日本臨床外科学会雑誌
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72 巻 , 8 号
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原著
  • 佐川 倫子, 戸崎 光宏, 福間 英祐
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1917-1922
    公開日: 2012/02/25
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    目的:乳癌診療において乳房超音波検査(乳房US)は必須だが,問題点として施行者に依存し,客観性に乏しいことがあげられる.これを克服するために開発された技術の一つにAutomated Breast Volume Scanner(ABVS)がある.今回われわれは,マンモグラフィおよびhand-held USと比較したABVS検出能について検討した.
    方法:マンモグラフィ,hand-held USおよびABVSを施行した324例のうち,病理組織検査で乳癌と確定診断された連続30例を対象とした.全症例がマンモグラフィ・乳房US(ABVS・hand-held US)を施行した.ABVSによる病変の検出とカテゴリーに関してマンモグラフィとhand-held USのそれらと比較して評価した.
    結果:浸潤癌は21例(19例が浸潤性乳管癌,1例が浸潤性小葉癌,1例が粘液癌),非浸潤性乳管癌は9例であった.
    ABVS・hand-held USにより乳癌全例が描出され,かつカテゴリー4以上であった.一方,4例はマンモグラフィではカテゴリー1または2であった.
    結論:今回の結果からABVSはhand-held US・マンモグラフィに劣らない診断機器であることが示唆される.今後も更なる症例の積み重ねにより,ABVSの診断精度を検討することが重要と考える.
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  • 砂川 宏樹, 矢田 圭吾, 卸川 智文, 間山 泰晃, 嘉数 修, 兼城 達也, 稲嶺 進, 當山 鉄男, 座波 久光, 與那覇 俊美, 大 ...
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1923-1928
    公開日: 2012/02/25
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    肝細胞癌(HCC)における背景肝は本国と沖縄では相違があるとされていた.そこで当院(沖縄県在)においてHCCにおける背景肝や動向について検討した.2001年1月から2010年12月の期間で114例を対象とした.B型肝炎陽性のもの(HBV)が14.9%,C型肝炎陽性のもの(HCV)が33.3%であった.HBVやHCVが関連しない(nonBnonC)肝細胞癌(HCC)の割合は50.9%と高値であった.後期(2006年─2010年)ではHCV関連のHCCは減少し,非アルコール性脂肪肝炎(NASH)症例が散見された.肝切除症例においては62.5%にnonBnonCのHCCがみられ,中でもアルコール性肝障害由来のHCCを29.2%に認めた.当院ではHCVの割合は少なく,年次経過でも減少していた.また,NASHの症例が後期で散見されるようになり,注目すべき結果だと思われた.
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臨床経験
  • 山田 美保子, 加藤 岳人, 吉原 基, 平松 和洋, 柴田 佳久, 山田 英貴
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1929-1932
    公開日: 2012/02/25
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    Diabetic mastopathyは長期糖尿病罹患患者に見られる乳腺の良性線維性腫瘤病変で,臨床所見や画像上,乳癌と類似しているため鑑別を要する.われわれはdiabetic mastopathyの7例を経験したので報告する.年齢は平均61.5歳で,糖尿病の罹患期間は平均16.6年であった.病変は,両側が5例,片側が2例,合計12病変であった.全例で硬い腫瘤を触れたがマンモグラフィでは特徴的な所見は認めなかった.超音波検査では全例に低エコー腫瘤と6例10病変で後方エコーの減弱を認めた.乳腺MRI検査は9病変に行われ5病変で後期相に造影効果を認め早期濃染を示す乳癌との鑑別となった.針生検では11病変全例で乳腺症の診断であった.既往歴,触診所見,各種画像検査を総合的に判断し確定診断とした.本疾患の診断には糖尿病の既往の問診が重要であり,両側性であることやMRI所見が診断の一助となる.
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症例
  • 道下 新太郎, 玉木 康博, 野口 眞三郎
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1933-1936
    公開日: 2012/02/25
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    比較的まれな乳癌による傍腫瘍性小脳変性症を経験したので報告する.症例は66歳の女性,歩行時の浮動感が急に出現し,近医受診した.頭部MRIや頸部超音波検査では異常所見がなく,経過観察となった.2週間後には歩行困難となり,構音障害や嘔吐が出現し,経口摂取不良となったために当院へ紹介された.内分泌代謝疾患・感染症・中毒などの所見はなく,頭蓋内腫瘍も否定された.胸腹部造影CTにて右腋窩リンパ節腫大を認め,精査したところ右乳房C領域に2.6cmの乳癌を認めた.歩行困難などの症状は,傍腫瘍性小脳変性症によるものと考え,右胸筋温存乳房切除術および右腋窩郭清を行った.術後4日目に血清抗Yo抗体が陽性であることが判明した.
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  • 林 友樹, 宮田 完志, 湯浅 典博, 竹内 英司, 後藤 康友, 小林 陽一郎
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1937-1941
    公開日: 2012/02/25
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    症例は67歳,女性.2007年,上行結腸癌の診断で結腸右半切除術を施行した.長径5.5cm,2型の腫瘍で中分化型腺癌,SS(pT3),pN2,1y3,v1,fStageIIIbと診断された.術後25カ月目に左半身不全麻痺が出現し,頭部造影MRIにて右頭頂葉に径19mmの単発腫瘤を認めた.全身検索にて脳以外には再発所見を認めず,孤立性転移性脳腫瘍と診断し開頭腫瘍摘出術を施行した.脳腫瘍は上行結腸癌の組織像と類似した腺癌で,大腸癌脳転移と診断された.術後40Gyの全脳照射を追加し,現在術後20カ月無再発生存中である.大腸癌術後脳転移は,一般に多発していたり他部位に遠隔転移を伴うことが多く予後不良であるが,孤立性脳転移の長期生存例の報告もみられる.大腸癌術後のフォローアップを行う際は,脳も転移部位の一つとして注意すべきである.
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  • 大坪 竜太, 前田 茂人, 中田 哲夫, 遠山 啓亮, 中島 一彰, 伊東 正博
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1942-1946
    公開日: 2012/02/25
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    症例は48歳,女性.34歳時に前医で右乳癌に対し乳房扇状部分切除術と腋窩リンパ節郭清を施行,病理の結果は非浸潤性乳管癌,TisN0M0 Stage 0であった.術後放射線治療を行い,化学療法やホルモン療法は行わなかった.その後3年間は再発所見なく,44歳時より年1回のマンモグラフィー検査を受けていた.48歳時に集簇性多形性石灰化が出現,穿刺吸引細胞診でclassV.当センターでの針生検で浸潤性乳管癌と診断,局所再発以外に転移巣を認めなかった.右胸筋温存乳房切除術を施行,病理診断の結果は浸潤性乳管癌(硬癌)で皮膚を含めた広範囲のリンパ管浸潤を認めた.術後補助化学療法(FEC+Docetaxel)と術後ホルモン療法(Tamoxifen)を行っているが,現在再発を認めていない.本症例は皮膚の炎症性変化を伴わない皮膚のリンパ管浸潤をきたした症例であり,occult炎症性乳癌型再発と考えられた.
