日本胸部疾患学会雑誌
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33 巻, 7 号
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  • 豊嶋 幹生, 佐藤 篤彦, 谷口 正実, 妹川 史朗, 中澤 浩二, 早川 啓史, 千田 金吾
    1995 年 33 巻 7 号 p. 691-694
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    アスピリン喘息 (AIA) では非発作時よりPLA2活性亢進が存在するためにアラキドン酸代謝が亢進しており, 非ステロイド系抗炎症剤によるシクロオキシゲナーゼ阻害によってより多量のロイコトリエンが生成されるという可能性および発作誘発時にPLA2活性がさらに亢進する可能性を検討するために, AIA, 非AIAおよび健常者における発作寛解期での血清PLA2活性の測定, AIAにおけるアスピリンDL-リジン静注負荷前後での血清PLA2活性を測定を行い検討を加えた. その結果, 気管支喘息患者の血清PLA2活性は健常者に比して有意に高値であったが, AIAと非AIAの間で差はみられなかった. アスピリンDL-リジン静注負荷前後で血清PLA2活性に有意な変動はみられなかった. 以上よりPLA2が気管支喘息の病態に関与していることが示唆されたが, 上記の可能性は考えにくく, AIA特有の病態に関与しているとは考えられなかった.
  • 森 清志, 太田 斉, 横山 晃貴, 木代 泉, 須賀 由香理, 富永 慶晤, 神谷 紀輝, 横井 香平, 宮澤 直人
    1995 年 33 巻 7 号 p. 695-699
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    孤立性肺野小型病変の clinical decision analysis を目的に病変の診断の経緯をレトロスペクティブに解析し検討した. 1986年9月から1993年12月迄にX線上腫瘤径3cm以下の孤立性肺野病変を呈す343例を対象とした. 悪性疾患138例 (肺癌114例, 転移24例), 良性疾患205例であった. 腫瘤径2cm以下の良性疾患は146例 (71%) と多かった. 悪性疾患の118例 (86%) が生検により診断され, 19例が胸腔鏡下, または開胸生検された. 良性疾患の167例 (81%) は検査データおよびX線経過を含む画像診断により診断された. Thin-section CT は132例に施行され, 内72例 (肺癌16例, 転移23例, 良性33例) は良悪性の鑑別に迷い, 5例に開胸生検された. 経過観察は24例, 生検は43例で最終的に35例が手術された. Thin-section CT でも病変の診断に迷う場合, まず生検施行後次の治療行為を選ぶ例が多かった. 今後, このような症例の次の治療行為の選択の際, 決定樹の作成が必要である.
  • 岩田 政敏, 佐藤 篤彦, 千田 金吾, 早川 啓史, 妹川 史朗, 戸舘 亮人, 鈴木 一也, 堀口 倫博, 杉村 久雄, 閨谷 洋
    1995 年 33 巻 7 号 p. 700-704
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    びまん性肺疾患における胸腔鏡下肺生検 (VTLB) の有用性と安全性について, 開胸肺生検 (OLB) と比較検討した. VTLBが施行された33例を対象にOLB67例と対比検討した. VTLB群とOLB群で, 対象年齢 (52.8±10.9 vs 53.4±10.3), 患者一人あたりの標本採取個数 (2.6±0.6 vs 2.7±0.6), 診断率 (94% vs 93%) に有意な差はなかった. しかし, 両群とも標本採取個数が少ないと診断率は低下した. 手術時間 (100.2±27.2分 vs 119.8±42.6分; p<0.01) と出血量 (4.7±14.6ml vs 65.7±77.0ml; p<0.001) は有意にVTLBで少なかった. 合併症はVTLBで33例中3例, OLBで67例中18例であった. この結果から, VTLBはびまん性肺疾患の診断に有用で安全な検査法と考えられた.
