急性気管支喘息重症発作治療に対し静脈内ステロイド剤と選択的β
2-受容体刺激性吸入剤 (β
2-エロゾル) 頻回吸入の併用療法に加えアミノフィリン (AMP) 静脈内追加投与の必要性に関し臨床的検討を行った. 大発作もしくは重積発作にて来院した気管支喘息患者を, I群: 気管内挿管の必要なく治療可能であった群 (n=40), II群: 気管内挿管が必要であった群 (n=15) に各々区分し, 自・他覚症状の改善, 治療時間, 肺機能検査値を比較検討した. I群, II群の何れに於ても, β
2-エロゾル頻回吸入は静脈内ステロイド剤投与と併用の許, 効果的に気道内へ投与すれば, 重積発作に対しても有効であり, 短時間で症状の改善が認められた. 他方, 静脈内ステロイドとβ
2-エロゾル併用に加え, AMPの追加併用群にはより良好な気管支拡張効果を認めなかった. 重積発作に対しても, 吸入方法の工夫により気道内ヘエロゾルを到達せしめ, 繰り返し充分量吸入せしめれば, 有効で迅速な治療効果を得る事が可能であった. 重症発作の治療には, ステロイド剤と共にβ
2-エロゾルの頻回吸入こそ必要不可欠な治療であり, AMPの経静脈内投与は必ずしも必要ではないと考えられた.
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