日本臨床外科学会雑誌
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72 巻 , 10 号
選択された号の論文の52件中1~50を表示しています
第72回総会会長講演
原著
  • 毛利 靖彦, 田中 光司, 大井 正貴, 安田 裕美, 問山 裕二, 三木 誓雄, 楠 正人
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2489-2495
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    目的:胃癌症例における術前C-reactive protein(CRP)値と予後との関係,および,腫瘍微小環境とCRP値について検討した.
    方法:胃癌の診断にて胃切除を施行した91例を対象とした.術前CRP値と臨床病理学的因子,予後および,腫瘍内サイトカイン濃度(interleukin-1β,interleukin-6,interleukin-1ra)を測定し,CRP値との関連について検討した.
    結果:病理組織学的因子とCRP値との間に有意な関連は認めなかった.しかし,CRP高値(CRP≧1.0mg/dl)を示す症例では,有意に予後が不良であった.また,腫瘍組織内IL-1β濃度は,CRP高値例でCRP低値(CRP<1.0mg/dl)例と比較して有意に高値を示した.
    結論:胃癌術前CRP値は予後に影響を与えており,CRP値上昇は炎症性サイトカインを中心とする腫瘍内微小環境と密接な関係があることが示唆された.
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  • 斉田 芳久, 榎本 俊行, 高林 一浩, 中村 陽一, 渡邊 良平, 片桐 美和, 高橋 亜紗子, 浦松 雅史, 桐林 孝治, 渡邉 学, ...
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2496-2500
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    目的:禁煙は術後呼吸器合併症や感染症減少のために重要である.大腸癌外科手術患者の喫煙状況把握と外科手術が禁煙の動機付けとなるかを前向きに検討した.対象と方法:2009年4月から手術予定患者に喫煙に関して調査し喫煙者には禁煙学会認定専門指導医が禁煙指導を行った.結果:該当患者は101名,喫煙率は18%,ブリンクマンインデックスBIは平均632,ニコチン依存度テストTDSは平均5.9,術前禁煙できた者は83%,術後67%が6カ月間禁煙達成し,6カ月間の禁煙達成者の平均TDSは6.6であった.結論:TDSの高い患者でも約7割で術後6カ月の禁煙が達成され,また喫煙者持続者でも喫煙量が減少するなど,外科手術が禁煙に向けた強い動機になることが示唆された.
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症例
  • 佐藤 達郎, 安井 章裕, 青野 景也, 林 祐次, 原 一夫
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2501-2506
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,女性.主訴は右乳房C領域に3×3cmの腫瘤.マンモグラフィーでは右外上に中心が低濃度の局所非対称性陰影(FAD)を認め,カテゴリー3,超音波検査では類円形,嚢胞状で内部不均一な腫瘤を認めた.穿刺細胞診では乳癌疑い.針生検組織診ではinvasive ductal carcinoma,scirrhousの診断を得た.右乳房切除術および腋窩郭清を行った.病理組織学的には大きな嚢胞壁から周囲にむかい,異型的な多稜形細胞が増生,胞巣状に浸潤する悪性腫瘍を認めた.免疫組織学的に悪性腺筋上皮腫と診断.主病巣の周囲に良性の腺筋上皮腫があり,その悪性化したものと考えた.術後2年まで再発,転移の徴なく,経過観察中である.
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  • 和田 真弘, 椎野 翔, 杉浦 功一, 池田 謙, 奥澤 星二郎, 小倉 重人, 林 雄一郎
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2507-2511
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    男性乳癌は全乳癌の1%以下であり,さらに男性乳房Paget病は全乳癌の約0.5%ときわめてまれな疾患である1).また近年センチネルリンパ節生検が一般臨床に急速に普及してきた.今回われわれは男性乳房Paget病の症例に対して,センチネルリンパ節生検により腋窩リンパ節郭清を省略しえた症例を経験したので,若干の文献的考察を含めて報告する.
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  • 井廻 良美, 神尾 麻紀子, 野木 裕子, 川瀬 和美, 鳥海 弥寿雄, 内田 賢, 池上 雅博
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2512-2515
    公開日: 2012/04/13
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    症例は63歳,女性.左乳癌(T2N0M0 stageIIA)のため術前化学療法施行したが,Progressive disease(PD)となり2007年7月左乳房切除術施行した.病理診断はT2N0M0,StageIIA,Squamous cell carcinoma,spindle cell variant,ER-,PgR-,HER2-.術後,weekly TXL,CDDP/TS-1,CDDP/TXTの化学療法を施行したが,2009年2月骨,頭皮,甲状腺,肺,両側腎に再発した.2009年3月24日入院時著明な白血球増多(31,200/μl),BT 36.5℃,CRP 5.72mg/dl,腫瘍マーカーCEA 3.4ng/ml,CA15-3 14U/ml,BCA225 34U/ml,NCC-ST-439 2.3U/ml,ICTP 8.9ng/mlを認めた.入院後末梢血中白血球は102,200/μlに上昇した.血清G-CSF 502pg/ml(正常値;8pg/ml以下)と高値を認めた.G-CSF産生腫瘍を疑い,原発巣のG-CSF免疫組織染色を行ったところ腫瘍細胞が染色されたことより,G-CSF産生乳癌と診断した.
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  • 南野 佳英, 成田 吉明, 加藤 弘明, 井上 玲, 樫村 暢一, 松波 己
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2516-2519
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    乳癌の腫瘍随伴症候群として,強皮症が合併することが知られている.症例は42歳の女性,1年前からの左乳房の腫瘤を主訴に受診した.皮膚浸潤を伴う5cm大の腫瘤を触知し,肺転移を伴うStage IV乳癌の診断で化学療法(EC)を開始した.開始後6日目に急激な腎機能の悪化を認め,人工透析の適応となった.その後の精査で1年前からの両上肢の皮膚硬化も判明し,皮膚生検にて強皮症の診断を得たことから,強皮症性腎障害と診断した.乳腺腫瘍からの出血コントロール目的に腫瘍摘出術を施行したところ,直後より皮膚症状,腎機能の著明な改善を認めた.
    強皮症に合併した乳癌では,腫瘍切除の先行が強皮症の症状コントロールに有用である可能性が示唆された.
