日本放射線技術学会雑誌
Online ISSN : 1881-4883
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82 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
  • 結城 孝仁, 宮本 直樹, 細山 千晴, 齊藤 祐輝, 明神 美弥子
    2026 年82 巻2 号 論文ID: 26-1561
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/04
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    【目的】早期声門がんを模したファントム体系において,放射線治療計画システム(radiotherapy treatment planning systems: RTPS)上で空気に接する領域の線量計算精度を評価すること.【方法】水等価ファントムの間に空気領域を設け,6 MVのX線を200 MU照射してラジオクロミックフィルムを用いて深さ方向の吸収線量を実測し,Pinnacle3(Philips Healthcare, Amsterdam, the Netherlands; collapsed cone convolution: CCC)とRayStation(RaySearch Laboratories, Stockholm, Sweden; photon monte carlo: pMC, CCC)の各計算値を比較した.【結果】空気領域通過後のフィルム実測値と各アルゴリズムの計算値の差は,RayStation CCCでは最大14.4%であり,RayStation pMCでは−3.8%であった.【結語】pMCはCCCよりも空気領域との境界での表面線量計算精度が高く,CCCは表面での吸収線量を過大評価する.空気を含む不均質領域周囲の線量が臨床的に極めて重要な場合には,RayStation pMCを使用することでより正確な線量計算が行えることが示唆された.

臨床技術
  • 鷹尾 祐一
    2026 年82 巻2 号 論文ID: 26-1599
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/04
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    【目的】400 mgI/kg・20秒注入の造影剤を用いた胸部から下肢に至る広範囲CTAにおいて,可変ヘリカルピッチスキャン(variable helical pitch scanning: vHP)の有用性を検証した.【方法】Double level test bolus injection(DLTI)法で得た造影到達時間をもとに,固定ピッチ法(n=20)およびvHPを用いた可変ピッチ法(n=20)で撮影を実施した.主要動脈5部位のCT値を比較し,視覚評価も行った.【結果】可変ピッチ法は固定ピッチ法に比べ,腹部大動脈および大腿動脈のCT値が有意に上昇し(p<0.05),体軸方向の造影効果均一性が向上した.視覚評価においても有意に高評価を得た(p<0.05).【結語】DLTI法とvHP技術を併用した本プロトコルは,造影剤量を低減しながら,胸部–下肢CTAにおける造影効果の体軸方向の均一化に有用である.

  • 中山 貴裕, 田辺 悦章, 藤井 康志
    2026 年82 巻2 号 論文ID: 26-1566
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/04
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    【目的】放射線治療装置の回転座標系の誤差が軸外targetの照射精度に及ぼす影響を定量的に評価し,TG142における回転座標系誤差(±1.0°)のトレランスの妥当性を検討する.【方法】Elekta社製放射線治療装置(Elekta, Stockholm, Sweden)とMultiMet-WL QAファントム(Sun Nuclear, Melbourne, FL, USA)を用いて,6個のtargetに対してoff isocenterのWinston–Lutz test(WL test)を実施した.Baselineの測定に加え,意図的にcollimator,gantry,couchに+0.5°, +1.0°回転誤差を加えた6条件で測定を行い,照射野中心とtarget中心のベクトル距離(S値)および各方向(gantry-target: GT, left-right: LR, anterior-posterior: AP)の位置ずれを解析した.【結果】Isocenterからの距離が大きいtargetほど位置ずれが顕著であった.特にcollimator回転誤差の影響が最も大きく,isocenterから7 cm離れたtargetでは0.5°の回転誤差でもS値が最大1.24 mmに達した.次に影響が大きかったのはcouch回転であり,gantry回転はtargetの配置が回転軸に近いものが多く相対的に影響が少なかった.回転座標系の誤差は幾何学的誤差の影響が強く,位置ずれに方向依存性があった.【結語】Collimatorやcouchの影響が大きく,0.5°の誤差でも1 mm以上の位置ずれが生じることがあった.Gantryの影響はtargetの配置依存があり,相対的に小さかった.軸外targetの照射において,TG142の±1.0°のトレランスは放射線治療装置の種類にかかわらず最低限遵守するべき基準であり,targetの配置次第では臨床的に十分なマージンを保証できない可能性が示された.Target配置に応じたより厳格な基準と定期的quality assurance(QA)の重要性が示唆された.

