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伊藤 未幸, 諏訪部 章, 富永 真琴, 鈴木 俊紀, 高橋 敬治
1997 年 35 巻 11 号 p.
1163-1172
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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人工サーファクタントがブレオマイシン (BLM) で惹起した肺線維化を修飾するか検討した. ラットにBLM (3.75mg/kg) を経気管的に投与し, 24時間後にサーファクタント-TA (S-TA) を用いて肺洗浄 (1mg/ml, 6ml×2回) および補充 (10mg/ml, 0.5ml×1回) を行い, 14日目にラットを屠殺し肺コラーゲン含量と肺組織変化を調べた. S-TA処置ラットでは, BLM単独ラットにみられる体重減少, コラーゲン含量増加および肺線維化が有意に抑制された. また, S-TA (0.01~0.5mg/ml) は
in vitro で肺線維芽細胞増殖を濃度依存性に抑制した. この抑制はラット肺サーファクタントおよび脂質蛋白両成分にも認められた. 一方S-TAは, FCS存在下で認められる培養ラット肺胞II型細胞数の減少を抑制した. 以上より, S-TAはBLM投与肺の肺線維化を抑制し, その作用の一部が線維芽細胞増殖抑制およびII型上皮細胞保護によることが示唆された.
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康 健, 木村 弘, 新島 眞文, 江渡 秀紀, 坂部 日出夫, 篠崎 俊秀, 増山 茂, 岡田 修, 巽 浩一郎, 栗山 喬之
1997 年 35 巻 11 号 p.
1173-1178
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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覚醒時肺高血圧を合併した閉塞型睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) 患者6名 (平均年齢: 40歳, BMI: 39.0kg/m
2, AHI: 51.5) を対象に, ポリソムノグラフィー下に右心力テーテルを施行し, 肺動脈圧変動における睡眠ステージの影響を検討した. REM期およびNREM期での無呼吸解除前後に認められる平均肺動脈圧 (PAPm) の最高値は, 各々56.3±12.4, 41.4±6.9mmHgで, 覚醒時のPAPm (31.1±7.4mmHg) より有意に高かった. また, 無呼吸前後での低酸素血症に対するPAPm上昇の反応性 (ΔPAPm/ΔSpO
2) は, 両ステージ間でほぼ同様の値を呈した (-0.57±0.27vs. -0.57±0.26mmHg/%) が, 無呼吸の経過中のSpO
2 75%で比較したPAPmは, REM期では有意な高値を示した (48.7±11.2vs. 41.6±6.2mmHg). 覚醒時に肺高血圧を合併したOSAS患者においては, REM期には低酸素以外の因子の関与がさらに加わり, NREM期以上の著明な肺高血圧を呈すると考えられた.
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落合 早苗, 中西 洋一, 水野 圭子, 橋本 修一, 犬塚 悟, 川崎 雅之, 八並 淳, 原 信之
1997 年 35 巻 11 号 p.
1179-1185
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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原発性肺癌112例でCD44の発現を抗 CD44 standard 抗体及び抗 CD44 variant 6抗体を用いて免疫組織学的に検索し, 患者臨床背景との関連を検討した. (CD44 standard をCD44 st, CD44 variant 6をCD44 v6と略す.) 組織型別陽性率は, 扁平上皮癌が CD44 st 45.7%, CD44 v660.9%, 腺癌は各々2.3%, 4.7%, 小細胞癌は各々0%, 0%で, 扁平上皮癌での発現が他の組織型に比べ有意に高かった. また, CD44 stとCD44 v6はほぼ同じ検体に発現しており, 肺扁平上皮癌に発現しているCD44はエクソンv6を含む変異型CD44と考えられた. 病期別陽性率に有意差はなかった. CD44 v6の分化度別陽性率は低分化型28.6%, 中分化型61.3%, 高分化型87.5%と高分化型ほど有意に高かった. CD44 v6は扁平上皮化生等の癌組織以外でも発現の報告があり, 肺扁平上皮癌で発現が高いのは発生母地と思われる組織での発現を発癌後も保持するためと思われた.
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迎 寛, 芦谷 淳一, 飯干 宏俊, 谷口 治子, 松倉 茂, 飯田 桂子, 門田 淳一, 河野 茂
1997 年 35 巻 11 号 p.
