日本臨床外科学会雑誌
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66 巻 , 3 号
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  • 霞 富士雄
    2005 年 66 巻 3 号 p. 557-567
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 武山 浩, 鳥海 弥寿雄, 田部井 功, 塩谷 尚志, 吉田 和彦, 山崎 洋次
    2005 年 66 巻 3 号 p. 568-573
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    乳腺疾患26例,甲状腺疾患11例の手術症例を無作為に2群に分け,それぞれの群にアジスロマイシン (AZM), スルバクタム/アンピシリン (SBT/ABPC) を手術周術期に投与し,その後の創部感染 (SSI) と創外感染 (RI) の有無を評価した. AZMでは500mg/日を術前2日前より手術当日朝まで3日間経口投与した. SBT/ABPCは3g/日を手術当日より3日間静脈内投与した.術後1週間の観察期間内で手術創感染 (SSI) はSBT/ABPC投与群で1例 (1/17:5.9%), 創外感染 (RI) はAZM群で1例 (1/20:5.0%) に発症した.他の35例については,臨床症状,平均体温, CRP値, WBC値ともいずれも正常範囲内であり両群間に差を認めなかった. AZM経口投与はSBT/ABPCの静脈内投与と術後感染阻止において同等の効果をもつと考えられる.
  • 吉川 幸造, 大塩 猛人, 中溝 博隆, 高野 周一, 小森 登志江
    2005 年 66 巻 3 号 p. 574-577
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    1975年から2004年までの30年間に,当科で,手術または内視鏡的に摘出した23症例25個の若年性ポリープを対象に検討した.年齢は11カ月から12歳で男児15例,女児8例であった.症状は血便が20例,肛門からの脱出が7例,ポリープを先進部とした腸重積が2例,貧血が1例であった.治療は経肛門的ポリペクトミーを11例 (12回)に,内視鏡的ポリペクトミーを10例に,開腹摘出を1例に,母親による用手的摘出後止血術を1例に施行した.存在部位は直腸に15個と最も多く,次いでS状結腸が5個であった. 2例で異時性に, 1例で同時性に存在した.若年性ポリープは腸重積や貧血の原因となる可能性があり,癌化症例の報告もあるために,診断が付き次第切除する必要がある.
  • 瓜園 泰之, 勝井 錬太, 上山 直人, 中島 祥介
    2005 年 66 巻 3 号 p. 578-582
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    患者は41歳女性,軽乗用車を運転中にトラックと衝突し,搬送先の病院では興奮状態で,意思の疎通は困難であった.頭蓋骨骨折,横隔膜破裂と脾臓破裂を認め,脾動脈の塞栓術を行った後に緊急開腹術を施行した.麻酔導入時,脈拍200/minの洞性頻脈を認めた.術当日に再度,頻脈と41°Cの発熱を認めた.甲状腺の著明な腫脹と眼球の突出, free T3, free T4, サイログロブリンはそれぞれ14.4pg/ml, 6.02ng/ml, 800ng/mlと著増し, TSHは0.002μIU/mlと低値であったため,外傷を契機に甲状腺クリーゼが起こったと判断,治療を開始した.その後,甲状腺関連ホルモンの値は正常化したが,甲状腺中毒性ミオパチーを合併した.重症多発外傷の場合,時間的制約が厳しく,充分な問診がとれない.そして目先の派手な損傷に気がとられがちとなるが,おもわぬ内因性の疾患が存在することもあるので,生理的徴候をしっかりと把握し,病態を評価,検討することが重要であると考える.
  • 山田 正法, 山本 大悟, 坂井田 紀子, 植村 芳子, 奥川 帆麻, 田中 完児
    2005 年 66 巻 3 号 p. 583-586
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    日常診療において線維腺腫に乳癌を合併した症例に遭遇することは稀である.通常,線維腺腫はマンモグラフィ,乳腺エコー後に穿刺・吸引細胞診を施行し良性と診断され経過観察されていることが多い.
    約20年前に穿刺・吸引細胞診で良性と診断されていた線維腺腫が,今回,乳頭異常分泌・乳頭痛にて乳管・腫瘍切除術を施行したところ,線維腺腫の中心部にDCISを認めた稀な症例を経験したので,文献的考察を含め報告する.
  • 石井 辰明, 金 仁洙, 井谷 史嗣, 室 雅彦, 石川 隆, 野島 洋樹
    2005 年 66 巻 3 号 p. 587-590
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    稀な破骨細胞様巨細胞を伴う乳癌の1手術例を報告する.
    症例は49歳の女性で乳房腫瘤を主訴に来院.右乳房外上部に2.0×1.8cm大の硬い腫瘤を触知し,超音波検査とマンモグラフィーでは乳癌が疑われた.穿刺吸引細胞診では多数の多核巨細胞と異型上皮細胞の小集塊が認められたが,巨細胞を伴う他の良性疾患も否定し得ぬため切除生検を施行した.免疫組織学的検査で多核巨細胞はCD68陽性であり,破骨細胞様巨細胞を伴う浸潤性乳管癌と診断された.乳房温存術と腋窩リンパ節郭清を施行し,術後8カ月目の現在再発の徴候無く健在である.巨細胞を伴う乳腺疾患は多彩であり,細胞診で鑑別診断が困難な際は,針生検や切除生検による組織学的診断が必要であると考えられた.
  • 渋谷 均, 佐々木 賢一, 井上 大成, 原田 敬介, 伊東 竜哉
    2005 年 66 巻 3 号 p. 591-595
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本邦では比較的稀な髄膜播種を伴った劇症型乳癌を経験したので報告する.
    症例は49歳女性,右乳房の炎症性乳癌により,術前化学療法を行い腫瘍縮小後, rtBt+Ax+Mnを施行,術後さらに後療法を追加した.しかし,療法後ただちに局所再発,対側乳房への転移が出現し,放射線治療開始した.放射線により局所制御は可能であったが,その後さらに多発性肝転移,骨転移が出現した.このため, paclitaxelのweekly投与を行ったが効果がなく,肝転移巣は増大した.このため肝転移巣制御の目的で肝動注療法を行ったが,これも無効であった.この療法後,患者は頭痛,食欲不振,嘔気,嘔吐などの症状を訴えた.造影MRIにて左前頭葉に1.5cm大の転移巣,また小脳の上面,脳幹周囲に髄膜播種を認めた.脳への放射線治療を予定したが,肝不全をきたし死亡した.治療開始から死亡まで13カ月の経過であった.