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  • 津福 達二, 田中 眞紀, 山口 美樹, 高良 慶子, 押領司 篤茂
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1947-1951
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は52歳,女性,閉経後.初めて受けた乳癌検診で右乳房CD領域に腫瘤を指摘された.患者は幼少期にFallot四徴症と診断され,20歳時に受けた大動脈-肺動脈バイパス術による血行と大動脈からの側副血行路で肺循環を保っていた.乳房は精査の結果,浸潤性乳管癌T1cN0M0と診断された.入院時NYHA分類II度,SpO2 75%,動脈血液ガス分析で,pH 7.36,PaCO2 46torr,PaO2 46torrと低酸素血症を認めた.高度心奇形を合併しており治療法の選択に迷ったが,Performance Status 1で,切除の強い希望があったこと,麻酔科の管理可能の判断があったことで手術治療を決定した.肺循環を保つため自発呼吸を残したまま全身麻酔をかけ乳房切除術を行った.現在術後1年経過したが,無再発生存中である.
    長期生存しているFallot四徴症患者の乳癌手術の報告はなく,非常にまれであるので報告した.
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  • 西野 豪志, 片山 和久, 高橋 裕兒, 田中 隆
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1952-1958
    公開日: 2012/02/25
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    症例は66歳,女性.右乳房腫瘤を主訴に当院を紹介受診した.右乳房CD領域に2.5×3.2cm大の弾性硬で可動性のある腫瘤を触知した.超音波検査では後方エコーの増強を伴う分葉状の低エコー像を認めた.マンモグラフィーでは境界明瞭な分葉状の高濃度腫瘤を認め,同領域に区域性に分布する線状石灰化を認めた.針生検にて悪性リンパ腫の診断を得たが,マンモグラフィーの所見から乳癌の併存を疑い乳房扇状部分切除術,腋窩リンパ節郭清を施行した.病理組織検査の結果,悪性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma)と診断され,同一腺葉内に非浸潤性乳管癌を認めた.術後,残存乳房への放射線照射ののち,CHOP療法,内分泌療法を行い,術後4年を経過した現在,無再発生存中である.同一腺葉内に悪性リンパ腫と非浸潤性乳管癌が併存したまれな症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
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  • 和久 利彦, 勝部 亮一, 大多和 泰幸, 佐藤 直広, 神原 健, 剱持 雅一
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1959-1963
    公開日: 2012/02/25
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    72歳,女性.3年前より右乳房の膨隆を自覚していたが放置していた.近医にて右乳房の腫瘤を指摘され精査目的にて当院へ紹介となった.右乳房に10cmを超える腫瘤があり,皮膚への浸潤傾向はなく,疼痛もなかった.マンモグラフィでは10cmを超える低濃度,辺縁境界明瞭な腫瘤内に石灰化を認めた.乳房MRI検査では肋間筋への浸潤が疑われた.穿刺吸引細胞診では診断できなかった.以上より,右乳腺腫瘍の疑いで手術を施行した.腫瘍は,第5肋骨の1cmの部分から乳房を胸腔外方向へ圧排しながら発育していた.腫瘤摘出,肋骨・胸骨の部分切除,胸壁再建を行った.病理組織所見では,核異型がごく軽度で,核分裂像も見つからず,中心部近くでは既存の骨梁を破壊していたことより,gradeIの軟骨肉腫と診断した.乳房直下の胸壁より胸腔外方向へ発育する軟骨肉腫症例があることを認識し,乳腺腫瘍との鑑別をすべきである.
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  • 西井 鉄平, 大沢 宏至, 白石 龍二, 高橋 政夫, 乾 健二, 益田 宗孝
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1964-1968
    公開日: 2012/02/25
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    症例は39歳,男性.検診で5年前から,右胸部異常影を指摘されていた.右前胸部痛を主訴に当院を受診.胸部X線写真では,右下肺野を占める巨大な腫瘤影を認めた.胸部CTでは10×10cm大の縦隔腫瘍であると判断した.内部は比較的均一な低濃度の腫瘤影であり,心膜嚢胞を疑った.診断と治療を目的に3ポートの胸腔鏡下に手術を施行した.腫瘤は肉眼的に嚢胞性病変であると判断することができたが,緊満が強いために,切除する上での視野展開が困難であった.嚢胞壁の損傷による内溶液の散布を避けるべく,ピッグテールカテーテルを挿入して吸引した.視野展開が容易となり,胸腔鏡下に摘除しえた.病理組織学的に,悪性所見は認めなかった.術後の経過は良好であった.稀な巨大縦隔嚢胞であり,手術手技の工夫に関しての文献的な考察を交えて報告する.
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  • 松本 理恵, 今井 茂郎, 佐々木 なおみ
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1969-1973
    公開日: 2012/02/25
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    症例は68歳,男性.1993年3月浸潤型胸腺腫を伴った重症筋無力症に対し拡大胸腺摘出術,心膜・右肺・左腕頭静脈合併切除を施行した.術後縦隔に放射線照射施行し,外来で定期的経過観察を行っていた.2010年5月近医で胸部X線上異常影を指摘され,当院を紹介受診した.画像検査および生検にて胸腺腫の全身転移(右胸壁転移,多発骨転移,縦隔リンパ節転移,副腎転移,臀筋転移)と診断した.まず仙骨骨転移に対し,放射線照射を行い,続けて全身化学療法を行った.胸壁転移巣のみ縮小したが,他の転移巣は治療に抵抗性であった.胸腺腫の再発は局所進展が主体で,遠隔転移は稀である.また本症例の転移巣はthymoma(TypeB2,B3),thymic carcinomaが混在して存在し,化学療法への反応性も異なっていた.文献的考察を加え報告する.
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  • 笠原 勝彦, 川崎 暁生
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1974-1977
    公開日: 2012/02/25
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    症例は62歳,女性.胸部圧迫感と呼吸苦にて救急来院.胸部CT検査にて肺動脈に接して径5cmの冠動脈瘤と心嚢液の貯留を認め,心カテーテル検査施行後緊急手術を施行した.手術は人工心肺を使用し心停止下に瘤を切開し冠動脈肺動脈瘻を確認し閉鎖した.術後経過良好にて軽快退院となった.
    冠動脈瘻に合併する冠動脈瘤は稀であり,その破裂症例に対しては外科的に確実な瘤切と瘻孔閉鎖が重要であると考えられた.
