日本臨床外科学会雑誌
検索
OR
閲覧
検索
74 巻 , 1 号
選択された号の論文の50件中1~50を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
巻頭言
原著
  • 野口 剛, 上田 貴威, 矢田 一宏, 内田 雄三, 北野 正剛, 白石 憲男, (大分県外科医会地域医療推進連絡協議会)
    74 巻 (2013) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    近年の外科医不足は社会問題化しており,早急な状況の改善が期待されている.臨床現場での問題点を明らかにするために,大分県内の病院に勤務する外科医に郵送によるアンケート調査を行い,「更なる外科医を必要と感じる」要因について検討を行った.
    質問項目は,(1)勤務施設環境,(2)診療状況,(3)福利・厚生に関する31項目からなる.211名(回答率91%)の回答のうち,大学以外の勤務外科医179名の回答を対象とした.結果は,1)40歳以上,2)病床100床以上の病院,3)週間手術数5件以上(執刀が3件以上)4)担当入院患者数が11人以上,の外科医が更なる外科医を必要と感じていた.医師派遣を調整している大学や病院経営者にとってこれらの結果は有用な情報となるであろう.
    抄録全体を表示
臨床経験
  • 金田 邦彦, 三浦 由紀子, 三田 陽子, 愛新 啓志, 中山 俊二, 川口 勝徳
    74 巻 (2013) 1 号 p. 8-13
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍や放射線障害により尿管浸潤あるいは尿管狭窄をきたした症例に対して尿管を一部切除し,有茎腸管による尿管の再建を行った11例(計15回)を対象として合併症,長期予後について検討した.
    対象症例の原疾患は,直腸・S状結腸癌4例,子宮癌・肉腫4例,卵巣癌1例,尿膜管癌1例,消化管外GIST 1例であった.代用尿管として再建に使用した腸管は回腸9例,S状結腸6例であった.術後短期の合併症は4例に認められ尿路感染症3例,水腎症2例,癒着性イレウス2例,代謝性アシドーシス1例,腹腔内膿瘍1例であった.術後平均観察期間は16.3カ月で,その間反復する尿路感染症はなく術前と比べた術後の腎機能低下は認められなかった.
    代用尿管として腸管を用いる本術式は,骨盤内病変による尿管切除後の再建方法として有用であり,治療の選択肢のひとつとして考慮されるべき術式と考えられた.
    抄録全体を表示
症例
  • 窪田 智行, 長坂 徹郎
    74 巻 (2013) 1 号 p. 14-18
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    乳腺単発で発症した神経鞘腫の極めて稀な症例を経験したので報告する.症例は62歳,女性.現病歴は,平成21年2月右乳頭部のしこりと痛みで受診.右乳房E領域に30mmの軽度圧痛を伴う腫瘤様硬結を認め,超音波検査にて右乳頭下に30mmの境界明瞭な腫瘤あり,外側に乳管内進展を思わす,境界明瞭,内部均一な索状影を認めた.マンモグラフィは所見なし.細胞診施行するも,陰性(裸核状細胞が散在する背景に異型の少ない上皮細胞が少量見られる)の結果であり,乳管内乳頭腫を考え経過観察.平成21年8月,US径45×25mmと増大.平成22年2月に再び細胞診施行するも陰性.切除術を希望されたため平成23年4月手術となった.手術は,乳房が小さく病変が乳頭下より乳房外側に広く分布,患者が乳房全摘を希望されたことより,単純乳房切除術を施行.腫瘤割面は白色均一で,病理所見は神経鞘腫.腫瘍の主体は乳頭下の皮下に存在していた.
    抄録全体を表示
  • 横山 吾郎, 高橋 宏樹, 中川 志乃, 井上 有香, 赤司 桃子, 桃崎 征也, 藤井 輝彦
    74 巻 (2013) 1 号 p. 19-22
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は41歳,女性.約14年前の授乳中より両側腋窩に副乳があり,その副乳の乳頭(副乳頭)から白色の乳頭分泌を認めていた.授乳終了後は減少していたが,3カ月前より左副乳頭からの乳汁が血性に変化したため,当科紹介となった.超音波検査では副乳頭下に正常乳腺組織を認めたが,明らかな腫瘍性病変はみられなかった.乳頭分泌液細胞診では検体適性・良性と考えられたが,筋上皮細胞の存在が明らかでなく細胞集塊も多く認められ,悪性を完全には否定できなかった.乳頭分泌により衣服に血液が絶えず付着する状況であり,治療・診断目的に左副乳頭と直下の乳腺組織の切除を行った.病理診断は乳管内乳頭腫であった.術後経過は良好で,現在,乳癌検診を兼ねて経過観察中である.副乳病変では穿刺吸引細胞診や針生検で確定診断が得られることは少なく,悪性病変が否定できない症例や日常の生活に支障をきたす症状を有する症例に対しては,積極的に外科的生検を考慮する必要があると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 小林 慎一朗, 南 恵樹, 崎村 千香, 山之内 孝彰, 林田 直美, 江口 晋
    74 巻 (2013) 1 号 p. 23-26
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    乳房切除後疼痛症候群(PMPS)とは乳癌術後の神経障害性疼痛である.今回われわれはPMPSに対してプレガバリン(PGB)を投与し著効した2症例を報告する.症例1は52歳女性,2008年6月に前医で両側乳癌に対して右腋窩郭清および左乳房部分切除,センチネルリンパ節生検施行した.術直後より左胸部痛を認め,下着など接触時に痛みを感じていた.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与も症状は持続した.その後当科に紹介受診となり,疼痛外来に紹介,PGB投与開始後,症状は著明に改善した.症例2は82歳女性,2011年3月に当科で左乳癌に対して左乳房切除術および腋窩郭清を施行.術後1カ月後から創部痛増悪し,疼痛で不眠の状態であった.NSAIDs投与も軽減傾向なく,疼痛外来に紹介,PGB投与開始後,症状は著明に改善した.PMPSに対し,PGB投与は症状緩和の効果がある可能性が示唆された.