  • 中城 正夫, 吉松 俊英, 木村 龍範, 内田 雄三, 川原 克信
    2005 年 66 巻 3 号 p. 596-600
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    アプライドウーンドリトラクター(以下アレクシス)を使用して背部弾性線維腫を摘出した.症例は76歳,女性.主訴は右背部腫瘤.右肩関節外転位で右肩甲骨下方に腫瘤を触知,中間位では触知せず.表面平滑,弾性硬,可動性なく,圧痛なし. CTで右肩甲骨下角部内側に約5cm大の腫瘤を認めた.経皮的針生検では弾性線維腫が最も疑われた.全身麻酔下に左側臥位とし,約6cmの皮膚切開を置いた.広背筋を剥離しアレクシスを利用して前方に圧排した.大菱形筋・前鋸筋の下層を剥離し,その下層にアレクシスを置き,視野を展開した.広背筋・大菱形筋・前鋸筋はいずれも温存し,腫瘤を摘出した.腫瘤の周囲臓器への浸潤はなかったが第6肋骨骨膜の一部との剥離が困難であった,腫瘤径56×45×15mm大,灰白色調充実性で,組織学的に弾性線維腫と診断した.術後は合併症なく経過した.手術の際,創縁の保護,視野の展開にアレクシスが有用であった.
  • 中西 喜嗣, 鈴木 康弘, 狭間 一明, 高橋 基夫, 藤田 美悧, 近藤 哲
    2005 年 66 巻 3 号 p. 601-604
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は54歳の女性,右側腹部痛を主訴に来院.同部位に圧痛を認め,腹部超音波検査, CT, MRIにて腎静脈合流部上方の下大静脈を圧排する腫瘤を認めた.手術所見では腫瘍は下大静脈の腎静脈合流部前面に固定しており,下大静脈の一部を合併切除し腫瘍を摘出した.病理学的に平滑筋肉腫と診断され,腫瘍細胞の約5%でエストロゲンレセプターが確認された.術後約3年3カ月経過した現在も再発徴候を認めていない.
  • 吉田 禎宏, 鳥羽 昭三, 斉藤 恒雄, 今冨 亨亮, 福山 充俊, 黒田 武志
    2005 年 66 巻 3 号 p. 605-609
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Morgagni孔ヘルニアは横隔膜ヘルニアの中で稀な疾患で,食道裂孔ヘルニア合併例は13例しか報告されていない.今回食道裂孔ヘルニアを合併した1例を経験したので報告する.
    症例は75歳女性.右胸腹部痛,呼吸困難が出現し,近医を受診した.胸部X線写真にて右下肺野に異常陰影があり,当院に紹介された. CT検査,胃内視鏡検査などにて横行結腸・大網を内容とするMorgagni孔ヘルニア,滑脱型食道裂孔ヘルニア,逆流性食道炎と診断した.開腹手術を施行した.手術時, Morgagni孔ヘルニア内容は大網のみであった.大網を腹腔内に還納し,ヘルニア嚢を腹腔内に反転して切除した.ヘルニア門は径3cm大で,直接縫合閉鎖した.食道裂孔ヘルニアに対しては食道裂孔を縫縮し, Modified Nissen型噴門形成を行った.術後経過は良好で術後14日目に退院した.
  • 北田 浩二, 杉 和郎, 松田 英祐, 平澤 克敏, 東 俊孝, 梅森 君樹
    2005 年 66 巻 3 号 p. 610-613
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    先天性気管支閉鎖症は稀な疾患であるが,われわれはその2例を経験した.症例1は感冒時の遷延する咳漱を主訴とした33歳の女性で,症例2は労作時呼吸困難と縦隔偏位を伴った22歳の女性であった.ともに当該区域の切除術を受け,症状の軽快を得た.本疾患は無症状であれば治療の必要はないものの,提示した2症例のように感染症状や過膨張による悪影響が出る場合は外科的治療の適応を考慮すべきである.
  • 加藤 智栄, 林 雅太郎, 八木 隆治, 平田 健, 坂野 尚, 河野 和明
    2005 年 66 巻 3 号 p. 614-617
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は56歳,男性,呼吸困難を主訴とし入院.右胸腔に巨大ブラがあり,健常肺虚脱,縦隔左方偏位がみられ, O221投与下でPaO271.1mmHg, PaCO258.6mmHg, VC1.751, FEV1.00.681, %VC 47.0%, FEV1.0%38.8%であった.右下葉bullaを穿刺し持続吸引後,症状の改善が得られ残存肺機能の評価ができ,安全に手術が可能であった.右腋窩中線第7肋間より胸腔鏡を挿入し第5肋間後側方小開胸下,ブラ壁境界健常肺に4-0 prolene SH水平マットレス縫合を置き,その直上で自動縫合器を掛け嚢胞を切除した.術後肺再膨張は良好でなり室内気でPaO276.4mmHg, PaCO245.9mmHg, VC3.021, FEV1.02.431, %VC 81.2, FEV1.0%85.3%に改善,術後13病日に退院した.巨大ブラのため呼吸困難に陥った症例に対する持続脱気は残存肺の機能評価,術後の再拡張後肺水腫の軽減に有用で,胸腔鏡補助下のブラ切除術は呼吸機能の保持に有用と考えられる.
  • 伊藤 美夫, 小池 能宣, 米山 重人, 今 裕史, 佐々木 彩実
    2005 年 66 巻 3 号 p. 618-621
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は80歳,男性.高血圧,糖尿病の治療中,胸部X線写真にて右中肺野に径2cmのcoin lesionを指摘された.自覚症状はなく良性の腫瘤性病変と判断し経過を観察していたが,病巣の移動を認めたため精査目的にて入院となった.同病変はCT, MRIで右肺S2とS6間にあり,径2cm,辺縁整,卵殻状の円形像を示した.胸腔鏡下手術を施行した.灰白色の腫瘤が斜裂の中にあり,周囲との癒着もなく容易に摘出しえた.腫瘤は2.2×2.0×1.8cm, 表面平滑,弾性硬で,中心部は凝固壊死を伴う脂肪織からなり,その周囲を膠原線維束が覆う卵殻状構造を呈していた.これは腹腔内遊離体と同様の構造の腫瘤であり,胸腔内遊離体即ち胸腔内結石と診断された.胸腔内結石の報告例は少なく,極めて稀な症例と考えられた.