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  • 川井 廉之, 星 永進, 高橋 伸政, 池谷 朋彦, 村井 克己
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1978-1981
    公開日: 2012/02/25
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    症例は30歳,男性.前医にて緊張性気胸に対する胸腔ドレナージ後に血胸を呈し,医原性の血胸が疑われ当センターへ緊急搬送された.胸部X線写真にて右胸腔に大量胸水貯留を認め,ドレーンからの出血が続いていたため,血気胸の診断で胸腔鏡下緊急止血術を施行した.出血は肺尖部対側の胸壁の断裂した血管からであり,自然血気胸と診断した.術後,再膨張性肺水腫を発症したが,その後の経過は良好で,術後第7病日に軽快退院となった.自然血気胸の中には本例のように初回胸部X線写真で胸水貯留が認められない症例があり,早期の診断と治療のためには,ドレナージ後の注意深い経過観察が重要である.
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  • 齊藤 保文, 柴田 諭, 赤山 幸一, 高橋 忠照, 万代 光一
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1982-1987
    公開日: 2012/02/25
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    症例は69歳,男性.喫煙歴あり,明らかなアスベスト暴露歴はない.胸部X線検査で左上肺野に異常影を認め,CTにて左肺上葉背側に胸膜に接する結節を認めた.PET-CT検査で同部位にSUV4.0の集積を認め,悪性を強く疑い胸腔鏡下に手術を行った.腫瘍は壁側胸膜に存在する隆起性病変であり,肺と癒着を認めた.生検による術中迅速病理検査では確定診断困難であったため,肺の部分切除とともに,腫瘍を含む胸膜全層切除を行った.病理組織学的には核に異型性を有する紡錘形の腫瘍細胞の増殖を認め,免疫染色ではCytokeratin,EMA,vimentinが陽性で,CEA,CD34が陰性であり悪性胸膜中皮腫の所見であった.肉眼的,病理学的にも胸膜播種の所見はなく,限局した結節病変であり限局性悪性胸膜中皮腫と診断した.胸壁側断端に腫瘍浸潤を認めたため,術後放射線治療を行った.現在術後5年経過し再発は認めていない.
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  • 橋本 雅之, 鈴村 雄治, 寺本 晃治
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1988-1992
    公開日: 2012/02/25
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    重症肺気腫合併低肺機能患者に発症した同時性両側気胸に対し,経皮的心肺補助(PCPS)下に肺瘻閉鎖術を施行した1例を経験した.症例は65歳,男性.2009年6月突然の呼吸困難で救急搬送となった.胸部X線,CTで両側気胸認め,両側胸腔ドレナージを施行した.多量の気瘻が持続,軽快しないため発症10日目にPCPS下に手術を施行した.左側は縦隔側に癒着したブラから気瘻を確認,結紮処理した.右側はリークテストを繰り返し行うも責任病変を確認できず,ドレーン留置のみとした.手術室でPCPSを離脱したが,術後右側から気瘻再発したため,7日後に右肺の再手術を施行.左片肺換気を試みたが酸素化が不十分であり,再度PCPS下に手術を施行した.気瘻を確認した肺底部ブラを結紮し手術を終了した.人工呼吸器からは術後6日目に離脱した.本症例においてはPCPSの併用なしでは救命できなかったと思われた.
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  • 藤田 敦, 中里 宜正, 橘 啓盛, 平方 智子, 柳田 康弘
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1993-1998
    公開日: 2012/02/25
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    症例は52歳,女性.左乳房腫瘤を指摘され当院を受診した.左乳房に30mm大の腫瘍が認められ,生検にて浸潤性乳管癌と診断された.PET-CTにて左乳腺および左腋窩にFDGの集積が見られた.また,左肺S10に9mm大の結節が見られた.肺結節にFDGの集積は見られなかったが,乳癌の転移性肺腫瘍が疑われた.病期判定のために確定診断が必要と判断され,胸腔鏡下左下葉部分切除術を行った.病理所見では,明るい細胞質を有する立方状から多角形の腫瘍細胞が充実性に認められた.免疫・特殊染色では,S-100が陽性でHMB-45とサイトケラチンとCD10が陰性であった.形態および免疫染色の結果より,肺良性淡明細胞腫瘍と診断された.肺良性淡明細胞腫は比較的稀な腫瘍である.自験例を含めた本邦報告例32例を集計して報告する.
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  • 香山 茂平, 中光 篤志, 今村 祐司, 船越 真人, 福田 康彦
    72 巻 (2011) 8 号 p. 1999-2003
    公開日: 2012/02/25
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    症例は64歳,女性.検診での胸部レントゲン異常を指摘され近医を受診し,CTで横隔膜ヘルニアを指摘され当院紹介となった.右胸腔内に横行結腸,大網が脱出し,Morgagni孔ヘルニアと診断された.無症状だが,今後嵌頓などの危険性が否定できず腹腔鏡による修復術を施行することとなった.手術所見は,胸骨右側にヘルニア嚢を認め,内部には横行結腸が陥入していたが容易に引き出すことが出来た.肝円索を切離するとヘルニア門はおおよそ6×8cm程度の大きさであり直接縫合するには大きく,メッシュによる修復を行う方針とした.ヘルニア嚢は切除せず,composite meshをヘルニア門にあて,横隔膜と縫合固定した.手術時間は120分で,出血は少量であった.術後経過は良好で術後7日目に退院した.Morgagni孔ヘルニアに対するメッシュを用いた腹腔鏡下の修復術は安全に施行できる術式であった.
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  • 豊川 貴弘, 山下 好人, 山本 篤, 井上 透, 池原 照幸, 西口 幸雄
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2004-2008
    公開日: 2012/02/25
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    症例は62歳,男性.37年前に十二指腸潰瘍に対して胃切除術の既往がある.1カ月前から嘔気・嘔吐を認めるようになり近医受診した.腹部CTで吻合部に腫瘤影と輸入脚の著明な拡張を認めた.同日の上部消化管内視鏡検査では吻合部に全周性の3型腫瘍を認め,残胃癌による輸入脚閉塞症と診断し緊急手術を施行した.前回手術はBillroth-II法の結腸後経路で再建されており,Treitz靱帯から吻合部の空腸は暗赤色を呈し著明に拡張していた.残胃全摘術,膵尾部・脾臓合併切除術を施行した.治癒切除であったが,術後3カ月で胃癌死された.残胃癌による輸入脚閉塞症の本邦論文報告7例について,集計および文献的考察を行った.