1186-1190
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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サルコイドーシス (サ症) 患者血清中の可溶性接着分子を測定した. サ症では健常者と比較し, 血清中可溶性ICAM-1およびL-, E-, P-セレクチンの有意な増加を認めたが, 血清中可溶性VCAM-1値には差がなかった. 特に血清中可溶性L-セレクチン値は気管支肺胞洗浄液中のリンパ球の比率および数と有意な相関がみられた. これらの血清中可溶性接着分子値はサ症の病期に比例する傾向がみられたが, 有意ではなかった. 血清中可溶性ICAM-1値とVCAM-1値は血清中ACE値とには有意な相関がみられた. これらの結果より, サ症患者の病態に可溶性接着分子が関与している可能性が示唆された.
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山本 智生, 米田 尚弘, 吉川 雅則, 夫 彰啓, 竹中 英昭, 小林 厚, 岡村 英生, 岡本 行功, 塚口 勝彦, 成田 亘啓
1997 年 35 巻 11 号 p.
1191-1195
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者に高率に認められる栄養障害と, 悪液質に関与するサイトカインである tumor necrosis factor-α(TNF-α) との関連を検討した. 対象は安定期のCOPD患者54名で%標準体重 (%IBW) で体重非減少群 (A群; %IBW≧90), 軽度減少群 (B群; 90>%IBW≧80), 中等度以上減少群 (C群; %IBW<80) の3群に分けて血清TNF-α濃度を測定した. C群のCOPD患者の血清TNF-α濃度はA群, B群より有意に高値であり (p<0.0001, p<;0.001), 年齢, 体重を合致させた健常対照より有意に高値を呈した (p<). さらに16名のCOPD患者を Dual energy x-ray absorptiometry (DXA) で体成分分析を施行したところ, 血清TNF-α値は体脂肪量と有意に負の相関関係を呈した (r=-0.67, p<0.001). 以上の結果から, COPD患者の栄養障害, とりわけ体脂肪量の減少にはTNF-αの関与が示唆された.
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高部 和彦, 塚田 義一, 清水 孝, 高際 淳, 平山 稔, 中山 杜人, 三浦 薄太郎, 赤羽 久昌, 高山 重光, 相田 真介
1997 年 35 巻 11 号 p.
1196-1204
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
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気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中の石綿小体 (AB) 数を119例で測定し, 職業歴・画像所見・石綿関連疾患との関連について検討した. 職業歴から粉塵曝露を認める1群 (94例) と認めない2群 (25例), 1群はさらに石綿曝露を認める1A群 (61例) と認めない1B群 (33例) に分け, BALF 1mlあたりのAB数 (mean±SEM) を比較した.1群のAB数は2群に比し有意に多く (38.8±17.4 vs 0.06±0.04, p<0.0001), 1A群のAB数は1B群に比し有意に多かった (57.9±26.6 vs 3.4±1.2, p=0.01). 1群全体では胸部X線上の胸膜肥厚例のAB数は有意に高値であった (66.0±31.1 vs 5.1±4.2, p=0.03). 1群の石綿関連疾患では, 肺線維症14例中7例, 肺癌5例中4例, 悪性胸膜中皮腫6例全例, 良性石綿胸水4例全例でABが検出された. 粉塵曝露例や石綿関連疾患ではBALF中のAB数測定は石綿曝露の評価に有用と考えられた.
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前野 哲博, 佐藤 浩昭, 石川 博一, 内藤 隆志, 大塚 盛男, 長谷川 鎮雄
1997 年 35 巻 11 号 p.
1205-1208
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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縦隔腫瘍症例を対象に, 発見動機に注目し臨床的検討を行った. 症例は当科に入院し, 縦隔腫瘍と診断された47例を対象とした. 発見動機別では, 検診発見群19例, 症状発見群20例, 他疾患経過観察中発見群8例であった. このうち, 検診発見群と症状発見群の2群を対象として比較検討を行った. 各群に占める悪性腫瘍の割合は, それぞれ21%, 75%で, 症状発見群で有意に高率であった. 入院期間は, それぞれ平均60.5日, 118.1日で, 検診発見群が有意に短かった. もっとも頻度の高かった胸腺腫では, 検診発見群は全例がI~II期の早期例であったが, 症状発見群では早期例は20%のみであった. 外科治療が選択された症例では, 検診発見群では全例腫瘍摘出術のみであったが, 症状発見群では62.5%の例で周囲組織の合併切除を要していた. 本検討の結果から早期発見の重要性が再確認され, 今後検診発見率の向上などにさらに努めるべきであると考えられた.