    抄録全体を表示
  • 小川 憲人, 中川 剛士, 佐藤 隆宣, 杉原 健一
    74 巻 (2013) 1 号 p. 27-31
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は47歳,女性.右乳癌(TisN0M0)に対する胸筋温存乳房切除術,センチネルリンパ節生検後2日目に発熱,嘔吐,下痢が出現した.術後3日目には全身のびまん性紅斑,咽頭痛,イチゴ舌,血圧低下を認めたため,toxic shock syndromeが疑われた.十分な輸液,抗生剤の投与に加え,創部のドレナージ,創部およびドレーン排液の培養を行った.培養で黄色ブドウ球菌が検出され,toxic shock syndrome toxine-1産生株であり,TSSと診断した.経過中に肝機能障害,急性腎不全,血小板減少をきたしたが,治療が奏効し軽快した.本疾患は死亡例も報告されており,早期に治療を行うことが重要である.術後に39℃以上の発熱,びまん性紅斑,ショック,下痢,嘔吐などをきたした症例ではtoxic shock syndromeを疑い,早期に治療を開始する必要があると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 土屋 和代, 前原 直樹, 船ケ山 まゆみ, 千々岩 一男
    74 巻 (2013) 1 号 p. 32-38
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    われわれは脳室-腹腔 (V-P) シャント経路の腹壁に乳癌再発を認めた1症例を経験した.症例は52歳女性.クモ膜下出血術後の続発性水頭症のため右胸壁経由のV-Pシャント術を受けた後4カ月目に右乳癌と診断され,画像診断で右乳房B領域の腫瘍とシャントチューブが貫通している所見が認められた.乳癌の根治術時にシャント経路変更術を行い,右乳房とチューブを一塊にして摘出した.切除標本でチューブは腫瘍にinvolveされていたが,チューブに沿った癌の進展は認められなかった.乳癌の術後14カ月目に腹部の旧チューブ経路の皮下に1cm大の腫瘤を認め,腫瘍切除術を施行した.組織型は腺癌で,シャントチューブ経路の腹壁に再発したものと考えられた.シャントチューブが関連したと考えられる乳癌の再発報告は例がなく極めて稀と考えられたため,手術法や術後の治療について検討し報告する.
    抄録全体を表示
  • 北村 美奈, 中村 誠昌, 下松谷 匠
    74 巻 (2013) 1 号 p. 39-42
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は50代,女性.1カ月前より左前胸部の腫瘤を自覚し近医を受診.経過が急速であり悪性を疑われ当科を受診した.初診時,超音波検査で左前胸部の大胸筋と小胸筋の間に約5cm径の腫瘤を認めた.内部は低エコーと高エコー部分が不均一に混在し,血流が豊富であった.胸部CTでは約6cm径の内部が不均一な造影される境界明瞭な腫瘤を認めた.また,10日後のCTで前回CTより30%の増大を認めた.以上より,悪性の胸壁腫瘍と診断し広範囲腫瘍切除を予定し手術を施行した.腫瘍の前面は大胸筋・小胸筋を切除,後面は腫瘍直下の第2~4肋骨までを切除しen blockで腫瘍切除を施行した.胸壁欠損に対してはComposite meshを使用し,再建を行った.術後病理の結果,悪性線維性組織球腫と診断された.術後Adriamycin+ifosfamide 療法を6クール施行し,術後1年の現在再発の所見は認めていない.
    抄録全体を表示
  • 奈良原 裕, 尾頭 厚, 村田 升
    74 巻 (2013) 1 号 p. 43-47
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,男性.突然の右下肢痛と胸部苦悶感を主訴に前医受診.CTで下行大動脈から両側総腸骨動脈までのB型解離で腹腔動脈,上腸間膜動脈にも解離が及んでおり真腔は狭小化していたがエコー検査では明らかな血流低下は認めなかった.右総腸骨動脈は完全閉塞となっていた.緊急大腿動脈-大腿動脈バイパス術を施行し右下肢再潅流を果たした.術後abdominal anginaを発症し,下行大動脈は解離性動脈瘤を呈し拡大傾向を認めていた.そのため将来の下行大動脈瘤手術も考慮して上腸間膜動脈バイパスおよび右胃大網動脈バイパス術に加えて右腋窩動脈-大腿動脈バイパスを施行した.abdominal anginaは改善し一旦退院とした.
    退院約1カ月後,下行大動脈人工血管置換術を施行した.送血は大腿動脈-大腿動脈グラフトより行い頭部,腹部および下肢への送血に配慮した.術後経過は良好で術後20日目に軽快退院となった.
    抄録全体を表示
  • 加藤 文章, 米田 敏, 牟礼 洋, 白濱 浩, 田代 幸恵, 岩崎 昭憲
    74 巻 (2013) 1 号 p. 48-51
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例1は59歳,男性.右肺癌に対し手術を施行され,術後4年目に腸重積による急性腹症をきたし,小腸腫瘍摘出術施行.病理学的には肺癌の小腸転移であった.術後4カ月目までは経過良好であったが,リンパ節転移等をきたし,術後7カ月で永眠された.症例2は45歳,男性.右肺癌に対し手術施行され,術後1年目に腹痛が出現.精査にて小腸腫瘍が疑われ,小腸摘出術施行.病理学的に肺癌の小腸転移であった.肺癌の小腸転移はまれで予後不良であるが,手術によりQOL改善が望める例も少なくなく,特に肺多形癌の腹部症状出現時には小腸転移も念頭に置いた精査および治療法選択を行うことが重要であると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 児玉 泰一, 太田 裕之, 塚山 正市, 川上 恭平, 藤岡 重一, 川浦 幸光
    74 巻 (2013) 1 号 p. 52-56
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は72歳,女性.吸気時に左側胸部の痛みがあった.採血と腹部エコー施行するも異常なく帰宅し,4日後に左前胸部から背部にかけて痛みが増悪し救急外来を受診した.胸部X線写真で左横隔膜挙上と左胸水貯留あり,また炎症反応の上昇もあり入院となった.入院翌日に疼痛が増悪しショックバイタルとなり,胸部CTで横隔膜ヘルニア嵌頓および胃軸捻転症と診断し同日緊急手術となった.開腹すると左横隔膜背側の欠損部(Bochdalek孔)より胃,脾臓,横行結腸が左胸腔内に脱出しており,胃体上部前壁に約1.5cmの穿孔部を認め肺底部と穿通していた.胸腹部ドレナージ,胃全摘,R-Y再建,横隔膜修復,腸瘻造設術を施行した.術後,人工呼吸管理やエンドドキシン吸着療法などの集学的治療を施行し術後約2カ月で退院した.われわれは胸腔内で胃穿孔をきたした成人Bochdalek孔ヘルニアの1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
    抄録全体を表示
  • 大関 舞子, 平松 昌子, 河合 英, 李 相雄, 徳原 孝哉, 内山 和久
    74 巻 (2013) 1 号 p. 57-62
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,男性.2003年中咽頭癌に対して化学放射線療法を施行され,完全寛解が得られた.2011年に新たに食道浸潤を伴う下咽頭癌を認め,食道抜去による咽頭喉頭食道全切除,胃管再建術を施行した.術後4日目より両側胸水貯留を認め,胸管損傷によるリンパ漏と診断した.胸腔ドレナージ施行後,胸水は漸減したが,その後リンパ液は腹腔内へ流出し,大量の乳糜腹水の貯留をきたした.完全静脈栄養に転換するも軽快せず,術後22日目よりオクトレオチドの持続皮下注およびエチレフリンの持続静注を開始した.投与開始2日後には腹囲の減少を認め,14日後には腹水は完全に消失した.オクトレオチドはソマトスタチンレセプターに結合することにより,またエチレフリンは交換神経α1作用により,胸管平滑筋の収縮をもたらすとされている.術後リンパ漏は治療に難渋することが少なくないが,両者併用は保存的治療のひとつとして有用と考えられた.