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  • 楠本 英則, 竹内 幸康
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2520-2523
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は84歳,男性.睡眠中に義歯を誤嚥し,胸部エックス線検査にて左主気管支内の義歯を指摘され,摘出目的にて当院へ紹介となった.気管支鏡下に左主気管支からB6へと至る義歯を確認できたが,気管支壁に食い込んでおり摘出不可能であったため開胸手術にて摘出した.手術は左腋窩開胸にて行い,左主気管支の長軸方向に気管軟骨輪を約2cm切開し義歯を摘出した.切開部は4-0 PDS-IIで連続縫合した後に心膜周囲脂肪織にて被覆した.術後気管支瘻を認めず術後15日目に軽快退院となった.術後52日目に気管支鏡検査を行い,左主気管支が狭窄をきたしていないことと縫合部の治癒が良好であることを確認した.気管支鏡下に摘出が困難であったため開胸手術を要した1例を経験したので報告する.
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  • 北畑 裕司, 中村 公紀, 岩橋 誠, 中森 幹人, 尾島 敏康, 山上 裕機
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2524-2529
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    食道癌術後,間置回腸にmethicillin-resistant Staphylococcus aureus(以下,MRSA)による偽膜性腸炎を発症した稀な症例を経験した.症例は73歳男性,食道癌,胃癌の重複癌に対し,右開胸開腹食道切除,胃全摘,右側結腸再建,頸部食道間置回腸吻合,2領域郭清を施行した.術後,発熱・炎症所見の遷延を認めた.上部消化管内視鏡検査にて,間置回腸に偽膜を認め,この培養検査にてMRSAが検出された.炎症所見・遷延の原因はMRSA腸炎と診断し,塩酸バンコマイシンの経口投与を行い,炎症所見の改善を認めた.
    食道癌術後,間置回腸のMRSAによる偽膜性腸炎の報告はこれまでなく,文献的考察を含めて報告する.
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  • 中野 明, 星野 敢, 川平 洋, 首藤 潔彦, 阿久津 泰典, 松原 久裕
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2530-2534
    公開日: 2012/04/13
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    症例は75歳,男性.平成11年12月に腹部食道癌に対し他院にて食道亜全摘2領域郭清,胃管による胸骨後経路再建術を施行された.最終診断はAe(EG),28×28mm,3型,中分化型扁平上皮癌,pT3N1M0,ly2,v1,pIM0,pPM0,pDM0,fStageIIIであった.術後2年間テガフール・ウラシルを内服し,その後再発兆候なく経過していたが,平成21年5月に通過障害を自覚し,内視鏡検査で吻合部近傍胃管前壁に粘膜下腫瘍様隆起を認めた.生検の結果,扁平上皮癌の診断となった.精査加療目的にて当科紹介受診,同年7月に胃管全摘,胸骨後経路回結腸再建,空腸瘻造設術を施行した.標本上,吻合部直下に2.0×1.7cm大,0-III型の病変を認め,病理診断は初回手術時の標本と同様,中分化型扁平上皮癌であり,その組織像の類似性から既往の扁平上皮癌の再発と診断された.現在,再発巣切除後2年経過し,無再発生存中である.
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  • 樋口 晃生, 河野 尚美, 片山 雄介, 山奥 公一朗, 藤沢 順, 松川 博史
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2535-2539
    公開日: 2012/04/13
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    症例は24歳,女性.めまいを主訴に内科受診.Hb 4.1と重度の貧血を認めた.胃内視鏡検査で胃前庭部後壁に3cmの粘膜下腫瘍を認め生検した.4日後に吐下血を認め緊急胃内視鏡検査を施行した.生検部より出血を認め出血コントロールのため同日緊急手術を施行し幽門側胃切除術を施行した.手術時肝転移を認めた.Gastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)と診断され術後イマチニブ投与するも肝転移はPDであった.イマチニブ耐性GISTと判断し専門施設に紹介.専門施設での検査で上皮系マーカーが染まったため未分化癌と再診断された.有効な治療法ないため当院に再通院することとなった.当院で再検査したところ肉腫系マーカーも染まっているため癌肉腫と再診断した.本人の希望で代替医療を行っているのみであるが,肝転移は縮小し術後15カ月現在もPR継続中である.胃癌肉腫は非常に稀な疾患である上に診断の経緯,診断後の加療も特殊な経過を辿っているため報告した.
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  • 岡村 拓磨, 河内 保之, 渡邊 隆興, 西村 淳, 新国 恵也, 清水 武昭
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2540-2544
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,男性.多発胃癌のため,幽門側胃切除を施行した.術後1年で腫瘍マーカーの上昇を認め,上部消化管内視鏡を施行したところ,残胃にIIa様病変を認めた.大腸内視鏡では,脾弯曲にIIa+IIc様病変を認めた.残胃,結腸ともに生検で腺癌だった.残胃癌または残胃再発,横行結腸癌の診断で2006年4月,残胃全摘出術,横行結腸切除術を施行した.病理組織診断で,横行結腸にIIa+IIc様病変を3カ所認め,胃癌と同様の低分化型の腺癌で,胃癌の多発大腸転移と診断された.胃癌原発転移性大腸癌の肉眼形態は浸潤癌がほとんどで,IIa+IIc様の形態を呈する転移巣はまれであり,若干の考察を加えて報告する.
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  • 大槻 忠良, 飯田 敦, 廣野 靖夫, 五井 孝憲, 片山 寛次, 山口 明夫
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2545-2549
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    小児の十二指腸潰瘍穿孔に対して,腹腔鏡下手術を選択し良好に経過した1例を経験したので報告する.症例は10歳,男児.某年5月に突然発症した心窩部痛を主訴に紹介医を受診.超音波検査で右下腹部に腹水を認め,消化管の穿孔による腹膜炎が疑われ当院に紹介された.腹部CTで十二指腸球部周囲の腹腔内遊離ガス像を認め,上部消化管穿孔と診断し,緊急手術を施行した.腹腔鏡下手術を行い,十二指腸球部前壁に径3mmの穿孔を認め,穿孔部縫縮術と大網被覆術を施行した.術後の経過は良好であり,第8病日に退院した.入院時の検査で血清中の抗H.pylori-IgG陽性であり,退院後に内服によるH.pylori除菌療法を施行した.小児の十二指腸潰瘍穿孔例の報告は少なく,腹腔鏡下穿孔部縫縮術の報告は自験例を含め5例に過ぎない.われわれが成人に施行している腹腔鏡下手術と同様に加療可能であり,小児にも低侵襲で有用であった.