  • 河端 美則, 海野 剛, 谷口 博之, 高木 健三, 三重野 龍彦, 山口 哲生, 小川 賢二, 野田 康信, 澤田 万記子, 杉田 博宣
    1995 年 33 巻 7 号 p. 705-714
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    開胸肺生検された, 亜急性に経過する間質性肺炎例の臨床病理学的検討を行った. 症例は13例 (男性4, 女性9例). 平均年齢は60歳. 症状出現から開胸肺生検までは平均80日. 症状は息ぎれが11例, 10例に捻髪音を聴取した. 胸部画像は多発浸潤影もしくはびまん性間質影で, 中下肺野中心例が7例であった. %VCは平均62.7%, 動脈血酸素分圧は平均68.3Torrであった. 気管支肺胞洗浄は実施出来た9例では, リンパ球が平均30.8%であった. 病理学的には末梢気腔への滲出と閉鎖腔形成をしめす間質性肺炎の像であった. ステロイドパルス療法もしくは内服療法で程度の差はあれ改善をみた. 診断後平均18ヵ月間追跡したが, 死亡は1例にとどまり, 残りの例は順調な経過をたどっている. 10例は原因不明で, 3例に膠原病がみられた. 今回検討した亜急性間質性肺炎はステロイド反応性の病態と考えられた.
  • 湯浅 光悦, 金沢 武道
    1995 年 33 巻 7 号 p. 715-722
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺疾患における foam cell 化肺胞マクロファージの病態とその出現機序を解明するため, 各種肺疾患を対象としてBALF中の foam cell 化マクロファージの電顕的観察ならびに白色家兎を用いて実験的検討を行った. 1) 健常者18名, 慢性気管支炎7例, 肺線維症8例, 陳旧性肺結核7例, 肺癌20例, 気管支拡張症5例の計65例についてBALF中のマクロファージを電顕にて撮像した. 1例あたり30個以上のマクロファージについて, 細胞質に対する泡沫の占める割合を, エリアカーブメータを用いて算出し, Type I: 80%以上を占めるもの, Type II: 20~79%を占めるもの, Type III: 20%未満のものに分類した. 陳旧性肺結核, 肺癌ならびに気管支拡張症では, Type Iのマクロファージの増加が認められ, 他の肺疾患に比して foam cell 化が進んでいた. 2) 気道閉塞ならびに脱血灌流した白色家兎の実験から, 家兎肺胞マクロファージは血液単球に由来する可能性が示唆された.
  • 高橋 亨, 棟方 充, 大塚 義紀, 佐藤 敦子, 本間 行彦, 川上 義和
    1995 年 33 巻 7 号 p. 723-727
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪症例におけるウイルス感染の関与を血清抗体価・喀痰封入体検査から検討した. 当科に入院したIIP 105名のうち急性増悪(1ヵ月以内に自覚症状の増悪, PaO2 10 Torr以上の低下, 胸部レ線像の悪化のすべてを満たすもの) を呈した症例を対象とした. 経過中にウイルス抗体価の4倍以上変動を認めたか, 喀痰ウイルス封入体を証明したかの, いずれかの例をウイルス関与ありとした. これらの症例につき, 関与したウイルス, 臨床像などを検討した. 急性増悪例は全IIP患者の27% (28例) であった. ウイルス関与ありは増悪例の39% (11例) であった. 関与したウイルスは Influenza: 6例, Parainfluenza: 1例, Adeno:1 例, Herpes simplex: 1例, RS: 1例, Cytomegalo: 2例であった. ウイルス関与群は非関与群に比べ, 増悪前の血清IgA値が有意に低値であった (p<0.05). これらの結果から, 急性増悪では血清IgA低値と関連したウイルス感染の可能性がある.
