我々は感作ウサギが過換気負荷により気道収縮 (HIB) をおこすことを報告してきた. 今回我々は, 抗コリン薬, β
2刺激薬, DSCGを前投与し, その効果からHIBのメカニズムを検討した. 卵白アルブミンで感作した日本白色ウサギ (n=21) を麻酔後, 気管切開し, 機械換気を行った. 1群: コントロール (n=7), 2群: Procaterol 50μg/ml (n=4), 3群: DSCG 10mg/ml (n=4), 4群: Ipratropium 1mg/ml (n=6) に分け, 各薬剤を1分間吸入させた後, 過換気負荷 (5%CO
2を含む混合気で1回換気量: 7ml/kg, 換気回数: 120/分) を行った. 負荷前, 直後, 5, 15, 30分後にR
L, Cdyn を測定し, 負荷前に対する%変化率 (%R
L, %Cdyn) をもとめた. %R
L (平均値) は, 5分後に1群+49%, 2群-6%, 3群+23%, 4群+1%と, 2, 4群で, 15分後に3群でもHIBの抑制を認めた. これらのことよりHIBには, 気道平滑筋の収縮が関与して, その機序としては迷走神経系, chemical mediator の関与が考えられた.
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