日本胸部疾患学会雑誌
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23 巻, 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 横山 剛
    1985 年 23 巻 4 号 p. 397-398
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 松島 敏春
    1985 年 23 巻 4 号 p. 399-400
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 中野 孝司, 藤井 純司, 山川 清博, 田村 伸介, 安室 芳樹, 鍋島 健治, 波田 寿一, 東野 一彌, 宝来 威
    1985 年 23 巻 4 号 p. 401-412
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    悪性胸膜中皮腫5例のCT像, 67Ga-シンチ像の検討を行うとともに, 腫瘍組織中に含まれる Glycosaminoglycan (GAG) の分画定量を施行した. 全GAG含量は原発性肺腺癌に比べ高値であり, その分画ではヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸の著増が見られ, デルマタン硫酸, ヘパラン硫酸に差は認められなかった. CT上, ほとんどの症例で, 胸水貯留,不規則な肺をとり囲む様な著明な胸膜肥厚および葉間胸膜の肥厚が認められた.また, 胸壁への腫瘍浸潤, および, 病期のより進行した時期において, 胸腔内ほぼ全域が腫瘍組織によりほぼ占拠されている様子がうかがえた. 67Ga-シンチに関しては, 患側 hemithorax のびまん性の著明な異常集積像が殊に periphery に強く認められた. 以上より, これらの所見がCT又は67Ga-シンチで認められた場合, 悪性胸膜中皮腫の存在が示唆されるものと思われる.
  • 中田 安成, 江尻 東伍, 岸 俊行, 小林 洋三, 藤田 道雄, 大熨 泰亮, 木村 郁郎
    1985 年 23 巻 4 号 p. 413-419
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    13例のサルコイドーシス患者の肺胞リンパ球の Propionibacterium acnes pyridine extract residue (P. acnes) 添加による 3H-thymidine 取り込み率を測定した. 取り込み率は未治療サ症9例で2.23±0.89 (M±SD), prednisolone 投与サ症5例で0.85±0.17, 対照11例で, 0.78±0.29であった. 未治療サ症では治療例, 対照例に比していずれも有意な亢進がみられた (p<0.01, p<0.001). しかし治療例と対照例との間には差はなかった. 活動期サ症では3.05±0.61で非活動期の1.77±0.44 (p<0.05), あるいは対照例 (p<0.001) に比して高値であった. 取り込み率と血清lysozyme活性 (r=0.695, p<0.01) あるいは肺胞洗浄液中リンパ球百分率 (r=0.591, p<0.05) との間にはいずれも正の相関が認められた. しかし末梢血中リンパ球は, サ症患者, 対照例とも P. acnes には全く反応しなかった. 未治療, 活動期サ症の肺胞リンパ球は P. acnes に感作されており, 活性化されたリンパ球がサ症にみられる肺胞炎の発症に中心的役割をはたしていることが示唆された.
  • 佐々木 秀樹, 伊藤 英三, 高橋 敬治
    1985 年 23 巻 4 号 p. 420-429
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    本研究は, 肺線維症の拘束性障害における肺胞壁自体の力学的特性の役割の究明を目的とした. そのため, ブレオマイシン肺線維症肺を用い, 肺圧量曲線と肺胞壁組織の Length-Tension 曲線を測定し比較検討を行った. プレオマイシン肺線維症肺では, コンプライアンス及び肺気量分画が, コントロールと差がないのに反し, 肺胞壁組織は伸び難くなりヒステレシスも増加した. すなわち, 肺胞壁組織自体の伸び難さが必ずしも全肺でみた力学的特性に反映され得ないことが知られた.
  • 浅沼 義英, 藤屋 秀一, 井出 肇, 阿岸 祐幸
    1985 年 23 巻 4 号 p. 430-435
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の死亡時肺合併症率は大きいので, 肺の危険要素を知るために, 健常者と対比して糖尿病の肺機能を調査した. 健常群21名, 呼吸器症状をもたない糖尿病患者男性31名, 女性19名で年齢は平均50歳である. %FVC, %FEV1.0は糖尿病群で低下していた. %DLCOと%DL/VAも低下していた. 糖尿病群中ではDLCOは糖尿病性網膜症のある群で, ない群より低下し, また%DL/VAは糖尿病の罹患年数が長いほど低下した. 糖尿病男性では正常予測式による%V50, %V25が加齢により有意に減少し, 喫煙率をコントロールした偏相関でも同様であった. %V25の減少率は, 分散分析法で健常群より有意に大きな変化を示した. 糖尿病女性ではFVC, FEV1.0の低下はあるが, 末梢気道の機能変化は認めなかった.以上の成績から, 糖尿病ではわずかであっても肺機能異常が存在し, 加齢, 糖尿病性血管障害, 外的増悪因子によって, 健常者に比べこれらがより強く進行すると考えられた.
