日本胸部疾患学会雑誌
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22 巻, 12 号
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  • 富田 正雄
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1063-1064
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • とくに高地肺水腫について
    草間 昌三, 渡辺 昌平
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1065-1115
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 杉山 幸比古, 工藤 翔二, 浦部 晶夫, 北村 諭, 高久 史麿
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1116-1121
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    びまん性汎細気管支炎 (DPB) は特長ある臨床像で近年注目を集めている疾患である. このDPB患者では慢性副鼻腔炎が多くみられ, 寒冷凝集素価の高値, HLAの検討によりBw54を高率に保持する事等から免疫学的異常・体質性素因に基づく疾患である可能性が示唆されている. そこで免疫学的異常解析の一端としてDPB患者の末梢血リンパ球のサブセットを, Leuシリーズ・モノクローナル抗体を用いて検討した. Leu-1,4,7,10, HLA-DRには異常が認められなかったが健常人と比較して, Leu-2a陽性細胞%は有意に低下, Leu-3a/Leu-2a比も有意に上昇した. エリスロマイシンによる効果的な治療により, サブセットの異常は改善, 健常人に近付く傾向があり, また副鼻腔気管支症候群でも同様のサブセットの異常がみられた事より, これらの異常は存在する慢性気道感染による二次的な影響である可能性が考えられた.
  • 健常者の血中6-keto PGF, thromboxane B2, 過酸化脂質におよぼす喫煙の影響
    石原 陽子, 北村 諭, 千治松 洋一, 本間 日臣
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1122-1126
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    健康成人29名に喫煙負荷実験を行った所, 1日当りの喫煙量と血中6-keto PGF, TxB2, 過酸化脂質量との間には相関はなかった. 喫煙者群では19例中11例で喫煙負荷後に過酸化脂質が増加する傾向を示したが非喫煙者群では一定傾向を示さなかった. また血漿中6-keto PGF値は, 非喫煙者群では1例を除く全例で喫煙負荷後上昇したが, 喫煙者群では一定傾向を示さなかった. 血漿TxB2値は, 非喫煙者群では喫煙負荷後に全例が上昇を示した. 一方, 喫煙者群のうち“shallow”群では喫煙負荷により9例中8例でTxB2値の上昇を認めたが,“deep”群では逆に低下した. 喫煙負荷前の血漿TxB2値は, 非喫煙者群に比し“deep”群で有意に高値を示した. 以上の実験成績より, 喫煙の急性効果として, 血中TxB2, 6-keto PGF, 過酸化脂質などの液性因子の変動が起ることが解明された.
  • 拡大末梢肺動脈造影による検討
    右田 礼二郎, 今村 俊之, 江良 修, 宮原 嘉之, 田川 秀樹, 久保 進, 福井 純, 古賀 秀隆, 原 耕平
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1127-1133
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    慢性肺疾患患者92例に拡大末梢肺動脈造影を施行した. 7Fバルーンカテーテルを肺動脈に楔入させ, 76%ウログラフィン6ccを自動注入した. 平均拡大率は2.43倍であった. 読影は主にCBGの変化を中心にI-IV型に分類を試み, 疾患特異性, 血液ガス, 肺動脈圧, 肺機能と対比検討した結果: 1) 慢性肺気腫ではIII型が肺線維症ではIV型が他の慢性肺疾患に比し多い傾向を示した. 2) 肺動脈平均圧はI型に比しIII型において有意に高く, PaO2はI型に比し, II, III型において有意に低い傾向を示したが, II, III型間には差を認めなかった. 3) 肺機能との対比では, 混合性障害ではII型を示す例が多かった. 以上よりタイプ分類は, ある程度疾患特異性をもち, また慢性肺疾患の病態の重症度を把握することが可能と思われれた.
  • 経気管支肺生検法を主としての検討
    石崎 武志, 宮保 進, 越野 健, 藤村 政樹, 岡藤 和博, 南 真司, 金森 一紀, 佐賀 務, 舟田 久, 原田 実根, 服部 絢一 ...
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1134-1141
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    血液疾患患者34例に合併した肺病変の同定と, それに基づく適切な治療を期するため, 著者らは経気管支肺生検 (TBLB), 開胸肺生検 (OLB), 経皮肺生検や気管支肺胞洗浄法 (BAL) を施行した. その際, 血小板数5.0×104/mm3未満例では前もって血小板輸注を, 動脈血酸素分圧60torr以下例では酸素吸入を併用した. 肺生検法での診断と臨床的に疑われた病変との一致率は16/34例 (P. carinii 肺炎4/6, 真菌性肺炎1/4, 細菌性肺炎0/6, 間質性肺炎11/18) であった. 間質性肺炎のうち4例は起炎菌を生検法で確認した. (P. carinii 3と Cytomegalovirus1). TBLB時BALを試みた2例ではBAL液から Cytomegalovirus を分離した. 肺生検によって3例に少量出血を, 2例に気胸を認め, OLB1例に致死的副作用を認めた. 結論として, 生検検査法の危険性と, これらの方法による診断と適格な治療開始という面を考え合わせ, 著者らは, この種の血液疾患患者に合併した肺病変を初期に診断するため, 積極的な肺生検法を勧める.
