日本胸部疾患学会雑誌
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25 巻, 5 号
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  • 池田 貞雄
    1987 年 25 巻 5 号 p. 491-493
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 滝島 任, 吉田 稔
    1987 年 25 巻 5 号 p. 494-534
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 磯部 宏, 西村 正治, 稲葉 秀一, 山本 宏司, 神島 薫, 川上 義和
    1987 年 25 巻 5 号 p. 535-538
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は28歳女性で, 咳嗽, 喘鳴を主訴に当科に入院した. 約5年前より上記症状を繰り返し, 気管支喘息として通院加療を受けていたが, コントロールは不十分であった. ペットとして猫を飼育している. アロテック吸入による1秒量の改善率は24.4%であり, 皮内テストでは猫毛, 犬毛, ハウスダストが陽性, IgE-RAST score は猫毛4, 犬毛3, ハウスダスト3であった. 猫毛抗原による吸入誘発試験を施行したところ二相性喘息反応を呈した. 以上より猫毛による気管支喘息と診断し, 猫を遠ざけた生活を指導し良好なコントロールが得られている. 我々の知る限りでは, 我が国での猫毛, 猫毛皮屑による気管支喘息の報告は少なく, また二相性喘息反応を呈した報告例は認めない. 猫毛による気管支喘息の臨床像とともに, 特に二相性喘息反応での臨床的, 肺生理学的変化について報告した.
  • 中村 秀範, 佐藤 忍, 高橋 敬治
    1987 年 25 巻 5 号 p. 539-547
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    ビタミンE欠乏飼料飼育ハムスターにブレオマイシンを経気管的に一回投与し, 肺傷害の程度を機能 (肺圧量曲線の分析) 形態両面より検討した. ビタミンE欠乏ブレオマイシン投与群の空気圧量曲線は, ブレオマイシン投与後 (10日目) には対照群に比べ右下方偏位し伸展性は低下したが, 経時的には逆に, 左方偏位し伸展性の増大を認めた. 形態学的には, ブレオマイシン投与後早期には著しい炎症性変化を認め, 後期には局所的線維化を伴う気腫性変化が観察された. ブレオマイシン投与後30日目の形態計測により求められた平均肺胞壁厚は対照群より小さく, 平均気腔距離はより大でありビタミンE欠乏ブレオマイシン投与群における気腫性変化を裏づけた. ビタミンE欠乏という内因の変化によりブレオマイシン肺傷害は修飾され線維化のみならず気腫性変化の生ずることが示された.
  • 網内系の関与について
    津田 富康, 青木 隆幸, 水城 まさみ, 鬼塚 徹, 杉崎 勝教
    1987 年 25 巻 5 号 p. 548-556
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    完全アジュバントを静注し肺肉芽腫の発育 (湿重量および lung index) と血清 angiotensin-convertingenzyme (ACE) level の変動を検討した. 全体としては両者は相関が強く認められたが各々の兎では正の相関は認めるものの有意の相関を示さず他の要因があるものと推定された. そこで肺以外に胸郭内りンパ節 (肺門リンパ節, 縦隔リンパ節), 膝窩リンパ節, 脾臓, 肝臓について肉芽腫 (N) 発生, sinus histiocytosis (SH) の状態, 組織ACE活性の局在を検討した. その結果肺と異り胸郭内リンパ節や脾臓ではアジュバント静注21日目より肉芽腫形成, 14日目よりSHが著明となった. 膝窩リンパ節ではN (-), SHは著明となり深傍皮質に macrophage のビ慢性浸潤 (DI) が認められた. また組織ACE活性はN, SH, DIに強く認められた. 以上より血清ACE level の変動は肺と共に上記網内系諸臓器の変化とそこで産生分泌される組織ACEの総和を示しているものと考えられた.
  • 岡 三喜男, 福田 正明, 河野 謙治, 神田 哲郎, 原 耕平, 市丸 道人
    1987 年 25 巻 5 号 p. 557-562
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    種々の基礎疾患を有する免疫不全患者50例の肺合併症の診断に, 計56回の気管支ファイバースコープ (BKFS) を行った結果, 50例中30例 (60%) に診断に有用な所見が得られた. 検査内容別にその診断率をみると, TBLB55.1% (27/49回), BAKL29.4% (5/17), 採痰8.3% (2/24) と, TBLBで最も高かったが, これらの方法はとくに胸部レントゲン上びまん性陰影を呈するものや非感染性疾患に対して有用であった. BFSに起因する合併症は, 気胸と一過性の発熱が9例 (18%) にみられたが, いずれも軽症であった. このように, 免疫不全患者の肺合併症の診断にBFSは安全で有用な検査法と思われたが, 必ずしも予後には良い結果をもたらさなかった. 今後, 免疫不全患者の肺合併症におけるBFSの意義を評価する際には, 適応, 実施時期, 検査法の選択, 検体の処理法, 合併症, 予後に対する影響などについて, 対象患者の背景因子を統一した上で検討するのが好ましいことを強調した.
