健康成人29名に喫煙負荷実験を行った所, 1日当りの喫煙量と血中6-keto PGF
1α, TxB
2, 過酸化脂質量との間には相関はなかった. 喫煙者群では19例中11例で喫煙負荷後に過酸化脂質が増加する傾向を示したが非喫煙者群では一定傾向を示さなかった. また血漿中6-keto PGF
1α値は, 非喫煙者群では1例を除く全例で喫煙負荷後上昇したが, 喫煙者群では一定傾向を示さなかった. 血漿TxB
2値は, 非喫煙者群では喫煙負荷後に全例が上昇を示した. 一方, 喫煙者群のうち“shallow”群では喫煙負荷により9例中8例でTxB
2値の上昇を認めたが,“deep”群では逆に低下した. 喫煙負荷前の血漿TxB
2値は, 非喫煙者群に比し“deep”群で有意に高値を示した. 以上の実験成績より, 喫煙の急性効果として, 血中TxB
2, 6-keto PGF
1α, 過酸化脂質などの液性因子の変動が起ることが解明された.
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