日本胸部疾患学会雑誌
Online ISSN : 1883-471X
Print ISSN : 0301-1542
ISSN-L : 0301-1542
22 巻, 11 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 米山 武志
    1984 年 22 巻 11 号 p. 951-952
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 田中 満
    1984 年 22 巻 11 号 p. 953-960
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    1-2mm以下の末梢気道を臨床的に十分に満足しえる程度に観察・撮影することが出来る新型の極めて細い気管支ファイバースコープ (BF-1.8T) を開発した. その, BF-1.8Tを使用して150例中, 臨床的に, 病理学的に, 細気管支炎, 間質性肺炎, 肺気腫, 気管支喘息, 塵肺と診断された症例の1-2mm以下の末梢気道を観察, 撮影して新しい知見をえたので報告する.
  • 粘液線毛輸送機構の臨床的検討
    伊藤 新作, 三上 理一郎, 龍神 良忠, 今井 照彦, 大貫 雅弘, 成田 亘啓
    1984 年 22 巻 11 号 p. 961-969
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    視覚的, 動的に気道内粘液の動きを観察できるエロソール吸入シネシンチグラフィを用い, 粘液線毛輸送機構, 咳と痰の動態, および薬剤効果について検討した. 正常例では, エロソールは bolus となって主気管支~気管上を速やかに上行したが, 疾患群では多彩な bolus 移動の異常を示した. bolus 移動の障害の程度は疾患により異る傾向を示し, 特に急性呼吸器感染症, DPBでは最も高度であった. アトピー型気管支喘息では非発作時は正常, 発作時は異常を示した. また1日痰量の多い程 bolus 移動は悪化した. 咳による bolus 移動は1日痰量が中等で, bolus 気管分岐部付近に停滞する例で最もよくみられた. 咳による bolus 移動は排出, 上行→停止, 上行→逆流 (迷入) に大別され, 排出効果は bolus が喉頭に近い程良く, 閉塞性換気障害の強い疾患程悪かった. テルブタリンにより, 正常例では粘液線毛輸送機構の促進がみられた.
  • 長尾 光修, 平岡 仁志, 内山 照雄, 杉山 比, 蜂須賀 久喜, 安部 幹雄, 堀江 孝至, 岡安 大仁
    1984 年 22 巻 11 号 p. 970-978
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    Capacitance pneumograph (cp) は被検者を不関電極とし, 被検者の胸腹壁上の一定距離に配置した面積一定の関電極との間に生ずる静電容量変化を5KHz・30V(P-P)の搬送波を印加した容量ブリッジ回路で検出する装置である. 両電極間の静電容量は呼吸運動に伴う不関電極 (被検者) の表面積や距離の変動に伴って変化し, その変動値は同時に測定した Benedict Roth spirometer との間に強い正の相関を認めた (r=0.9). 本装置の特徴は calibration 時以外にマウスピース等の付加物を必要とせず無侵襲性であること, アース電極で測定領域を分画出来ることそしてその周波数特性の良い事などである. それらの特徴を利用して, 長時間の換気モニター, 高頻度人工呼吸時の換気量測定さらに左右別あるいは胸腹の分離測定が可能となる. 本装置は体動を呼吸として測定したり calibration を必要とするがその特徴を良く理解し通常の測定器で不可能な換気量測定に応用されるべき装置と考えられる.
  • 山本 宏司, 鈴木 章彦, 西村 正治, 岸 不盡彌, 川上 義和
    1984 年 22 巻 11 号 p. 979-984
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    低酸素換気応答の3つの評価法((1) VE=VO+A′/(PAeO2-C), (2) VE=VO+A/(PAeO2-32), (3)ΔVE/ΔSaO2) を32人の健康人 (平均年齢36±SD 12.2歳, 男性21人, 女性11人) を対象にして比較検討した. さらに, A, A′およびCの再現性を検討するために6人の健康人 (平均年齢25.5±1.0歳, 全て男性) を対象に2週間の間隔で3回の低酸素換気応答を行なった. ΔVE/ΔSaO2とAは極めて強い相関関係 (r=-0.790, <0.001) があったが, ΔVE/ΔSaO2とA′の相関関係 (r=-0.537, p<0.01) はやや低かった. A′とCは負の相関関係 (r=-0.735, <0.001) があった. A, A′およびCの変動係数はそれぞれ, 18.5±17.8%, 58.4±35.5%, 16.1±14.6%であった. これらの成績から, ΔVE/ΔSaO2およびAはA′に比較してより信頼性の高い低酸素化学感受性の指標と考えられた.