  • 片岡 亮, 飛世 克之
    1987 年 25 巻 5 号 p. 563-573
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    monocrotaline (MC) 肺高血圧症ラット肺動脈, 大動脈における電解質, 血管作動物質に対する応答を摘出血管を用いて検討した. MCラットにはMC投与量依存的な肺高血圧, 右室肥大が認められた. MCラット肺動脈は生理的Ca2+濃度ですでに収縮状態にあり, KClに対する収縮応答の著明な亢進も認められることから平滑筋細胞膜の脱分極が原因と考えられた. MCラット肺動脈で, serotonine (5-HT), histamine に対する収縮応答の亢進, isoproterenol に対する弛緩応答の減弱を観察したが, noradrenaline に対する応答は対照群と有意差はなかった. MCラット大動脈には特異な変化は認められなかった. 以上より, MCラット肺動脈の機能的変化は, 肺高血圧症成立に深く関わっていると考えられた.
  • 巽 浩一郎, 栗山 喬之, 高松 芳郎, 鈴木 公典, 廣島 健三, 斉藤 学, 村木 憲子, 陳 瑞明, 渡辺 昌平
    1987 年 25 巻 5 号 p. 574-577
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    粟粒結核症に続発してARDSを呈した28歳の男性例を報告した. 本例は飲酒家という以外には特記すべき基礎疾患がなく発症した粟粒結核症であるが, 胸部X線写真にて全肺野に粒状影が出現後三日目に肺水腫像を呈して, 急性呼吸不全に陥った. しかし, 抗結核剤の投与とともに施行した早期の methylprednisolone によるパルス療法が奏功して, 呼吸不全の状態から軽快し得た. 以上のことにより, 粟粒結核症にもARDSが合併しうるということを疑うことの重要性, またそのような症例における早期のステロイド大量療法の有効性を強調した.
  • 巽 浩一郎, 戸島 洋一, 安田 順一, 国友 史雄, 沖田 伸也, 湯口 恭利, 岡田 修, 山口 哲生, 大島 仁士, 山下 道隆, 木 ...
    1987 年 25 巻 5 号 p. 578-585
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    二四肢近位筋の筋力低下と同時に横隔膜の筋力低下を伴った, 56歳女性の原発性肺胞低換気症候群の1例を報告した. 本例の覚醒時の呼吸の化学調節系について検討した結果, CO2換気応答・低酸素換気応答の低下が認められたが, 高炭酸ガス・低酸素の同時刺激では明らかな換気応答が認められた. また, 100%酸素吸入にて換気量の増大が認められ, 空気呼吸時には hypoxic depression が起こっていると考えられた. さらに本例の睡眠時の病態を検討した結果, 睡眠段階では stage I の割合が増加しており, REM睡眠の減少が認められた. また aminophylline の呼吸中枢に対する有用性が示唆され, 酸素吸入も有効であると考えられた.
  • 亀井 克彦, 小檜山 律, 金井 太美子, 岡崎 宣夫, 鈴木 光, 松村 寛三郎, 大塚 十九郎, 山本 弘, 井村 价雄, 水口 国雄
    1987 年 25 巻 5 号 p. 586-591
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    54歳の男性に発症し, 9年間に及ぶ閉塞性肺炎の反復の末, 末梢に形成した腫瘤影を契機に発見された気管支脂肪腫の1例を報告した. 肺癌を否定し得ず右下葉切除術を施行したところ, 右B10bとB10cの分岐部に発生し, B10の著しい狭窄をもたらした気管支脂肪腫とその末梢の著しい気管支拡張, および胸部X線写真上腫瘤影を呈した器質化肺炎が認められた. 本邦の過去14例の報告と併せ, 我が国における気管支脂肪腫の傾向につき検討してみると, その1/3で既に末梢肺の不可逆的な変化を来しており, 早期発見の重要性が示唆された.
  • 小林 信之, 宮本 祐一, 奥平 邦雄, 吉沢 久嘉, 浅尾 武士
    1987 年 25 巻 5 号 p. 592-597
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    免疫異常を伴った形質細胞優位型の lymphoid interstitial pneumonia (LIP) と考えられる1例を報告した. 症例は57歳の女性で, 労作時息切れ, 咳, 体重減少を主訴に来院. 胸部X線ではびまん性雲架状陰影を認め, TBLBでは成熟した形質細胞とリンパ球の著明な肺間質への浸潤がみられた. また全身性の表在リンパ節腫脹があり, 生検で著明な形質細胞の増生を認め, 肺病変との類似性がみられた. 免疫組織化学的な検討では, 肺およびリンパ節に浸潤する細胞は多クローン性の増生であり, また細胞に異型性はみられなかった. 血中免疫グロブリンは多クローン性に増加していたが, 末梢血リンパ球の混合培養試験の結果, 患者T細胞の helper 能の亢進によりB細胞の活性化が体内で起こっていることが示唆された. 本症例と同様の形質細胞優位型のLIPとリンパ節腫脹のみられた報告例について検討し, さらに現時点におけるLIPの位置づけと問題点について若干の考察を加えた.
  • 1987 年 25 巻 5 号 p. 598-609
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2010/02/23
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