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  • 増田 剛, 田中 浩明, 久保 尚士, 六車 一哉, 澤田 鉄二, 平川 弘聖
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2009-2013
    公開日: 2012/02/25
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    症例は49歳,女性.既往歴は28歳時に悪性貧血,バセドウ病,ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic autoantibody)関連血管炎.心窩部不快感を主訴に平成22年2月近医受診し,胃腫瘍が疑われ精査加療目的に当院紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査にて胃体部の高度な萎縮と,胃体上部に5mm径の多発性隆起性病変を認め,生検にて胃カルチノイドと診断された.血液検査上,血中ガストリン値は6,406pg/mlと著明高値を呈していたため,A型胃炎に伴う多発性胃カルチノイドと考えられ,幽門側胃切除を施行した.血中ガストリン値は術後翌日に正常化し,術後7カ月の上部消化管内視鏡検査では胃体上部のカルチノイドは消失していた.以上,A型胃炎に伴う多発性胃カルチノイドに対して,幽門側胃切除を施行し良好な結果を得た症例を経験したので報告する.
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  • 山近 大輔, 西 隆之, 田中 洋一, 原 正, 生越 喬二
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2014-2018
    公開日: 2012/02/25
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    症例は75歳,女性.心窩部不快感を主訴に上部消化管内視鏡検査を施行され,幽門狭窄を認めた.粘膜面に異常はなく幽門部に浮腫状狭窄を認めた.生検では,悪性像は認めなかった.腹部CT検査ではびまん性壁肥厚を認め,腫瘍マーカーはCA19-9値が735U/mlと高値であった.確定診断は得られなかったが,症状の改善を認めず,CA19-9が高値であり,胃壁の肥厚を認めることから,悪性の可能性を疑い手術を施行した.切除標本では壁の肥厚は認めず,狭窄部の硬化のみであった.病理診断では粘膜上皮に癌を認めず,粘膜下浸潤型の高分化型腺癌であった.免疫染色でCA19-9が陽性であり,術後に血清のCA19-9値は正常化したため,CA19-9産生胃癌と診断した.粘膜面に異常がなく,生検で悪性像が得られない幽門狭窄を認めた場合には癌の可能性も考慮すべきである.
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  • 柳橋 浩男, 山本 宏, 貝沼 修, 趙 明浩, 朴 成進, 有光 秀仁
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2019-2024
    公開日: 2012/02/25
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    症例は65歳,女性.主訴は上腹部痛,嘔気.平成15年12月S状結腸癌で腹腔鏡補助下S状結腸切除を他院で施行され経過観察されていた.平成17年8月CT,上部消化管内視鏡検査にて4cm大の十二指腸壁外腫瘍を認めたが,手術を拒否していた.平成20年10月主訴出現しCTにて腫瘍は8cmに増大し,腫瘍内出血を認めた.保存的加療で症状消失し,手術目的で当院紹介された.平成20年11月CTで腫瘍は4cmに縮小し,上部消化管内視鏡検査では十二指腸粘膜に変化はなかった.超音波内視鏡ガイド下穿刺細胞診でカルチノイドが疑われた.十二指腸カルチノイドの術前診断にて平成20年12月膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織診断では,術前には確認されなかった7mm,5mm大の十二指腸球部粘膜下腫瘍がカルチノイドであり,4×3×2.5cm大の十二指腸壁外腫瘍は転移リンパ節と診断された.今回,微小カルチノイドのリンパ節転移が孤立性に4年間経過観察された稀な1例を経験したので報告する.
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  • 山内 康平, 塩見 正哉, 高木 健司, 小林 聡, 世古口 英
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2025-2030
    公開日: 2012/02/25
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    40歳,女性.平成19年4月頃から腹痛出現.貧血のみの指摘で,他に検査異常は認めなかったが,症状維持するため,精査目的で紹介となった.初診時Hb 7.9g/dl,腫瘍マーカーは基準値内であった.内視鏡検査で十二指腸水平部に全周性腫瘍を認め,生検結果はGroup Vであった.腹部CTで7cm×9cmの巨大腫瘍を認め,膵・左腎・上腸間膜動脈(SMA),大動脈壁に接していた.膨張性に発育していると考え,開腹手術を行った.十二指腸水平部に径7.2×5.7cmの巨大な腫瘍を認めた.周囲臓器へ接していたが剥離可能であり,膵鉤部合併切除にて,腫瘍を完全切除することができた.術後頻回の下痢を認めたが経過良好で第31病日に軽快退院となった.術後補助化学療法を施行.術後12カ月にリンパ節転移再発を認めた.十二指腸癌は稀で,切除しえても高率に再発を認める.生存期間の延長に期待できることから切除の可能性を検討すべきである.
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  • 平川 富夫, 西原 政好, 島田 守, 権 五規, 李 喬遠, 岡 博史
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2031-2034
    公開日: 2012/02/25
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    空腸憩室の多くは,無症状に経過するが,極めてまれに大量出血きたす例も報告されている.症例は,65歳,女性.頻回の下血が続き,著明な貧血にて緊急入院した.輸血を行いながら,造影CT施行したところ,空腸に憩室様の嚢状拡張と造影剤の血管外漏出が認められ,冠状断では,より明らかで,空腸憩室出血と診断しえた.同日全身麻酔下に緊急開腹手術を施行した.Treitz靱帯より約30cm部位の空腸の腸管膜側に,径約4cm大に嚢状に拡張した憩室を認め,小腸部分切除術を施行した.憩室は固有筋層を欠く仮性憩室であった.術後経過良好で,術後第12日目に退院した.原因不明の持続する下部消化管出血では,時期を逸さず造影CTによる迅速な診断を要し,空腸憩室出血も鑑別診断として考える必要がある.
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  • 山田 大作, 富永 春海, 小関 萬里
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2035-2041
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,男性.気管支喘息に多発単神経炎を合併し,Churg-Strauss症候群(以下CSS)と診断され,外来加療中であった.多発性単神経炎の急性増悪をきたし,入院ステロイドパルス療法開始したところ,多発胃潰瘍を合併し,急激な腹痛と腹部レントゲン写真にて遊離ガス像を認めたため,消化性潰瘍穿孔を疑い,緊急手術を施行した.腹腔鏡にて観察したところ,胃・十二指腸は正常で,回盲部より80cm近位の小腸に穿孔部を認めた.小開腹を行い,同部位の部分切除を施行した.切除標本では,好酸球浸潤・類上皮細胞浸潤を伴う血管炎の像を呈しており,アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)による小腸穿孔と診断した.術後は順調に経過し,ステロイド維持療法を継続した.AGAは比較的稀な疾患であるが,本邦での消化管穿孔例の報告は54例である.