  • 主にエピネフリンの影響について
    本島 新司, 牧野 荘平, 福田 健, 池森 亨介, 戸田 正夫, 山井 孝夫, 山田 吾郎, 湯川 龍雄, 志田 寿夫
    1984 年 22 巻 11 号 p. 985-991
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺胞実質系導管部を含む気道収縮の可能性を調べる目的で, 気管支喘息患者に選択的肺胞気管支造影を行い, エピネフリン投与による形態的変化と肺機能上の変化の関係を検討した. 肺胞道または呼吸細気管支と考えられる輪状陰影の直径は, エピネフリン投与により336±65μm (平均±SD) から358±60μmに有意 (<0.05) に増加した. 輪状陰影直径を全肺気量で除した値と1秒率の間, およびエピネフリンによる輪状陰影直径増加率と1秒量増加率の間には有意な相関は認められなかった. エピネフリンによる中枢気管支内径増加率と1秒量増加率の間には有意 (rs=0.80, <0.01) な相関が認められた. これらの結果は, 平滑筋のれん縮が中枢気管支のみならず肺胞実質系導管部においても生じることを示唆している. 1秒量は主に中枢気管支により規定されていると思われた. 末梢気道の形態と肺機能の関係を明らかにするためには, 更に詳細な肺機能検査を用いた検討が必要であろう.
  • とくに本症におけるTリンパ球サブセットの解析
    吉村 邦彦, 内田 好彦, 中谷 龍王, 蝶名林 直彦, 中森 祥隆, 中田 紘一郎, 谷本 普一
    1984 年 22 巻 11 号 p. 992-999
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    びまん性汎細気管支炎 (DPB) 30例をP. aeruginosa 未感染群, P. aeruginosa 感染群, P. aeruginosa 感染コルチコステロイド (CS) 治療群の3群に分け, 寒冷凝集素価 (CHA), 免疫グロブリン (Ig), ツベルクリン反応(ツ反), 末梢血リンパ球サブセットなどの免疫学的検討を行った. CHAは起炎菌, CS投与に拘らず大半が256倍以上である. IgではIgAが各群で異常高値を示すが, とくにP. aeruginosa 感染群で未感染群に比し有意に高い(<0.05). DPBにおけるツ反陽性率はCS投与群で33.3%と低率であるが, 他の2群では62.5%および81.2%(両群で75.0%), 全体でも66.7%であり, 本症で特異的にツ反が陰性化するとは言えない. 末梢血リンパ球数はCS投与群を除き健常者とかわらず, T, Bリンパ球分画も正常であるが, Tリンパ球サブセットではOKT4+増加とOKT8+減少が認められ, OKT4/OKT8比は有意に高値である. DPBでは, その発症および進展に免疫学的機序の関与が示唆される.
  • モルモット血中ヒスタミン, セロトニン, ACE活性値におよぼすたばこ煙の効果
    北村 諭, 石原 陽子, 千治松 洋一, 本間 日臣
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1000-1003
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    モルモットを用い, 血液中の血管作動性物質とくにヒスタミン, セロトニン, angiotensin converting enzyme (ACE) 活性値におよぼすたばこ煙と低酸素血症の急性効果について検索した. 血漿中ヒスタミン値は, たばこ煙負荷により有意に上昇したが低酸素負荷では不変であった. 血漿中セロトニン値は, たばこ煙負荷により有意に上昇したが, 低酸素負荷では不変であった. 一方, 血清中ACE活性値は, たばこ煙負荷により上昇する傾向を示したが有意ではなく, 低酸素負荷では不変であった. 以上の実験成績から, 短時間の喫煙でも血中の液性因子が変動する可能性が示唆された.