  • 中村 達雄, 住友 伸一, 蕭 金寶, 滝 俊彦, 光岡 明夫, 田村 康一, 渡部 智, 和田 洋己, 伊藤 元彦, 人見 滋樹, 黄 正 ...
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1142-1146
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    先天性心膜欠損症は, 比較的まれな奇形であり, 無症状であることが多いため文献的には胸部手術の際, 偶然発見された報告がほとんどである.
    今回著者らは両側の気胸をおこした35歳男性の肺嚢胞症患者に対して, 胸骨正中切開で一期的に縫縮手術を行なった際に左心膜完全欠損の合併をみとめた. 左側完全欠損症であり, 心臓脱の危険はなかったため, 心膜補填はせず放置した. この症例に文献的考察を加えて報告する.
  • 堀越 裕一, 花島 恒雄, 森田 武子, 白石 透, 千葉 保之, 石井 周一, 本内 正雄, 室田 欣宏, 福田 千文, 大塚 俊通, 早 ...
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1147-1153
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺ムコール症は, 日和見感染として発症し, 診断は困難で, 予後不良である. 糖尿病のコントロール不良であった51歳男性に, 頭痛, 発熱, 咳とともに右中肺野に浸潤影が出現した. 抗生剤にて臨床症状は改善したにもかかわらず, 陰影は増大した. 喀痰の検索では病原体を認めなかった. 気管支擦過細胞診で幅広く, 胞隔のない菌糸が多数みられ, 肺真菌症の診断にて右下葉を切除した. 組織学的検査で肺血管内にグロコット陽性の特有な菌糸が顕著に認められ, 肺ムコール症と診断された. さらに螢光抗体染色を実施し, Mucorales の存在が確認された. 肺ムコール症はまれな疾患ではあるが, compromised host において抗生剤に反応しない陰影を認める場合に, 常に本症の存在を念頭におき喀痰の検索を丹念に進めるとともに, 気管支擦過細胞診を行えば, 術前に臨床診断が充分可能であると考えられる.
  • 三笠 桂一, 澤木 政好, 堅田 均, 宮崎 隆治, 成田 亘啓, 三上 理一郎, 東口 隆一, 小西 陽一, 北川 正信
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1154-1159
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は46歳の男性. 20歳より12年間の石綿曝露歴をもつ. 30歳時, 石綿肺と診断され, 42歳時, 左胸膜炎, 43歳時右胸膜炎をきたし, 45歳時, 左結核性膿胸を合併し, 呼吸不全で死亡した. 剖検では, 両側の著明な胸膜肥厚, および肥厚斑と, 肺線維症, 左結核性膿胸が確認された. 石綿に伴う胸膜病変は以前から注目されているが, 本例の如く, 多彩な胸膜の変化を呈した症例は少なく, 若干の文献的考察を加え, 報告した.
  • 神頭 徹, 望月 敏弘, 乾 健二, レシャード カレッド, 和田 洋己
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1160-1164
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    39歳女性の, 肺胞蛋白症と肺結核症の合併した一例を報告した. 術前, 肺結核症の合併を診断しえず, 気管支肺洗浄施行後, 肺胞蛋白症は改善したが, 肺結核症は増悪した.
    現在までの文献的報告をあわせて考えると, このような合併例に対しては, 肺結核症自体の治療としても, 抗結核剤投与下の気管支肺洗浄法が必須なものと思われる.
  • 井内 敬二, 沢村 献児, 森 隆, 橋本 聡一, 中村 憲二, 李 龍彦, 水田 隆俊, 一宮 昭彦, 明石 章則, 山本 暁
    1984 年 22 巻 12 号 p. 1165-1169
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    70歳, 男性. 昭和22年頃, 肺結核に対して人工気胸を受けた. 今回, 胃潰瘍の為入院治療中, 左膿胸を発症した, 胸腔洗浄で細菌は陰性化したが, 胸水の細胞診で度々PAP class IVが検出された. 胸部レ線, CTで壁側胸膜の進行性の腫瘍性肥厚がみられ, 開胸で非ホジキンリンパ腫と診断された. 多剤併用化学療法が有効で生存中である.
  • 1984 年 22 巻 12 号 p. 1170-1174
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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