    抄録全体を表示
  • 青山 広希, 宮田 完志, 湯浅 典博, 竹内 英司, 三宅 秀夫, 小林 陽一郎
    74 巻 (2013) 1 号 p. 63-69
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は55歳,男性.10年前に食道アカラシアと診断された.食道X線造影検査で最大42mmの直線型(St型)を呈し,食道内視鏡検査でヨード不染域を多数認め,門歯より35cm,37cmの2箇所の不染帯から生検でIntraepithelial neoplasia(High grade),Carcinoma in situと診断された.主病変は胸部下部食道の60×58mmの0-IIcで,病理組織学的に中分化型扁平上皮癌,T1bだったが,他5個の上皮内癌と多数のp53陽性異型上皮を認めた.食道アカラシアに合併した食道表在癌の本邦報告例は自験例を含めて30例で,アカラシアの病悩期間が長く,食道が6cm以上に拡張した症例が多い.表在食道癌は胸部中部食道に多く23%が多発し,腫瘍径は大きな症例が多い.自験例は長期にわたる機械的・化学的刺激がp53変異をもたらし,6個の癌病巣に進展したと推定される.
    抄録全体を表示
  • 小林 清二, 長佐古 良英, 高橋 学, 小笠原 和宏, 草野 満夫, 高橋 達郎
    74 巻 (2013) 1 号 p. 70-74
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は下肢静脈瘤の既往歴がある73歳,女性.早期胃癌に対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)を施行した.術後乳糜腹水を合併したため絶食,オクレオチド投与による治療を開始した.術後10日目突然前胸部の不快感を訴えプレショック状態となった.肺血栓塞栓症(PE)と診断しヘパリン投与を開始した.乳糜腹水は難治性で保存的治療では改善しなかった.PEは改善傾向にはあったが,なお両肺動脈に血栓が残存しており乳糜腹水に対する手術治療は危険性が高かった.しかし術後2カ月経過してもドレーン排液が1日1L以上と多かったため,術後59日目に手術を施行した.術前,術中にエンシュアリキッドを投与して乳糜漏出部位を同定して結紮した.術後24時間後,出血がないことを確認してヘパリン投与を再開した.術後乳糜腹水は治癒しPEも軽快した.
    抄録全体を表示
  • 木村 俊久, 田畑 信輔, 戸川 保, 恩地 英年, 山口 明夫, 佐藤 保則
    74 巻 (2013) 1 号 p. 75-80
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は68歳の男性で,腹部大動脈周囲リンパ節に高度の転移を認める3型低分化腺癌に対して術前化学療法を施行した.内容はPaclitaxel 60mg/body,Cisplatin 25mg/bodyをday1,day8,day15に投与しday22は休薬,同時にS-1 100mg/bodyをday1より3週投与し,1週休薬とした.以上を1コースとして計4コースを施行した.術前化学療法終了1カ月後に幽門側胃切除(D2+No.16b1リンパ節,No.16a2リンパ節郭清),左副腎合併切除を施行した.病理組織学的検索では,主病巣,リンパ節ともに癌細胞を認めずComplete Response Grade3と判定した.その後S-1 80mgを2年間投与し,術後5年間再発を認めていない.
    抄録全体を表示
  • 阿尾 理一, 村山 道典, 菅澤 英一, 宇都宮 勝之, 冨松 聡一, 井上 公俊, 佐藤 仁哉, 松熊 晋
    74 巻 (2013) 1 号 p. 81-86
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    62歳,男性.胃体上部の進行胃癌に対して当院消化器内科で精査中,突然の心窩部痛を主訴に救急外来を受診した.胃癌からの腹腔内出血を疑い,緊急開腹術を施行したところ,腹腔内に350ccの血性腹水貯留,胃体下部前壁に付着した有茎性血腫様腫瘤を認めた.胃癌の膵尾部への直接浸潤が窺われたが,血腫様腫瘤への浸潤は見られず,胃全摘,膵尾脾合併切除術を施行した.病理組織学的に,胃癌は非充実型低分化腺癌の像を呈し,膵前面脂肪組織に浸潤していた.血腫様腫瘤は一部胃壁に連続し,また腫瘤内に紡錘形細胞増生巣を認め,免疫組織学的にCD34,KIT陽性であった.腫瘍細胞の虚血性壊死・変性,間質の浮腫が見られたことから,外向性発育を示した有茎性GISTが軸捻転を起こし,心窩部痛,腹腔内出血を起こしたものと考えられた.胃癌に合併し,緊急手術対象となる症状をきたした有茎性GISTの症例を経験したので考察を加え報告する.
    抄録全体を表示
  • 松井 聡, 坂本 俊樹, 佐々木 量矢, 岡村 賢一, 鯨岡 結賀, 斎藤 節
    74 巻 (2013) 1 号 p. 87-91
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は24歳,男性.17歳時より上腹部の激痛を主訴に4回入院加療.2010年4月に同様の症状にて救急外来を受診し入院.腹部造影CTにて腸間膜基部に形成された異常なバンドを同定し,十二指腸水平脚の欠如・Treitz靱帯の無形成より腸回転異常症と診断した.このバンドが上腸間膜静脈枝を圧迫し,空腸が急激に鬱血・肥厚したことが腹痛の原因と考え,待機的に手術を施行した.腸間膜基部のバンド状の肥厚を切開し,空腸起始部周囲の自由度を確保した.術後の腹部造影CT・上部消化管造影では,腸間膜基部の異常バンドは消失し空腸壁の浮腫は認められず,十二指腸の走行は生理的走行に類似していた.現在術後2年だが,症状の再発なく良好に経過している.原因不明の腹痛を繰り返す症例には,腸回転異常を念頭に置いて精査を行い,腸回転異常症と診断した場合には積極的に手術を考慮する必要がある.
    抄録全体を表示
  • 宇治 祥隆, 徳永 美喜, 新上 浩司, 山口 方規, 高尾 貴史
    74 巻 (2013) 1 号 p. 92-95
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.主訴は腹痛.2012年5月,夕食後に突然の腹痛があり救急搬送された.腹部造影CTで軽度の腹水と小腸の拡張,および上腸間膜動脈を中心とするwhirl signを認めた.絞扼性イレウスと診断し,緊急手術を施行した.開腹時に約550mlの乳糜腹水を認め,腸間膜と小腸漿膜の白色変化と浮腫を認めた.さらに,小腸は上腸間膜動脈を軸に270度捻転していた.絞扼解除により白色変化は改善し,血流も改善したために腸切除は必要としなかった.術後経過良好で第7病日に退院となった.血流が完全に遮断されない絞扼でもリンパ流が遮断され乳糜腹水を呈する絞扼性イレウスが発症する可能性が示唆された.