  • 牧野 知紀, 藤谷 和正, 平尾 素宏, 辻仲 利政, 竹田 雅司, 真能 正幸
    2005 年 66 巻 3 号 p. 622-626
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    66歳,男性.自宅で酸性トイレ洗浄剤を服用し,腐食性食道炎と胃炎による幽門閉塞と食道狭窄を発症.他院にて胃空腸吻合術と多数回の食道ステント留置術を施行されたが,狭窄症状は改善せず,肺炎・縦隔炎を併発.当科入院後,経腸栄養での全身状態改善および誤嚥性肺炎治療のため食道瘻.腸瘻造設術を施行. 1カ月後,幽門側胃切除術,右半結腸食道再建術施行.術後,再建結腸壊死を生じ食道瘻を再造設した. 1カ月後,食道ステントによる食道気管支瘻を認め,胸部食道全摘術および有茎広背筋弁による左気管支瘻閉鎖術を施行. 4カ月後,遊離空腸食道再建術を施行し,食事摂取可能となった.腐食性食道炎に使用した食道ステントにより,縦隔炎および食道気管支瘻からの重症肺炎を併発し,治療に難渋した1例を経験した.腐食性食道炎後の良性瘢痕狭窄に対する食道ステントは重篤な合併症を招くため適応すべきでないと考えられた.
  • 松田 巌, 川口 正春, 谷口 正美, 山崎 将典
    2005 年 66 巻 3 号 p. 627-631
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は71歳男性.胃体上部後壁の進行胃癌の診断にて,平成15年1月8日,胃全摘術および膵体尾部,脾合併切除術を施行した.術後,ウィンスロー孔へ挿入していたドレーンによる圧迫壊死のため挙上した空腸に穿孔をきたしたが,保存的に治癒し退院した.同年6月30日,右側腹部腹壁膿瘍にて入院し切開排膿ドレナージを施行した.上部消化管造影検査にて,前回手術後に発生した挙上空腸の穿孔部から造影剤の漏出を認めたため,同部が難治性瘻孔となって長期間存在し,腹壁に膿瘍を形成したものであると診断した.その後瘻孔は閉鎖せず,経内視鏡的に瘻孔内にヒストアクリルを注入したところ,瞬時に瘻孔は閉鎖し経口摂取が可能となった.消化管に発生した難治性瘻孔は治療に難渋するが,ヒストアクリルを用いて瘻孔閉鎖に成功したという報告はわれわれが検索した限り,過去1例のみであった.本法は極めて簡便であり,試みてみるべき治療法の-つであると考えられた.
  • 川口 正春, 砂山 健一, 谷口 正美, 山崎 将典, 松田 巌, 寺田 忠史
    2005 年 66 巻 3 号 p. 632-637
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,子宮体癌術後に胃漿膜に発生したclear cell carcinomaの1症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
    症例は50歳,女性.当院産婦人科にて平成14年10月に子宮体癌に対して子宮全摘+両側付属器切除術,術後化学療法を施行し経過観察していた.平成15年5月の腹部CT上脾門部周囲に腫瘤像を認め,その後増大を認めたため外科にコンサルトされた.精査の結果,原発性胃粘膜下腫瘍と診断し腹腔鏡下に手術を施行した.病理組織検査の結果,胃漿膜に発生したclear cell carcinomaの診断であった.さらに4カ月後に同部位近傍に再発病巣を認め平成16年5月に腹腔鏡下腫瘍切除術を施行した.病理組織検査の結果,前回同様のclear cell carcinomaの診断であった.
    術後6カ月現在,明らかな再発を認めていないが,症例の蓄積がなく今後も厳重な経過観察が必要と考えられた.
  • 進藤 吉明, 柴田 裕, 中川 康彦, 小玉 雅志, 南條 博
    2005 年 66 巻 3 号 p. 638-642
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は54歳,男性.検診で異常を指摘され,胃内視鏡検査にて,胃体部後壁の胃癌(3型)と診断された.注腸検査で,右側結腸腸間膜側に多発連続性の腫瘍を認め,大腸内視鏡で同部位にたこいぼ状の腫瘍を認めた.生検組織は胃癌と同様で,胃癌,転移性大腸腫瘍と診断した.術中所見で,腹膜播種はなく,腹水細胞診は陰性だが,左胃動脈,大動脈周囲のリンパ節転移を認めた.悪性腫瘍によるネフローゼ症候群もあり,幽門側胃切除術,右結腸切除術を姑息的に施行した.病理組織検査で,大腸腫瘍(tub2)は,胃癌と同様で,リンパ管侵襲を強く認めた(ly3). 免疫染色結果から胃癌の大腸転移と診断した.術後5カ月で左鎖骨上リンパ節転移を認め, 9カ月後,大腸吻合部近傍に再発と思われる粘膜病変を認めた.術後,癌化学療法は無効で,リンパ行性に再燃し,第317病日に死亡した.
  • 五十嵐 章, 小里 俊幸, 斉藤 孝晶
    2005 年 66 巻 3 号 p. 643-646
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は81歳女性.平成16年3月20日頃より食欲不振があり寝ている状態が多かった. 3月22日より嘔吐が出現し当院内科を受診,腸閉塞が疑われ外科入院となった.イレウス管にて減圧を行ったが症状の改善は得られず,さらに全身状態も悪化したため緊急手術を行った.開腹すると血性の腹水と循環障害に陥った腸管が認められた.原因を検索すると右閉鎖孔に回腸が嵌頓しており,そこを軸として小腸が時計回りに回転し腸間膜が絞扼されていた.手術は絞扼された小腸を約150cm切除した.
    閉鎖孔ヘルニアが原因で絞扼性イレウスとなった症例はわれわれが調べ得た限りではみられず,極めて稀な症例と思われた.