  • 南須原 康行, 棟方 充, 本間 行彦, 川上 義和
    1995 年 33 巻 7 号 p. 728-732
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    最近, 抗ウイルス剤であるアシクロビルがアスピリン喘息 (AIA) 患者のアスピリン感受性を減弱させることが報告されている. AIA患者に特定のウイルスが感染している証拠もなく, 現時点ではアシクロビルの効果の機序は不明である. 我々は, アシクロビルが気道平滑筋に直接作用する可能性を考え, アシクロビルの気道平滑筋収縮・弛緩作用, 種々の薬剤に対する気道反応の修飾作用の有無を, モルモット気管条片を用いて in vitro で検討した. アシクロビルはモルモットの気管平滑筋基礎張力に対して影響を与えなかった. また, LTD4, カルバコール, KClによる収縮反応, PGE2による弛緩反応にも影響を与えなかった. これらの結果から, アシクロビルには, 気道平滑筋に対する直接作用はないと結論された.
  • 桑原 哲郎, 井田 光雄, 濱田 隆博
    1995 年 33 巻 7 号 p. 733-737
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    36歳男性. 職場検診で胸部異常陰影を指摘され受診. 左下葉心陰影裏に直径3cmの不整な腫瘤状陰影を認めた. この陰影はCTで胸部下行大動脈と繁がっており, 血管造影では肺底区へ流入する異常肺動脈と, 異常な走行を示す下肺静脈の合成像であることが示された. 又, 左主肺動脈からの通常の肺底区への分枝は欠如していた. 一方, 気道は正常の気管支樹を呈し肺底区と繁がっており, いわゆる肺分画症に属するものでなく, 国外文献で Systemic arterial supply to normal lung あるいは Systemic arterialization of lung without sequestration などとして報告され, 本邦でも最近, 肺底区動脈大動脈起始症と呼ぶことが提唱されている疾患と考えられた. 本例では, 左下肺静脈の走行異常をも伴っており, これは他の報告例にはみられない異常であり, 極めて珍しい例と考えられる.
  • 川口 英人, 安場 広高, 山下 健三, 福間 英記, 美崎 幸平, 住友 伸一, 加藤 幹夫, 茆原 順一
    1995 年 33 巻 7 号 p. 738-744
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は18歳, 女性. 発症が急速で, びまん性陰影とBALF中好酸球の増加を認め, Allen らのいう acute eosinophilic pneumonia と診断し, ステロイド短期大量投与したところ急速に改善し, 再発を認めなかった. 発症第4日目のBALF所見では, リンパ球数の増加, CD4陽性細胞の優位, 上清中のECP, GM-CSF, IL-5, sICAM-1の上昇, 好酸球核過分葉といった所見が見られ, 寛解後にはリンパ球数増加以外すべて正常化していた. 4種の真菌に対し沈降抗体が陽性を示したが, 帰宅誘発試験, 落下真菌の検索からは, 原因抗原とは特定できなかった. 気管支粘膜生検からも喘息の合併は否定され, BALF所見の推移や原因不明であったことなどから, chronic eosinophilic pneumonia に近い病像と考えられた.
  • 前田 恵治, 小牟田 清, 長谷川 克子, 大月 道夫, 森下 裕, 五十嵐 敢
    1995 年 33 巻 7 号 p. 745-749
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は48歳の女性. 近医にて慢性関節リウマチと診断され, 金チオリンゴ酸ナトリウム (シオゾール®) を投与されたところ, 両下肺の間質影と fine crackle が出現し, 金製剤による肺炎を疑われた. 末梢血にて金製剤に対するリンパ球刺激試験 (DLST) は200%以上の陽性を示した. しかし, 生化学検査にてCPK, LDHの高値が認められ, 筋生検にて多発性筋炎の診断が確定した. そこで, 金製剤の投与は受けているが, 皮膚炎, 肺炎などの金製剤に対する副作用の出現していない慢性関節リウマチ患者8名に金製剤に対するDLSTを施行したところ, そのうち5名が陽性であった. また正常者においてもDLST陽性の者があった. これらのことから金製剤肺炎の診断に金製剤に対するDLST陽性である事は必ずしも鑑別診断上, 有用な所見ではないことが示唆された. またこの症例の間質性肺炎は多発性筋炎に伴うものであると考えた.