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  • 伊藤 麻衣子, 奥本 龍夫, 藤井 徹也, 金谷 欣明, 丸山 修一郎, 横山 伸二
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2042-2045
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は42歳,女性.突然の心窩部痛を主訴に他院を受診し,急性腹症との診断で当院紹介となった.右下腹部から側腹部にかけて圧痛を認め,同部位にやや硬い腫瘤を触れた.腹部CT検査にて回腸の一部にtarget sign様の層構造とその内部に均一な脂肪濃度の腫瘤影を認めたため,腸重積と診断し緊急手術を施行した.手術所見では,回腸末端より40cmの部位から肛門側20cmにわたり回腸回腸型腸重積が認められた.Hutchinson手技により重積解除すると,先進部は軟な腫瘤様で,肉眼的には内翻したMeckel憩室と思われた.憩室部分を含む回腸部分切除術を施行した.病理組織検査では異所性胃粘膜や膵組織の迷入は認めず,小腸型粘膜であった.以上より最終的に内翻したMeckel憩室による腸重積症と診断した.術後経過は良好で,術後9日目に退院となった.成人における腸重積症例ではMeckel憩室も原因のひとつとして念頭に置くべきであると思われた.
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  • 高橋 研太郎, 諸橋 一, 坂本 義之, 小山 基, 村田 暁彦, 袴田 健一
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2046-2049
    公開日: 2012/02/25
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    症例は62歳,女性.平成22年4月に急性腎不全と意識障害を伴った腸閉塞症にて緊急開腹術を施行したが,明らかな閉塞性病変を認めなかった.術後に意識障害の原因はグリホサート誤飲によるものと判明し,内科的治療で腹部症状と中毒症状は改善した.しかしグリホサート誤飲後1カ月後に再び腸閉塞を発症し,小腸造影と腹部CT検査で小腸重積が疑われた.保存的治療で軽快が得られないため,6月に再手術を施行した.Treitz靱帯から80cmと230cmの2カ所の小腸で,口側腸管が肛門側腸管に嵌り込んだ腸重積を認めた.腸管は炎症性に壁肥厚しており,重積部に腸管の強い癒着を認めた.口側の重積は用手的整復後に狭窄形成術を行い,肛門側の重積は小腸部分切除術を行った.グリホサート中毒後に発症した成人腸重積症の報告例は,検索しうる限りでは本邦初の極めて稀な症例であったが,遅発合併症の1つとして留意する必要があると思われたので報告する.
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  • 松崎 裕幸, 赤木 大輔, 竹上 智浩, 新海 宏, 小林 一博
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2050-2055
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    患者は55歳,男性.虫垂炎の手術歴あり.齲歯あり.硬い猪肉等を咀嚼不十分で摂取した後に腹痛が出現し,翌日に増悪し当院救急搬送された.腹部に自発痛・圧痛を認めた.CTにて小腸内に高吸収値を示す板状物を認め,口側の小腸が拡張していた.食餌性イレウスの診断で入院となった.入院12時間後に再検したCTでも小腸拡張の改善を認めず,板状物も移動していなかったため,保存的改善は困難と考え手術を施行した.小腸に嵌頓した堅い板状の軟骨を含む多量の食物残渣が除去された.食餌性イレウスは,食事内容や食習慣などを含めた詳細な問診が必要であり,保存的治療が困難な場合も多いことを念頭に治療方針を決定することが重要と考えられた.
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  • 加藤 久仁之, 大塚 幸喜, 板橋 哲也, 箱崎 将規, 御供 真吾, 若林 剛
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2056-2060
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,女性.腹痛を主訴に当院救急外来を受診した.腹部造影CT検査で造影効果を認めない小腸と腹水を認めたため絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.Treitz靱帯から130cm肛門側の小腸が50cmにわたり索状物で絞扼されていた.周囲に乳白色の腹水を認めた.絞扼解除で小腸の血流は改善したため腸管切除は施行しなかった.腹水Triglyceride値は526mg/dlと高値を示し,SudanIII染色陽性であったため乳糜腹水と診断した.術後経過は良好で第7病日に退院した.乳糜腹水を伴った絞扼性イレウスの報告例は本症例を含め9例とまれである.本疾患は絞扼によって腸管リンパ流が遮断された状態であっても,血流は保たれていたため,壊死による腸管切除は回避することができ,その経過は良好であった.
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  • 松田 睦史, 松本 松圭, 清水 正幸, 山崎 元靖, 長島 敦
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2061-2065
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は89歳,女性.腹痛,血性下痢便を主訴に来院した.腹部造影CTで右下腹部,回腸遠位端を中心に腸管外ガス像を認めたが理学所見に乏しく診断的腹腔鏡を施行した.腹腔鏡検査では漿膜下にガスを含んだ微小な腸管気腫像が限局性に複数認められたが,腹膜炎・穿孔所見を認めないため開腹手術は施行せず保存的経過観察とした.経過は良好であり第5病日に退院となった.しかし2週間後に再び腹痛・下痢を主訴に来院し,腹部CTで門脈気腫,腸管気腫症(Pneumatosis intestinalis:以下PI)を認めた.文献的考察から原因としてα-グルコシダーゼ阻害剤(以下:α GIs)が疑われ,内服を中止することで軽快した.以降α GIsの内服を中止し半年間再発は認めていない.α GIsによるPIの本邦報告例は9例と少なく,門脈気腫像を認めたのは自験例を含め2例であった.このような稀な疾患に対し,初期から確定診断することは困難であり,診断的腹腔鏡検査で不要な試験開腹を回避できる.
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  • 矢作 雅史, 高橋 正純, 薮野 太一, 岡本 経子, 鬼頭 文彦, 林 宏行
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2066-2069
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は75歳,男性.粘血便を主訴に来院され,外来で意識消失したため,緊急大腸内視鏡検査を施行された.大腸内は大量の旧血液で充満し,横行結腸までしか観察できなかった.輸血により全身状態が安定したため,絶食,前処置後に再度施行された大腸内視鏡検査で,虫垂開口部から湧出性の出血が断続的に認められ,内視鏡的止血は困難と判断し,緊急開腹虫垂切除術を施行した.術後経過は良好で,術後11日目に退院した.
    本症例は臨床的に虫垂憩室出血を疑ったが,病理組織学的診断では憩室や炎症所見は明らかでなく,虫垂のDieulafoy's lesionと診断された.下部消化管出血の原因として稀ではあるが虫垂のDieulafoy's lesionも考慮する必要があると考えられた.
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  • 畠 達夫, 鶴田 好彦, 高森 繁, 宍倉 有里
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2070-2074
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,男性.右鼠径部腫張を主訴に当院を受診した.CT検査で右鼠径部皮下に膿瘍を認めたため同部位を切開排膿したところ,膿瘍腔の奥に瘻孔の形成を認めた.精査の結果,上行結腸憩室炎が後腹膜側に穿通し,鼠径部皮下との間に瘻孔を形成していた.チューブドレナージ,洗浄による保存的治療を継続した.炎症は消退して膿瘍腔は縮小したが瘻孔は閉鎖せず,右結腸切除術を施行した.術後経過は良好で瘻孔は閉鎖し,軽快退院した.結腸憩室炎による結腸皮膚瘻に対しては保存的治療のみで瘻孔閉鎖をみるのは困難で,局所の炎症が消退した後に早期に切除することが有効であると考えられた.