  • 近藤 英介, 林 伸一, 鈴木 弘文, 新藤 寛, 山本 和夫, 山森 秀夫
    2005 年 66 巻 3 号 p. 647-652
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は72歳の女性,嘔吐,食指不振とめまいを繰り返し受診し,血液検査で小球性低血色素性貧血と低タンパクを認めた.患者は椎間板ヘルニアで, 24年間のNSAIDの服用,座薬の使用歴があった.腹部レントゲン, CTで腸閉塞の所見を認め,小腸イレウスの診断で小腸造影を施行したところ,分節,球状に拡張した小腸を認めた.流出小腸液の潜血反応を調べたところ陽性であった.以上の結果より小腸イレウスと出血の診断で小腸部分切除術を行った.切除標本では小腸に多数の隔膜様の輪状狭窄を認め,狭窄が軽度の部位には浅い潰瘍を伴っていた.病理では狭窄部位での粘膜の薄化と粘膜筋板の肥厚と軽度の炎症細胞浸潤を認めた.本症例は,多発する回腸の隔膜様の輪状狭窄が原因であり, 1968年に岡部らが非特異性小腸潰瘍として報告した症例と本症例は病態が類似していたが,発症年齢や狭窄の形状所見,狭窄の原因となる潰瘍病変の有無などが異なっていた. NSAIDの長期使用歴があり, NSAIDの長期使用に起因し,小腸に稀に生じる“diaphragm-like disease”隔膜様狭窄症と考えられた.
  • 金成 正浩, 藤澤 順, 湯川 寛夫, 永野 篤, 松川 博史, 清水 哲
    2005 年 66 巻 3 号 p. 653-656
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    小児における腸重積は頻度の高い疾患であり,多くが原因疾患を有さない特発性で,異所性膵によるものは稀である.今回,われわれは回腸異所性膵による腸重積の1例を経験したので報告する.
    症例は6歳男児.腹痛,腹部膨満が出現したため近医受診し,浣腸を施行され血便を認めた.その後も腹部膨満は改善せず,嘔吐も出現したため,当院小児科受診となった.腹部単純X線写真にて腸閉塞と診断され当科受診となった.腹部超音波にてpseudokidney signを認め,腸重積と診断,発症から24時間以上経過しており,緊急開腹手術となった.術中所見では回腸回腸結腸型の腸重積を認め,これらを整復すると重積先進部に約2cmの腫瘤を触知したため,同部位を含めて腸切除を行った.病理組織学的にHeinrich I型の異所性膵と診断された.術後経過は良好で再発を認めていない.
  • 柳生 利彦, 菊地 勝一, 中村 栄秀
    2005 年 66 巻 3 号 p. 657-660
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は50歳男性.右下腹部痛の発現後,症状の改善を認めず10日目に入院した.腹部超音波検査で右下腹部に低エコー域を認め,腹部CTで回盲部結腸外側にlow density massを認めた.大腸内視鏡検査で盲腸に憩室炎を認めた.保存的治療で症状の軽快を認めず手術を施行した.開腹時盲腸壁は虫垂との癒着部で高度に肥厚し虫垂間膜に膿瘍を形成していた.虫垂間膜内の膿瘍を含め虫垂を切除した.切除標本の病理学的所見では虫垂粘膜の炎症は軽度であり虫垂間膜に穿通し膿瘍を形成した盲腸憩室炎と診断した.術後経過は良好で15カ月無症状で経過している.盲腸憩室炎の虫垂間膜への穿通は稀な病態であり報告した.
  • 吉田 直優, 角 泰廣, 村瀬 勝俊, 松山 隆生, 尾関 豊
    2005 年 66 巻 3 号 p. 661-664
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は33歳,女性.持続する右下腹部痛があり,血液検査で貧血と炎症反応の上昇を認め入院した.腹部CTで回盲部の炎症を疑い,腫瘍の可能性も考慮し,緊急手術を施行した.開腹すると,虫垂から盲腸にかけての部分が,上行結腸内に重積しており,その先端に大きさ50×40mmのIp型の腫瘍を認めた.腫瘍が先進部となった腸重積と診断し,回盲部切除術を施行した.病理組織学的検査で,腫瘍は高分化型腺癌,壁深達度m, n(-), ly0, v0, Stage0であった.腫瘍は周辺に厚い筋層を伴っており,盲腸から発生していた.大腸癌による腸重積は,大腸周囲の結合組織が脆弱化した高齢者に多く,若年者は極めて稀である.過去10年間の本邦報告例は自験例を含めて5例のみであり,文献的考察を加えて報告する.
  • 竹中 博昭, 小野田 雅彦, 林 雅規, 田中 俊樹, 守田 信義, 濱野 公一
    2005 年 66 巻 3 号 p. 665-668
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    78歳の女性が下腹部痛と糞尿を主訴に来院した.注腸検査で下行-S状結腸に多発する憩室およびS状結腸と膀胱後壁の交通を認め, S状結腸膀胱瘻と診断した.局所の炎症沈静化の後手術を行うこととし,保存的治療を1カ月継続し一期的に手術を行った.下行結腸の一部とS状結腸の切除および膀胱部分切除を行った.術後経過は良好であった.結腸膀胱瘻の手術は一期的に施行する方法が最良であると考えられた.
  • 鈴木 直人, 角田 明良, 中尾 健太郎, 神山 剛一, 山崎 勝雄, 草野 満夫
    2005 年 66 巻 3 号 p. 669-672
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は51歳男性.排尿困難,下血を主訴に当院紹介となった.直腸診にて直腸前壁に弾性軟の腫瘤を触知し, MRI検査では直腸に接して辺縁不整な5.0×4.0cm大の腫瘤を認め,内部にairがみられた. CT下生検にてschwannoma, no malignancyと診断された.大腸内視鏡検査では肛門縁より5cmの部位を中心に溝を有する粘膜下腫瘍を認めた.以上より直腸schwannomaと診断し,経仙骨的腫瘍切除術を施行した.組織学的には紡錘形細胞が束状増殖し,錯綜配列を示していた.免疫組織染色ではc-kit陽性, CD34陽性, vimentin陽性, SMA陰性, S-100陰性, desmin陰性であったため直腸GIST, umcommitted typeと診断した.本症例は悪性所見を認めないことにより,経仙骨的直腸腫瘍切除術を選択した.本術式は,良性GISTなどにて肛門機能を保つためには有用であると考える.
  • 平塚 研之, 角田 明良, 中尾 健太郎, 御子神 哲也, 山田 宏輔, 草野 満夫
    2005 年 66 巻 3 号 p. 673-679
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は79歳男性. 1992年8月上行結腸癌に対し右半結腸切除を施行した.病理組織診断は粘液癌であった.
    術後,経口抗癌剤を1年間内服し外来経過観察を継続していた.
