特発性間質性肺炎のうち, 安静時低酸素血症のみられない症例に運動負荷試験を行い, 運動中のPaO
2, A-aDO
2, V
D/V
T, DLCOの変化について検討した. 対象は健康者14名, 患者12例で, PaO
286.5±7.76Torr, %VC97.1±15.8, %TLC88.2±13.8で拘束性障害は軽度であった. 運動負荷により全例A-aDO
2の開大とPaO
2の低下がみられた. またV
D/V
Tは運動によりほとんど変化せず, V
Dは上昇した.
運動時のPaO
2の低下はA-aDO
2の開大によるが, その成因については, 換気血流比不均等, 拡散障害, 肺胞接触時間の短縮が推測されたが主因は明らかではなかった. DLCOは安静時63.4±10.5%と低下し, 運動により上昇したが, 対照群に比して軽度にとどまり, 肺血管床の予備力の低下が疑われた. 以上より特発性間質性肺炎のガス交換障害の検出には運動負荷試験が有用であると思われた.
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