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  • 松原 毅, 田中 恒夫
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2550-2555
    公開日: 2012/04/13
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    症例は84歳,女性.1年以上に渡って発熱・嘔吐による入院を繰り返していた.前医にて十二指腸傍乳頭憩室による再発性胆管炎(Lemmel症候群)と診断され,内視鏡的治療も試みられたが施行不能であった.8回の入院後も症状の改善なく,加療目的にて紹介となった.精査後,腹腔鏡下に総胆管十二指腸吻合を行った.術後は症状も軽快し,合併症無く退院となった.良性疾患であるLemmel症候群に対しては保存的加療が主となることが多く,再発を繰り返す症例は多い.難治例・重症例においては手術的加療が選択されるが,そのほとんどが開腹下による手術となり,高齢者においては侵襲も強く困難を伴う.現在までに本邦で当疾患に対して腹腔鏡下での総胆管十二指腸吻合を施行したという報告はない.若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 高橋 道長, 上野 達也, 武藤 満完, 佐藤 俊, 赤田 昌紀, 内藤 広郎
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2556-2562
    公開日: 2012/04/13
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    症例は80歳,男性.検診の腹部超音波検査で右上腹部の腫瘤を指摘された.腹部CTで,膵頭部に6×3×3cmの充実性腫瘤を認め,上部消化管の精査で十二指腸水平脚の粘膜下腫瘍と診断された.手術では腫瘤を含めて約5cmの十二指腸を分節切除した後,空腸脚を後結腸経由で挙上し,十二指腸下降脚と空腸の側々吻合を行い,Roux-en-Y型の消化管再建とした.病理組織学的には,NIH分類で中リスクのGIST(gastrointestinal stromal tumor)と診断された.術後,一過性の膵炎に続いて,吻合部の通過障害をきたした.長期間経鼻胃管の挿入による保存的治療にて改善しなかったものの,経静脈ステロイドの短期間投与によって速やかに改善した.十二指腸原発のGIST対しては,部位と大きさによって様々な術式が報告されているが,十二指腸分節切除+Roux-en-Y型の消化管再建術も術式の選択肢に加えられるべきものと思われた.
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  • 岡崎 充善, 須藤 隆一郎, 宮崎 健介, 金田 好和, 野島 真治, 善甫 宣哉
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2563-2566
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は56歳,男性.平成22年10月,右下腹部痛を主訴に近医受診.急性腹症を疑われ当院救急部受診した.来院時,血液検査にて炎症所見を認めなかったが,右下腹部に最強点を有する腹部全体の圧痛・反跳痛・筋性防御を認めた.CT検査では回盲部の脂肪織濃度上昇,上行結腸憩室・腹腔内遊離ガス像を認め,上行結腸憩室穿孔による腹膜炎と診断し,緊急手術を施行した.術中所見では回腸末端より3cm口側の腸間膜側に穿孔部位を認め,周囲の腸管に炎症所見を認めたため,回盲部切除術を施行した.切除標本および病理組織学的所見より回腸の仮性憩室穿孔と診断した.術後経過は良好であり術後11日目に退院した.消化管憩室の中で小腸憩室の頻度は稀であり,穿通・穿孔をきたすことは少ない.しかし,診断の遅れにより致命的になることがあり,急性腹症の鑑別に回腸憩室穿孔も考慮すべきと考えられた.
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  • 河野 恵美子, 藤井 眞, 赤丸 祐介, 森本 芳和, 弓場 健義, 山崎 芳郎
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2567-2571
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,男性.胸腺癌術後フォローのFDG-PET検査で虫垂に異常集積(SUV4.4)を認め,当科に紹介となった.注腸造影検査では虫垂先端に表面の不整を伴う欠損像を認めた.腹部CT検査では虫垂先端が径10mmに腫大し,造影効果を認めた.画像所見から腫瘍性病変を疑い,虫垂切除術を施行した.術中迅速病理検査で中分化腺癌と診断し,回盲部切除術およびD2郭清を施行した.切除標本の病理組織学的診断は原発性虫垂癌(中分化管状腺癌)で,大腸癌取扱い規約に基づく総合所見はSM,N0,H0,P0,M0,StageIであった.原発性虫垂癌はまれな疾患で,特異的な症状はなく,術前診断が難しい.早期虫垂癌の本邦報告例は40例であり,術前に確定診断がなされたものは,12例であった.全例とも虫垂開口部に隆起性病変を認め,生検がなされていた.自験例のように症状もなく,虫垂先端部に存在する腫瘍では診断が非常に困難であり,FDG-PET検査が診断に有用であった.
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  • 大矢知 昇, 尾花 和子, 木村 朱里, 鈴木 健之, 宮坂 芳明, 望月 仁
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2572-2577
    公開日: 2012/04/13
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    S状結腸軸捻転症(本症)は高齢者または長期臥床者に散見するが,健常若年者に発症した本症の2例を経験した.症例1:15歳男児.幼少時に便秘を認めたが以後改善した.15歳時に著明な腹満を呈し当院紹介となった.画像所見よりS状結腸過長を伴う本症と診断し内視鏡的捻転解除術を施行し奏効した.5カ月後より捻転が再発し内視鏡的解除術を反復したが,4回目の再発を機にS状結腸切除術を施行した.術後,再燃なく経過している.症例2:16歳男性.幼少時に便秘を認めていたが,以後軽快した.16歳時に胃腸炎を罹患したが軽快後に便秘・腹痛を認め入院.結腸内に便塊が貯留し腸管拡張像を示した.浣腸を繰り返すも排便なく症状は持続した.S状結腸過長を伴う本症と診断し内視鏡的に捻転解除術を施行した.現在は便秘治療を行いながら再燃無く経過している.結語:健常若年者でもS状結腸過長を伴った本症の発症は念頭におく必要がある.
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  • 福留 惟行, 駄場中 研, 岡本 健, 岡林 雄大, 小林 道也, 花崎 和弘
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2578-2582
    公開日: 2012/04/13
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    大腸内視鏡検査で,inflammatory fibroid polyp(以下,IFP)様の所見を呈し,腹部CT検査で脂肪腫が疑われ,術前診断でIFPとの鑑別に苦慮した横行結腸脂肪腫の1例を経験したので報告する.症例は76歳,女性.下腹部痛・軟便を主訴に受診.大腸内視鏡検査で横行結腸に頂部表面に,びらん・潰瘍を伴う陰茎亀頭様ポリープを認めた.生検の結果は,granulation tissueで確定診断には至らなかったがIFPが疑われた.腹部CT検査で,横行結腸に低吸収域腫瘤を先進部とする腸重積を認め脂肪腫が疑われた.術後病理検査にて横行結腸脂肪腫と診断した.腸重積を繰り返す脂肪腫では,表面粘膜の循環障害,脱落などにより,内視鏡所見で典型像と異なる変化をきたすことは稀ではなく,診断に際して注意が必要である.本症例のような消化管脂肪腫,IFP,上皮性腫瘍の鑑別にはCT検査が有用であることを再確認した1例であった.
