日本臨床外科学会雑誌
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73 巻 , 4 号
選択された号の論文の53件中1~50を表示しています
原著
  • 橋爪 正, 吉澤 忠司, 中山 義人, 山田 恭吾, 松浦 修, 神 寛之, 池永 照史郎一期, 青木 計績, 川嶋 啓明, 小堀 宏康, ...
    73 巻 (2012) 4 号 p. 761-768
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    右側結腸癌手術に必要な血管分布をD3郭清を伴う結腸右半切除術62例の術中観察から分析した.回結腸動静脈は全例に存在した.右結腸動脈は42%が上腸間膜動脈(SMA),右結腸静脈は45%が上腸間膜静脈(SMV)から直接分岐した.回結腸動脈起始部と中結腸動脈(MCA)起始部間距離は2.2±0.8cm(0-4cm)で90%は1-3cmに分布した.右側結腸に分布するMCAはすべて中結腸静脈より尾側でSMAから分かれSMAに平行に頭側に走行後分岐する.起始部と第一分岐間距離は0-6cm(平均2cm)と個体差がある.確実な郭清範囲の決定には回結腸動静脈根部付近から剥離を開始し郭清を頭側に進めるのが合理的である.横行結腸からの主な静脈は1-3本あり,68%はSMVへ直接1-2本,22%は左側はSMV,右側は胃結腸静脈幹(GCT)へ,10%はGCTへ流入した.主要血管の正確な同定は郭清範囲の適正化と術式の標準化に貢献する.
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臨床経験
  • 松田 哲朗, 吉川 徹二, 相川 一郎
    73 巻 (2012) 4 号 p. 769-773
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    大腸癌リンパ節転移巣の検出におけるDWIBS,CTの有用性について検討した.2008年10月から2011年4月までに当科でDWIBSおよびCTを術前に施行し,病理学的にリンパ節転移の評価が可能であった大腸癌62例を対象に,術前DWIBS,CTにおけるリンパ節転移陽性例(LN+),病理学的リンパ節転移陽性例(n+)を比較し,各々の感度(Sens),特異度(Spec),陽性的中率(PPV),陰性的中率(NPV)を算出した.術前のLNの診断能はDWIBSではSens 63%,Spec 97%,PPV 91%,NPV 82%,CTでは各々55%,98%,92%,82%であった.これらの結果は,他施設で施行されたFDG-PETによる検出率と比較しても,決して遜色なく,むしろ良好な結果であった.今後は,DWIBSを導入する施設の増加による症例の蓄積に加え,造影剤の開発,撮影装置,画像処理法の進歩などにより,さらなる診断率の向上が期待される.
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症例
  • 渡邉 善寛, 山本 尚人, 中村 力也, 尾内 康英, 杉山 孝弘, 宮崎 勝
    73 巻 (2012) 4 号 p. 774-779
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    今回われわれは乳房温存術後にPaget病をきたした症例を経験したので報告する.症例は64歳,女性.他院で乳癌と診断され(TisN0M0 pStage 0)左乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検が施行された.術後に温存乳房に対し放射線照射が行われた.術後1年半より患側乳頭部にびらんが出現し,皮膚炎として経過観察されていた.術後5年になりびらんの範囲が拡大し皮膚生検を施行したところ,Paget病と診断され当院を紹介受診した.乳房温存手術後のPaget病型再発と診断し左乳房切除術を施行した.このようなPaget病の発症は比較的まれであるが長期にわたり経過観察されることが多く常に念頭におく必要がある.
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  • 古屋 信二, 三浦 和夫, 相川 琢磨, 中込 博, 大森 征人, 小山 敏雄
    73 巻 (2012) 4 号 p. 780-785
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は32歳,女性.第1子妊娠時より右乳腺に腫瘤を認めた.出産後授乳中に当院を受診.右乳房C領域に直径約5cmの弾性軟・可動性良好の腫瘤を認めた.腋窩・鎖骨上窩にリンパ節は触れなかった.針生検を施行し線維粘液腫様間質組織の結果であった.完全に悪性を否定できないため,授乳終了後に腫瘤摘出生検を予定したが,第2子を妊娠したため延期とした.その後約3カ月で腫瘍は急速に増大し直径15cm大となったため再度受診,手術目的に産科・小児科のある総合病院に紹介となった.確定診断はなされていなかったが,乳腺葉状腫瘍の疑いで,妊娠安定期に右胸筋温存乳房切除術・右腋窩リンパ節サンプリングを施行した.術後病理組織診断は,境界型の葉状腫瘍であり,リンパ節転移は認めなかった.術後経過は良好で無事第2子を出産,現在再発は認めていない.今回,妊娠を契機に急速に増大した乳腺葉状腫瘍の症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
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  • 甫喜本 憲弘, 杉本 健樹, 船越 拓, 小河 真帆, 花崎 和弘
    73 巻 (2012) 4 号 p. 786-791
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    われわれは若年者の乳腺血管肉腫の1例を経験したので報告する.症例は27歳の女性.約1年前より左乳房腫瘤を自覚していたが,徐々に増大するため前医を受診.葉状腫瘍と診断され当科を紹介された.初診時,左BDEに7×6cm,C領域に5×5cmの比較的境界明瞭な腫瘤を触知した.所見より葉状腫瘍を疑い,初診2週間後に腫瘍摘出術を施行したが,腫瘍は初診時より増大し,新たにD領域にも腫瘤を認めた.病理診断は血管肉腫で,断端陽性であった.また手術時,すでに右乳房A~C領域にも最大3cmの腫瘤を3個認めており,背部に皮下腫瘤を3個認め,内1個を生検し血管肉腫と診断された.後日,左乳房切除を行うとともに,判明していた腫瘤をすべて摘除した.複数回の腫瘍切除術を行いながら,抗癌剤治療やインターロイキン-2製剤の投与を行ったが,最後は多発皮膚転移巣からの出血コントロールが困難となり,初診から3年4カ月後に死亡した.
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  • 浅野 有香, 柏木 伸一郎, 高島 勉, 川尻 成美, 石川 哲郎, 若狭 研一, 平川 弘聖
    73 巻 (2012) 4 号 p. 792-796
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    乳癌の中枢神経系への転移のひとつとして髄膜播種がある.頭蓋内圧亢進症状をきたすことが多く,難聴で発見されることは極めて稀である.われわれは,両側難聴をきたした乳癌髄膜癌腫症の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は48歳の女性.左乳癌(cT2N3M0 stageIIIC)に対し,化学療法にて部分奏効が得られたために手術を行った.術後,胸壁および鎖骨上領域に対して放射線照射を行い,その後内分泌療法を開始したが,術後7カ月目に突然の両側聴力の低下をきたした.MRIにて両側内耳に播種性病変を認め,髄膜転移の疑いにて髄液細胞診を施行したところ,腺癌細胞が検出された.乳癌による髄膜癌腫症と診断し,全脳照射療を行った後,Methotrexateの髄内投与を行った.