    抄録全体を表示
  • 塙 秀暁, 川島 吉之, 横山 康行, 網倉 克己, 坂本 裕彦, 田中 洋一
    74 巻 (2013) 1 号 p. 96-99
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は79歳,男性.進行胃癌に対し開腹胃全摘,D2郭清,胆嚢摘出,結腸後Roux-en-Y再建術を施行した.術前低栄養があり,また,重症の慢性閉塞性肺疾患を合併していたため,術後早期経腸栄養目的で手術時にTreitz靱帯より20cmの空腸に腸瘻を造設した.術後22病日に軽快退院となったが退院24日後に腹痛・嘔吐にて受診,腸閉塞の診断で再入院となった.消化管造影検査,CT検査で左側腹部に9Frの腸瘻チューブに沿って蟹爪様陰影,target signを認めた.開腹所見ではY脚より5cm末梢から長径20cmに渡る順行性の腸重積を認めた.用手整復が困難であったため小腸部分切除を施行した.細径腸瘻チューブが原因とされる腸重積の報告はほとんどなく非常にまれな症例であるため報告する.
    抄録全体を表示
  • 宮崎 健介, 藤田 文彦, 金高 賢悟, 高槻 光寿, 黒木 保, 江口 晋
    74 巻 (2013) 1 号 p. 100-104
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    患者は70代,男性.2009年1月近医にて腹痛精査目的の腹部CTにて腸重積を指摘されたことがあった.2009年7月follow up CTにて腸重積の残存を認め当院紹介となった.回腸に腫瘤を先進部とする腸重積を認めたが,各種精査でも原因の確定診断には至らず,腹腔鏡下にて切除の方針とした.腸重積を整復し,小腸部分切除を施行した.整復・切除吻合は全て完全な腹腔鏡下に行った.先進部は摘出標本の病理組織診にてinflammatory fibroid polyp(以下,IFP)と診断された.小腸IFPはまれな疾患ではあるが,成人腸重積の原因として念頭に置くべきであると思われた.また小腸腫瘍は腹腔鏡手術のよい適応であり,腸重積合併例においても安全に施行可能であった.
    抄録全体を表示
  • 中里 紀彦, 志田 大, 若松 高太郎, 谷澤 徹, 宮本 幸雄
    74 巻 (2013) 1 号 p. 105-110
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    GISTが腹腔内出血をきたすことはまれである.今回われわれは,約1,600mlの血性腹水を有した小腸GISTの1例を経験したので報告する.症例は43歳男性.腹痛・腹部膨満で当院受診.腹部造影CT検査で直径13cm大の巨大充実性腫瘤を認め,緊急入院した.腫瘤は軽度の造影効果を伴い,内部不均一であり腫瘍内出血していると考えられた.入院翌日に急激な貧血の進行(Hb 12.4→8.5g/dl)を認めたが全身状態に著変はなく入院10日目に待機的手術を実施した.開腹すると,凝血塊を含む多量の血性腹水と,Treitz靱帯より約30cm肛門側の空腸の腸間膜対側に管外性に発育し,被膜が破裂している径18cmの腫瘤を認めた.病理組織検査では紡錘形細胞の束状増殖を認め,c-kitおよびCD34が陽性であることから小腸GISTと診断した.術後はイマチニブを内服しており,術後6カ月経過観した現在再発は認めていない.
    抄録全体を表示
  • 奥村 晋也, 西村 理, 本庄 原, 吉村 玄浩
    74 巻 (2013) 1 号 p. 111-117
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,女性.2008年9月に左乳癌に対して乳房部分切除術+腋窩リンパ節郭清を施行した(浸潤性小葉癌+硬癌,T2N1M0,Stage IIB).2010年1月に腹痛・嘔吐を主訴に当院を受診し,腹部造影CT検査でイレウスと診断し,腹腔鏡補助下に手術を行った.回腸に全周性狭窄を認め,小腸部分切除術を施行した.病理組織検査で乳癌(浸潤性小葉癌)の小腸転移と診断した.術後経過は良好で,術後10日目に退院し,その後無症状で経過していた.2011年8月に腹痛を主訴に当院を受診し,乳癌小腸転移によるイレウスの診断で再手術を行った.小腸に多発する狭窄病変を認め,腹腔鏡補助下に小腸部分切除術を行った.病理組織検査で乳癌多発小腸転移と診断した.術後経過は良好で術後15日目に退院した.乳癌小腸転移に対する手術施行例の報告はまれと考えられたため,若干の文献的考察を加え報告する.
    抄録全体を表示
  • 下園 麻衣, 志田 大, 中村 ふくみ, 谷澤 徹, 宮本 幸雄, 井上 暁
    74 巻 (2013) 1 号 p. 118-123
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    中毒性巨大結腸症の要因としては,潰瘍性大腸炎,偽膜性腸炎やCytomegalovirus(CMV)腸炎が多い.これらがいずれも否定的で,HIV感染症の治療中に中毒性巨大結腸症を発症した症例を経験した.症例は27歳男性.HIV陽性に対して経過観察中に,発熱,水様性下痢,腹痛が出現した.CD4+146/μLと低下したため,HAART療法を開始した.CMV腸炎,アメーバ腸炎,細菌性腸炎を考慮し治療を行ったが,改善しなかった.40℃前後の発熱,頻脈,貧血,精神症状,電解質異常も見られ,CTで結腸の著明な拡張,内視鏡検査で全結腸に多発する深掘れ縦走潰瘍がみられた.内科的治療に抵抗性の中毒性巨大結腸症と診断し,外科的切除(結腸亜全摘術+回腸人工肛門造設術)を行った.術後は速やかに解熱し,全身状態も著明に改善した.本症例の中毒性巨大結腸症の発症の要因として,HIV感染そのものの増悪,あるいは,HIV治療中の免疫再構築症候群が考えられた.
    抄録全体を表示
  • 山本 基, 小林 康人, 那須 亨, 寺澤 宏, 水本 有紀
    74 巻 (2013) 1 号 p. 124-128
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は26歳,女性.S状結腸癌のため2009年7月,S状結腸切除を施行したのち,化学療法中であったが,手術から16カ月後に肺転移および右卵巣転移・腹水貯留が出現した.症状緩和目的に右卵巣腫瘍摘出したが,その2カ月後,突然一過性の視野欠損や構音障害・日々変化する上下肢の疼痛などの神経症状が出現した.頭蓋内圧亢進症状および髄膜刺激症状は認めず,gadopentetate dimeglumine造影MRI(以下Gd-MRI)では脳表・軟膜に沿ったびまん性の異常増強効果を認めた.髄膜癌腫症と診断し,dexamethasoneおよびcapecitabineを投与したところ,神経症状は消失した.その後患者は3カ月症状の再燃なく生存した.大腸癌による髄膜癌腫症はまれであり,文献的考察を加えて報告した.