    2002年11月下痢,体重減少を認め来院し,血液生化学検査でCEAの急激な上昇がみられた.内視鏡上は明らかな再発,原発巣の所見なく,胸腹部CTで胸腔内および腹腔内リンパ節の腫大を認めた.さらに, Virchowリンパ節の腫大があり,吸引下針生検でclass Vと診断された.標本中に腺管形成傾向と粘液産生傾向を認め,結腸癌転移再発と診断した.同年12月より全身化学療法を施行したが,奏効せず癌悪液質で平成15年5月永眠された.
    高度進行大腸癌長期無再発生存後の再発例は非常に稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
  • 藤田 博崇, 赤本 伸太郎, 谷内田 真一, 出石 邦彦, 臼杵 尚志, 前田 肇
    2005 年 66 巻 3 号 p. 680-683
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は65歳の女性で,初診の約2カ月前に近医で肛門周囲膿瘍に対する切開術を受けるも膿の排出が軽減せず,別の近医を受診した.ここで同部の生検を受け,扁平上皮癌と診断されたため当科を紹介され受診した.来院時,肛門とは離れた7時の方向に排膿のみられる切開創を認めた.下腸間膜幹リンパ節を含めて,2群リンパ節までの郭清を伴った腹会陰式直腸切断術を行った.標本の肉眼所見で直腸の右側後壁に55mm×50mm×45mmの腫瘤を認めた.組織学的には,肛門付近の扁平上皮下に明らかな腫瘤を認め,この内部には角化の目立つ高分化~中分化の扁平上皮癌の浸潤増殖像を認めた.しかし,扁平上皮癌の部分と表層上皮との連続性は認められず,腫瘤周辺部の扁平上皮からなる瘻孔部の上皮と病巣問に連続性が認められたことから,痔瘻の扁平上皮が癌化したものと考えられた.
  • 渡邉 出, 竹田 伸, 出口 智宙, 井上 総一郎, 金子 哲也, 中尾 昭公
    2005 年 66 巻 3 号 p. 684-687
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    肝原発放線菌症は,比較的稀な疾患であるが,肝腫瘤性疾患の鑑別診断においては,考慮すべき疾患の一つと考えられる.今回われわれは,術前肝癌との鑑別に苦慮した肝原発放線菌症の1例を経験したので報告する.症例は, 69歳男性,約20年前胃癌にて胃全摘術を施行されている.約8年前に胆摘術施行されたが,この際,炎症高度なため,胆管損傷し,総肝管十二指腸吻合術も併施された. 2003年7月頃より右上腹部痛あり,近医にて肝右葉の巨大腫瘍を指摘され当科紹介となった. CT,アンギオにて肝S5/6に血管新生を伴う腫瘍を認め,肝癌も.否定出来ず,肝右下区域切除術を施行した.肉眼所見からは,遺残胆嚢粘膜より発生した腺癌が疑われたが,病理組織検査の結果は,放線菌症であった.比較的稀な疾患ではあるが,肝腫瘤性疾患の鑑別においては,放線菌症も考慮に入れる必要が有ると考えられた.
  • 宇治 祥隆, 草野 敏臣, 徳永 真和, 石橋 由紀子, 石川 健, 高尾 貴史
    2005 年 66 巻 3 号 p. 688-691
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は69歳の女性で主訴は黄疸,肝機能障害であった.精査の結果,下部胆管癌による閉塞性黄疸と診断し,胆道ドレナージによる減黄後,膵頭十二指腸切除術 (PD-II) を施行した.術後,膵空腸吻合不全を生じ保存的に経過観察していたが, 34病日目に腹腔ドレーンより突然の動脈性出血を認めショック状態となった.緊急腹腔動脈造影を施行し,総肝動脈の仮性動脈瘤破裂と診断した.治療としてauto perfusion balloon catheterを用いて肝血流を保存しつつ破裂部位を圧迫止血した.翌日ショック状態を離脱した後,総肝動脈塞栓術を施行した.その後肝機能障害も軽度で,再出血を認めず術後49病日目に退院となった.本法は仮性肝動脈瘤破裂に対する肝不全を予防する有用な治療手段である.
  • 安友 紀幸, 森川 満
    2005 年 66 巻 3 号 p. 692-696
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    今回, RFA後に胸壁播種をきたした再発肝細胞癌の1例を経験した.症例は83歳の男性で1999年11月に肝細胞癌 (S6-7) に対する肝後区域切除術後, 2001年7月に肝S8に再発を認めPEIを施行した. 2003年7月に肝S8に12mmの再発を認め, cool-tip型電極によるRFAを行った. 2003年12月頃よりPIVKA-IIの上昇と,右胸壁RFA穿刺部位に無痛性腫瘤を認め徐々に増大した.造影下USにて腫瘤は動脈相にて腫瘍血管と強い濃染を認め後期血管相まで濃染され胸壁穿刺経路播種と診断した. 2004年4月2日に胸壁再建を伴う腫瘤摘出術を施行し,病理組織学的検査では中分化型肝細胞癌であった. RFAによる穿刺経路播種について文献的考察を加え報告する.
  • 小竹 優範, 小泉 博志, 森田 克哉, 伴登 宏行, 村上 望, 山田 哲司
    2005 年 66 巻 3 号 p. 697-701
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は62歳,男性. 2003年12月下旬に腹痛を自覚し近医を受診し,精査にて膵頭部癌が疑われ, 2004年1月9日手術目的に当科紹介となった.腫瘍マーカーは陰性で,腹部CT・MRIでは膵頭部に約4cm大の腫瘤と周囲リンパ節の腫大を認めた. ERCPでは,膵頭部の主膵管に狭窄はあるが壁はスムースで,腹部血管造影検査では異常所見は認めず. FDG-PETでは膵全体に糖代謝充進を認めるも,悪性所見を思わせる限局した集積は認めず.以上より腫瘤形成性膵炎もしくは抗核抗体, IgG4の高値より自己免疫性膵炎などの良性疾患を疑い経過観察とした. 3カ月後の腹部CTでは膵頭部の腫大は改善し,周囲のリンパ節腫大も認めず. FDG-PETでも膵への集積は認めず.以上より一過性に膵頭部腫大をきたしたアルコール性膵炎であったと考えられた. FDG-PETは膵疾患において鑑別に非常に有用である検査方法であると考えられた.