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  • 藤田 敏忠, 田中 賢一, 三上 城太, 仁和 浩貴, 藤野 泰宏, 富永 正寛
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2075-2079
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,男性.2年前より本態性血小板血症の診断にてアスピリンを内服していた.健診で便潜血陽性のため精査を行ったところ盲腸癌を認め,当院を紹介受診した.アスピリンを休薬したのちに腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した.術後,Enoxaparin Sodiumの皮下注を行い,その後アスピリン内服を再開した.出血,血栓症の合併症なく,術後経過は良好で第7病日に退院した.術後12カ月経過した現在,明らかな再発徴候なく血小板数も80~100×104/μlで推移している.本態性血小板血症に大腸癌を合併した報告は,これまで1例の報告しかなく,非常に稀であると考え報告する.
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  • 清島 亮, 捨田利 外茂夫, 竹中 能文, 古内 孝幸, 清水 芳政, 佐久間 正祥
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2080-2083
    公開日: 2012/02/25
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    症例は56歳,女性.2004年8月,横行結腸癌の両側卵巣転移に対して横行結腸癌切除術(D3郭清),大網切除,広汎子宮全摘,両側卵巣切除を施行した.組織学的にはsi(大網),n3,ly1,v2,m1(両側卵巣),stageIVであった.術後2年7カ月,PET-CTでダグラス窩に転移を認め切除した.その後,1年4カ月間に2度の腹膜再発をきたしその都度局所切除を施行した.切除した転移巣は病理組織学的にすべて横行結腸癌の転移であった.転移発見時には毎回CEAの上昇を認め,切除後には正常化していた.初回手術から6年2カ月,最終手術から2年2カ月,無再発生存中である.今回われわれは,4年間に3度の異時性腹膜転移をきたし切除した横行結腸癌の1例を経験した.癌の再発形式を考える上で非常に興味深い症例を経験したので報告する.
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  • 関澤 健太郎, 志田 大, 稲田 健太郎, 蕨 雅大, 井上 暁, 梅北 信孝
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2084-2087
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    閉塞性大腸炎は大腸の閉塞病変の口側にびらんや潰瘍などが生じる非特異的炎症性疾患であるが,閉塞病変のために術前診断は困難とされる.今回われわれは,術前診断に難渋した閉塞性大腸炎合併S状結腸癌の1例を経験したので報告する.症例は64歳,男性.便秘・腹痛,高度貧血で前医入院中に,敗血症性ショックになり転院搬送,人工呼吸器管理となった.全身検索を行うもスコープが通過する程度の狭窄を伴うS状結腸癌以外には明らかな疾患はなかった.耐術可能となった緊急入院後60日目に手術を行った.術中所見で,横行結腸中央部の漿膜面まで閉塞性大腸炎を疑う所見があり,同部位まで切除範囲に含めて拡大結腸左半切除術を行った.病理結果は,SE,N1(1/58)で,H0,M0,P0,f Stage IIIaであった.癌の口側に広汎に閉塞性大腸炎を認め,その潰瘍部位に核内封入体を認めた.サイトメガロウイルス感染の合併が重症化の一因と考えられた.
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  • 丸森 健司, 岡崎 雅也, 今村 史人, 間瀬 憲多朗, 神賀 正博, 村上 雅彦
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2088-2091
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は44歳,男性.健診にて前立腺の腫瘤を指摘され,骨盤MRIにて直腸(Rb)前壁と前立腺にはまり込むように38×45mm大の腫瘍性病変が認められ,間葉系由来の腫瘍が疑われた.原発は直腸,前立腺のいずれかは不明瞭であったが,経直腸的生検を施行したところgastrointestinal stromal tumor(以下GIST)と診断された.注腸および下部消化管内視鏡で腫瘍は描出されず,直腸以外の原発の可能性も考えられた.腫瘍は前壁に局在し,前立腺への浸潤,癒着が疑われたため,経仙骨でなく,経会陰的に手術を施行した.腫瘍は直腸を壁外性に発育し前立腺に癒着していたため,これを剥離して腫瘍を含めた直腸局所切除術を施行した.術後診断は直腸原発のGISTであった.
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  • 柴地 隆宗, 久永 倫聖, 西尾 和司, 大槻 憲一, 木下 正一, 瀬川 雅数
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2092-2096
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,女性.便潜血検査陽性を指摘され精査加療目的に当科紹介となった.下部消化管内視鏡検査で下部直腸から肛門管に2型の腫瘍とその対側に粘膜下腫瘍を認めた.生検で低分化型腺癌と診断し,直腸切断術・D3を施行した.術後病理学的検索でいずれも類基底細胞癌と診断された.2つの腫瘍に連続性はなく,多発病変であった.本邦では類基底細胞癌は肛門管癌の約1.6%と珍しく,多発例は2例の報告のみと極めてまれであった.今後化学放射線療法が治療の中心になってくるが,類基底細胞癌は術前診断が困難である.直腸下部~肛門管にかけての腫瘍の診断時には類基底細胞癌の存在も念頭に置き,場合により免疫染色や針生検などを用い診断する必要がある.
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  • 中山 祐次郎, 吉野 公二, 堀口 慎一郎, 山口 達郎, 山田 大資
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2097-2101
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    直腸肛門部悪性黒色腫はまれで,予後不良な疾患である.今回われわれは腹会陰式直腸切断術およびセンチネルリンパ節生検術を施行し,術後に免疫化学療法を施行した早期直腸肛門部悪性黒色腫の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は67歳の女性で憩室炎後のフォローアップで施行された下部消化管内視鏡検査で肛門部の黒色病変を指摘された.肉眼所見,ダーマスコピー検査,下部消化管内視鏡検査にて悪性黒色腫を疑った.病変部から生検し,組織学的所見より悪性黒色腫と診断した.腹会陰式直腸切断術およびセンチネルリンパ節生検術を施行し,術中迅速診断で転移陰性であったため郭清を省略した.術後はDAV-Feron療法を計5クール施行し外来経過観察中であるが,1年経過し無再発生存中である.
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  • 江本 慎, 岡田 忠雄, 本多 昌平, 神山 俊哉, 藤堂 省
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2102-2107
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    小児肝芽腫は稀な疾患であり,ときに腫瘍破裂にて発見される.今回,転倒にて腫瘍破裂し,ショック状態となったが,保存的加療にて止血が得られた症例を経験した.症例は1歳10カ月男児.ベランダで転倒し,腹部を打撲し,その後,腹痛,嘔吐を主訴に救急車にて近医に搬送された.来院時,ショック状態で,腹部超音波および造影CT検査にて肝腫瘍および腹腔内出血を認めたため,肝腫瘍破裂の診断で当科に転送された.来院後,挿管の上,輸液・輸血にてバイタルサインは安定し,造影CT検査では腫瘍破裂に伴う血腫の増大を認めず,保存的加療が可能と判断し,翌日抜管した.α fetoprotein(AFP)が325,770ng/mlと著明な高値を示し,肝芽腫の診断のもと,小児科で化学療法(日本小児肝癌スタディグループ)を2コース施行した.腫瘍の縮小後,肝右葉切除術を施行した.小児科で術後補助化学療法を施行し,現在術後1年が経過したが,再発を認めていない.