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  • 木川 雄一郎, 前原 律子, 茅田 洋之, 池田 宏国, 仲本 嘉彦, 山本 満雄
    73 巻 (2012) 4 号 p. 797-800
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    術前化学療法で病理学的完全奏効(以下pCR)を得られたのにもかかわらず,術後1年目に脳転移をきたした症例を経験したので,報告する.症例は78歳女性.右乳房C領域に2.8cmの腫瘤と腫大した腋窩リンパ節を触知し,針生検で浸潤性乳管癌,核グレード1,ER(-),PgR(-),HER2 3+と診断した.パクリタキセルとトラスツズマブによる術前化学療法後,乳房切除+腋窩リンパ節郭清術を施行した.切除標本内には異型細胞を認めず,pCRと判断した.術後トラスツズマブの投与を6カ月行い,経過観察とした.術後1年経過したところで左小脳半球に6cm大の転移を認めたため,小脳に39Gyの放射線照射を行った後,カペシタビンとラパチニブ投与を開始した.脳転移発症より22カ月経過したが,現在まで無増悪生存中である.
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  • 田中 由美, 尾浦 正二, 太田 文典, 内藤 古真, 池田 雅子, 岡村 吉隆
    73 巻 (2012) 4 号 p. 801-806
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は53歳,女性.右乳房の潰瘍性病変を主訴に当院を受診.精査の結果,右鎖骨上リンパ節および両側腋窩リンパ節転移を伴うトリプルネガティブ乳癌(硬癌)と判明した.初期化学療法としてFEC100療法を4サイクル,続いてドセタキセル(75mg/m2)を4サイクル施行.原発巣は完全に消失し両側腋窩リンパ節も著名な縮小効果を認め,臨床的完全奏効と判断し,右非定型的乳房切除術と対側腋窩リンパ節郭清を施行.病理学的にも原発巣と郭清を行った全てのリンパ節に生存可能な癌細胞を認めなかった.術後は,右胸壁および鎖骨上リンパ節に対し放射線照射を施行し,術後1年8カ月経過した現在も再発を認めず良好に経過している.全身療法奏効例に対する局所療法は,遠隔転移を伴う乳癌に対する有用な治療戦略になり得る可能性を秘めている.
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  • 代田 智樹, 江口 隆, 藏井 誠, 濱中 一敏, 吉田 和夫, 天野 純, 岩谷 舞, 佐野 健司
    73 巻 (2012) 4 号 p. 807-810
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    炎症性筋線維芽細胞腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor:IMT)は,かつて炎症性偽腫瘍と言われた稀な疾患で,肺や腹腔内に好発する.今回われわれは縦隔に発生し,嚢胞性病変との鑑別が困難であった炎症性筋線維芽細胞腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor:IMT)の1例を経験したので報告する.症例は65歳,女性.検診の胸部CT検査で異常陰影を指摘され,当院を受診した.造影CTで,気管分岐下に食道に接する約5cm径の辺縁平滑な腫瘤を認め,腫瘤辺縁と隔壁様部分を除いて大部分は造影効果を認めず,嚢胞成分が疑われた.MRIでは,T1強調像で低信号にT2強調像で高信号に描出された.以上より気管支嚢胞や食道嚢胞あるいは嚢胞変成を生じた神経原生腫瘍などを疑い,胸腔鏡下腫瘤摘出術を施行した.肉眼的に腫瘍内には液体成分の貯留を認めず,病理診断では,豊富な粘液を背景に,炎症性細胞浸潤を伴う紡錘形細胞の増生を認め,粘液増生を伴うIMTと診断された.縦隔腫瘤の鑑別として,稀ではあるがIMTも考慮すべきと考えられた.
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  • 井上 彬, 輿石 直樹, 丸山 傑, 辻山 麻子, 絹田 俊爾, 木嶋 泰興
    73 巻 (2012) 4 号 p. 811-815
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は41歳,女性.下血,嘔気,左下腹部痛を主訴に当院受診.腹部CTで腸閉塞とS状結腸の穿通に伴う後腹膜膿瘍と診断し,減圧チューブの挿入と膿瘍穿刺ドレナージを施行した.腸管が減圧され膿瘍腔が縮小したため,S状結腸部分切除術と後腹膜膿瘍debridementを施行した.術後経過は良好であったが,術後13日目にドレーンから大量出血を認め出血性ショックの状態となった.腹部CTと血管造影検査にて左外腸骨動脈仮性瘤破裂と診断し緊急手術を施行した.手術は感染巣の可及的debridementを行い,左外腸骨動脈仮性瘤を切除,閉鎖し,ついで右大伏在静脈をグラフトとして用いたfemoro-femoral cross-over bypassにて血行再建術を施行した.術後1年2カ月が経過した現在まで感染の再燃は認めず,左下肢への灌流も良好に維持されている.
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  • 向井 俊貴, 田窪 健二, 北角 泰人, 大森 浩志, 佐藤 仁俊, 小池 誠
    73 巻 (2012) 4 号 p. 816-820
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    胸骨後ヘルニアは稀な疾患で,Morgagni孔ヘルニアとLarrey孔ヘルニアに分類される.今回われわれは心不全症状で発症したLarrey孔ヘルニアに対し,腹腔鏡下に整復しえた1例を経験したので報告する.
    症例は75歳女性.労作時息切れを主訴に当院受診.胸部CTにて前縦隔に腹腔内と交通する脂肪組織を認め,MRIにてLarrey孔ヘルニアと診断,腹腔鏡下に整復を行った.ヘルニア門は5.0×3.5cm,ヘルニア内容は大網で,周囲との癒着は認めなかった.大網を整復し,ヘルニア門を鏡視下に結節縫合にて閉鎖した.メッシュ等は使用しなかった.経過良好で術後10日目に退院となった.外来フォローではヘルニア嚢内に水腫を認めたものの自覚症状無く,再発所見も認めなかった.
    Larrey孔ヘルニアは胸骨後ヘルニアの5%程度を占め,無症状でも絞扼の危険があり,手術適応と言われる.本術式は簡便で,メッシュ等を使用しないため感染や癒着のリスクも少なく,早期離床が可能なことから有用と考えられる.
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  • 麻田 貴志, 内山 周一郎, 島山 俊夫, 高屋 剛, 日高 秀樹, 千々岩 一男
    73 巻 (2012) 4 号 p. 821-826
    公開日: 2012/10/25
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    食道裂孔ヘルニアは比較的頻度が高い疾患であるが,胃の軸捻転を伴い胸腔内にほぼ全胃が脱出したupside down stomachを呈することは稀である.今回,upside down stomachを呈した傍食道型裂孔ヘルニアに対し手術を施行した3例について報告する.症例1は77歳女性で,主訴は左肩痛と胸痛,嘔吐であり,胸部CTで胃の縦隔内への脱出を認めた.症例2は83歳女性で,主訴は発熱,左下腹部痛,下痢および嘔吐で,胸部CTで胃のほぼ全体の縦隔内への脱出を認めた.症例3は84歳女性で,前医で亜イレウスと診断され,胸部CTでほぼ全胃の縦隔腔内脱出を認めた.全例ともupside down stomachによる胃の縦隔内嵌頓と診断し,食道裂孔縫縮術と胃底部横隔膜下面固定法による胃固定術および噴門形成術を施行した.経過は順調で,再発は認めていない.