  • 渡邉 すぎ子, 稲吉 厚, 田中 洋, 有田 哲正, 蔵野 良一, 八木 泰志
    2005 年 66 巻 3 号 p. 702-706
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎の経過観察中膵内に腫瘤を認め, F-18-fluorodeoxyglucose positron emission tomography (FDG-PET)にて高集積を示し,膵癌との鑑別が困難であった1例を経験したので報告する.症例は76歳男性,食思不振と体重減少を主訴に来院し,慢性膵炎急性増悪の診断にて経過観察としていた.経過中CT, MRIおよび超音波検査にて膵体部に腫瘤を検出し,腫瘤形成性膵炎と膵癌との鑑別目的でFDG-PETを施行した.同部に異常集積(standardized uptake value: SUV=5.1)を認め,さらに遅延相で増強(SUV=5.4)した.膵癌が強く疑われ,膵体尾部脾合併切除術を施行した.病理組織所見では膵の慢性および急性炎症像に一部膵管上皮の過形成性変化あり,悪性所見は認めなかった. FDG-PETは腫瘤形成性膵炎と膵癌との鑑別に有用であるが,両者の集積レベルにはオーバーラップがあり,今後とも症例を重ね評価法の工夫が必要である.
  • 小林 裕幸, 野崎 英樹, 清水 稔, 秀村 和彦, 田中 千恵, 佐々 実穂
    2005 年 66 巻 3 号 p. 707-711
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    患者は62歳男性.食欲不振,腹痛のため当院消化器科を受診した.腹部CT検査にて膵臓と肝臓に腫瘤を認め入院した.入院時, WBC 14,760/mm3, CA19-973U/mlであった.発熱が続いたため肝膿瘍を疑い穿刺ドレナージを行ったが細菌,腫瘍細胞などは認めなかった.血清G-CSFが160pg/mlと高値であったため, G-CSF産生膵癌およびその肝転移と診断し手術を施行した.多発の肝転移を認めたため腫瘍の生検のみを行った.病理検査にて膵臓原発の腺扁平上皮癌と診断した.抗G-CSF抗体による免疫組織染色では主に扁平上皮癌部分が陽性を示した.術後塩酸ゲムシタビンの全身投与, 5Fuの肝動注を行ったが,診断6カ月後に死亡した.
  • 野尻 和典, 永野 靖彦, 松尾 憲一, 池 秀之, 今田 敏夫, 嶋田 紘
    2005 年 66 巻 3 号 p. 712-715
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は54歳の女性.切除不能子宮頸癌に対し放射線,化学療法を施行し完全寛解となり外来で経過観察していた. 8カ月後の腹部エコーで脾臓に径6cm大の辺縁不整な低エコー腫瘍を指摘され,当科に紹介された.腹部単純CTでは内部が比較的均一な低吸収値腫瘤として認められ, MRIではT1強調像, T2強調像ともに低信号域として描出された.造影エコーでは,腫瘍中心は造影効果を認めず辺縁からの造影剤の流入所見を認めた. FDG-PETでは脾臓に一致した異常集積像を認める以外は他に異常所見を認めなかった.以上より孤立性転移性脾腫瘍を疑い脾摘出術を施行した.最終診断は子宮頸癌の脾臓転移であった.子宮頸癌孤立性脾転移の切除例は自験例を含め7例と極めて稀であり文献的考察も加え報告した.
  • 土橋 隆志, 木下 恒材, 寺邊 政宏, 藤岡 正樹, 入山 圭二, 西井 正治
    2005 年 66 巻 3 号 p. 716-719
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    直腸癌と鑑別を要した前立腺癌直腸浸潤の1例を経験したので報告する.症例は72歳の男性.排便困難を主訴に当院内科を受診した.注腸造影,大腸内視鏡検査で直腸腫瘍を指摘され当科紹介となった.生検の結果,びまん浸潤型直腸癌と診断した.しかし, MRIではT2強調で前立腺左葉外腺優位の低信号化を認めた. PSAも高値であり,直腸生検の免疫染色 (PSA) が陽性であったため前立腺癌の直腸浸潤と診断し,ホルモン療法目的で泌尿器科へ転科となった.前立腺癌の直腸浸潤は比較的稀でであるが,直腸狭窄の原因の一つとして念頭に置かなければならない.
  • 本島 柳司, 榎本 和夫, 吉田 正美, 岩崎 好太郎, 落合 武徳
    2005 年 66 巻 3 号 p. 720-723
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は79歳の女性. 2004年7月,頭痛・意識レベルの低下が出現し,当院に緊急搬送され入院となった.入院時血圧が69/38mmHgとショック状態であり,会陰右側の皮膚壊死・腫脹,右下腹部から大腿内側の皮下気腫を認めた.腹部CTにて右会陰部軟部組織内および右下腹壁にガス像を認め, Fournier壊疽ならびに敗血症性ショックと診断した.ただちに会陰・右下腹部の皮膚切開,壊疽した会陰軟部組織のデブリードマンを行った.局所および全身状態が改善したため,術後42日目会陰部の縫合術を行った.報告例の少ない本疾患であるが, septic shock時に原疾患としての鑑別診断として重要であり,また女性患者の本邦報告数は自験例を含めて13例と稀有であるため,症例を提示し,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 藤田 佳史, 蔭山 典男, 山岸 久一
    2005 年 66 巻 3 号 p. 724-728
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    全内臓逆位を伴った巨大腹腔内遊離体の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告した.症例は75歳,全内臓逆位を伴った男性で, 2002年10月に肝S5に径15mmの肝細胞癌を指摘され,ラジオ波焼灼療法 (radio-frequency ablation; RFA) 目的にて入院中,頻尿を主訴に当院泌尿器科を受診.精査にて膀胱を圧迫する後腹膜腫瘍を認めた. 2003年1月,再入院し摘出術を施行した.病理組織検査では腹腔内遊離体の診断を得た.術後経過は良好で10日目に退院,現在外来通院中である.本症例のような全内臓逆位を伴った腹腔内遊離体の本邦での報告例は,われわれが調べた限りではなかった.