    抄録全体を表示
  • 山岸 庸太, 小森 徹也, 角田 直樹, 保里 恵一, 村元 雅之, 竹市 夢二
    74 巻 (2013) 1 号 p. 129-136
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は37歳の女性で,左側腹部の疼痛を主訴に当院を受診した.腹部CTにて,腹壁膿瘍とそれに連続した下行結腸に手拳大の腫瘤性病変を認め,下行結腸癌腹壁浸潤による腹壁膿瘍形成と診断し,同日,横行結腸双孔式人工肛門造設および腹壁膿瘍ドレナージを施行した.この時,膿と共に排出された組織片より中~高分化型腺癌が認められた.全身状態と炎症反応の改善後,Hartmann手術(D3),腹壁全層合併切除術を施行し,腫瘍を一塊に切除しえた.合併切除した約20×10cmの腹壁全層欠損部に対しては,広背筋皮弁を用いて再建した.病理組織学的検査では,下行結腸の中~高分化型腺癌,pSI,pN2,ly1,v0,RM0,fStage IIIb,癌組織は直接浸潤の形で腹壁骨格筋近縁まで認められた.腹壁欠損部に対して筋皮弁を用いた形成外科的な腹壁再建を施行することにより,腹壁膿瘍合併結腸癌の根治切除が可能になると考えられる.
    抄録全体を表示
  • 石川 文彦, 新田 宙, 釜田 茂幸, 山田 千寿, 伊藤 博, 諏訪 敏一
    74 巻 (2013) 1 号 p. 137-141
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は73歳,女性.S状結腸癌同時性多発肝肺転移にてS状結腸切除後,FOLFOX4 6コース,さらにbevacizumab併用し,計22コース施行した.途中9コース目にオキサリプラチンによるGrade2アレルギー反応が出現,以後オキサリプラチンのみ使用しなかった.病勢進行にてbevacizumab+FOLFORIに変更し,bevacizumab投与10日後,右下腹部痛を訴え急性虫垂炎の診断にて入院した.保存的治療開始したが軽快せず,緊急開腹手術を施行した.術中腹膜播種なく,大網に被覆された壊疽性虫垂炎を認め,虫垂切除,断端埋没した.術後14日間人工呼吸管理を要し,皮下膿瘍,腹壁膿瘍,腸液皮膚漏など様々な合併症を併発した.術後55日目FOLFIRI療法を再開できたが,bevacizumab投与中の緊急手術例は術後経過に十分注意する必要があると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 加藤 久仁之, 藤澤 健太郎, 玉澤 佳之, 御供 真吾, 佐瀬 正博, 若林 剛
    74 巻 (2013) 1 号 p. 142-145
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例はS状結腸癌の診断にて術前精査中の56歳の女性.突然の左下腹部痛と嘔吐を主訴に救急搬送された.腹部CT検査で逆行性の腸管陥入像をS状結腸に認めたため,S状結腸癌による逆行性腸重積症の診断で緊急手術を施行した.開腹すると腫瘍を先進部とし,S状結腸が逆行性に陥入していた.Hartmann手術を施行した.切除標本ではS状結腸に35×34mmの1型病変を認め,組織型は中分化型管状腺癌であった.逆行性腸重積症の発症機序は明らかではないが,有茎性/亜有茎性の腫瘍が移動することにより,腸管の逆蠕動運動が起こることが考えられている.自験例はS状結腸が長く腸管の固定もルーズであり,また頑固な便秘による腹圧上昇もその一因と考えられた.
    抄録全体を表示
  • 田村 温美, 志田 大, 高浜 佑己子, 松岡 勇二郎, 谷澤 徹, 宮本 幸雄
    74 巻 (2013) 1 号 p. 146-151
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    腸重積を発症する大腸癌の原発巣の占居部位としては,解剖学的に腸間膜を有するS状結腸および盲腸が大半であり,直腸は稀である.今回われわれは直腸癌による腸重積症を経験したので報告する.症例は,74歳女性.主訴は血便.近医での直腸診で腫瘤を指摘され紹介受診した.CT検査で,軸位断・冠状断でmultiple concentric ring sign,矢状断で直腸内に約4cmの腸管重積像を認めた.内視鏡検査と併せて,直腸癌による腸重積と術前診断した.腹痛や腹膜刺激症状がないことから待機的手術を行う方針として,2012年5月に低位前方切除術・D3リンパ節郭清および同時に右乳癌に対する乳房切除術を行った.術中所見では重積は自然に解除されていた.腫瘍は,Ra-RS,4/5全周性の2型で,径50×44mm,SS,N2(4/24),H0,P0,M0,fStage IIIbであった.周術期はERASで積極的な治療を行い術後5日目に退院した.
    抄録全体を表示
  • 若松 高太郎, 志田 大, 田川 京子, 谷澤 徹, 井下 聖司, 宮本 幸雄
    74 巻 (2013) 1 号 p. 152-157
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    成人発症のアナフィラクトイド紫斑は腫瘍随伴性デルマドロームの可能性が指摘されている.症例は65歳,女性.両下肢浮腫,腹痛,血尿を主訴に入院した.両下肢は浮腫状で非浸潤性紫斑が散在しており,皮膚生検でアナフィラクトイド紫斑と診断した.1日尿蛋白量1.9gと腎障害も呈していた.大腸内視鏡検査で,アナフィラクトイド紫斑に合併した直腸S状部癌と診断して,低位前方切除術を行った.病理結果は,SS,N(0/12),H0P0M0で,fStage IIであった.術後の腎生検で紫斑病性腎症と診断した.直腸癌切除後,発疹と腎症が著明に改善した経過から本症例のアナフィラクトイド紫斑はデルマドロームと考えられた.
    抄録全体を表示
  • 冨田 雅史, 西野 栄世, 松田 靖弘, 山口 智之, 片岡 直己, 坂本 一喜
    74 巻 (2013) 1 号 p. 158-162
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    患者は63歳,女性.排尿時不快感を主訴に泌尿器科を受診,腹部CTにて直腸に腫瘍指摘された.大腸内視鏡検査では,直腸Rb部歯状線にかかる位置で2型腫瘍が指摘され,生検で小細胞癌と診断された.PETCTでは直腸近傍の5cm大のリンパ節転移と左鼠径部の遠隔リンパ節転移が指摘された.術前に放射線療法として鼠径部を含めた骨盤部に加速分割照射40Gyを行い,また化学療法は肺小細胞癌に準じたCDDP/VPー16療法を1クール行った.腫瘍縮小効果が見られ腹会陰式直腸切断術を行ったが,術後の病理所見では小細胞癌の組織はみられず扁平上皮癌の組織像のみで放射線化学療法の効果は見られるものの腫瘍細胞残存がみられた.直腸小細胞癌が放射線化学療法後に組織型が変化した報告はまれであり,若干の文献的考察を加えてこれを報告する.
