運動誘発喘息 (EIA) は, 運動後に誘発される気道攣縮で, 我々の検討では成人でも68例中37例で陽性だが, 陽性例, 陰性例で有意差を認めた指標はなかった. 抗コリン薬は中枢気道閉塞症例に有効だが, DSCGは気道閉塞部位に関係なく80%の症例で有効だった. mediator との関連は報告間で差があるが, 我々は好中球遊走因子: NCFとEIA重症度との相関を認めた. 機序の検討を目的に感作ウサギで過換気誘発気道収縮 (HVIBC) をまねくモデルを開発した. このモデルは温度に関係なく乾燥気吸入で気道収縮が生じ, refractory period を認め, 抗コリン薬で完全に阻止された. 高張食塩水吸入や浸透圧負荷, Amiloride 効果などの検討から, HVIBCは気道からの水分喪失で気道表面の浸透圧, Na濃度が増し, 肥満細胞が脱顆粒すること, 迷走神経が刺激されること, が推定され, 気道血管の拡張や浮腫との関連は否定的と思われた.
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