  • 水島 豊, 村嶋 誠, 小林 正
    1995 年 33 巻 7 号 p. 750-753
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    60歳時特発性血小板減少性紫斑病と診断され, それ以来 Prednisone 10mg/日の投与を受けている72歳の男性. 62歳頃より次第に両側下肺野にびまん性の網状陰影が認められるようになった. 慢性型の間質性肺炎と診断されたが原因は不明. 下肺野背側の蜂窩肺の進行とともに, 上肺野前胸部側の嚢胞性変化も目立つようになってきた. 特発性血小板減少性紫斑病に合併し慢性に経過した間質性肺炎報告例は少なく, また嚢胞性変化が下肺野では背側に上肺野では前胸部側に生じた点が, 意義深く思われた.
  • 中野 寛行, 相沢 久道, 荻野 英夫, 光山 孝志, 松元 幸一郎, 古藤 洋, 原 信之, 坂井 修二, 村上 純滋
    1995 年 33 巻 7 号 p. 754-758
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は67歳, 女性. 平成5年7月健診にて胸部X線上左肺尖部に結節状陰影を指摘され, 同年10月精査のため当科受診した. 左鎖骨上窩より心尖部にかけて血管雑音を聴取し, 胸部CT, MRIおよび頚部超音波検査の結果動静脈瘻と診断した. 入院後, 血管造影を施行し, 左鎖骨下動脈の分枝である肋頚動脈を栄養動脈とする動静脈瘻を確認し, 金属コイルによる塞栓術を施行した. 術後血管雑音は, 著明に減少し, CT, 頚部超音波検査にても動静脈瘻の縮小がみられた. 本症例は, 平成元年9月交通事故による外傷の既往があり, その後, それまでみられなかった血管雑音と結節性陰影が指摘され, 外傷後に発生した動静脈瘻と考えられた.
  • 長坂 行雄, 中野 直子, 東田 有智, 中島 重徳
    1995 年 33 巻 7 号 p. 759-764
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    刺激物質への吸入暴露直後から喘鳴, 呼吸困難を自覚し, 以後, 喘息症状が持続する42歳男性症例を経験した. 暴露物質からクロム酸塩が原因物質と疑われ, 酸化クロムによる皮膚反応も陽性で, 吸入誘発試験では遅発型の喘息反応が認められた. 胸部X線では異常を認めず, 閉塞性細気管支炎は開胸肺生検で否定された. 先行する呼吸器疾患はなく, 刺激物質暴露直後の発症, 喘息症状の持続, 閉塞性肺機能障害, 気道過敏性試験の陽性から Brooks らの提唱する診断基準を満たし, reactive airway dysfunction syndrome (RADS) と診断した. 発症後8年間の経過を追跡しているが, 気管支拡張薬と吸入ステロイド薬のみではコントロールが困難で, 全身的なステロイド薬の投与が必要な喘息症状が持続している. 本例はクロム酸塩暴露によるRADSとして最初の報告例と考えられる.
  • 三品 孝行, 鈴木 勇, 藤野 通宏, 渡部 直己, 秋田 弘俊, 成田 吉明, 川上 義和
    1995 年 33 巻 7 号 p. 765-770
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は38歳男性. 健診の胸部X線写真で右上葉に境界明瞭, 濃度均一でほぼ正円形の結節影を指摘された. 良性腫瘍として経過観察していたが, 5年の経過で緩徐に増大したため入院した. Doubling time は約430日であった. 胸部造影CT, Dynamic CT及び大動脈造影で淡く造影される比較的血流に富む腫瘍であった. 気管支鏡下擦過細胞診, 生検組織診で悪性を示唆する所見はなく, 画像診断上も良性腫瘍と考えたが, 増大傾向があるため切除したところ, 病理組織診で肺の benign clear cell tumor の診断を得た. 本疾患は, 1963年に Liebow と Castleman により腎の clear cell carcinoma に似た組織像を示す肺原発の良性腫瘍として初めて報告された稀な腫瘍である. これまで自験例を含め本邦で20例, 海外で41例, あわせて61例の報告がある.