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寺本 信嗣, 鈴木 正史, 松瀬 健, 大賀 栄次郎, 片山 弘文, 福地 義之助, 大内 尉義
1997 年 35 巻 11 号 p.
1209-1214
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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COPD患者における抗コリン薬の呼吸困難軽減効果に対する生理学的背景を検討した. 安定期にあるCOPD患者14名について, 抗コリン薬吸入前後で安静時肺機能, 呼吸筋力を測定し, 運動負荷試験によって運動時呼吸困難感を評価した. 抗コリン薬吸入によって肺活量, 一秒量が増加し, 機能的残気量, 残気率は低下した. 呼吸筋力は, 最大呼気圧 (PEmax) は不変であったが, 最大吸気圧 (PImax)は増加した. 運動時呼吸困難感は Borg scale slope (ΔBS/ΔV
O2) が全例で低下した. Borg scale slope は呼吸筋力のうちPEmaxとは相関を示さなかったが, PImaxとは正の相関を示した. また, PImaxは肺気量分画の中で残気率と最も強い相関を認めた. 以上より, COPD患者において抗コリン薬吸入は気道閉塞と air trapping を改善し, このことが単位神経入力に対する吸気筋力発生圧の改善をもたらす結果, 運動時呼吸困難感の改善に寄与している可能性が示唆された.
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鬼塚 黎子, 石畠 英昭, 田中 雅之, 隈本 健司
1997 年 35 巻 11 号 p.
1215-1222
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
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気管支喘息患者14症例の大, 中発作時と軽快時の2点で血清インターロイキン5濃度を測定した結果, 有意に低下した (p<0.001). 55症例について発作時に採血した血清インターロイキン5濃度と病型, 重症度, 喀痰中好酸球との関係を比較検討した. 病型では非アトピー型群が有意に (p<0.05) 高く, 重症度では重症>中等症>軽症の順に有意に高値であった (p<0.001, p<0.001). 気管支喘息発作時の血清インターロイキン5濃度と喀痰中好酸球は高い相関が認められた (相関係数r=0.85). ベクロメサゾン長期吸入療法によってコントロール良好な15症例では, 血清インターロイキン5濃度は測定感度以下であり, 喀痰中好酸球減少が認められた. 気管支喘息発作に対するステロイド点滴静注により血清インターロイキン5濃度は軽快に伴い経時的に低下した. 血清インターロイキン5濃度は気管支喘息の病態, 予後, コントロールを反映する指標として, 臨床上有用性が示唆された.
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馬場 美智子, 三上 正志, 中村 清一, 瀧澤 潤, 川上 雅彦
1997 年 35 巻 11 号 p.
1223-1227
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
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32歳の女性が持続する呼吸困難を主訴として入院した. 胸部単純写真上, 両肺の過膨張, 両中下肺野に拡がるびまん性網状影, CT写真上, 小嚢胞性病変と思われる低濃度吸収領域を認めた. また著しい低酸素血症, 混合性換気障害, 残気率の増加, 肺CO拡散能の低下を認めた. 以上よりリンパ管平滑筋腫症が強く疑われ, 肺生検により診断を確定した. 臭化フルトロピウムの吸入を開始したところ, 呼吸困難の軽減ならびに肺機能の明らかな改善を認め, 本剤が本症の対症療法上, 有用と思われる.
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高見澤 明美, 上條 与司昌, 山崎 善隆, 久保 恵嗣
1997 年 35 巻 11 号 p.