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  • 畑 敦, 塩田 広宣, 山本 高義, 平井 文子, 安川 朋久, 由佐 俊和, 尾崎 大介
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2583-2586
    公開日: 2012/04/13
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    症例は62歳,男性.2006年4月前医にて上行結腸癌に対し,回盲部切除+D2郭清術を施行され,2010年4月まで術後化学療法としてUFT単独療法が行われた.2008年9月健診にて右上葉結節影を指摘され経過観察となったが,2010年9月同陰影の明らかな増大を認め当院紹介となった.TBACにてClassV,腺癌と診断された.臨床経過からは大腸癌肺転移が考えられたが,TBLB検体の免疫染色でTTF-1陽性であり,原発性肺癌の可能性を考慮し,手術は右肺上葉切除+ND2aを行った.病理診断は大腸癌の肺転移で,原発巣の免疫染色を追加したところTTF-1陽性であった.TTF-1陽性大腸癌は稀であり,文献的考察を加えて報告する.
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  • 前田 健一, 下松谷 匠, 白石 享, 中村 誠昌, 谷口 正展, 光藤 悠子
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2587-2591
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例1は80歳の男性で,便潜血陽性に対する精査の結果,下部直腸癌と診断し,腹会陰式直腸切断術施行した.肛門周囲に明らかな皮疹を認めなかったが,摘出標本の肛門周囲皮膚よりPaget様細胞が認められ,直腸癌と連続性を認めたことよりPagetoid spreadと診断した.症例2は78歳の男性で,肛門部皮疹で軟膏治療で改善が得られず,生検にてPaget細胞が認められた.下部消化管内視鏡検査など施行し,直腸癌や肛門管癌が認められなかったため,皮膚原発の肛囲Paget病と診断した.治療はmapping biopsyの結果に準じて肛門周囲皮膚切除を施行した.両疾患は臨床および病理組織像が酷似することがあるが,治療法の選択および予後が著しく異なるので,両者を鑑別することは重要である.
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  • 本山 博章, 小林 聡, 清水 明, 横山 隆秀, 宮川 眞一
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2592-2595
    公開日: 2012/04/13
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    症例は20歳,男性.完全内臓逆位併存先天性胆道拡張症に対する肝外胆管切除・肝管空腸吻合術後の肝内結石症に対し,ホルミウムヤグ(Ho:YAG)レーザーを用いた経皮経肝胆道鏡下砕石術を施行し,合併症無く完全砕石を行い得た.Ho:YAGレーザーは胆道結石破砕に際し,有効なエネルギーデバイスの一つであると考えられた.
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  • 河合 雅彦, 國枝 克行, 長尾 成敏, 西科 琢雄, 田中 千弘, 松橋 延壽
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2596-2599
    公開日: 2012/04/13
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    症例は74歳,女性.2006年1月成人孤立性膵真性嚢胞にて十二指腸温存膵頭切除術(以下DPPHR)を当科にて施行.近医にて経過観察中,2008年春頃より腹部不快感あり.腹部USにて総胆管内に17mm大の結石陰影あり.当科へ再紹介となった.MRCPにて総胆管内に欠損陰影と肝内胆管の軽度拡張あり.ERCPは十二指腸第2部の変形・蛇行があり乳頭を正面視できず不成功.同年9月再手術を施行した.総胆管は蛇行し,十二指腸・後腹膜にがっちりと癒着していた.肝門部で総胆管を剥離し切離.鋳型状の結石を数個取り出した後,総胆管を十二指腸壁から剥離して切離縫合した.再建は空腸脚を挙上してRoux-Y再建した.術後経過は良好で第13病日退院した.DPPHR後合併症として温存胆管の血流不全による狭窄は報告されているが,総胆管結石の形成についての報告例はみられない.本例では胆管狭窄所見は見られず,血流は維持されていたと思われるが,引き伸ばされた総胆管に屈曲蛇行が生じたことが胆汁うっ滞の原因となり,結石形成の原因となったと考えられた.
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  • 出石 邦彦, 佐野 貴範, 岡本 佳樹, 江原 和男, 細見 直樹, 前田 剛
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2600-2603
    公開日: 2012/04/13
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    症例は,53歳,男性.胆嚢腺筋症を当院で経過観察中,腹部MDCTで中下部胆管断端に壁肥厚を認め,外科紹介となった.内視鏡的逆行性胆道造影(ERC)では長径8mmほどの軽度狭窄性病変を認め,胆汁細胞診を行ったがClassIIIであった.確定診断を得るため,経口胆道鏡(POCS)を行い軽度発赤した半周性の広基性病変を確認した後,生検を行い胆管癌と診断し,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行った.病理組織学的検査では高分化型乳頭腺癌であり,壁深達度はfmで,リンパ節転移は認めなかった.総合進行度はfStageIであった.MDCTにより冠状断像の画質が飛躍的に向上した現在,水平断像では認識が難しい胆管の隆起性病変は,冠状断像の注意深い読影によりで胆管割面の壁肥厚として診断することができた.
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  • 松井 信平, 鈴木 慶一, 金田 宗久, 大作 昌義, 浅沼 史樹, 山田 好則
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2604-2610
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌は無症状で経過することが多く,有症状で発覚する早期胆嚢癌は比較的まれである.貧血を契機に発覚した早期胆嚢癌の1例を経験したので報告する.症例は88歳,男性.食思不振・歩行困難となり,往診で貧血指摘され当院紹介受診・緊急入院となった.腹部エコーで胆嚢内充実性腫瘍と総胆管拡張を認め,総胆管内に1.9cm大の軟陰影も認めた.CTで胆嚢肝臓側壁に造影される腫瘍と拡張した総胆管下部に結石様陰影を認めた.進行性の貧血と胆管炎をきたし,胆道出血を疑い,ERCP,EST施行したところ乳頭部より血性胆汁が流出し,胆道造影で総胆管内に多数の陰影欠損を認め,胆道出血,血腫による閉塞性黄疸,胆管炎と診断した.開腹拡大胆嚢摘出,胆管切開・洗浄を施行した.摘出胆嚢は乳頭膨張型で15cm×15.5cmの充満型胆嚢癌で深達度mの早期癌であった.巨大充実性腫瘍だったが早期癌で根治的手術が施行でき,術後無再発生存中である.