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  • 大槻 忠良, 宮永 太門, 遠藤 直樹, 平沼 知加志, 道傳 研司, 服部 昌和
    73 巻 (2012) 4 号 p. 827-831
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は47歳,女性.7カ月前に貧血を指摘され,上部消化管内視鏡検査で巨大十二指腸球部潰瘍(A2)と浮腫性の幽門部狭窄,逆流性食道炎(LA分類gradeD)および食道下部狭窄を認めた.PPI投与と下部食道バルーン拡張術を施行し軽快した.Helicobacter pylori(以下H.pylori)感染は陰性であった.今回,突然の嘔吐(血性吐物)と背部痛が出現して受診した.CT検査にて縦隔気腫と両側胸水,十二指腸球部の壁肥厚と胃拡張を認め,食道造影検査で食道下部より右側中心に縦隔内および胸腔内への造影剤の漏出を認めた.食道破裂と診断し,緊急手術を施行した.胸部下部食道右壁に2cm大の楕円形の破裂孔があり,直接縫合閉鎖と大網被覆を行い,胃空腸吻合を施行した.術後67日で退院した.本症例は,十二指腸潰瘍と幽門部狭窄に伴う逆流性食道炎が増悪し,嘔吐にて発症した食道破裂と考えられた.H.pylori陰性の十二指腸潰瘍による幽門狭窄に対しては当初から外科的治療も念頭に置く必要性が示唆された.
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  • 豊田 和宏, 宮本 勝也, 坂下 吉弘, 横山 雄二郎, 藤本 三喜夫, 中井 志郎, 嶋本 文雄
    73 巻 (2012) 4 号 p. 832-835
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    食道に平滑筋腫が多発し,食道壁の広範な肥厚を呈する食道平滑筋腫症の1例を経験した.症例は35歳の男性で,嚥下時のつかえ感があり,上部消化管内視鏡検査で胸部下部食道,胃噴門部の2カ所に粘膜下腫瘍(SMT)を指摘された.食道造影およびCTで胸部下部食道から胃噴門部におよぶびまん性の平滑筋腫と診断し,下部食道胃噴門部切除術を行った.病理検査では,食道壁内で平滑筋がびまん性に肥厚して足状に進展するかのような壁内構造を形成しており,食道平滑筋腫症と診断された.Alport症候群の合併は否定的であった.
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  • 金城 和寿, 伊藤 友一, 三澤 一成, 伊藤 誠二, 佐野 力, 清水 泰博
    73 巻 (2012) 4 号 p. 836-841
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は35歳,男性.検診の上部消化管造影検査で噴門部に圧排所見を指摘され,精査加療目的で当院紹介.CTで膵尾部に径5cmの嚢胞性病変が存在した.MRIでは膵尾部より頭側方向へ突出する壁の薄い単房性嚢胞性腫瘤で,内部はT1WIでlow intensity,T2WIでhigh intensityを呈した.MRCPでは尾側膵管は腫瘤の圧排のため描出されず,EUSで腫瘤内部は比較的均一な粘液像と判断され,膵粘液性嚢胞腫瘍と診断した.手術所見では腫瘤は胃体上部後壁から発生しており,胃局所切除術を施行した.切除標本の割面は,単房性嚢胞の内容はゼリー状であった.病理組織検査で嚢胞壁は立方状~円柱上皮に被覆され,嚢胞上皮の胞体内に粘液を含有し,内腔面に気管支上皮様の線毛が散見されて,胃原発気管支嚢胞と診断した.
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  • 吉田 基巳, 伊藤 眞史
    73 巻 (2012) 4 号 p. 842-846
    公開日: 2012/10/25
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    症例は53歳,女性.腹痛,吐血を主訴に救急車で搬送された.腹部CTにて腹腔内遊離ガスを認め,上部消化管穿孔の診断にて,緊急手術を施行した.開腹所見で胃癌穿孔,膵臓浸潤,腹膜播種と診断し大網充填術,胃空腸吻合術を施行した.術後TS-1,TS-1+CDDP,TS-1+CPT-11を施行し,4年以上の長期生存を得られている.胃癌穿孔・非切除例の長期生存の報告はなく,貴重な1例を経験したので報告する.
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  • 田中 雄二朗, 河野 修三, 平林 剛, 保谷 芳行, 岡本 友好, 矢永 勝彦
    73 巻 (2012) 4 号 p. 847-851
    公開日: 2012/10/25
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    Cronkhite-Canada症候群(CCS)に胃癌を合併した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
    症例は75歳,男性.CCSの診断にて近医通院中,胸やけ症状が出現し,上部消化管内視鏡検査を施行した.胃癌を指摘され,当科紹介受診となった.胃角部前壁に径30mm大の3型腫瘍とその近傍の小弯側に径15mm大の0-IIa+IIc病変が認められた.その他,噴門部から体部にかけて過形成性ポリープが多数認められた.胃癌を合併したCCSの診断で,幽門側胃切除術を施行した.病理所見は,低分化型腺癌および高~低分化型腺癌であった.
    CCSと胃癌の合併例は自験例を含めると18例の報告があり,分化型腺癌が多く,術式選択は胃全摘か幽門側胃切除に関してcontrovercialである.本症例は幽門側胃切除を施行したが,残存ポリープからの発癌は現在まで認められていない.今後も入念な内視鏡検査が必要と考えられる.
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  • 橋本 佳和, 比企 直樹, 布部 創也, 谷村 愼哉, 佐野 武, 山口 俊晴
    73 巻 (2012) 4 号 p. 852-856
    公開日: 2012/10/25
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    症例は81歳,男性.前医にて早期胃癌に対し内視鏡的粘膜下層剥離術を施行,病理結果にてsm浸潤を認め,リンパ節郭清を含めた追加胃切除の目的で当院に紹介となった.手術は腹腔鏡下幽門側胃切除D1+8a,9,11p郭清,Roux-Y再建を施行,術後炎症所見の遷延を認め,腹部CTで膵周囲炎と腸間膜脂肪織炎と診断し抗菌剤を投与していた.術後25日目に上腹部痛と多量の下血を認め出血性ショックに至り,腹部CTにて膵頭部前面の類円形に造影される動脈瘤と十二指腸内への造影剤の漏出を認めた.腹腔動脈造影で前上膵十二指腸動脈瘤から十二指腸内腔への造影剤の血管外漏出があり,塞栓術にて止血した.膵十二指腸動脈瘤は腹部内臓動脈瘤の約2%とまれで,破裂例では後腹膜への出血が多く,十二指腸内への穿破は10%以下である.腹腔鏡下幽門側胃切除後に前上膵十二指腸動脈瘤が十二指腸内に穿破し出血性ショックに至り,動脈塞栓術にて救命しえた1例を経験したので報告する.