    抄録全体を表示
  • 加藤 順子, 長田 真二, 棚橋 利行, 今井 寿, 佐々木 義之, 吉田 和弘
    74 巻 (2013) 1 号 p. 163-167
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,男性.平成19年8月に直腸癌に対し3群リンパ節郭清・低位前方切除術を施行(tub1,pSE,pN0,ly1,v0,PM0,DM0,Stage II).平成23年1月の画像にて肝S4に限局した胆管拡張のみが出現し,同年4月の再評価で肝S4に造影効果の乏しい腫瘍を認め紹介.開腹所見では,腹膜播種やリンパ節転移,周辺脈管への侵襲を伴わず,術中迅速にて左肝管断端に悪性所見のないことを確認し左葉切除術を選択.切除標本上は胆管内腫瘍栓を主腫瘍とした転移性肝癌であった.画像所見の特徴および進展様式に関する文献的考察を加え報告する.
    抄録全体を表示
  • 岡田 一郎, 鈴木 宏幸, 長澤 伸介, 米山 さとみ, 石丸 正寛
    74 巻 (2013) 1 号 p. 168-172
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    【緒言】腹腔内遊離ガスを認める症例は,消化管穿孔によるものが大多数である.腹腔内遊離ガスの原因が胆嚢穿孔である症例を2例経験したので報告する.【症例1】94歳男性.腹痛にて当院救急搬送されCTにて腹腔内遊離ガスを認めたため,消化管穿孔と診断し,同日緊急手術を施行.消化管に穿孔部位はなく,胆嚢に穿孔部を認めた.【症例2】78歳男性.食欲低下および呼吸苦を主訴に前医入院.入院後検査のCTで腹腔内遊離ガスを認め消化管穿孔の診断で当院救急搬送され,同日緊急手術を施行.消化管に穿孔部位はなく,胆嚢に穿孔部を認めた.【考察】腹腔内遊離ガスを伴う胆嚢穿孔の症例を2例経験した.本邦には,腹腔内遊離ガスを認めた胆嚢穿孔の報告は2例であり,自験例を含め計4例と比較的稀な疾患である.【結語】腹腔内遊離ガスを認める症例の消化管穿孔以外に,鑑別診断として胆嚢穿孔を考慮する必要があると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 坪井 香保里, 北村 龍彦, 北川 尚史, 八木 健, 津田 昇一, 辻井 茂宏, 円山 英昭
    74 巻 (2013) 1 号 p. 173-178
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,男性.S状結腸癌イレウスに対して前方切除術および横行結腸人工肛門造設術を施行した.以後外来フォローしていたが経過良好で,人工肛門閉鎖術を予定した.術前の大腸内視鏡検査にて,肝弯曲部横行結腸に20mmの0-Isp病変を認めた.SM高度浸潤癌の疑いもあり,横行結腸人工肛門閉鎖に伴い,病変部を含めて横行結腸部分切除術を行った.術中所見では,0-Isp病変の存在する横行結腸肝弯曲部は肝臓と炎症性に高度の癒着を認めた.癒着を剥離すると胆汁が流出し,胆嚢管様管腔構造を認め,同部からの術中造影で胆嚢管であることを確認した.切除標本では,横行結腸肝弯曲の0-Isp病変部では大腸の陰窩上皮とは明らかに異なる管壁構造を認め,胆嚢との類似が確認され,同病変が胆嚢との瘻孔により形成された炎症性変化であったと判断した.
    無症候性に経過し,病理組織学的検査で明らかとなった胆嚢結腸瘻を経験したので報告する.
    抄録全体を表示
  • 辻 敏克, 芝原 一繁, 竹原 朗, 野崎 善成, 佐々木 正寿, 小西 孝司, 前田 宣延
    74 巻 (2013) 1 号 p. 179-184
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は79歳の男性で突然の心窩部痛で症状が改善しないため,当院に救急搬送された.心窩部~右季肋部に圧痛を認め,血液検査では,白血球の上昇,貧血および肝胆道系逸脱酵素の上昇を認めた.腹部単純CT検査で胆嚢の腫大,壁の肥厚および周囲の脂肪織濃度の上昇を認め,急性胆嚢炎と診断された.胆嚢の減圧目的に経皮経肝的胆嚢ドレナージが施行されたところ,血性排液を認めた.1週間後の造影CTにて胆嚢底部に造影効果のある腫瘤を認め,胆嚢癌が疑われた.以上より,腫瘍出血による胆嚢炎を合併した胆嚢癌と診断した.手術は拡大胆嚢摘出術を施行した.胆嚢内には凝血塊が充満しており,底部に25×25×12mmの隆起性腫瘍を認めた.病理組織学的診断では,乳頭浸潤型の乳頭腺癌で漿膜下浸潤を認めた.本症例は,腫瘍出血による凝血塊が原因として胆嚢炎を発症し,治癒切除が可能であった胆嚢癌の1例である.若干の文献的考察を加え,報告する.
    抄録全体を表示
  • 赤司 昌謙, 堀内 彦之, 川原 隆一, 中山 正道, 木下 壽文, 白水 和雄
    74 巻 (2013) 1 号 p. 185-189
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は74歳,女性.胆石症に対して1969年に胆嚢十二指腸吻合術を施行された.2006年,胆道系酵素の上昇を契機に胆石・総胆管結石を指摘され,内視鏡的に採石術が行われた.2010年12月のPET-CT,MRIにて胆嚢に腫瘍性病変を指摘され当院紹介となった.上部消化管内視鏡にて,十二指腸球部前壁に胆嚢十二指腸吻合部の開口部と胆嚢内の観察が可能であり,吻合部近傍胆嚢内に隆起性病変を認めた.生検でadenocarcinomaが検出された.2011年3月に全層胆嚢摘出術,瘻孔合併切除およびリンパ節郭清を施行した.胆嚢消化管瘻を有する症例は胆嚢癌発生の高危険群である可能性を念頭に置き,早期の外科的手術が望ましいと考えられた.