  • 中西 徳彦, 上田 暢男, 北出 公洋, 森高 智典
    1995 年 33 巻 7 号 p. 771-774
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    エリスロマイシン (EM) 少量長期投与が有効で, 16歳まで成長し得た嚢胞性線維症 (cystic fibrosis) の1例を報告する. 生後7ヵ月で脂肪便, 反復性の呼吸器感染, 汗の電解質異常により cystic fibrosis と診断された. 現在, 咳嗽, 喀痰と労作時息切れを訴え, 胸部X線は, 両側びまん性の線状小粒状影と過膨張所見を示し, 肺機能検査では混合性換気障害を呈していた. 喀痰中には, 緑膿菌が持続して認められ, 1日50~70mlの多量の痰を喀出した. EM少量長期投与, Lomefloxacin 内服, Amikasin 吸入にて, 症状は改善した. 本邦では cystic fibrosis の症例は稀であり, 更に16歳まで成長し得た症例はきわめて稀れで, EM少量長期投与の有効性が示唆された症例として報告する.
  • 日置 詩子, 小川 晴彦, 藤村 政樹, 松田 保
    1995 年 33 巻 7 号 p. 775-779
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は56歳, 男性. 主訴は発熱. 3日前より38~40℃の高熱が続き, 頭痛も増強するため当科を受診した. 胸部X線写真にて左下葉に浸潤影を認め piperacillin, isepamicin および minocycline を投与したが増悪した. 低ナトリウム血症, 低リン血症を認め, レジオネラ肺炎の疑いが濃厚であることより erythromycin 点滴療法を考慮したが, 本剤の皮内テストが陽性であったため, roxithromycin 600mg/日投与開始した. その結果速やかな解熱傾向と著しい画像上の改善が得られた. 通常の erythromycin 点滴療法と並び roxithromycin はレジオネラ肺炎に有効な薬剤である可能性が推察された.
  • 竹川 宏典, 棟方 充, 斎木 茂樹, 川上 義和
    1995 年 33 巻 7 号 p. 780-784
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    62歳女性. 健診にて胸部X線写真の異常陰影を指摘された. 免疫蛋白電気泳動法で多クローン性免疫グロブリン血症, 気管支肺胞洗浄液でリンパ球数が47%と増加し, 免疫応答異常が示唆された. 胸部X線写真で両肺野に多発性斑状陰影を認めた. 胸部CTでは, 陰影は胸膜に接して分布しており, 治療前の経過で, 陰影辺縁部の密度が高い部分が肺門へ向かって進み, 陰影中心部の血管が透視出来る部分が拡大するという特徴的変化をみた. 中心部の淡い陰影は治癒機転を物語るものと考えられた. 開胸肺生検の病理像は器質化肺炎であった. 閉塞性気管支炎の所見は認めなかった. プレドニソロンー日30mg投与にて陰影はほぼ消失した. 陰影の性状が両側性, 多発性, 斑状, 肺胞性パターン, 末梢分布, 上肺野より下肺野に多い, 移動性といったCOP/BOOPのレ線上の特徴をすべて表現しており, 経過中その進展形式が特徴的であった.
  • 大野 喜代志
    1995 年 33 巻 7 号 p. 785-788
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症に合併した, 胸腺腫大の1例を報告する. 18歳女性. 甲状腺機能亢進症と診断され, また, 胸部レントゲン写真上, 前縦隔腫瘤影が指摘された. 抗甲状腺剤を投与し, 甲状腺機能が正常化するとともに, 腫瘤影は縮小した. 本症例は甲状腺機能亢進症に合併した胸腺過形成と考えられた.
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