  • 白日 高歩, 田中 英徳
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1004-1011
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    131例の肺癌手術例を対象として組織CEAの染色を行ない組織型別, 分化度別の比較を行なった. 染色法は酵素抗体法(PAP法)を利用し一部に最近注目されているABC法を併用した. 組織型別では腺癌においてCEA染色度が強く, 特に高分化型ではその傾向は顕著であった. 扁平上皮癌でも陽性所見が得られたが腺癌に比すると弱く, 角化部, 壊死傾向の強い部分を中心として染色された. 全例において術前に血漿CEA, また一部症例に術中肺癌組織からの組織CEAの定量を行ない上記CEA染色との対比を行なったが, 血漿CEA, 組織CEAの値の高いものではCEA染色性も強く出現した. しかし血漿CEAと染色度が必ずしも平行しない症例もありこの事は癌が脈管内に侵入していない場合の現象と推察された.
  • 吉村 邦彦, 中谷 龍王, 中森 祥隆, 蝶名林 直彦, 立花 昭生, 中田 紘一郎, 岡野 弘, 谷本 普一
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1012-1020
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪に関する臨床的諸問題を検討した. 当院の本症急性増悪35例43回の検討成績は 1) 発症から急性増悪までの期間は平均4.8年である. 2) 主な誘因は呼吸器感染症, コルチコステロイド減量, 開胸術の順である. 3) 増悪時全例で胸部Xp上間質性陰影増強, PaO2低下が認められ, 特に増悪前後で有意に血清LDH活性が上昇し, PaO2およびPaCO2が低下した (ともに<0.001). 4) 治療上コルチコステロイドが95.1%の症例に投与されたが, 全急性増悪の81.4%, 対象症例の97.1%が増悪後平均31.5日で死亡し, 本症の急性増悪の転帰はきわめて不良であった. 以上の結果から以下の急性増悪の診断基準を作成した. 1) 呼吸困難増強, 2) crackle ラ音 (Velcro ラ音) 聴取範囲の拡大, 3) 胸部Xp上間質性陰影の増強, 4) 同一条件下でPaO2 10torr以上の低下, 5) 血清LDH活性上昇: 1)-3) の全てと 4), 5) いずれか少なくとも一方を満す場合を本症の急性増悪と診断する.
  • 宮崎 幸重, 重野 秀明, 朝長 昭光, 河野 茂, 神田 哲郎, 浅井 貞宏, 広田 正毅, 斉藤 厚, 原 耕平, 綾部 公懿, 富田 ...
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1021-1026
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    62歳の男性. 25年間のアスベスト暴露の職歴があり, 昭和57年5月8日, 胸痛と右血性胸水の精査の目的で第1回目の入院となる. 右下肺の無気肺があり, 胸膜剥離術を含め種々の検査を行ったが確診は得られなかった. 術後経過は良好であったが, 昭和58年1月26日胸痛と左血性胸水を認めたため当科へ再入院した. 呼吸困難もなく捻髪音は聴取されず, 胸部レントゲンでも下肺野の線維症の所見は軽度で, 肺機能の低下も著明ではなく, 診断に苦慮した. しかし, 喀疾細胞診にて, アスベスト小体が認められ, 更に, 肺胞洗浄液と気管支鏡下肺生検標本においてアスベスト小体が多数証明された. 肺結核, 悪性腫瘍, 各種感染症, 膠原病, 膵病変, 肺梗塞などは見られず, 本症例の再発性の血性胸水の原因は, アスベストの存在によるものと考えた.