    抄録全体を表示
  • 下平 悠介, 塩崎 弘憲, 須藤 一起, 鈴木 高祐, 小野寺 久
    74 巻 (2013) 1 号 p. 190-195
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は79歳,男性.2011年2月に黄疸を指摘された.精査で行った上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部口側隆起の腫大を認め,同部位の生検でcarcinomaを検出した.下部胆管癌もしくは乳頭部癌の術前診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本で下部胆管原発の径15mmの結節浸潤型の腫瘍を認めた.腫瘍は病理組織学的検索にてsynaptophysin陽性,chromogranin A陽性であり,下部胆管原発内分泌細胞癌(endocrine cell carcinoma)と診断した.補助化学療法としてサンドスタチンを投与したが,肝再発を認め,術後7カ月で死亡した.胆管を原発とする内分泌細胞癌は非常に稀であり,切除例でも予後は不良で,確立された術後補助化学療法もない.今後,より一層の症例の集積が必要不可欠と考え,本症例を若干の文献的考察を加えて報告する.
    抄録全体を表示
  • 八木 雄史, 神保 充孝, 上杉 尚正, 斎藤 聰, 高橋 剛, 郷良 秀典
    74 巻 (2013) 1 号 p. 196-200
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of bile duct;以下,IPNBと略記)は比較的まれな胆管腫瘍で,近年世界的に認識されつつあるが,診断困難であった症例もしばしば報告されている.一般的にIPNBは胆管拡張を伴う症例がほとんどだが,今回われわれは画像上胆管拡張所見を伴わなかった,IPNB由来の粘液産生肝内胆管癌の1切除例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は56歳の男性で,健診の腹部超音波検査で肝S4の腫瘍を指摘された.CT,MRIでも診断困難であり経過観察されていたが,徐々に腫瘍の増大傾向を認めた.初診17カ月後のFDG-PETで腫瘍に一致した集積を認めた.肝悪性腫瘍の診断で拡大肝左葉切除術を施行した.病理組織学的にIPNB由来の粘液産生肝内胆管癌と診断された.
    抄録全体を表示
  • 枝川 真, 萱島 寛人, 吉住 朋晴, 池上 徹, 調 憲, 前原 喜彦
    74 巻 (2013) 1 号 p. 201-206
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は59歳,女性.近医にて肝腫瘍を指摘されて当院紹介となった.腹部造影CTにて肝外側区域を占める長径10cm大の分葉状腫瘤性病変を認め,肝内胆管癌と診断した.明らかなリンパ節転移は認めなかったものの,FDG-PETでは高集積(SUV max=15.30)を呈する腫瘍であり,悪性度の高い腫瘍と考えられた.同症例に対し,肝拡大外側区域切除術を行った.病理組織所見で低分化の胆管細胞癌と診断され,一部に肉腫様変化を伴っていた.免疫組織化学染色ではCK7陽性,VimentinおよびCK19陰性であった.Ki-67 Labelling Indexは28%と高値であり,細胞増殖能の亢進を反映していると考えられた.術後経過は良好で,GEMにより術後補助化学療法を施行し,術後1年現在,無再発生存中である.肉腫様変化を伴う肝内胆管癌は予後不良な疾患であり,FDG-PETでの集積との関連は報告されていない.今回,FDG-PETで高集積を呈した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
    抄録全体を表示
  • 上田 毅, 濵上 知宏, 松永 知之, 中村 誠一, 澤田 隆, 清水 哲
    74 巻 (2013) 1 号 p. 207-211
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は47歳,女性.圧痛を伴う上腹部の腫瘤を主訴に受診された.約12年前に検診にて指摘され経過観察中であった膵頭部多発嚢胞性病変が増大傾向にあり,膵酵素とトランスアミナーゼの上昇,軽度のビリルビン上昇を認めた.画像所見では膵頭部に隣り合う3個の類円形の嚢胞性病変を認めた.それぞれの嚢胞は隣接して存在するも相互交通はなく,主膵管との交通も否定的であった.また嚢胞内隔壁や壁内結節を認めなかった.嚢胞径はそれぞれ71mm,52mm,42mmで膨張性に発育し,主膵管と総胆管の圧排所見を認め,膵液と胆汁の流出障害が生じていると判断された.腫瘍性病変の可能性も否定できないことから膵頭部十二指腸切除が施行された.切除標本の病理検索では,嚢胞内面は異型の乏しい1層の立方上皮で覆われており,非腫瘍性の真性膵嚢胞と診断された.同疾患は膵嚢胞性腫瘍と鑑別を要する希少な疾患であると思われ報告する.
    抄録全体を表示
  • 基 俊介, 菰方 輝夫, 島元 裕一, 北薗 巌, 吉川 弘太, 井本 浩
    74 巻 (2013) 1 号 p. 212-216
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    胃十二指腸動脈瘤は腹部内臓動脈瘤の0.5%で,破裂の際には予後不良である.
    症例は61歳,男性.吐血で前医を受診し,腹部造影CT検査で胃十二指腸動脈瘤を指摘された.その後,出血性ショックに至り,胃十二指腸動脈瘤十二指腸穿破の診断で当科へ緊急搬送となった.来院時,Hb 6.1g/dlと高度貧血を認め,腹部造影CT検査では総肝動脈から分岐直後より55×45mm大の紡錘状の胃十二指腸動脈瘤を認めた.経カテーテル的血管塞栓術(Transcatheter arterial embolization:以下TAE)による止血は困難と判断し,緊急膵頭十二指腸切除術を施行した.術中に再出血で血圧低下をきたしたが,胃十二指腸動脈,下膵十二指腸動脈の根部処理で出血をコントロールできた.
    胃十二指腸動脈瘤のような症例の場合,TAEは第一選択であるが,開腹手術が必要性となることも念頭に置かなければならない.
    抄録全体を表示
  • 山口 貴之, 長谷川 洋, 坂本 英至, 小松 俊一郎, 法水 信治, 新宮 優二
    74 巻 (2013) 1 号 p. 217-221
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    鈍的外傷性脾損傷に対する治療法は,選択的経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:以下TAE)などの非手術療法が主流である.非手術療法の合併症としては,後出血,遅発性脾破裂などが知られているが,今回鈍的外傷性脾損傷に対しTAE施行後経過観察中に脾動静脈瘻を併発し,再度TAEを施行し治療した症例を経験したので報告する.症例は43歳,女性.2011年9月自動車事故で左側胸部を打撲し当院に搬送された.腹部造影CTにて脾損傷,腹腔内出血を認め,腹部血管造影を施行し,脾動脈下極枝をマイクロコイルで塞栓した.第8病日の腹部CTで仮性動脈瘤を2カ所認めたが,自然消失を期待し経過観察とした.第15病日に施行した3D-CTで,一方の仮性動脈瘤は消失したが,もう一方は残存し脾動静脈瘻と診断した.再度TAEを施行し,経過良好で第20病日軽快退院した.
