高齢者に対する対応は, 寝台の高さ, ガントリーの開口径等, 現行モデルでは, ほぼ, その要求を満たすものとなっている.モニターやマイクロフォン等の機器も, すでにシステムの標準にはなっているが, より高品位な物への移行が望まれる.しかし, 視力, 聴力に障害を持つ方への配慮は, まだまだ十分とは言えず, 安全機構についても改良の余地を残している.また, 既存の装置を使う多くの施設では, 業務のかなりの部分を介助に, とられている場合も少なくなく, 安全機構の追加や, 検査寝台の交換など患者のための, バージョンアップがとられてもいいのではないだろうか.臨床面において, CT検査は必要不可欠になっており, 実際, 高齢者に対しては, 様々な対応が必要である.装置の性能による検査時間の短縮は, 限界近くまで達しており, 今後機構・機能の簡素化した簡易検査専用装置の出現を期待して発表のまとめとしたい.最後に発表の機会を下さった日放技学会放射線撮影分科会の御諸兄に深く感謝いたします.
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