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  • 竹原 雄介, 春日井 尚, 日高 英二, 出口 義雄, 田中 淳一, 工藤 進英, 御子神 哲也, 大池 信之
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2611-2615
    公開日: 2012/04/13
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    胆嚢癌肉腫は予後不良の悪性腫瘍として知られており,特に再発症例では長期生存は困難である.今回われわれは,いわゆる胆嚢癌肉腫の肝再発に対して肝切除を行い,約20カ月の無再発生存を得られている症例を経験したので報告する.症例は70歳代の男性で,近医で胆嚢結石症・急性胆嚢炎の診断にて,開腹胆嚢摘出術を施行された.術後の病理検査でいわゆる胆嚢癌肉腫と診断されたが,追加切除は希望されず経過観察していた.術後5カ月目のCT検査にて,肝内に不整形腫瘤を認め,当院紹介となった.当院での精査の結果,いわゆる胆嚢癌肉腫の術後肝再発と診断し,肝中央2区域切除・肝門部リンパ節郭清術を施行した.術後病理検査では,いわゆる胆嚢癌肉腫の肝再発の診断であった.肝切除後は現在まで約20カ月間無再発生存しており,治癒切除が可能と考えられる症例に対しては積極的に外科的切除を考慮すべきと考えられた.
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  • 大和田 洋平, 小田 竜也, 福永 潔, 佐々木 亮孝, 大河内 信弘
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2616-2622
    公開日: 2012/04/13
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    健常な14歳男児が突然の上腹部痛を主訴に受診した.血清アミラーゼが異常高値で,腹部造影CTを施行すると膵実質は膵体部で断裂し後腹膜腔に液体貯留を認めたため膵損傷を疑った.外傷機転が明確でなかったため,まず急性膵炎に対する保存的治療を行ったが症状改善せず,入院後26日目に開腹ドレナージ術を施行した.一時的に症状は改善したが再増悪したため45日目に再手術を施行した.予定術式としては膵体尾部切除が確実と考えたが機能温存に配慮し膵切除を行わない術式を検討した.膵断裂部に存在した膵内嚢胞に尾側の主膵管を開放し嚢胞を覆うように空腸吻合を行った.主膵管に留置したドレナージチューブは嚢胞と挙上空腸を介して一時的に外瘻とした.術後合併症を認めず再手術後16日目に退院し再手術後48日目に外来で外瘻チューブを抜去した.膵損傷に対して膵嚢胞を利用することで膵臓を切除せず救命と膵機能温存を達成しえたので報告する.
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  • 坂元 克考, 間中 大, 吉野 健史, 小西 小百合, 濱洲 晋哉, 西躰 隆太
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2623-2626
    公開日: 2012/04/13
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    症例は61歳,男性.2004年1月に十二指腸癌に対して今永法再建による膵頭十二指腸切除術(Pancreatoduodenectomy,以下PD)を施行した.最終病期はT4N0M0,StageII(TNM分類)であり,無再発で経過していた.しかし2006年9月頃(術後2年8カ月目頃)より慢性閉塞性膵炎による腹痛を繰り返すようになった.MRCP,造影CTにて膵管空腸吻合部よりも末梢での約1cmにわたる膵管狭窄とその末梢側での約10mmの膵管拡張を認め,当初は再発を含めた悪性疾患による狭窄を疑い,厳密なフォローアップを行ったが,明らかな悪性所見を確認するには至らなかった.症状が持続するため,2009年11月に内視鏡的ステント留置を試みたが,内視鏡にて膵管空腸吻合部を同定することができなかったため,2010年1月膵管空腸側々吻合術を施行した.術後経過は良好で,現在まで一度も腹痛は認めていない.PD後の慢性膵炎はまれであるが,症状に応じて外科的治療を考慮すべきである.
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  • 末田 聖倫, 辻江 正徳, 宮本 敦史, 三嶋 秀行, 中森 正二, 辻仲 利政
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2627-2631
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は62歳,男性.併存疾患に血友病Aがあるが,第VIII因子製剤の投与が不定期であった.上行結腸癌術後2カ月目の腹部造影CTで膵頭部に20mm大の周囲がlow densityで内部に造影効果を有する腫瘤を認めた.腫瘤は徐々に増大傾向であり,非機能性膵内分泌腫瘍を疑い,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術前および術後は日本血栓止血ガイドラインに沿って第VIII因子製剤を使用した.切除標本では膵頭部に28×20×20mm大の血腫様結節を認めた.組織学的には悪性所見は認められず,赤血球主体の新鮮血液成分からなる血腫を内容とする嚢胞様拡張領域がみられ,膵内血腫と診断した.血友病の患者で造影効果を有する腫瘤の出現を認めた際には,血腫も鑑別疾患の一つと考える必要がある.
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  • 柴崎 泰, 坂口 孝宣, 稲葉 圭介, 福本 和彦, 鈴木 昌八, 今野 弘之
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2632-2638
    公開日: 2012/04/13
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    症例は68歳,女性.2010年4月近医で膵管拡張と膵嚢胞性病変を指摘され当院紹介受診となった.検査の結果,膵体部混合型膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm,以下IPMN)と診断した.最大径2cmで嚢胞内に明らかな結節隆起を認めず,膵液細胞診は陰性であったが,増大傾向がある混合型のため,切除の方針とした.当初は膵頭十二指腸切除術を考慮したが,総肝動脈が欠損し,SMAから分岐して膵頭部腹側を頭側へ走行するGDAに連なる動脈が肝全体を動脈供血する変異が術前3DCTにて確認されたため,SMV右縁から左胃静脈の脾静脈流入部までの膵中央切除を施行した.摘出標本には明らかな悪性像は認めず,拡張嚢胞上皮の腺腫成分のみで,膵管断端は正常であった.血管,膵実質,膵管を重ねた立体構築画像は安全で確実な手術を遂行するのに有用であった.
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  • 末岡 智, 梶川 真樹, 小西 滋, 出口 智宙, 伊藤 浩明, 原田 明生
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2639-2643
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,女性.2009年6月左肺癌にて肺下葉切除術を施行.2010年4月腹部超音波検査にて膵体部に腫瘍を認められた.腹部造影CTでは腫瘍は軽度造影され,内視鏡的膵管造影では膵管の杯状の途絶を認めた.Fluorodeoxy glucose-positron emission tomography(FDG-PET)では膵体部と右縦隔リンパ節にFDGの集積を認めた.右縦隔リンパ節は肺癌の転移再発の可能性が高いと考えたが,診断的意義も含め2010年6月膵体尾部切除術を施行した.病理検査では腫瘍組織は肺の腫瘍組織と類似しており,肺癌膵転移と診断された.術後10カ月現在,肺癌に対する化学療法を施行している.肺癌膵転移は全身転移の一部として見つかることが多く,手術適応となることが少ない.一方他部位の転移が小範囲で化学療法などが可能である場合,原発性膵癌との鑑別診断としての意味も含めて手術適応がある場合もあると考えられた.