  • 境澤 隆夫, 小出 直彦, 佐藤 敏行, 石田 文宏, 細田 和貴, 宮川 眞一
    2005 年 66 巻 3 号 p. 729-733
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,男性.主訴は黒色便であった.上部・下部消化管内視鏡検査では出血源は確認できなかった.腹部CTにて径50×38mm大の腫瘤を腹部大動脈の左側に認めた.血液生化学的検査でβ2-MGとslL-2Rの高値を認め,空腸腸間膜悪性リンパ腫を疑われ,手術を施行した.空腸腸間膜の基部に径5cm大の表面平滑で弾性軟の腫瘤と小腸腸間膜への広範囲浸潤を認めた.術中内視鏡により同部が出血源であることを確認し,止血および組織診断確定のために腸間膜の一部を含めて空腸部分切除を行った.病理組織学的検査ではmalignant lymphoma (follicular lymphoma, B cell type)であった.術後はR-CHOP療法(Rituximab 560mg, Doxorubicin 75mg, Vincristine 2mg, Cyclophosphamide 1,140mg, Prednisolone 100mg)を6コース施行しCRを得た.術中内視鏡を用いて原因不明の小腸出血源を確認し,止血しえた腸間膜悪性リンパ腫の症例を経験したのでここに報告した.
  • 川崎 磨美, 上田 順彦, 古屋 大, 中川原 寿俊, 吉光 裕, 澤 敏治
    2005 年 66 巻 3 号 p. 734-738
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    内ヘルニアによる絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した結果, Winslow孔ヘルニアの診断を得た1例を経験したので報告する.症例は45歳,女性.腹痛と嘔吐を主訴に来院した.来院時,腹部膨満,心窩部痛を認めるも筋性防御は認めなかった.腹部単純X線検査にて胃小彎内側で第一腰椎の高さに拡張した腸管ガス像を認めた.また腹部CT検査で肝左葉背側面,胃小彎および肝十二指腸間膜に囲まれた部分に拡張した腸管ガス像を認めた.保存的治療にて経過観察していたが,翌日筋性防御も出現してきたため絞扼性イレウスの診断で緊急手術を行った.開腹したところ回腸末端から30cmの小腸が約50cm, Winslow孔に嵌入していた.用手的に整復し腸切除は必要なかった. Winslow孔ヘルニアは腹部単純X線検査や腹部CT検査にて比較的特徴的な所見を呈することが多いため,原因不明のイレウスの診断の際には本症も念頭に置き画像を読影する必要がある.
  • 徳永 正則, 渡邊 雅之, 調 憲, 長家 尚
    2005 年 66 巻 3 号 p. 739-742
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は87歳,女性. 30歳時に子宮摘出術を受けた.平成16年4月22日から発熱,腹部膨満出現. 4月24日当院救命センター受診となった.腹部CT上,腹水貯留,腹腔内遊離ガスがみられたため,消化管穿孔を疑い緊急開腹術を施行した.腹腔内を検索したが腸管に穿孔はみられず.骨盤底に炎症が強く,膣断端に膿瘍の形成および穿孔を認め,膣断端膿瘍穿孔による汎発性腹膜炎と診断した.腹腔ドレナージに加え,穿孔部を大網で被覆し手術を終了した.術後は順調に経過し,術後27日目,前医へ転院となった.消化管穿孔以外の腹腔内遊離ガスの原因として,女性では子宮留膿腫穿孔が鑑別の1つとして挙げられるが,極めて稀であり術前診断は困難であることが多い.本症例は子宮摘出後に膣断端に膿瘍を形成し,腹腔内に穿孔して腹膜炎をきたしたと考えられた.膣断端膿瘍穿孔は子宮留膿腫穿孔と同様,腹腔内遊離ガスを伴う腹膜炎の原因となりうることが示唆された.
  • 森山 初男, 佐藤 哲郎, 野口 剛, 川原 克信
    2005 年 66 巻 3 号 p. 743-746
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    比較的稀とされている後腹膜漿液性嚢胞に対し,腹腔鏡下に切除した1例を経験したので報告する.症例は60歳,女性で左側腹部痛から左腰部痛を主訴に当院を受診した.腹部超音波検査,腹部CT検査および腹部MRI検査にて左後腹膜腔に50×30×20mm大の内部均一な単房性の嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜嚢胞の術前診断にて腹腔鏡下に手術を施行した.嚢胞は周囲との癒着はなく剥離も容易であり,腹腔鏡下に摘出可能であった.標本は40g, 内容液は漿液性で単黄色であった.病理組織学的に嚢胞壁の内面の上皮は一層の中皮細胞と,これと連続するように一層の円柱細胞より構成されており,中皮細胞の一部が円柱細胞に分化したものと推測された.術後13カ月の現在,再発の徴候を認めず経過良好である.
  • 五来 克也, 永野 靖彦, 松尾 憲一, 池 秀之, 今田 敏夫, 嶋田 紘
    2005 年 66 巻 3 号 p. 747-752
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は68歳の女性,腹部膨満感を主訴に来院した.腹部CT, MRIで左横隔膜下から骨盤底に到る後腹膜に内部構造の異なる2つの巨大腫瘍を認めた.後腹膜脂肪肉腫と診断し,開腹手術を施行した.腫瘍は左腎を境に頭側,尾側に2個認められ,各々被膜に覆われ別々に存在していた.周囲臓器への浸潤はなく,比較的容易に剥離可能であった.摘出した標本は頭側の腫瘍が2,390g, 弾性硬,一部分葉状であり,尾側の腫瘍は3,730g, 弾性軟,脂肪腫様であった.病理組織学的には,高分化型の硬化型脂肪肉腫と脂肪腫類似型脂肪肉腫であった.本邦における多中心性発生型脂肪肉腫の報告は本症例を含め7例で,後腹膜原発は3例と稀である.多中心性発生型巨大後腹膜脂肪肉腫の1切除例を経験したので報告する.
  • 檜 友也, 向井 正哉, 田島 隆行, 大谷 泰雄, 中崎 久雄, 幕内 博康
    2005 年 66 巻 3 号 p. 753-757
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は84歳,女性.平成15年9月に右上腹部腫瘤に気付き,近医を受診した.右側腹部悪性腫瘍が疑われ,精査・加療目的で当院入院となった.腹壁原発の筋原性腫瘍の診断で,全身麻酔下にて腫瘍摘出術を行った.腫瘤は,術前診断通り右側腹部腹壁より発生した腫瘍であり,内部には壊死を伴っていた.病理組織学的診断では,腹壁原発の悪性線維性組織球症と診断された.腹壁より発生する悪性線維性組織球症は極めて稀であり,悪性度も高く,診断が困難であることから文献的考察を加えて報告する.