  • 玉置 淳, 岡澤 光芝, 工藤 律, 安井 修司, 片山 道夫, 川上 雅彦, 滝沢 敬夫
    1985 年 23 巻 4 号 p. 436-443
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    慢性気道疾患における気管支粘膜の超微形態を検索する目的で, 種々の気道疾患患者より得られた気道粘膜生検標本について走査型電顕による観察を行った. 気道表面形態は以下の7型に分類された. (1) 正常線毛, (2) 線毛の脱落, (3) 複合線毛, (4) 線毛の短縮, (5) 杯細胞の膨隆, (6) 線毛先端部の小胞形成, (7) 線毛方向性の異常. 慢性気管支炎, 気管支拡張症, immotile cilia 症候群等の慢性気道感染例において, 線毛の脱落, 複合線毛, 短縮線毛, 杯細胞の膨隆の出現頻度が非感染群に比して有意に高値であった. immotile cilia 症候群において線毛方向性の異常が著明であったことは本疾患の基本病態を反映するものと思われた. さらに非感染群においても喫煙者では, 線毛の脱落と短縮が高率に認められた. 以上の異常線毛は慢性気道感染や喫煙により二次的に発生するものと想定され, かかる病態において線毛運動は低下し粘液線毛輸送能が障害されるものと推察される.
  • 永島 暉也, 梅田 博道
    1985 年 23 巻 4 号 p. 444-449
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    非喫煙者と喫煙者からなる若年健康成人58例を対象として, Volume of isoflow (Visov) と SF6 closing volume (CV) について比較検討した. Visov はCVに比して, 喫煙者における異常検出率が高く, かつCVと異り喫煙者と非喫煙者間に有意の差を検出しえた. この一因は, Visov がCVに比して残気率の影響を受けにくい点にあると推察しえた. 坐位から仰臥位への体位変換により, CVのみならず Viso も増加する傾向がみられた. 坐位に比し仰臥位においてCVが増加する一因は, CVと Normalized height of phase IV の関係から, 低肺気量レベルにおける気道閉塞に伴う吸気 bolus 分布の不均等性が, 仰臥位でより著明になることと推察した. 各体位におけるTLCに対する SF6 bolus 吸入前の肺気量の割合 (%TLC) と, CVとの関係より, 20% TLCにおけるCV (CV20) を外挿した. CV20はvisovと同様, 末梢気道障害を反映する有用な指標となりうるであろうことを知りえた.
  • 北村 諭, 石原 陽子, 内田 裕子, 和頴 房代, 木下 美登里, 高久 史麿
    1985 年 23 巻 4 号 p. 450-455
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    気管支喘息患者の末梢静脈血中ロイコトリンエ (LT) 量をHPLCを用いて検索した. 末梢静脈血中LTC4量, LTD4量は寛解期に比し発作時に増加したが, LTE4量は有意な増減を示さなかった. 末梢静脈血中LT総量は寛解期に比し発作時に有意な増加を示した. また末梢静脈血中LT総量と好酸球数との間には有意な相関が認められた. また長期間 (1~1.5年) 経過を観察しえた2症例においては, 発作時に一致してLT量の上昇が見られ, 寛解期にはLT量も減少した. 以上の成績より, LTは気管支喘息の発作惹起物質としてきわめて重要な役割を演じている可能性が示唆された.