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  • 山形 幸徳, 坂本 裕彦, 山浦 忠能, 川島 吉之, 田中 洋一
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2644-2648
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,男性.進行胃癌とintraductal papillary mucinous carcinoma(IPMC)に対し胃全摘術・膵体尾脾切除術を施行した.術後膵液瘻を認めたが感染兆候なく,保存的治療で軽快傾向であった.術後第20病日深夜に悪寒戦慄を伴う38℃台の発熱を認め,翌日施行の造影CTで肝下面と左横隔膜下の液体貯留を認めた.当初はこれが熱源と判断し,肝下面液体貯留部を穿刺したが貯留液は漿液性で,アミラーゼも低値であった.抗生剤投与にて症状軽快した.発熱時に施行した血液培養から肺炎球菌が検出され,臨床経過と併せてoverwhelming postsplenectomy infection(OPSI)と診断した.以降の経過は良好で,術後第47病日退院となった.
    OPSIの成人報告例では,脾摘後比較的日数が経過してから発症する症例を多く認めたが,本症例のごとく周術期に発症する例も存在する.脾合併切除を施行した胃全摘症例の術後に発熱を認めた際は,OPSIの可能性も念頭に置いておく必要があると考えられた.
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  • 蜂須賀 崇, 武内 拓, 西脇 英敏, 森田 敏裕
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2649-2653
    公開日: 2012/04/13
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    症例は46歳,男性.3カ月前より全身倦怠感と微熱を認めていたが左側腹部に疼痛が出現したため当院を受診した.腹部造影CTで脾下極に造影効果のない腫瘤型病変を認め,同部位が超音波検査で低エコー像を呈することより悪性リンパ腫を疑った.心臓超音波検査では大動脈弁閉鎖不全と診断,微熱が続いていることから感染性心内膜炎も疑われたが血液培養検査では陰性であった.FDG-PET/CTを施行したところ脾下極と左鎖骨上リンパ節に異常集積を認めた.脾悪性リンパ腫のリンパ節転移を疑い,まず局所麻酔下に左鎖骨上リンパ節の摘出を行ったが,病理組織学的診断は炎症による過形成であった.脾腫瘤の診断のため脾臓摘出術を施行したところ,病理組織学的検査により脾梗塞と判明した.脾梗塞は心疾患,血液疾患などの基礎疾患に起因するものが多く,自験例でも大動脈弁閉鎖不全症や感染性心内膜炎との関連が疑われた.
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  • 坂本 一喜, 山口 智之, 片岡 直己, 冨田 雅史, 新保 雅也, 牧本 伸一郎
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2654-2658
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は51歳,女性.右鼠径部に腫瘤があり増大傾向となったため近医を受診し当院に紹介となった.立位で膨隆する腫瘤を右鼠径部に認め,超音波検査では嚢胞性腫瘤を腹腔から鼠径管内にかけて認め体位により内容物が移動するのが観察された.Nuck管水腫の疑いで手術となり腹腔鏡でアプローチし腹膜外病変であることを確認した上で前方アプローチも併用し完全切除を行った.内鼠径輪の開大を伴っていたためメッシュによる補強を行った.成人のNuck管水腫はまれであるが超音波検査などにより術前診断は比較的容易である.内鼠径輪の開大を伴っていることもあり腹腔側に伸展したNuck管水腫を損傷すること無く安全に切除するためには腹腔鏡が極めて有用であった.
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  • 津福 達二, 武田 仁良, 田中 眞紀, 山口 美樹, 高良 慶子, 中島 収
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2659-2662
    公開日: 2012/04/13
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    症例は41歳,女性.1年ほど前から左鼠径部に腫瘤を認め増大縮小を繰り返していた.疼痛を伴うようになったため当院産婦人科を受診した.内診およびエコー検査で卵巣や子宮に異常なく,左鼠径ヘルニア疑いで当科紹介となった.腹部エコー検査で左鼠径部に40×20mm大の内部エコー不均一な卵円形の水腫を認めたが鼠径管への大網や腸管の脱出はなかった.左鼠径部水腫の診断で手術を行った.水腫は子宮円索と強固に癒着していたため円索と一緒に2重結紮切離し摘出した.鼠径ヘルニアに準じMarcy法で後壁補強し手術を終了した.摘出した水腫の内容物は暗赤色の液体で,病理組織学的検査で,水腫は中皮により内腔を被覆され子宮内膜組織を一部に認めたことから,Nuck水腫に合併した子宮内膜症と診断された.成人のNuck水腫は稀な疾患で,このNuck水腫内に子宮内膜症を合併した症例は非常に稀である.
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  • 高木 健裕, 弥政 晋輔, 澤崎 直規, 東島 由一郎, 後藤 秀成, 松田 眞佐男
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2663-2666
    公開日: 2012/04/13
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    症例は90歳,女性.1年前に回盲部軸捻転に対し,回盲部切除を施行された既往がある.下腹部膨満感,腹痛,嘔吐を訴え,当院救急外来へ搬送された.腹部は全体的に膨隆し,下腹部に限局した圧痛を認めたが,腹膜刺激症状は無かった.血液検査所見は白血球12,000/mm3,CRP 0.1mg/dl,腹部CTでは,右横隔膜下に著明な遊離ガス像,肝表面とDouglas窩に少量の腹水および小腸の拡張を認め,小腸あるいは下部消化管穿孔を疑い緊急開腹術を施行した.腹腔内に少量の漿液性腹水を認めた.全消化管を精査したが,小腸に癒着による通過障害部位を認めるものの,穿孔所見を認めなかった.小腸の癒着を剥離し,閉腹した.術後経過は良好で,第15病日に退院となった.本症は癒着性腸閉塞に併発した消化管穿孔を伴わない腹腔内遊離ガス出現症例であった.合併症を伴わない気腹症は保存的治療の適応となるが,腸閉塞や腹膜炎などを合併する場合,すみやかな手術が必要である.
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  • 伊藤 嘉智, 福永 正氣, 菅野 雅彦, 吉川 征一郎, 平崎 憲範, 鷲尾 真理愛
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2667-2671
    公開日: 2012/04/13
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    症例は78歳,女性.Sjögren症候群でステロイド治療を受けていたが,腹痛および腹部膨満感を主訴に来院した.腹部は全体に圧痛と反跳痛を認め,CTで遊離ガスと腸管漿膜下に気腫を認めた.腸管嚢腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis,以下PCI)と診断したが腹膜刺激症状を重視し,穿孔性腹膜炎を鑑別すべく診断的腹腔鏡を行ったところ空腸の壁肥厚と気腫性変化を認め,同部位での穿孔が否定できず小腸部分切除を行った.PCIでの手術報告例は散見されるが腹膜刺激症状を伴う例は報告が少なく,中でも壊死性腸炎や消化管穿孔などの随伴所見を伴わない例はまれである.保存的治療で改善することが多い疾患であるため,試験開腹が必要な症例で腹腔鏡下手術を選択すれば患者に対し診断および治療を低侵襲に行うことができる.