  • 山中 秀高, 小野 要, 佐藤 達郎
    2005 年 66 巻 3 号 p. 758-761
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    毛巣洞のほとんどが仙骨部に発生し,その他の部位には少ない.今回われわれは臍部の1例を経験したので報告する.症例は27歳,男性. 2カ月前から続く臍部痛,発赤,膿排出を主訴に受診した.身長180cm,体重105kgと肥満があり,体毛は硬く多かった.臍部に10mm大の腫瘤を触知した.腹部CTで臍窩に一致した造影される高吸収域を認めた.尿膜管や卵黄腸管遺残を示唆する瘻孔は認めず,難治性臍炎の診断で約3カ月間,外来治療を行ったが軽快増悪を繰り返すため,臍切除術を施行した.摘出標本で毛巣洞と診断された.臍部毛巣洞は自験例を含め本邦報告5例と稀で,硬毛多毛な青年男子に好発している.しかし肥満との関係は不明であった.尿膜管や卵黄腸管遺残との鑑別はUSやCTが有用だが,臍炎とは困難で,病悩期間が長くなりやすい.そのため4週間以上継続,あるいは3カ月以上軽快増悪を繰り返す場合,本疾患も考慮し,手術を行うことが肝要と思われた.
  • 田中 千恵, 野崎 英樹, 小林 裕幸, 清水 稔, 秀村 和彦, 佐々 実穂
    2005 年 66 巻 3 号 p. 762-765
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は49歳の女性で便秘を主訴に入院した.注腸検査でRs~Ra部の直腸に全周性の狭窄を認めた.下部消化管内視鏡検査で病変部はほとんど拡張せず,その粘膜面は浮腫状で軽度発赤を認めた.生検検査はGroup Iであった.悪性腫瘍を疑ってハルトマン手術,子宮,両側付属器合併切除術を施行した.術後病理組織検査で骨盤内放線菌症と診断され,半年間ペニシリンGを投与した.
  • 金光 秀一, 島田 和生, 松本 伸二, 武田 成彰, 大隈 良讓, 大蔵 尚文
    2005 年 66 巻 3 号 p. 766-769
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は33歳,女性で,婦人科にて骨盤腹膜炎に対し抗生剤治療が行われた後より右鼠径部に落痛を伴う硬結が出現したため当科へ紹介となった.検査にて,骨盤内と右鼠径部の硬結の部に4カ月前の子宮卵管造影に使用されたリピオドールの沈着を認めた.手術時,ヘルニア嚢と周囲組織に強い炎症を認め,ヘルニア嚢の全切除と高位結紮,内鼠径輪縫縮を行った.病理診断はヘルニア嚢の黄色肉芽腫性炎症であった.リピオドールによる異物性の肉芽腫性変化を起こしたヘルニア嚢内に骨盤腹膜炎の炎症が波及して症状を呈した症例で,稀ではあるが油性造影剤の使用時の合併症として考慮する必要があると思われた.
  • 太田 博文, 山崎 惠司, 遠藤 和喜雄, 北條 茂幸, 上田 進久, 前浦 義市
    2005 年 66 巻 3 号 p. 770-773
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    59歳,男性. 4日前からの下腹部痛,嘔吐を主訴に当院へ紹介入院となった.開腹手術や腹膜炎の既往はなかったが, 35年前,空手の練習中に腹部を強く蹴られたことがあった.腹部X線で小腸のニボー像を認めた.腹部CTでは小腸が著明に拡張していたが,小腸の一部と回盲部から結腸には拡張がなかった.イレウス管留置による保存的治療を行い症状は軽快した.イレウス管からの二重造影で小腸の狭窄部が認められたが,腫瘍性病変ではないことから内ヘルニアを強く疑い,開腹手術を施行した.回盲部より口側約1mで回腸がS状結腸間膜左葉の欠損部に嵌入していたが,回腸の血流障害や器質的狭窄はなく,用手的整復を行った.術後経過は良好で,術後10日目に退院した. S状結腸間膜内ヘルニアは稀な疾患である.さらにS状結腸間膜左葉欠損部に嵌入した症例の報告は少ないため,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 川崎 誠康, 遠藤 善裕, 目片 英治, 谷 徹
    2005 年 66 巻 3 号 p. 774-777
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    経仙骨的直腸切除術後に瘢痕ヘルニアをきたした症例を経験した.症例は57歳男性で主訴は仙骨部腫瘤であった.直腸癌に対し経腹仙骨的直腸切除術を施行した8カ月後より右臀部仙骨右縁下端の手術創部の皮下に腫瘤を自覚するようになり, 2004年10月には8cm×6cmにまで増大した.骨盤部CTにて仙骨右側下方の臀部皮下に腸管が入り込んでいることを認め,瘢痕ヘルニアと診断し手術を施行した.ヘルニア門は仙骨右縁下端の尾骨切除部近傍で,ヘルニア嚢は後腹膜,ヘルニア内容は小腸であった.ヘルニア嚢を骨盤腔側へ内翻後ヘルニア門をメッシュプラグで修復し,さらに大殿筋回転皮弁を作成してメッシュ部を被覆した.仙骨的直腸切除後の瘢痕ヘルニアは文献的には前例がなく修復法を熟考したが,メッシュを使用したtension freeのヘルニア門閉鎖方法に加え大殿筋皮弁の使用を付加することが最良であるという印象であった.
  • 榊原 巧, 原田 明生, 矢口 豊久
    2005 年 66 巻 3 号 p. 778-781
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    閉鎖孔ヘルニアは男性では非常に稀な疾患である.今回われわれは男性の閉鎖孔ヘルニアを2例経験した.症例1, 79歳男性,腹痛,嘔吐を主訴に来院.原因不明の腸閉塞にてイレウス管留置された.イレウス症状改善せず, 4日後の腹部CTにて閉鎖孔ヘルニアによる腸閉塞と診断し手術施行した.症例2, 82歳男性.数日前からの大腿部痛,嘔吐を主訴に来院.即日,腹部CTにて閉鎖孔ヘルニアによる腸閉塞と診断し,緊急手術施行した.自験例を含め男性報告例では自然解除例はなく,骨盤CTによる早期の診断,手術が特に重要である.男性発症例の特徴についての検討を加えて報告する.
  • 岡崎 誠
    2005 年 66 巻 3 号 p. 782
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 秋谷 行宏
    2005 年 66 巻 3 号 p. 783
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
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