    抄録全体を表示
  • 竹山 治, 韓 秀炫, 田中 満
    74 巻 (2013) 1 号 p. 222-225
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は87歳,男性.腹痛,腹部膨満のため当院に救急搬送された.入院時の腹部CTにて小腸間膜内のガス像,5時間後のCT再検にて肝内門脈ガス像を認めた.造影CTでは腸間膜動脈の主要分枝に閉塞は見られなかったが,臨床所見の改善傾向が見られないため小腸虚血性病変の疑いで開腹手術を施行した.回腸の約30cmの範囲に虚血性変化を認めたが壊死には至っておらず,この部分を切除,吻合した.病理組織は急性虚血性病変の所見を認め,非閉塞性腸間膜虚血症(NOMI)と考えられた.高齢者の門脈ガスを伴う予後不良のNOMIであったが,早期の手術により術後経過は良好であった.
    抄録全体を表示
  • 小南 裕明, 川崎 健太郎, 田中 賢一, 押切 太郎, 藤野 泰宏, 富永 正寛
    74 巻 (2013) 1 号 p. 226-232
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は68歳女性で下腹部膨満感を主訴に近医を受診し下腹部腫瘤を指摘された.卵巣悪性腫瘍疑いで婦人科において開腹手術が行われたが術中所見で上行結腸間膜内に成人頭大の腫瘍が確認できた.腫瘍は周囲組織と強固に癒着していたため慎重に剥離を進め右半結腸とともに摘出した.摘出標本の免疫染色でAE1/3(-),EMA(-),αSMA(-),desmin(+),HHF35(+),caldesmon(+),s-100(-),CD34(-),c-kit(-),vimentin(-)であったため平滑筋肉腫と診断され,腸管筋層とは非連続性であったことから上腸間膜静脈またはその分枝から発生したと考えられた.1998年以降で結腸間膜に発生した平滑筋肉腫の報告は過去に11例で上行結腸間膜に発生したのは3例のみだった.また病理学的検索から腸間膜内を走行する血管平滑筋由来であることが確認できたのは自験例が初めてだった.
    抄録全体を表示
  • 網木 学, 河野 至明, 三鍋 俊春, 小池 太郎, 本田 宏
    74 巻 (2013) 1 号 p. 233-237
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は61歳の女性で,2005年膵内分泌腫瘍に対して膵頭十二指腸切除術を施行,2008年腹壁瘢痕ヘルニアを発症し,他院でComposix Kugel Patch(以下CKPと略記)Sサイズによるヘルニア修復術を行った.2009年腹壁瘢痕ヘルニアの再発あり,前回のメッシュを除去してCKP Lサイズによるヘルニア修復術を行った.術後経過は良好であったが,2011年腹部の発赤・腫脹が出現し当院を受診した.腹部CTで皮下に膿瘍と思われる低吸収域を認め,メッシュ感染と診断した.切開排膿手術を施行,合わせて同部の洗浄,抗生剤投与を行った.しかし,5カ月を経過しても感染が遷延するため,形成外科医の協力のもと,メッシュ除去術と大腿筋膜移植による修復術を行った.術後9カ月現在,ヘルニアの再発はなく,局所の感染も認めていない.
    抄録全体を表示
  • 浅沼 和樹, 吉田 信, 高梨 節二, 樫山 基矢, 石後岡 正弘, 河島 秀昭
    74 巻 (2013) 1 号 p. 238-242
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は52歳,男性.腹痛と腹部膨満感が出現し近医を受診.腹部レントゲンで小腸ニボーを認め,イレウスの診断で入院加療を行ったが改善せず,造影CTを施行したところ小腸腫瘍が疑われた.イレウス管挿入で腸閉塞症状は改善したが,イレウス管造影で骨盤内に小腸の狭窄像を認め,小腸腫瘍によるイレウスの診断で手術目的で当院紹介となった.腹腔鏡下に手術施行したところ,腫瘍性病変は認めず,回腸末端から2m程度口側で小腸の一部が膀胱上窩に嵌頓している所見を認めた.手術は嵌頓した小腸を剥離しヘルニア門の縫合閉鎖を行った.術中所見から,内膀胱上窩ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断した.内膀胱上窩ヘルニアは非常にまれな疾患であり,術前診断は非常に困難である.本症例も術前に正診には至らなかった.原因不明のイレウスで発症した症例では,本症の存在も念頭に置くべきであると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 小林 実, 高橋 道長, 佐藤 俊, 上野 達也, 赤田 昌紀, 内藤 広郎
    74 巻 (2013) 1 号 p. 243-247
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,男性.2011年9月に左鼠径部の腫脹と疼痛を訴え当院に救急搬送.左鼠径部には発赤・疼痛を伴う新生児頭大の膨隆あり.採血検査で高度の炎症所見および腹部CTでS状結腸の左鼠径ヘルニア嵌頓と鼠径部皮下に腸管穿孔を示す画像所見を認め,同日緊急手術を施行.鼠径部を切開すると,皮下に多量の便汁漏出がみられ,鼠径管を構成する筋膜は広範に壊死していた.下腹部正中切開を追加し,穿孔部を含んだS状結腸を部分切除した後,下行結腸S状結腸端側吻合を施行.術中迅速診断によりS状結腸癌穿孔と判明.鼠径管後壁の補強は行わずに創は開放したまま皮下ドレーンを4本留置し手術終了.術後は創感染を併発したが,術後47病日に退院.外来でホリナート・テガフール・ウラシル療法を継続中である.鼠径ヘルニア嵌頓に伴う大腸穿孔では,大腸癌を伴う可能性を念頭に置き,適切な腸管切除とドレナージを行うことが重要と考えられた.
    抄録全体を表示
  • 松本 泰典, 丸山 尚嗣, 茂木 健司
    74 巻 (2013) 1 号 p. 248-252
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    腹部消化器悪性腫瘍と腹部大動脈瘤の合併は臨床上しばしば経験し,その際どちらかの治療を優先する二期的手術か,または一期的手術を施行するかの判断に苦慮することが多い.今回われわれは,下部胆管癌と腹部大動脈瘤,虚血性心疾患の合併例に対し二期的手術を施行しえた症例を経験したので報告する.症例は69歳男性,健診で肝機能異常を指摘され近医で腹部超音波検査を施行し,閉塞性黄疸と腹部大動脈瘤の診断で紹介となった.精査で下部胆管癌および最大径77mmの腹部大動脈瘤,虚血性心疾患の合併と診断し,人工血管置換術および冠動脈バイパス術を施行後38日で膵頭十二指腸切除術を施行した.術後6カ月で人工血管感染をきたしたが保存的治療により改善し,現在術後17カ月生存中である.両疾患の合併症例では手術侵襲とリスクを考慮の上,二期的手術も選択肢となりうると考えた.
    抄録全体を表示
会報
編集後記
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top