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  • 宮澤 智徳, 小出 則彦, 藤田 亘浩, 本間 憲治
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2672-2675
    公開日: 2012/04/13
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    症例は61歳,男性.2008年に胃癌に対し胃全摘術を当院で施行された.2010年より右下腹部に腫瘤を触知し次第に増大傾向を認めた.腹部CTで右腹直筋下に低濃度腫瘤を指摘された.Core needle biopsyを行い病理組織検査でデスモイド腫瘍の診断となり手術を施行した.遺残のないように腫瘍を切除し腹壁欠損部をComposix® meshで修復した.術後経過は良好で第15病日に退院となった.現在,明らかな再発兆候や腹壁瘢痕ヘルニアの発生はなく日常生活に支障はない.自験例のように腹壁デスモイド腫瘍の切除に際し,腹壁欠損が大きい場合メッシュによる修復が必要となることがあるため,文献的考察を加えて報告する.
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  • 矢澤 武史, 清水 智治, 目片 英治, 園田 寛道, 龍田 健, 谷 徹
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2676-2680
    公開日: 2012/04/13
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    われわれは術前診断し良好な経過を得たS状結腸間膜窩ヘルニアの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は51歳男性.深夜から間欠的左下腹部痛を認め,当院救急外来を受診した.腹部造影CTにてS状結腸間膜内に小腸が嵌入しており,S状結腸間膜に関連した内ヘルニアと診断し緊急手術を行った.腹腔内に少量の腹水を認めたが,虫垂切除後の癒着は認めなかった.S状結腸間膜と後腹膜の癒合部に同部に回腸末端から190cmの回腸が約10cmにわたり嵌入していた.用手的に嵌入していた回腸を整復しS状結腸間膜窩ヘルニアと診断した.回腸の色調は良好で腸管切除は行わなかった.1.5cmのS状結腸間膜の欠損部は縫合閉鎖し手術を終了した.術後経過は良好で術後8日目で退院となった.腸閉塞の原因としてS状結腸間膜窩ヘルニアは比較的まれであるが,腹部CTによる早期診断・手術により腸管切除を回避できると考えられた.
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  • 碇 直樹, 斎田 真, 安村 友敬, 矢川 彰治, 小沢 俊総
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2681-2687
    公開日: 2012/04/13
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    症例は50歳,女性.背部と臍周囲痛,嘔吐,下痢を主訴に当院内科受診し,急性胃腸炎として入院にて絶食・補液管理を行い,抗生剤を投与された.36時間後に腹膜刺激症状が出現した為,CT検査を施行したところ,上腹部を中心にfree air,大量腹水,後腹膜の液体貯留と小腸・大腸の壁肥厚を認めた.外科転科し,緊急手術の方針となったが,ショック,呼吸停止に陥った為,まずは救命処置を行った後に開腹術を施行した.術中所見では,後腹膜が広範に壊死融解し,小腸・右側結腸の分節的な壊死を認めた.また,十二指腸に穿通部を認めたが,小腸・右側結腸壊死部とは異なり周囲の色調が保たれていた.壊死腸管を切除し,穿孔部は残存空腸と側々吻合した.病理所見では小腸・右側結腸の粘膜側に著明な壊死を認めたものの,血栓形成はなく,十二指腸穿通を契機に発症した非閉塞性腸間膜虚血症と考えられた.一時的に敗血症を併発したが徐々に改善し,軽快退院した.
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  • 西田 孝宏, 和城 光庸, 森広 雅人, 熊谷 信平, 市川 徹郎, 宮崎 勝
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2688-2692
    公開日: 2012/04/13
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    症例は57歳,女性.下腹部痛・血便を主訴に来院.腹部造影CTにて骨盤内の小腸間膜に約6cm大の腫瘍性病変を認め,同部位からの消化管出血が疑われた.入院時より38℃台の発熱を認め,血液検査にて炎症所見の増悪を認めた.単純CTで腫瘍内・後腹膜にガス像を認め,腫瘍壊死・穿通が疑われたため,緊急手術を施行した.開腹すると,腫瘍は回腸末端より約30cm口側の小腸間膜に位置し,小腸・後腹膜に穿通していた.腫瘍を含め,小腸部分切除術を施行した.術後経過は良好で,第15病日に退院した.病理組織検査にてperipheral primitive neuroectodermal tumor(pPNET)と診断した.術後15カ月経過した現在,無再発生存中である.腹腔内原発のpPNETは非常に稀な症例であり,文献的考察を加えて報告する.
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  • 辻村 敏明, 和田 哲成
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2693-2696
    公開日: 2012/04/13
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    症例は72歳,男性.腹痛・嘔吐にて入院した.腹部CTおよびMRIで下腹部に脂肪成分に富んだ内部不均一な巨大な腫瘤を認め,上行結腸が背側に圧排されていた.小腸造影および注腸造影で腸管の圧排所見を認めたが,狭窄像は認めず.血管造影検査では淡い腫瘍濃染像を認めた.以上より,腸管外に発生した脂肪肉腫を疑い手術を行った.回腸腸間膜を基部としたダンベル型の巨大な腫瘤を認め,回腸と共に切除した.組織学的には高分化型脂肪肉腫と診断した.術後約20カ月で再発兆候は認めていない.今回,回腸腸間膜に発生したまれな脂肪肉腫の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.
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  • 角谷 昌俊, 大柏 秀樹, 宮本 大輔, 武岡 哲良
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2697-2702
    公開日: 2012/04/13
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    回腸新膀胱造設術は膀胱全摘後のquality of lifeが高い尿路再建術であるが,穿孔により腹膜炎をきたした症例は極めてまれであるため報告する.症例は59歳の男性で,膀胱癌の診断でネオアジュバント療法を施行後,根治的膀胱摘除術および回腸新膀胱造設術が行われた.その3カ月後に強い腹痛を認めたため,当院へ搬送された.受診時,腹部全体の圧痛と筋性防御を,また腹部CTで腹水を認め,汎発性腹膜炎の診断にて緊急手術を行った.開腹時,軽度混濁腹水が認められたが,消化管に責任病巣を認めず,混濁が強い骨盤内を観察すると回腸新膀胱に径3mmの穿孔部を認めた.膀胱留置カテーテルから生理食塩水を注入したところ,ここから漏出してきたため,回腸新膀胱穿孔による汎発性腹膜炎と診断した.手術は穿孔部を直接縫合閉鎖して大網で被覆後,腹腔内を洗浄しドレナージを施行した.術後経過は良好で,術後49日目に退院となった.