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  • 杉本 卓哉, 山田 成寿, 太田 智之, 高 賢樹, 草薙 洋, 加納 宣康
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2108-2112
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    重複胆嚢は胆嚢の形態異常に分類される稀な疾患である.今回術前に診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行しえた1例を経験した.症例は43歳,女性.心窩部痛を主訴に他院受診し,胆石症と診断されて経過観察となっていた.その後の血液検査で肝胆道系異常を指摘されて当院に紹介となった.MRCP,ERCPを含め精査した結果,胆石を伴うBoyden H型,Gross B型の重複胆嚢と診断し,有症状であったことから腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.近年胆嚢摘出術前にMRCPやERCPが施行される機会が多く,術前に重複胆嚢と診断することが可能となってきている.本症例のように,術前に胆道の解剖を十分評価することで腹腔鏡手術が施行可能と考えられる.重複胆嚢に対する腹腔鏡手術について文献的考察を加えて報告する.
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  • 早野 康一, 成島 道樹, 谷口 徹志, 松原 久裕
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2113-2117
    公開日: 2012/02/25
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    症例は64歳,男性.平成13年9月に左腎細胞癌にて左腎摘出術を施行された.6年後に肺,右副腎に転移を認め,IFNαを投与されていたが,その1年後,胆嚢に増大傾向を認める2cmの腫瘍を認めたため,当科紹介となった.腫瘍は造影CTにて造影効果を認め,底部に存在した.肺,副腎転移については増大を認めないことから,胆嚢摘出術を行った.組織学的に腫瘍細胞は淡明細胞型の腎細胞癌の転移と診断された.
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  • 大辻 絢子, 斉田 芳久, 榎本 俊行, 高林 一浩, 渡邊 良平, 草地 信也, 大原関 利章
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2118-2123
    公開日: 2012/02/25
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    脾過誤腫は比較的まれな疾患である.今回われわれは,大腸癌術後経過観察中に増大傾向を呈する脾腫瘍を認め,転移性脾腫瘍と鑑別が困難なために脾摘出術を施行し,脾過誤腫の診断を得た症例を経験したので報告する.症例は60歳代,男性,大腸癌術後2年の経過観察中,腹部CT検査にて脾臓に10mm大の辺縁に強い造影効果を認め,中心部は造影効果の乏しい腫瘤が認められた.MRIではT1強調画像で等信号,T2強調画像でやや高信号を呈していた.半年間の経過にて20mm大へ増大を認め,転移性脾腫瘍を疑い脾臓摘出術を施行した.術後病理組織検査にて脾過誤腫と診断された.脾過誤腫は特異的な画像所見に乏しく術前の診断は困難であり,特に増大傾向を示す症例や悪性疾患が疑われる症例には手術を施行し確定診断を得ることが重要であると考えられた.
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  • 神谷 潤一郎, 升田 吉雄, 尾形 章, 宮崎 勝
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2124-2128
    公開日: 2012/02/25
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    症例は71歳,男性.腹部膨満感を自覚していたが放置.低血糖発作(血糖値21mg/dl)にて当院救急外来を受診した.腹部は著明に膨隆し,腹部全体を占める腫瘤を触知した.CTにて腹腔内を広範に占拠する30cm大の造影効果不良な腫瘤を認めたが,腹腔内臓器への明らかな浸潤は認められなかった.後腹膜腫瘍の診断にて手術を施行した.腫瘍は後腹膜腔より起こり腹腔内全体を占拠していたが,周囲臓器への浸潤は認めなかった.右精巣動脈からの栄養血管を確認し,腫瘍を摘出した.摘出標本は白色弾性硬な充実性腫瘤で,中心部は一部変性壊死を伴っていた.大きさは31×27×16cm,重量は7.0kgであった.病理組織学的には核異型の乏しい紡錘形細胞から構成され,免疫染色でVimentin,CD34,Bcl-2がびまん性に陽性を示し,solitary fibrous tumor(SFT)と診断した.術後,血糖値は正常範囲に回復した.低血糖症状を伴う巨大SFTの1例を経験したので報告する.
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  • 黒河内 顕, 俵藤 正信, 佐田 尚宏, 山口 岳彦, 仁木 利郎, 永井 秀雄, 安田 是和
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2129-2133
    公開日: 2012/02/25
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    症例は30歳,女性.2006年3月左下肢痛が出現し5月から腹部腫瘤を自覚した.8月に妊娠を契機に前医を受診,腹部腫瘤を精査され,左腸腰筋前面の後腹膜に径30cmの多房性腫瘤を認め,精査加療目的に妊娠12週で当科紹介となった.MRIではT1low・T2highで,腸腰筋・膀胱・子宮を圧排する境界明瞭な多房性後腹膜腫瘤を認め,脂肪肉腫が強く疑われたため妊娠13週に腹膜外アプローチで腫瘍摘出術を施行した.病理診断は粘液型脂肪肉腫であった.妊娠経過は順調で37週に帝王切開で出産した.術後1年半に局所再発をきたし放射線照射が奏効したが,術後4年で増大し再切除を行った.現在再発なく経過観察中である.妊娠併存の後腹膜脂肪肉腫は極めて稀で特殊な病態であり,腫瘍切除の時期,妊娠継続の可否,さらに治療にあたる診療科間の連携が重要と思われる.
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  • 宮崎 達也, 芳賀 紀裕, 石畝 亨, 石橋 敬一郎, 糸山 進次, 桑野 博行, 石田 秀行
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2134-2138
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下に摘出した後腹膜粘液性嚢胞腺腫を経験したので報告する.症例は45歳,女性.33歳時に後腹膜嚢胞性病変に対し,2回のエタノール注入療法を受けた.今回,左背部痛とともに嚢胞性病変が再度増大してきたため,当科受診となった.腹部CTおよびMRI検査では,左後腹膜に周囲との境界が明瞭な13.5cm×9.5cm大の嚢胞性病変を認めた.良性後腹膜腫瘍の診断のもと,腹腔鏡下腫瘍摘出術を施行した.腫瘍を縮小させるためトロッカーから吸引管を用いて内容液を十分吸引した後,内容液の流失を防ぎ,牽引をかけるため切開部をミニループリトラクターで閉鎖し切除摘出した.病理組織学的検索では,嚢胞の内面は粘液を産生する高円柱上皮で覆われており,粘液性嚢胞腺腫と診断された.術後17カ月の現在,再発の徴候を認めていない.