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  • 篠田 知太朗, 小村 伸朗, 田中 知行, 吉田 和彦, 柏木 秀幸, 矢永 勝彦
    73 巻 (2012) 4 号 p. 857-862
    公開日: 2012/10/25
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    症例は70歳代の女性.胆管癌に対して膵頭十二指腸切除術の既往がある.また術後深部静脈血栓症のため,以降ワルファリンカリウムを内服中であった.2010年3月に直腸癌を指摘され腹会陰式直腸切断術を施行.術後人工肛門からの下血と重度の貧血を認め,胃空腸吻合部空腸側の出血性潰瘍と診断,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の投与にて軽快した.2010年6月に再出血を認めたため,夜間入眠時にヒスタミンH2受容体拮抗薬をPPIに併用投与した結果,改善した.しかし8月上旬に再度出血したため,保存的治療は限界と判断し胸腔鏡下全幹迷走神経切離術を施行した.術後,消化管運動が減弱したが,保存的に軽快した.以降は潰瘍の再燃なく,PPI投与で外来経過観察中である.難治性吻合部潰瘍に対して胸腔鏡下全幹迷走神経切離術が施行された例は稀であり,文献的考察を含めて報告する.
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  • 別府 直仁, 安井 智明, 相原 司, 柳 秀憲, 山中 若樹
    73 巻 (2012) 4 号 p. 863-868
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は67歳,女性.皮膚掻痒感,黄疸を訴え,当院紹介となった.血液生化学検査で肝機能障害と黄疸を認めた.腹部造影CT検査でVater乳頭部に15mm大の腫瘤性病変を認めた.ERCP施行時の総胆管擦過細胞診で小型異型細胞が極性の乱れを伴い増生しており非露出腫瘤型内分泌細胞癌と診断,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査の結果,腺癌成分と内分泌細胞癌成分が混在した腺内分泌細胞癌と診断した.また腫瘍は粘膜内に留まり,リンパ節転移も陰性であった.しかし術後6カ月目に肝転移をきたし肝切除術を施行した.Vater乳頭部原発腺内分泌細胞癌は悪性度が高く進行した状態で診断されることが多い.たとえ早期に診断し治療し得ども予後不良であり,一般のVater乳頭部腺癌とは異なる性質を有すると考えられた.
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  • 楠元 英次, 堤 敬文, 桜井 真人, 山口 将平, 遠藤 和也, 桃崎 征也, 池尻 公二
    73 巻 (2012) 4 号 p. 869-872
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,女性.食思不振と右側腹部痛を主訴に諸検査を施行され結腸癌と診断された.下部消化管内視鏡検査で肝彎曲部に3型進行癌を認め,逆行性大腸造影で肝彎曲部に全周性の高度狭窄病変を認めた.圧をかけると口側に造影剤は通過し結腸外へ造影剤が漏出した.上部消化管造影で十二指腸球部に内瘻形成を認め瘻孔を介した肝彎曲部への流れと,十二指腸への順行性の流れを認めた.以上より十二指腸へ直接浸潤した結腸癌と診断し,結腸右半切除術+膵頭十二指腸切除術の治癒切除を施行した.病理組織学的検査所見はmucinous adenocarcinoma(SI(十二指腸,胃),pN1(1/40),Stage IIIa)であった.現在,術後2年2カ月経過しているが無再発生存を得ている.われわれは十二指腸に直接浸潤した結腸癌でも膵頭十二指腸切除術を含めた積極的な合併拡大切除術を行うことで治癒切除となり,長期生存も期待できると考える.
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  • 小林 建太, 上田 吉宏, 円城寺 恩, 石丸 神矢, 大野 玲
    73 巻 (2012) 4 号 p. 873-878
    公開日: 2012/10/25
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    症例は72歳,女性.50年前に膵炎手術および虫垂切除の既往があり,腹痛・嘔吐で来院した.下腹部に強い圧痛を認め,CT検査では拡張した小腸を認めるものの,明らかなループ形成は認めなかった.腸閉塞の診断でイレウス管を挿入するも施行後のCTで急激な腹水の増加が認められた.腹部所見も強く絞扼性イレウスを疑い緊急手術の方針となった.術中所見では回腸約300cmとS状結腸が巻絡し結節を形成しており,両腸管とも壊死所見を呈していた.壊死腸管切除を施行し,術後経過は良好であった.レトロスペクティブにCT所見を見返すと拡張した小腸とS状結腸が左右に正対する所見を認められた.また回盲部が正中に偏移する所見も認められ,腸管結節形成症の可能性も示唆できる所見であった.以上のようなCT所見を認める場合は小腸大量切除,さらには結腸切除も念頭に入れ手術に臨む必要があると考えられた.
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  • 芳澤 淳一, 小出 直彦, 竹内 大輔, 鈴木 彰, 宮川 眞一
    73 巻 (2012) 4 号 p. 879-884
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    双胎妊娠25週の絞扼性イレウスに帝王切開およびイレウス解除術を行ったので報告する.患者は双胎妊娠25週の36歳,女性.35歳時に子宮筋腫核出術を施行されていた.下腹部痛を主訴に近医に入院したが,腸閉塞および消化管穿孔が疑われ,緊急搬送され手術を施行した.開腹すると小腸の絞扼と判断されたが,双胎妊娠子宮が大きく,十分な腹腔内の観察や手術操作が困難であった.また腹腔内汚染により妊娠の継続が困難である可能性が高いと産科医により判断され,まず帝王切開にて胎児の娩出を行った.回腸が癒着により捻転し,壊死に陥り穿孔していた.さらに周囲に膿瘍形成を認め,回腸を約100cm切除した.双児は待機していた小児科医2チームにより管理され,NICU入室となった.母子の経過は良好であった.本例では,消化器外科および産科のチーム,そして2チームの小児科医が密に連携して治療を行い,母子ともに救命することが可能であった.
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  • 佐々木 愼, 富林 敦司, 中山 洋, 渡辺 俊之
    73 巻 (2012) 4 号 p. 885-888
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は85歳,女性.2010年8月に絞扼性イレウス,小腸壊死に対して小腸部分切除術を施行した.術後臨床経過は良好であったが,術前にも認めていた貧血や血小板減少が進行し,白血球分画にて未分化細胞もみられた.9月22日には熱発もみられ,その後も炎症反応が遷延したため血液内科にコンサルトした.髄液検査では過形成を示し,異型性を示す骨髄芽球や好中球前骨髄球の出現率が高値で成熟好中球は著減していた.また赤芽球系細胞は明らかに増加し,巨赤芽球性変化を示していた.染色体検査では複雑型の遺伝子異常を認め,慢性骨髄性単球性白血病(Chronic myelomonocytic leukemia,以下CMMoL)と診断された.年齢,全身状態より輸血を中心とした支持療法を行う方針となり11月19日に死亡となった.手術侵襲がCMMoLの急性転化に関与し死にいたる転帰をとった症例と考えられる.