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  • 川井田 博充, 松田 政徳, 細村 直弘, 雨宮 秀武, 河野 寛, 市川 智章, 山根 徹, 藤井 秀樹
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2703-2707
    公開日: 2012/04/13
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    患者は47歳,女性.右上腹部痛の精査目的で施行した腹部超音波検査で右上腹部腫瘤を指摘された.CTでは17×13cm大の肝臓および腎臓を圧排する境界明瞭な乏血性腫瘤を認め,左縁は腹部大動脈に接していた.また,その尾側に6×4cm大の同様のCT像を示す腫瘤を認めた.2つの腫瘤はMRIのT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を示した.神経節神経腫を疑い,経過観察の後手術となった.手術所見では,主腫瘍は周囲組織と線維性の癒着を認め,腹腔動脈起始部右側での癒着は強固であった.また,隣接する腫瘍も腹部大動脈右側への強い癒着を認めた.病理組織的には両腫瘍とも紡錘形の神経腫細胞の中に神経節細胞が散在しており,神経節神経腫と診断された.
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  • 大内 昌和, 福永 正氣, 津村 秀憲, 李 慶文, 菅野 雅彦, 永仮 邦彦
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2708-2712
    公開日: 2012/04/13
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    症例は25歳,女性.腫瘤触知にて当科受診.画像診断で腹部正中総腸骨動脈分岐部直下に約5cm大の下腹部腫瘤が判明.腹腔鏡下摘出術を施行.術中高血圧のほか術中術後合併症認めず,第8病日退院となった.病理組織学的検査ではparagangliomaと診断された.
    副腎褐色細胞腫の腹腔鏡下手術は普及しているが,後腹膜paragangliomaの腹腔鏡下手術はその発生頻度が少ないことに加え,悪性度や解剖学的特徴,またカテコラミン放出に対する懸念から一般的であるとはいえない.腹腔鏡下手術のポイントとしては1)多発性発生が多いので十分な腹腔内観察を行うこと2)慎重な操作による血管神経損傷の回避3)愛護的操作による高血圧クリーゼの予防などがあげられる.腹腔鏡の拡大視効果と水平方向の視野により低侵襲かつ安全に手術を行うことが可能と考えられる.
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  • 岸原 文明, 平野 誠太郎, 白水 章夫, 福山 康朗, 池田 正仁
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2713-2717
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,女性.左下腹部腫瘤を主訴に来院.鼠径靱帯近傍の左下腹部に4.5cm大の硬い腫瘤を触知し,針生検で顆粒細胞腫と診断した.腫瘤は増大傾向にあったため摘出手術を施行した.腫瘤は外腹斜筋内に発生しており,境界は明瞭で一括切除可能であった.病理組織学的には腫瘍細胞の紡錘形化と核の多形化が認められ異型顆粒細胞腫と診断した.組織学的にも断端は陰性であったが,術後10カ月目より左鼠径部に腫瘤が出現.左恥骨前面に2cm大,左上前腸骨棘内側に5cm大の腫瘤を認めた.初回切除部の近傍であり,局所再発の診断で再度切除術を行った.再発腫瘍の病理組織像も初回同様に異型顆粒細胞腫であった.以後再発はみられていない.外腹斜筋内に発生し興味深い経過を示した顆粒細胞腫症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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  • 古西 英央, 黒田 徹, 川村 雅彦, 田中 知行, 吉田 和彦, 矢永 勝彦
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2718-2722
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は71歳,女性.直腸穿孔性腹膜炎に対し緊急腹腔ドレナージ術を行った.術後5日に発熱を認め,血液培養および中心静脈栄養カテーテル先端培養でCandida tropicalisを検出し,Fosfluconazoleで加療した.その後,穿孔原因である直腸癌に対して低位前方切除術を施行し合併症なく退院した.術後74日目に発熱を主訴に来院.β-Dグルカンは941pg/mlと上昇認めるも感染巣の同定はできず,経験的治療による抗真菌療法を開始した.増悪する腰痛に対し行った腰椎MRIで第2/3腰椎の椎体融解像を認めたため,真菌性脊椎炎と診断した.コルセットによる支持療法とLiposomal amphotericin B,Fluconazoleで治療した.腰痛は改善しβ-Dグルカンも陰性化した.直腸穿孔性腹膜炎から深在性真菌症を引き起こし,2カ月後に真菌性脊椎炎を発症した稀な1例を経験したので報告する.
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  • 小島 正継, 清水 智治, 張 弘富, 村田 聡, 阿部 元, 谷 徹
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2723-2729
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は69歳,男性.数年前より,左鼠径ヘルニアの脱出と自己還納を繰り返していた.3日前にも同ヘルニア脱出を認め自己還納を行った.その後,上腹部痛,嘔気・嘔吐が出現し当院を受診した.腹部X線写真で小腸が拡張しニボーを形成しており,CTで左下腹部に閉塞起点を認めた.イレウスと診断し,イレウス管を挿入,症状は軽快するも通過障害は残存したため開腹術を施行した.内鼠径輪の近傍,腹膜前腔に壁側腹膜に包まれるように小腸ループが嵌頓しており,鼠径ヘルニア偽還納と診断した.嵌頓を解除したが,腸管血流は良好であり腸切除は要しなかった.Direct Kugel Patch®を用いて鼠径ヘルニアを修復した.鼠径ヘルニアの偽還納は腸管が嵌頓した状態でヘルニア嚢と一緒に腹膜前腔に戻る稀な疾患であり,嵌頓は残存しているため早期の手術が必要である.鼠径ヘルニア整復後もイレウスが続く場合には偽還納を考慮する必要があると考える.
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  • 佐藤 雄生, 平田 裕久, 村山 弘之, 高坂 佳宏, 篠崎 伸明, 前川 貢一
    72 巻 (2011) 10 号 p. 2730-2734
    公開日: 2012/04/13
    ジャーナル フリー
    症例は69歳,男性.肛門の違和感を自覚し,人間ドックを受診.PET-CTにて下部直腸に近接した骨盤内腫瘍を指摘された.造影CT検査で直腸左側に位置し,境界明瞭で内部は多房性で嚢胞成分に富む50×45×45mm大の腫瘍を確認した.超音波内視鏡下に生検を行ったところ,神経鞘腫を第一に疑ったが,悪性を否定できないため腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は一部骨盤神経叢に癒着していたが,その他は鈍的に剥離可能であった.病理学的には,変性型の神経鞘腫で,悪性所見は認めなかった.術後神経因性膀胱を認めたが,投薬にて改善した.
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