  • 杉浦 照予, 松下 矩正, 佐々木 誠, 藤本 隆広, 中田 学, 平島 英明, 相澤 理人, 溝脇 尚志
    2026 年82 巻2 号 論文ID: 26-1608
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/03
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    【目的】転移性脊椎腫瘍に対する体幹部定位放射線治療(stereotactic body radiation therapy: SBRT)において,異なる照射部位群におけるintra-fractional motion(IFM)を明らかにする.【方法】2022年1月から2023年4月までに当院で転移性脊椎腫瘍に対するSBRTを受けた31名の患者(32部位)を対象に,頸椎–上位胸椎(C–upTh),下位胸椎(lowTh),腰椎–仙椎(L–S)の三つの部位群における照射中の位置変位量(IFM)を解析した.IFMは照射直前と直後に撮影したExacTrac(BrainLab, Munich, Germany)の2次元直交kV-X線画像の照合結果の差分と定義し,IFMと治療時間との相関を調べた.PTVマージンは2 mmとした.【結果】すべての部位群において95%以上のフラクションでIFMは2 mm/2°以内となった.IFMと治療時間の相関係数はL–S群の腹背方向で最大0.43であった.【結語】当院の椎体SBRTにおけるIFMは2.0 mm以内であり,PTVの範囲内であった.

資料
  • 麻生 弘哉, 松尾 和明, 宮原 善徳, 勝部 敬, 吉廻 毅, 楫 靖
    2026 年82 巻2 号 論文ID: 26-1582
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/04
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    【目的】本研究の目的は,真空固定具を使用した低体重出生児の頭部撮像において,各メーカのコイル別に至適撮像位置の検討を行うことである.【方法】最初に当院で撮像された低体重出生児の画像データを計測し,平均的な体格を確認した.次にGE Healthcare(Milwaukee, WI, USA)社,Siemens Healthineers(Erlangen, Germany)社,Philips Healthcare(Best, the Netherlands)社それぞれ付属の頭部コイルを使用し,共通のファントムを同一撮像条件で撮像することにより,均一度の計測を行った.【結果】低体重出生児の体格は小さく,各メーカすべてのコイルにおいて身体全体を挿入できる大きさであった.またコイル別で深さによる均一度が異なり,GE 8chでは深部,Siemens 20chでは中央,Philips 32chでは深部,Philips 20chでは中央の使用で均一度が高かった.【結語】真空固定具を使用した低体重出生児において,真空固定具の厚さを加味した高さとそれぞれのコイル別で均一な位置に挿入することが至適撮像位置であった.

  • 佐藤 正和, 前川 和輝, 林 利廣, 長谷川 亮太, 野口 和希, 武田 和也, 先山 耕史, 坂本 肇, 田島 修, 佐藤 久弥, 石川 ...
    2026 年82 巻2 号 論文ID: 26-1587
    発行日: 2026年
    公開日: 2025/12/04
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    【目的】Diagnostic Reference Levels(DRLs)2020で新たに設定された患者照射基準点空気カーマ(air kerma at the patient entrance reference point: Ka,r)および面積空気カーマ積算値(air kerma area product: PKA)を含むカテーテルアブレーションの線量実態を把握し,手技別の放射線量の違いを明らかにすることを目的とした.【方法】2019年6月から2021年5月までをデータ収集対象期間とし,2021年12月から2022年3月にかけて全国の施設を対象にアンケート調査を実施した.使用プロトコル(基準透視線量率,撮影線量率)とnon–pulmonary vein isolation(Non-PVI),カテーテルPVI,バルーンPVIの3手技ごとにKa,r,PKA,透視時間,撮影回数,撮影フレーム数についてデータを収集した.【結果】収集されたデータのKa,rの中央値は,Non-PVI群が128 mGy,カテーテルPVI群が170 mGy,バルーンPVI群が228 mGyであった.PKA,透視時間,撮影フレーム数についても手技間で有意差が認められた.【結語】カテーテルアブレーションにおける手技線量の低減傾向が確認された.また,各手技において手技線量には差異が認められ,特にバルーンPVI群では他手技に比べ高値を示した.

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