1228-1231
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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症例は46歳男性. 検診にて胸部X線上, 左肺尖部に単発の壁の厚い空洞病変を指摘された. 胸部X線写真の比較読影では, 先行する異常陰影が認められなかった. 喀痰培養, 気管支鏡検査にても確定診断がつかず, 肺癌も否定できないものの, 散布像が認められたことより, 肺結核としてイソニアジド (INH) 400mg, リファンピシン (RFP) 450mg, ストレプトマイシン (SM) 0.7g連日投与を行った. 陰影は縮小したものの, SM減量に伴い増大傾向を示した. このため, 多剤耐性肺結核, 肺癌との鑑別に難渋し, 左上葉切除術を施行した. 病理組織的には乾酪壊死を伴った肉芽腫で, 培養およびPCR法で
Mycobacterium avium (
M. avium) が検出され, 肺
M. avium 症と診断した.
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仲谷 善彰, 塩田 智美, 坂本 匡一, 岩瀬 彰彦, 青木 茂行, 松岡 緑郎, 永山 剛久, 西城 正雄, 河端 美則
1997 年 35 巻 11 号 p.
1232-1237
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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症例は61歳の男性. 両側大腿骨頭壊死の診断で当院整形外科へ入院した. 治療後退院するも帰宅約8時間後に発熱, 緑黄色痰, 呼吸困難が出現. 低酸素血症, 胸部X線上びまん性間質影を指摘され入院となった. 発症前の胸部X線に異常を認めず, 新たな薬剤服用がなかったこと, 症状が退院及び外泊約8時間後に出現し環境誘発試験陽性を示したこと, 並びに諸検査, 画像所見より過敏性肺臓炎が強く疑われた. その後加湿器水との沈降抗体強陽性を示したことより加湿器肺と診断した. 原因抗原に関しては, 培養で得られたほとんどの菌株に沈降抗体を有し複数菌の関与が示唆された. 病理所見で細気管支肺胞領域の他, 血管周囲結合織への細胞浸潤が特徴的であり, 経気道的に進入した抗原が経脈管的にも関与している可能性が推察され, 菌体成分の他に加湿器水中のエンドトキシンなどの可溶性因子が発症に関与している可能性が示唆された.
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濱田 泰伸, 坂谷 光則, 西岡 真輔, 審良 正則, 山本 暁, 上田 英之助
1997 年 35 巻 11 号 p.
1238-1244
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中の好中球エラスターゼ活性が高値を示した特発性間質性肺炎 (IIP) の1症例を経験した. 症例は63歳の女性で, 胸腔鏡下肺生検などよりIIPと診断され経過観察中であったが, 呼吸困難の増悪, 低酸素血症の進行を認め, 気管支鏡検査を施行した. BALF中には48.3%と好中球の増加を認めた. その後も, 呼吸機能検査や動脈血液ガス所見はさらに悪化したため, 急性増悪と診断し, ステロイドのパルス療法などの治療を行ったが, 効果なく死亡した. 本症例のBALF中の好中球エラスターゼ活性は1,090ng/mlと異常高値を示した. また, 抗 α
1-protease inhibitor (PI) 抗体を用いた Western immunoblot では, BALF中の正常なα
1-PIは減少し, より低分子のα
1-PIの増加を認めた. IIPの組織障害には protease とα
1-PIの不均衡状態が関与している可能性が示唆された.
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納谷 裕美, 大江 真司, 藤野 通宏, 秋山 也寸史, 桐澤 俊夫, 川上 義和
1997 年 35 巻 11 号 p.
1245-1251
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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症例は60歳, 女性. 呼吸困難感を主訴に, 精査加療を目的として入院した. 胸部X線写真および断層写真では中葉無気肺と右中間気管支幹を中心に腫瘤陰影を認め, 気管支鏡所見では中間気管支幹に表面凹凸のある腫瘤を多数認め, 全周性に狭窄していた. 気管支生検の病理組織所見では粘膜下組織に小型リンパ球に混じり, centrocyte-like cells と monocytoid cells の浸潤を認め, 一部の粘膜組織にもリンパ球浸潤を認め, intraepithelial infiltration を形成していた. またリンパ濾胞も認められた. リンパ球は免疫染色でL-26 (+) でB細胞性であり, IgG JH鎖に遺伝子再構成を認めた. 全身検索で他臓器に異常を認めず, 気管支原発MALTリンパ腫と診断した. CAMBO-VIP療法を施行し, 完全寛解に至り現在経過観察中である.
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喫煙開始との関連について
河村 哲治, 望月 吉郎, 中原 保治, 木本 てるみ, 渡邊 茂樹
1997 年 35 巻 11 号 p.