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  • 田中 香織, 山田 誠, 波頭 経明, 足立 尊仁, 松井 康司, 操 佑樹
    73 巻 (2012) 4 号 p. 889-893
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    胃癌に対し胃全摘,結腸後Roux-en Y再建を施行後,続発性小腸軸捻を発症した3例を経験したので報告する.症例1は35歳,男性.2年前に手術施行.突然の背部痛を主訴に受診した.腹部CTにてwhirl signと上腸間膜静脈の途絶像を認め,緊急手術を施行した.全小腸が上腸間膜動脈を軸として時計方向に360°回転していた.症例2は72歳,男性.2年前に手術施行.突然の腹痛・嘔吐を主訴に受診した.腹部CTにて全小腸の拡張とwhirl signを認め,イレウス管による保存的治療にて軽快せず,開腹術を施行した.全小腸が上腸間膜動脈を軸として時計方向に540°回転していた.症例3は66歳,男性.1年前に手術施行.突然の腹痛を主訴に受診した.腹部CTにて絞扼性イレウスと診断し,緊急手術を施行した.拡張した小腸が上腸間膜動脈を軸に時計方向に180°回転していた.3症例ともに捻転解除のみで軽快した.胃切除後の小腸軸捻の報告例について,文献的考察を加えて報告する.
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  • 池田 治, 松尾 亮太, 中山 健, 奥田 洋一, 大河内 信弘
    73 巻 (2012) 4 号 p. 894-898
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は40歳,男性.激しい腹痛,嘔吐を主訴に来院した.腹部造影CTにて内ヘルニアに伴う絞扼性イレウスと診断し緊急手術を施行した.術中所見では右傍十二指腸ヘルニアおよびその口側の空腸の軸捻を認めた.また,Treitz靱帯を認めず,小腸および右側結腸間膜の固定が不完全であり,腸回転異常症を伴っていた.ヘルニア門を開放し,腸管を整復すると血流改善を認めたため腸管切除は施行しなかった.
    傍十二指腸ヘルニアは腸回転異常症の一病態と考えられる.時に嵌頓,軸捻転により絞扼性イレウスの原因となり大量腸管切除を必要とするような重篤な病態となる.開腹歴のないイレウスでは傍十二指腸ヘルニアを念頭に置き,迅速な診断,治療を行うことが重要である.
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  • 杉山 朋大, 中村 誠昌, 谷口 正展, 金井 俊平, 長門 優, 下松谷 匠
    73 巻 (2012) 4 号 p. 899-902
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は13歳,男児.受診2時間前からの急激な腹痛により,当院救急搬送となった.精査にて腸管虚血を伴った小腸の腸重積が疑われ,緊急手術が施行された.術中所見ではTreitz靱帯より約180cm肛側回腸より肛側に向かい小腸-小腸の腸重積を認めた.これを徒手整復したところ重積先進部に粘膜面に突出する4.0×3.5cmの腫瘤を認めた.術後病理検査にて腫瘤は過形成性ポリープと診断された.文献上小児の過形成性ポリープは非常に稀であり,本邦では筆者が検索しえた限りでは1例を除き報告がない.そのため文献的考察を加え報告する.
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  • 田中 裕美子, 森本 芳和, 弓場 健義, 藤井 眞, 赤丸 祐介, 山崎 芳郎
    73 巻 (2012) 4 号 p. 903-908
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は61歳,男性.主訴は腹痛.2009年9月上旬より間欠的腹痛が生じ,同月17日より腹痛が急激に増悪し,当院に救急受診した.腹部造影CT検査にて,上腸間膜静脈から門脈に及ぶ広範な血栓と小腸の腸管壁内エアー像を認め,腸間膜静脈血栓による小腸壊死と診断した.緊急手術の結果,回腸が80cmにわたって壊死に陥り,壊死領域の回腸静脈枝は血栓により完全閉塞していた.壊死小腸を120cm切除し,回腸人工肛門を造設した.病理組織学的所見では回腸粘膜に高度の鬱血・出血が認められ,静脈内にはフィブリン塊を検出した.術後の血液凝固検査において,プロテインS抗原34%,同活性値11%と著しい低値を示し,凝固・線溶系に関与するプロテインS低値が本症例の発生原因と考えられた.
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  • 水野 文, 園田 寛道, 谷口 史洋, 上島 康生, 塩飽 保博, 李 哲柱
    73 巻 (2012) 4 号 p. 909-915
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は27歳,男性.生来からの染色体異常(詳細不明)による精神発達遅滞を認め,異食のため内視鏡下摘出術を繰り返していた.2008年3月中旬に発熱を認めてから食習慣が変化したため,4月上旬に当院消化器科を受診した.単純レントゲン検査にて頸部と腹部に直径2mm,長さ5cmの鋭利な金属製異物(針)を認め,手術目的に当科紹介受診,同日緊急手術となった.頸部の針は門歯より約20cmの食道入口部に存在した.食道壁外から用手的に食道内へ圧出し下咽頭鏡下に摘出した.さらに開腹して腹腔内を検索すると,針は腸管内ではなく,左傍結腸溝とDouglas窩に遊離しており,これを摘出した.以上より,針により腸管穿孔をきたしたが,先端が非常に鋭利であったため,速やかに腸管壁は自然閉鎖し,汎発性腹膜炎をきたさなかったものと考えられた.
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  • 木村 裕司, 大塚 眞哉, 濱野 亮輔, 岩川 和秀, 稲垣 優, 岩垣 博巳
    73 巻 (2012) 4 号 p. 916-920
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は既往歴のない36歳の女性.平成20年5月,月経初日の夕食後に腹痛が出現,翌日に腹痛の増悪と嘔吐を認めたために近医を受診.腹部CTにて血性腹水と小腸の拡張を認め,当院婦人科紹介となる.子宮・付属器に異常なしとのことで,回盲部の炎症による小腸イレウスとして外科紹介となった.右下腹部に反跳痛を認めたため,緊急手術を施行した.手術所見では,回腸末端部が相互の強固な癒着性変化にて一塊となっており,潰瘍穿通による瘻孔形成によるものと判断した.病変部口側にも線維化病変を数カ所認めたため,Crohn病と診断,回盲部切除を施行した.術後病理組織検査にて腸管子宮内膜症と診断され,本症例のイレウスは異所性子宮内膜症による回腸狭窄と考えられた.回腸子宮内膜症によるイレウスはまれな病態ではあるが,成人の女性のイレウスでは鑑別すべき疾患であると思われる.
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  • 前野 博, 福岡 正人, 橘 史朗, 齋藤 寛
    73 巻 (2012) 4 号 p. 921-925
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は14歳,男性.家族歴・既往歴に特記事項認なし.当院を受診し腹部CTで腸重積様の所見を認める病変を認めたが,炎症所見や腹部所見にて緊急性がなく術前精査を行うこととした.大腸内視鏡検査(CF)で上行結腸から盲腸にかけてI型腫瘍を認めた.腸重積による腹痛が強く認められたため,精査・手術目的で入院となる.生検検査にてB細胞リンパ腫と診断.Gaシンチグラフィーを行うと,同部位に集積を認めた.開腹手術を行ったところ,盲腸に腫瘤性病変を認め,同所属リンパ節も腫脹しており,リンパ節郭清を含めた手術を行った.組織検査ではいわゆるstarry-sky像を認め,免疫染色検査ではCD20陽性,CD3弱陽性,CD10陰性,MIB-1強陽性であった.補助診断としてゲーティング検査とFISH法でBurkittリンパ腫と診断した.