  • 岡 三喜男, 芳賀 英章, 中里 博子, 峯 豊, 神田 哲郎, 斉藤 厚, 原 耕平, 綾部 公懿, 富田 正雄
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1027-1032
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    60歳女性, 鼻閉感と労作性呼吸困難を主訴として来院. 上記症状は中学時代よりあった. 両側後鼻孔閉鎖と共に呼吸機能検査では上気道狭窄のパターンを示した. 気管支ファイバースコープでは, 円形の気管狭窄があり, 気管を造影したところ声門下約4cmで限局性の気管狭窄を認めた. 狭窄部を含め約3cmにわたって気管管状切除を行った. 最も狭窄した部位の内径は約5mm, 輪状軟骨は正常に保たれていた. 組織学的には, 炎症性変化と線維性変化を主体としていた. 病歴, 組織学的所見より先天性気管狭窄と考えられた.
  • 田村 厚久, 橋本 憲一, 田ノ上 雅彦, 室田 直樹, 大玉 信一, 赤川 志のぶ, 松原 修, 神山 隆一, 田中 健彦, 光永 慶吉
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1033-1039
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    我々は, ブドウ膜炎や, ツ反陰性化, ACE高値など, サルコイドーシスで通常みられる多彩な臨床所見を呈した, いわゆる Lennert リンパ腫の1例を経験したので報告する. 症例は43歳, 男性. ブドウ膜炎で発症, 次いで発熱, 表在リンパ節腫大が出現. 胸部X線像で異常はみられなかったが, ツ反陰性化, ACE高値, 頚部リンパ節生検像で類上皮細胞肉芽腫あり, サルコイドーシスと診断され, prednisolone を投与され一時軽快した. しかし, 2カ月後, 再び発熱, 表在リンパ節腫大出現. 胸部X線像で縦隔の拡大と左肺門リンパ節腫大あり. 肝機能障害がみられ, ACE値はさらに上昇, 黄疸, 胸水, 腹水が出現, 重症化した. 再度, 頚部リンパ節生検を施行し, 前回生検像と共に再検討の結果, いわゆる Lennert リンパ腫と診断された. 直ちにCOPP療法が開始され, 完全寛解を得た. 本症の類上皮細胞は反応性のものと考えられ, 本例では, 悪性リンパ腫により, サルコイド反応が全身性に出現したと推察する.
  • 堂坂 弘俊, 志田 晃, 諸熊 幹雄, 後町 登美男, 寺井 継男, 本間 行彦, 長谷川 淳, 川上 義和
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1040-1045
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    62歳の自動車修理工が労作時呼吸困難, 乾性咳漱を訴えて入院した. 胸部X線写真は両肺びまん性に粒状影, 斑状影を認めた. 動脈血ガス分析では低酸素血症とアシドーシスを, 呼吸機能検査では肺活量, DLcoの低下を認めた. 肺生検病理組織検査では間質性肺炎像を呈した. 塗装剤による環境曝露試験は陽性. 免疫学的検索では患者血清中にイソシアネート特異的IgG抗体の存在が示唆された. 以上の結果から, 本症例は塗装剤による過敏性肺臓炎と診断した. とくに強化剤中のイソシアネートとの因果関係が示唆された.
  • 田代 隆良, 後藤 陽一郎, 後藤 純, 明石 光伸, 那須 勝, 糸賀 敬, 森 義顕, 葉玉 哲生
    1984 年 22 巻 11 号 p. 1046-1050
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    糖尿病と同時性重複癌(肺癌, 悪性リンパ腫)を有する70歳, 男性. 肺癌手術4カ月後に右中葉に結節状陰影, 9カ月後に右上葉に区域性浸潤影が出現した. 経気管支肺生検と気管支肺胞洗浄によりコレステロール肺炎と診断した. ステロイド治療により異常陰影は縮小したが悪性リンパ腫の増悪により死亡した. 剖検により著明な間質線維化と脂質を含む大喰細胞が認められた.
  • 1984 年 22 巻 11 号 p. 1051-1060
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
feedback
Top