1252-1258
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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急性好酸球性肺炎の5症例を経験した. いずれも最近喫煙を開始した若年男性で, 急性発症, 低酸素血症, びまん性陰影, 末梢血・BALF中好酸球増多を呈し, 良好な経過をとった. 1例において, 喫煙負荷試験を行い, 末梢血およびBALF好酸球の増加を認めた. 急性好酸球性肺炎の原因の一つに喫煙開始が考えられた.
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北条 聡子, 藤田 次郎, 大林 由佳, 大西 隆行, 山地 康文, 岡田 宏基, 高原 二郎
1997 年 35 巻 11 号 p.
1259-1264
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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日本人とドイツ系アメリカ人との混血であり, かつ双生児の姉妹に発症した嚢胞性線維症を経験した. 1例は胎便イレウスにて発症し, もう1例は6歳時にアスペルギルス肺炎で発症した. 2例とも消化酵素, ビタミン剤, 周期的な抗生物質での治療, 最近では体内留置力テーテルによる在宅の抗生物質静注療法, およびDNase吸入療法にて23歳の現在も比較的良好な経過をたどっている. 19歳時 cystic fibrosis transmembrane conductance regulator (CFTR) 遺伝子異常のスクリーニングをうけ, ΔF508変異を指摘された. 今回この症例と母親の遺伝子解析の結果, 新たにCFTR遺伝子の exon 7 (R347H) と exon 16 (D979A) の missense mutation が明らかになった. 長期生存に加え, 遺伝子学的な検討を行った興味深い症例と考えられたのでここに報告する.
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天野 慎也, 吉田 康秀, 清水 浩安, 武田 恒弘, ト部 憲和, 溝尾 朗, 木村 弘, 栗山 喬之
1997 年 35 巻 11 号 p.
1265-1270
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
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Williams-Campbell 症候群は気管支軟骨の先天的量的欠損が原因と考えられる特殊な気管支拡張症であり, 本邦での報告は少ない. 本症の成人例と考えられる一例を経験したので報告した. 症例は34歳男性で発熱, 咳嗽, 喀痰を主訴に入院した. 著明なII型呼吸不全を呈し, 胸部X線写真, 断層写真にて全肺野に5~60mm径の輪状影を多数認めた. 更に著明な閉塞性換気障害, 気管支造影にて嚢状気管支拡張を認め, 本症に特徴的な吸気時の風船状拡張, 呼気時の虚脱を確認した. 本例では著しい低酸素血症にもかかわらず, 息切れなどの自覚症状が見られないため, 換気応答試験を実施したところ低酸素換気応答, 高炭酸ガス換気応答ともほとんど認められなかった. また胸部X線写真上, 肺性心の存在が疑われ, 心臓カテーテル検査にて肺動脈平均圧は26mmHgと肺高血圧を認めた.
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高畠 典明, 清野 秀一, 中村 秀範, 友池 仁暢
1997 年 35 巻 11 号 p.
1271-1277
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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症例は84歳, 男性. 発熱, 咳嗽, 血痰及び進行性の呼吸困難を主訴に入院した. 約10年程前から, 季節を問わず喘鳴を伴う気道感染様の症状を訴えていた. 入院時著しい低酸素血症, 胸部レントゲン写真上びまん性スリガラス状陰影および強い線維性変化を認めた. 胸部CTでは中枢性気管支拡張の所見が得られ, また気管支肺胞洗浄液では総細胞数の増加とリンパ球, 好酸球, 好中球の各細胞分画の増加が認められた. リンパ球サブセットではCD4/CD8比の低下, 血中総IgEが高値を, 特異的IgEではカンジタに対してのみ高値を認めた. アレルギー性気管支肺カンジダ症の線維化期と診断し, ステロイド剤や抗真菌剤等により治療したが, 血清カンジダ抗原が病勢の増悪, 寛解に伴い変動し, かつ経過中に血清可溶性インターロイキン2受容体値が高値を示した.
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1997 年 35 巻 11 号 p.
1278-1283
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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1997 年 35 巻 11 号 p.
1284-1291
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
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フリー
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1997 年 35 巻 11 号 p.
1292-1294
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
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1997 年 35 巻 11 号 p.
1295-1298
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
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1997 年 35 巻 11 号 p.
1299-1300
発行日: 1997/11/25
公開日: 2010/02/23
ジャーナル
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