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  • 上田 英昭, 門野 潤, 石崎 直樹, 大迫 政彦, 田畑 峯雄, 井本 浩
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2139-2142
    公開日: 2012/02/25
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    難治性乳糜腹水に対してオクトレオチド投与が著効した2例を報告する.症例1は49歳男性で膵頭十二指腸切除術後に乳糜腹水を合併した.絶食で一旦改善したが,経口摂取再開で増悪した.最大4,620ml/日排液があり,ドレナージ不十分だったために腹部膨満も出現した.オクトレオチド皮下注射(200μg/day分2)を投与し,ドレーン排液量は減少し腹満も軽快,投与後20日でドレーン抜去できた.症例2は77歳女性で,穿孔性大腸癌に対して横行結腸切除術を施行した.経管栄養開始後より1,000ml/日以上の乳糜腹水が出現した.オクトレオチド皮下注射(200μg/day分2)開始,1日で乳糜は消失しドレーン排液量も激減した.投与後12日目でドレーンを抜去できた.オクトレオチド投与は難治性乳糜腹水に有効と考えられた.
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  • 浅野 博昭, 内藤 稔, 牧 佑歩, 村岡 孝幸, 佃 和憲
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2143-2147
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は85歳,女性.盲腸癌に対し回盲部切除術が施行された際に,縫合不全から難治性腸管皮膚瘻となり,また腹壁瘢痕ヘルニア修復術のメッシュにも感染をきたし,当科へ紹介となった.腸管皮膚瘻を切除,感染メッシュを除去したところ,上腹部に12cm幅の巨大な筋膜欠損を生じた.筋膜の直接閉鎖は不可能で,汚染手術のため人工物も使用できない状況であったため,modified components separation(CS)法により筋膜の閉鎖を行った.まず,両側外腹斜筋腱膜に縦切開を加えて減張し,次に腹直筋鞘前葉を遊離して内側へスライドさせて筋膜を縫合閉鎖した.術後,創部の一部に血流障害を生じたが保存的に治癒し,1年半経過したが再発は認めていない.modified CS法は,腹壁再建時にメッシュの使用が躊躇されるような汚染手術において有用と思われるので報告する.
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  • 益満 幸一郎, 上村 豪, 阿久根 哲
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2148-2152
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は80歳,男性.虫垂切除の既往あり.腹痛,吐気を主訴に来院した.来院時の腹部X線写真にて鏡面像は認めるが,CTで閉塞起点は同定されず,癒着性腸閉塞と診断し入院となった.この一年で5回目の入院であった.保存的な加療にて症状は軽快したが,腸閉塞を頻回に発症するため,腹腔鏡下腸閉塞解除術を施行した.手術は腹壁と回腸との癒着剥離を行った後,回盲部より30cm口側の回腸に約10cmにわたり腸間膜の肥厚を伴った腸管の狭窄を認めたため,ここが腸閉塞部位と断定し,小開腹創から回腸を腹腔外に取り出し,小腸部分切除を行った.病理組織検査にて回腸粘膜の軽度炎症所見と,小腸間膜に膵組織の導管様構造を認めたため異所性膵を示唆された.Heinrich分類はIII型であった.最終診断としては小腸間膜異所性膵による小腸狭窄と考えられた.現在,退院後6カ月経過しているが,腸閉塞は発症していない.
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  • 團野 克樹, 大西 直, 稲留 遵一, 加納 寿之, 東野 健, 門田 卓士
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2153-2157
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は82歳,男性.右下腹部痛のため,近医で抗生剤投与にて経過観察されていたが改善なく,消化管穿孔の疑いで当院に紹介された.腹部造影CTにて,小腸穿通による限局性腹膜炎を疑い緊急開腹手術を施行した.術中所見では空腸間膜は肥厚し,発赤を伴った硬結となっていたため腸間膜膿瘍と考え,小腸部分切除術を施行した.病理所見では空腸憩室炎穿通による腸間膜膿瘍と診断された.小腸憩室は,十二指腸憩室とMeckel憩室を除けば比較的稀な疾患とされ,空腸に多く発症し,そのほとんどが仮性憩室と考えられている.しかし自験例を含めた小腸憩室穿孔・穿通41例の報告例の検討では,仮性憩室が36例と多いものの発症部位は空腸が10例,回腸が31例と回腸に多く発生し,中でも回腸末端部に特に多く発生することが分かった.
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  • 細田 桂, 古城 憲, 小島 正夫, 田村 光
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2158-2162
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,男性.3カ月前より持続する背部痛を主訴に近医を受診した.腹部超音波検査にて腹腔内に9cm大の腫瘤を認めたため当院へ紹介された.来院時,腹部に可動性のある腫瘤を触知した.血液検査では白血球が35,600/mm3と異常高値を示した.腹部CT検査では小腸間膜に9×6×7cm大の腫瘤構造を認めたが,骨髄生検では異常所見はなく,腹腔内腫瘍による反応性の白血球上昇と診断した.開腹生検結果はinflammatory myofibroblastic tumor(IMT)の診断であった.切除以外の有効な治療がないと判断し,腫瘤摘出術を施行した.最終病理組織学的診断はinflammatory malignant fibrous histiocytoma(MFH)であった.腸間膜発生MFHの報告例はまれである.今回,われわれは開腹生検にてIMTと診断したが,その後摘出術後の再評価にてMFHと最終診断した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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  • 中村 直彦, 松尾 隆志, 豊田 英治, 原田 英樹, 山本 秀和, 財間 正純
    72 巻 (2011) 8 号 p. 2163-2166
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル フリー
    症例は72歳,男性.主訴は右鼠径部膨隆.右鼠径ヘルニアの診断で前方アプローチにてヘルニア修復術を施行したが,ヘルニア嚢は確認できず内鼠径輪から脱出する脂肪組織を認めた.術後腹部造影CT検査を行ったところ,下腹部に大部分が脂肪濃度を呈する15×10cm大の腫瘤を認め,脂肪肉腫が疑われた.再手術を行い,開腹にて腫瘍を摘出した.腫瘍は恥骨上部から発生した,高分化型脂肪肉腫であった.腹腔内へと増大した脂肪肉腫が,鼠径部膨隆を契機に発見された症例は過去に10例の報告があり,10例全てが後腹膜から発生したものであり,恥骨上部から発生した脂肪肉腫が,鼠径部膨隆を契機に発見されたのは本症例が1例目である.腹腔内へと増大した脂肪肉腫が,鼠径部膨隆を契機に発見されることは稀であるが,膨隆の硬度や還納性に異常を認めた場合は,腹腔内への脂肪肉腫の増大を考慮し,腹部の精査が必要である.
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