態の悪化により,治療開始から1ヶ月で死亡した.肺nuclear protein in testis(NUT)癌は予後不良であり文献的考察を交えて報告する.
抄録全体を表示