    若年性大腸腫瘍がBurkittリンパ腫である症例を経験したため文献的考察を加え報告を行う.
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  • 藤川 奈々子, 大塚 英郎, 片寄 友, 石田 和之, 宮下 英士, 海野 倫明
    73 巻 (2012) 4 号 p. 926-930
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.血便を主訴に近医受診,下部消化管内視鏡検査で上行結腸肝弯曲部および直腸に腫瘍性病変を認め,大腸癌と,さらに腹部CT検査で肝両葉に多発する腫瘍性病変を認め,大腸癌同時性肝転移と診断された.肝臓に多発する腫瘍性病変は後区域の病変で右肝静脈根部に,内側区域の病変では中・左肝静脈根部と接し,切除不能であると考えられた.腸閉塞の危険性から結腸の原発巣の切除術を行ったのち,転移巣のdown sizingを目指して化学療法を行うこととした.原発腫瘍組織の遺伝子検索でK-ras遺伝子に変異を認めず,パニツムマブ/mFOLFOX6による化学療法を施行した.6コースの化学療法施行後,肝転移巣は約60%の縮小(PR)を得られ,肝後区域切除,さらに左葉の病変に対して2カ所の部分切除術を行うことで腫瘍を安全かつ確実に切除しえた.
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  • 中井 款, 大石 晋, 小林 完, 奈良 昌樹, 柴田 滋, 舘岡 博
    73 巻 (2012) 4 号 p. 931-935
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は,77歳,女性.72歳時に副鼻腔原発の悪性黒色腫に対して摘出術を施行.術後化学療法を施行し経過観察となっていた.follow up CTにて胃壁の肥厚が疑われ消化管精査となり,上部消化管内視鏡検査では異常を認めないものの,下部消化管内視鏡検査にて横行結腸に1型腫瘍を認め,生検にて悪性黒色腫の診断となり副鼻腔悪性黒色腫の結腸転移と考えられた.腫瘍による腸閉塞症状を呈して来たため,横行結腸部分切除術を施行した.切除標本病理所見は,大腸癌取扱い規約に則ると,Type1,38×35×20mm,pSS,med,INFa,ly2,v1,pN0,pPM0,pDM0,pRM0であった.免疫染色はS-100±/HBM45+/melan-A±/CD117+/p53+であった。悪性黒色腫の消化管転移切除例は稀で,なかでも結腸転移の報告例は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 坂本 義之, 村田 暁彦, 小山 基, 諸橋 一, 櫻庭 伸悟, 袴田 健一
    73 巻 (2012) 4 号 p. 936-941
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は67歳の女性.平成21年10月,下血を自覚し近医を受診.大腸内視鏡検査を施行され,肛門縁より約10cmの直腸Raに易出血性2型病変が認められた.生検にて扁平上皮癌の診断が得られた.初診時,直腸指診では肛門縁より約10cmの直腸Raに腫瘍の下縁が触知された.腹部CTにて,#216リンパ節転移が疑われた.術前放射線療法の方針とし,合計45Gyの照射を行った.照射と合わせてS-1:80mg/日の内服を2週投与1週休薬で行った.平成22年2月,腫瘍縮小効果を認めたため手術(低位前方切除術D3,大動脈周囲リンパ節郭清,予防的回腸ストーマ造設術)を施行した.病理組織学的検査では,no residual tumorで術前の化学放射線療法の効果はCR(grade3),#216LNもCR(grade3)と評価された.大腸原発の悪性腫瘍はほとんどが腺癌で,直腸扁平上皮癌の発生は0.1%以下1)と非常にまれであり,その治療に関して確立したものはほとんど報告されていない.今回生検標本から扁平上皮癌と考えられたまれな症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 寺師 貴啓, 中村 俊彦, 大田 隆司, 田原 光一郎, 穴井 秀明, 森内 昭
    73 巻 (2012) 4 号 p. 942-946
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,男性.主訴は39度台の発熱で,保存的加療後も再燃を繰り返すため造影CTを撮ると,肝S4,S5/6,S8に径3-7cm大の辺縁増強を伴う低吸収性腫瘤および複数の腹腔内リンパ節腫大を認めた.多発性肝膿瘍,炎症性リンパ節腫大と思われたが,症状軽快後にも腫瘤影が残存するため経皮的肝生検を施行し,炎症性肉芽腫と診断された.上部消化管内視鏡検査で胃癌を認め,肝腫瘤は転移も否定できないため,幽門側胃切除術と同時に肝腫瘤切除生検を施行した.病理組織所見にて肝腫瘤,腹膜結節,腹腔内リンパ節に乾酪壊死を伴った類上皮肉芽腫を認め,リンパ節に抗酸菌を検出した.喀痰,便はガフキー0号で,ツ反,クォンティフェロンTB検査(QFT)陽性であり,最終的に肝結核,結核性腹膜炎,結核性リンパ節炎と診断された.抗結核療法を施行し肝腫瘤は消失した.肝結核はまれではあるが,多発性肝腫瘤の鑑別診断に際しては,留意すべき疾患であると考えられた.
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  • 坂口 達馬, 海堀 昌樹, 石崎 守彦, 松井 康輔, 松島 英之, 權 雅憲, 大江 知里, 植村 芳子
    73 巻 (2012) 4 号 p. 947-951
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は80歳,女性.超音波検査で肝S1に径43mmの腫瘤を指摘され精査目的で当科紹介された.血液検査で肝機能異常を認めず,HBs抗原陰性,HCV抗体陰性,AFP,PIVKA-IIはともに正常範囲内であった.腫瘍はDynamic CT動脈相で全体が造影され平衡相でやや低吸収域となったが,造影効果が強く肝細胞癌としては非典型的であった.しかしEOB・プリモビストMRIでは,動脈相で淡く造影され肝細胞相で取り込み低下を示し肝細胞癌が疑われた.FDG-PETで腫瘍部位にFDGの集積亢進を認めたことから悪性腫瘍を否定できず,肝切除を施行した.病理検査で腫瘍は平滑筋成分が主体の血管筋脂肪腫と診断され,腫瘍内に出血を認めた.脂肪成分に乏しい血管筋脂肪腫は非典型的な画像所見を呈するとされているが,腫瘍内出血を伴いFDG-PETで集積亢進を認め,悪性腫瘍との鑑別が困難であった肝血管筋脂肪腫の1切除例を経験したので報告する.
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  • 増田 大機, 吉村 哲規, 松山 貴俊, 岡村 孝
    73 巻 (2012) 4 号 p. 952-956
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    胆管内異物が誘因となって結石が形成されたとする報告はまれである.今回われわれは,迷入した胆管プラスチックステント(以下,胆管ステント)を核として総胆管結石が形成された1例を経験した.症例は58歳,男性.2000年4月,他院にて総胆管結石による急性胆管炎に対する治療として,内視鏡的胆管ステント留置術が行われた.2010年6月,右季肋部痛を主訴に当院受診した.CT,MRCPにて肝内胆管の拡張および総胆管結石を認め,10年前に留置した胆管ステントは総胆管内に完全に迷入していた.内視鏡下での胆管ステントの抜去は不可であり,同年7月に総胆管切開切石術,胆道ドレナージおよび胆管ステントの除去を行った.胆管ステントは閉塞していなかったが,胆管ステントが核となってそれを中心に総胆管結石が形成されており,胆管ステントの存在が結石形成の誘因となったのではないかと推測された.