  • 田代 隆良, 藤田 紀代, 重野 芳輝, 鈴山 洋司, 神田 哲郎, 山口 恵三, 斎藤 厚, 原 耕平, 市丸 道人, 松尾 武
    1985 年 23 巻 4 号 p. 456-462
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    臨床的経過と病理組織学的な所見から致死的細菌性肺炎と考えられた院内感染症例196例に対し, 剖検肺を用いて直接螢光抗体法によるレジオネラ症の診断を行ない40症例 (20.4%) を本症と確定したが, これにすでに報告した1剖検例を加えた41症例について, 背景因子, 胸部X線像および病理学的所見に検討を加えた. 本症の発症に季節的変動はみられず, 年齢分布も他の細菌性肺炎と差を認めなかった. 原因菌 L. pneumophila の血清型は serogroup 1が最も多く29例 (70.7%) を占めた. 胸部X線像では均等陰影を呈するものが多くを占めたが多彩で他の報告と同様本症に特徴的所見はみられなかった. 病理学的には肺は含気に乏しく, 細気管支を中心とした気管支肺炎の像が主体で, 組織学的には急性線維素性肺炎を呈するものが多かった. 本菌はマクロファージの食胞内に多数認められるのが特徴的であった.
  • 原 耕平, 山口 恵三, 重野 芳輝, 鈴山 洋司, 朝長 昭光, 神田 哲郎, 泉川 欣一, 広田 正毅, 斉藤 厚
    1985 年 23 巻 4 号 p. 463-472
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症の患者で, 気管支ファイバースコープの鉗子孔にビニールチューブを一重 (single tube) と二重 (double tube) にして挿入し, 吸引法にて検体を採取して細菌学的検査を行い, その優劣を比較した. これらの方法で採取した検体の細菌学的検査では, 喀出痰に比較して, 明らかに口腔内常在菌による汚染が少なく, 痰の喀出困難な例や嫌気性菌による呼吸器感染症では有用なものと考えられた. 気管内採痰での細菌には104≦の菌数に意義をもたせるのがよいが, そのような判定を行った場合, 気道感染症は肺実質性感染症より起炎菌が把握され易かった. single tube 法と double tube 法との間には, 菌検出に関して有意の差を認めなかった. なおリドカインは, とくにインフルエンザ菌を含む一部の菌にかなりの発育抑制を示すので, 注意すべきと考えられた.
  • 前田 裕二, 油井 泰雄, 信太 隆夫, 浅尾 武士
    1985 年 23 巻 4 号 p. 473-478
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    45歳の男性が呼吸困難発作と熱発を訴えていた. しかし理学的所見と日常の臨床検査では異常は認められなかった. 呼吸困難は気管支喘息によるものであることがわかった. 検査の行われた抗原の中でカンジダ抗原が気管支喘息の原因抗原の可能性があった. つまりカンジダ抗原に対する即時型皮内反応, 特異的IgE抗体は陽性であったがカンジダに対する沈降抗体, 他の抗原の反応は陰性であった. カンジダによる気管支吸入誘発試験は即時型, 遅発型の両方の反応を示した. さらに, 熱発, 著明な白血球増多 (主に好中球) と肺への浸潤像が気管支吸入誘発試験の9時間後に認められた. 肺浸潤影がほぼ消失した時点で第2回の気管支吸入誘発試験が行われた. この時すでに好酸球増多は明らかであった. 第2回気管支吸入誘発試験14日後に一時消褪していた浸潤影はびまん性に再び出現した. 肺生検の組織像は著明な好酸球の浸潤と肺胞腔内へのマクロファージの滲出が認められた. しかし, 多発性動脈炎あるいはアレルギー性肉芽腫性血管炎にみられるような類線維素変性, 肉芽腫はみられなかった. 以上より喘息を伴うPIE症候群と診断した. カンジダ抗原はこの症候群を惹起させる原因の1つであると結論した. この症例は我々の知る限り本邦では2例めである.
  • 林 真一郎, 広瀬 宣之, 池田 東吾, 重松 信昭
    1985 年 23 巻 4 号 p. 479-484
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    現在, D-penicillamine は慢性関節リウマチなどの治療に広く使用される薬剤である. 本薬剤の投与にともなう副作用は比較的多く, 呼吸器系に関しても Goodpasture 症候群や間質性浸潤陰影などが報告されている. 間質性浸潤影の報告は現在までに7例あり, その発症機序についても検討されている. しかしながら, 発症機序については一定の見解はなく, その候補として免疫学的機序あるいは D-penicillamine による細胞毒性がいわれている. 我々は4年の慢性関節リウマチ罹患歴をもち, 金剤肺臓炎の既往のある一例に D-penicillamine による遷延性肺好酸球増多症を経験した. 本症例は2年弱におよぶ D-penicillamine 服用の後にかかる状態を発病したもので, D-penicillamine の中止により自然軽快した. 本症例に対し, 発症機序を明らかにするために, 臨床的・免疫学的検索をおこない, D-penicillamine に対する過敏性反応の関与を示唆する結果をえた.