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  • 米内山 真之介, 山田 恭吾, 吉澤 忠司, 松浦 修, 橋爪 正, 鳴海 俊治
    73 巻 (2012) 4 号 p. 957-962
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は71歳,女性.平成20年6月,腹部不快感を自覚し,腹部超音波にて膵体部と膵尾部の嚢胞性病変を指摘され経過観察となっていた.平成21年12月のCTにて膵尾部病変が軽度増大しており,精査目的に入院となった.EUS:膵体部病変は内容均一の嚢胞構造を示し,膵尾部病変は多房性で隔壁構造を認めた.CT:膵体部病変(22.5×19mm)は壁が薄く,辺縁に微細な嚢胞が散在しており,膵尾部病変(17.5×16.5mm)は厚めの被膜・隔壁構造を有していた.MRCP:2つの嚢胞性病変は多房性であり,主膵管との交通は認めなかった.ERCP:主膵管と嚢胞性病変との交通はなく,主膵管拡張も認められなかった.平成22年4月に手術を施行した.病理診断の結果,膵体部病変が分枝型IPMN,膵尾部病変がグルカゴン産生膵島腫瘍と診断された.IPMNには種々の腫瘍が合併することが知られており,嚢胞性であっても内分泌腫瘍の存在も念頭に置き精査を進めるべきであると考えられた.
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  • 入江 工, 中村 典明, 田中 真二, 有井 滋樹
    73 巻 (2012) 4 号 p. 963-966
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,女性.60歳時に原発不明悪性黒色腫右鼠径リンパ節転移と診断され化学療法としてDAVFeron療法が施行された.4年2カ月後,腹部CTにて膵尾部に境界明瞭・整,軽度造影効果を有する4cm大腫瘤が指摘され,精査にて悪性黒色腫膵転移を疑い膵体尾部切除術が施行した.術後病理組織所見では悪性黒色腫を膵周囲リンパ節内に認め,膵組織へ浸潤像が見られるため,悪性黒色腫転移性腫瘍と診断した.術後に腹膜播種および腹腔内リンパ節再発,多発肝・肺転移をきたしたが摘除および化学療法を施行して4年6カ月後に原病死された.悪性黒色腫の転移性膵腫瘍は稀であるが鑑別診断として重要である.また,予後不良と報告されているが,外科的切除と化学療法の集学的治療により予後が期待できると考える.
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  • 田中 亮介, 永川 祐二, 前川 隆文
    73 巻 (2012) 4 号 p. 967-970
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    非常にまれな,出産を契機に発症した茎捻転を伴う遊走脾の1例を経験したので報告する.症例は32歳女性.第一子を出産後,約6カ月後に強い下腹部痛を自覚し当院受診となった.深夜の緊急外来のため正確な術前診断へ至らなかったが,急性腹症の診断で緊急開腹術を行った.骨盤内に大きく腫大した脾臓を確認し,遊走脾茎捻転の診断で脾摘出術を行った.術後経過は良好で第9病日で退院となった.本症は,無症状で経過することもあるが,茎捻転を起こすと急性腹症として緊急開腹術を行われることがある.治療は茎捻転によって血流障害を伴えば脾摘出術が行われるが,脾機能が温存されている場合は固定術が推奨される.
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  • 塩澤 幹雄, 巷野 佳彦, 安田 寿彦, 安田 是和
    73 巻 (2012) 4 号 p. 971-975
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    腹部鈍的外傷の際に脾臓は損傷されやすい臓器の一つである.また非外傷性の脾破裂も報告されているが,その多くは何らかの病態が脾臓に存在している.今回われわれは正常脾に認められた極めてまれな特発性脾破裂の1例を報告する.症例は39歳の男性,突然の左側腹部痛を自覚し近医を受診し,筋性防御,腹水貯留を認めたため当院を紹介された.受診5時間後の造影腹部CTでは受診直後の単純CTと比較し,脾臓周囲の出血が増加したため緊急に開腹脾摘術を施行した.開腹所見では脾臓と周囲の癒着は無く,脾門部に凝血塊を認めるのみであった.病理所見では被膜破裂があり組織に広範な出血を認めたが腫瘍性変化は認めなかった.術後の精査では血液疾患などの合併もなく,ウィルス感染も否定的であった.外傷の既往がなく,脾臓に影響する病態も病理学的検索で否定され,特発性脾破裂と考えられた.文献的考察を加え特発性脾破裂を報告する.
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  • 野村 尚弘, 山下 克也, 武藤 俊博, 岡本 喜一郎, 佐藤 健, 市原 透, 中村 悦子
    73 巻 (2012) 4 号 p. 976-981
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,女性.検診のFDG-PETにて脾臓に集積を認めたため,精査目的に当院紹介となった.造影CTでは脾臓内に10mm大の濃染不領域を認めた.MRIでは同部位はT1強調像でわずかに高信号,T2強調像で低信号であった.上下部消化管に異常所見は認めなかった.脾臓原発悪性リンパ腫または炎症性偽腫瘍の疑いにて,腹腔鏡補助下脾臓摘出術を施行した.割面には黄白色調の多発結節を認めた.病理組織学的には,乾酪壊死を伴わない肉芽腫で,ランゲルハンス巨細胞,アステロイド小体を認め,脾サルコイドーシスと診断した.肺,眼,皮膚には病変は認めなかった.サルコイドーシス症は,全身性肉芽腫性疾患であり,脾臓に限局した症例は比較的まれである.今回,脾臓に限局したサルコイドーシス症の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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  • 水口 徹, 中村 幸雄, 太田 盛道, 川本 雅樹, 目黒 誠, 平田 公一
    73 巻 (2012) 4 号 p. 982-987
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    CA19-9高値の脾嚢胞に対しては,悪性疾患を否定できないことから脾臓摘出術が選択されてきた.近年の画像診断は向上したことと過去の病理結果から悪性病変の報告は極めて稀であることから天蓋切除術の報告も増加している.本症例は29歳女性で,単房性かつ内部均一な脾嚢胞であったことから術中細胞診を施行した上で天蓋切除術を施行した.過去の報告をまとめ,脾嚢胞に対しての診断と治療に関して考察する.