  • 本症2剖検例の報告 特に外傷後の肺微小塞栓症としての考察
    井口 千春, 坂田 一美, 河口 幸博, 山本 雅博, 夏目 妙, 永原 貞郎
    1985 年 23 巻 4 号 p. 485-493
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    羊水塞栓症は分娩中または分娩直後に, 羊水成分や胎盤組織が母体血中に流入し, 呼吸困難, ショック状態に陥り, 播種性血管内血液凝固症候群 (DIC) で死亡する疾患である. 著者らは本疾患2剖検例を経験したが, 第1例は分娩後子宮頚管に裂傷がみられた34歳女性で, 第2例は子宮内胎児死亡があり子宮全摘出術が施行された31歳女性である. その剖検肺血管内には, 胎児皮膚角化物, 胎脂, 粘液などの羊水内容物の他に, 血小板血栓およびフィブリン血栓, 白血球集積などが認められた. また血栓は心臓, 腎臓, 肝臓などにもみられた. 羊水塞栓症にみられる血栓形成は, 分娩時に組織トロンボプラスチンの母体内血中流入によって起こり, また肺血管内白血球集積は羊水内容物が塞栓となって, 補体活性化を来した結果生じたものである. したがって, 本症は分娩過程が契機となった産婦の「外傷後の肺微小塞栓症」の範疇に属するものと思われる.
  • 難波 亨, 成毛 韶夫, 土屋 了介, 宮沢 直人, 児玉 哲郎
    1985 年 23 巻 4 号 p. 494-498
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    我々は今回比較的早期に外科的切除の行えた肺平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する. 症例は56歳女性. 右上肺野の腫瘤陰影としてX線上偶然発見された. 術前確診が得られなかったが, 腫瘤の急速な増大を認め開胸手術の適応とした. 結果は平滑筋肉腫であり, 他臓器の検索結果も含めて, 肺原発と判断した. 肺肉腫は肺癌に比し稀な疾患とされ, 諸家の報告では肺癌手術例100に対し1例の割合でみられるとしたものが多い. 肺肉腫はその臨床像に特徴が無く, 諸検査によって確定診断され難い疾患とされている. 欧米の文献でみる限り外科的予後は肺癌に比し良好である. しかし, 本邦での外科的予後は不良なものが多く, 診断および治療上の各分野において, 問題の残されている疾患と思われる.
  • 矢野 敬文, 光武 良幸, 最所 正純, 入江 康司, 市川 洋一郎, 加地 正郎
    1985 年 23 巻 4 号 p. 499-503
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は45歳の男性で労作時呼吸困難, 動悸を主訴として当科を受診した. 第1回入院の胸部X線で両側肺のびまん性細葉陰影を認め, TBLBで肺胞蛋白症と診断し, 両側肺洗浄で臨床症状の改善をみた. その後, 経過を観察しつつ定期的に肺洗浄を行い, 発症3年後, 第3回目の入院時胸部X線で, びまん性細葉陰影に加え両側肺の容積減少, 線状影を認め, TBLBで肺胞腔内にPAS陽性物質の貯留を伴う fibrosing alveolitis の組織像を呈した. また, モノクロナル抗体を用いた肺洗浄液中のリンパ球検査でTリンパ球サブセットの異常を認めた. 肺胞蛋白症の経過中に fibrosing alveolitis を合併した1例を報告し, これらの関連性について考察し, 本症の臨床経過には fibrosing alveolitis に移行する1群もあることを強調した.
  • 栗山 啓子, 有沢 淳, 森本 静夫, 池添 潤平, 審良 正則, 曽根 脩輔
    1985 年 23 巻 4 号 p. 504-508
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    54歳, 男性, 右片麻痺, 運動性失語にて入院した際に, 両側肺野に多発性腫瘤影を指摘された. 断層写真で腫瘤影から肺門に向かう帯状影が認められたために多発性肺動静脈瘻を疑い, 造影剤の急速注入による胸部ダイナミックCTスキャンにより確認した.
  • 1985 年 23 巻 4 号 p. 509-516
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
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