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  • 平宇 健治, 橋本 正治, 中村 征勝, 中津 敏允
    73 巻 (2012) 4 号 p. 988-992
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    われわれは,3年間の経過観察中に急激な増大傾向を示したEB virus(以下EBV)感染による脾炎症性偽腫瘍(inflammatory pseudotumor,以下IPT)の1例を経験したので報告する.症例は54歳女性で,健康診断の精査で脾腫瘍を指摘された.3年間の経過観察中に増大傾向を示したため,悪性腫瘍や出血・変性を伴う腫瘍が疑われ,診断的治療目的で脾臓摘出術を行った.病理組織学的にIPTと診断され,in situ hybridization法によって紡錘形細胞にEBVが検出されたことから,EBV感染による脾IPTと確定診断に至った.「inflammatory pseudotumor」「spleen」「EBV」をキーワードにPubMedで症例を検索した結果,15例のみの報告であった.文献的考察を加えて報告する.
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  • 水谷 和毅, 中西 香織, 平城 守, 小野 博典, 尾崎 邦博, 永野 剛志
    73 巻 (2012) 4 号 p. 993-996
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は33歳,女性.19年前に腹膜炎合併虫垂炎にて虫垂切除術を施行されていた.2006年12月頃より虫垂切除術後創部の疼痛が時々出現,2010年9月頃より創部の疼痛が増悪し,同部の皮下結節を触知するようになった.結節は径約1.5cmで可動性はなく弾性硬であった.術前検査にて筋膜縫合部の縫合糸を原因とするSchloffer腫瘤が疑われ,腰椎麻酔下に切除術を施行した.病理組織学的所見で切除組織内に子宮内膜組織を認め,子宮内膜症と診断された.子宮内膜症のうち,手術後の腹壁に生じる腹壁瘢痕部子宮内膜症は,約80%が帝王切開などの婦人科領域の手術既往によるものであるが,本症例は虫垂切除後の腹壁瘢痕部に発生したものであり,稀有な症例であるため,報告した.
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  • 遠藤 悟史, 三島 修, 草薙 洋, 加納 宣康
    73 巻 (2012) 4 号 p. 997-1001
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,女性.突然発症の腹痛を主訴に当院へ救急搬送となった.理学所見では腹膜刺激症状を認め,造影CT検査で大量の腹水および上腸間膜静脈血栓ならびに広範囲の小腸壊死を疑われた.緊急で広範小腸切除術を行い,小腸断端は吻合せずにそのまま閉鎖した.また血栓除去術も行い,術後に抗凝固療法を開始した.遺残した血栓の消失を確認した後に小腸吻合術を行い,残存小腸10cmの短腸症候群となった.第149病日に経口摂取と夜間の間欠的中心静脈栄養療法併用のうえ,自宅退院となった.現在術後3年経過し無再発生存中であり,間歇的中心静脈栄養を用いて社会復帰を果たしている.自験例は血液凝固異常をきたす原因疾患が特定されず,特発性上腸間膜静脈血栓症と診断した.広範小腸壊死のため短腸症候群に陥ったが,社会復帰が可能であったため若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 三輪 知弘, 堀 明洋, 森岡 淳, 河合 清貴, 松葉 秀基, 松村 卓樹
    73 巻 (2012) 4 号 p. 1002-1007
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は59歳,女性.2011年4月,腹部腫瘤を自覚し当院を紹介受診した.右下腹部に可動性良好な手拳大の腫瘤を触知し,造影CT検査では,骨盤腔内に径6×5cm,境界明瞭で内部濃度均一な低濃度の充実性腫瘤を認めた.画像所見から小腸GISTを疑い手術を施行した.開腹すると,横行結腸間膜に位置し,横行結腸と連続する表面平滑な弾性硬の腫瘤を認めた.右半結腸切除術を施行し腫瘤を摘出した.切除標本の病理組織検査では,異型性の乏しい核を有する紡錘形の線維芽細胞の増生を認め,免疫染色ではβ-catenin,Vimentin,S-100蛋白が陽性,c-kit,CD34,α-SMA,ki67が陰性であり,横行結腸間膜原発のデスモイド腫瘍と診断した.家族性大腸腺腫症や開腹手術の既往のない横行結腸間膜原発デスモイド腫瘍の報告は稀であるため,文献的考察を加えて報告する.
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  • 寺下 幸夫, 春木 伸裕, 森 洋一郎, 原田 幸志朗, 内藤 明広, 佐藤 篤司
    73 巻 (2012) 4 号 p. 1008-1012
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は79歳,女性.下腹部痛を主訴に来院.39度の発熱と右下腹部の圧痛を認め,軽度の腹膜刺激症状も認めた.血液生化学検査所見上,炎症所見を認めた.腹部CTでは骨盤内に少量の腹水を認め,回腸壁の肥厚,周囲脂肪織濃度の上昇を認めた.腹膜炎を疑い,腹腔鏡補助下手術を施行した.骨盤内には,中等量の混濁腹水を認め,Douglas窩に回腸が癒着しており,剥離後,下腹部正中で約4cm開腹した.癒着部回腸の腸間膜に膿瘍を認め,破裂していた.回腸に穿孔は認めなかったが,腸間膜は瘢痕化し回腸に狭窄を認めたため,小腸切除術を施行した.回腸に穿孔は認めず,特発性腸間膜膿瘍と診断した.病理組織所見では,腸管間膜に著明な炎症細胞浸潤を認めた.腸間膜血管には陳旧化した血栓形成を認め,何らかの血流障害が存在したことが示唆された.また,腹水の細菌培養も陰性であった.特発性腸間膜膿瘍の報告は少なく,文献的考察を加え報告する.
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  • 神尾 一樹, 西井 鉄平, 荒井 宏雅, 河内 香江, 乾 健二, 益田 宗孝
    73 巻 (2012) 4 号 p. 1013-1016
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は84歳,男性.胃癌の術前検査として行われた胸部CTで,両肺の小結節影を指摘された.良性肺腫瘍の疑いで経過観察されたが増大傾向を認めたため,診断と治療を目的に胸腔鏡下左肺部分切除術を行った.病理組織学的には紡錘形細胞を主体とした腫瘍であり,16年前に手術既往のある腸間膜腫瘍の肺転移と診断した.現在,特に臨床症状無く,外来で経過観察中である.長期間を経て顕在化した転移性肺腫瘍を経験したので,文献的考察を交えて報告する.
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  • 久保 徹, 大草 康
    73 巻 (2012) 4 号 p. 1017-1020
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は50歳,男性.アルコール性肝硬変にて通院中であった.平成22年に入り腹水が増加し,利尿剤によるコントロールが困難となった.同時期より臍部の膨隆を認め,臍ヘルニアの診断にて経過観察をしていたところ,同年9月に臍部から水分の漏出を認め,3時間漏出が続き来院.来院時には体重が約10kg減少していた.腹部は腹水で著明に膨隆し,臍部は頂部に潰瘍形成を伴い,乳児頭大に膨隆していた.腹部造影CTでは多量の腹水およびヘルニア内容の腸管が描出された.ヘルニア部を還納し,全身状態が安定していたため待機的手術の方針とした.手術では全身麻酔下にヘルニア部を切除し,メッシュ(Ultrapro Hernia System®:UHS)を挿入した.術後経過は良好で退院となり,術後1年の時点でヘルニア再発の徴候はない.成人臍ヘルニアは比較的稀な疾患で,さらに破裂をきたした症例は散見されるのみである.
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