日本臨床外科学会雑誌
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74 巻 , 4 号
選択された号の論文の52件中1~50を表示しています
原著
  • 柏木 伸一郎, 浅野 有香, 渡邊 真央, 森崎 珠実, 青松 直撥, 川尻 成美, 池田 克実, 高島 勉, 小川 佳成, 小野田 尚佳, ...
    74 巻 (2013) 4 号 p. 861-867
    公開日: 2013/10/25
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    目的:乳腺粘液癌は,浸潤性乳管癌の成分を含む混合型と含まない純型に分けられる.純型は,hypocellularな純型type Aとhypercellularな純型type Bに細分類される.治療は“予後良好な組織型”として画一的に扱われているが,今回われわれは細分類による個別化した治療戦略が可能かどうかの検討を行った.方法:初発乳癌1,041例,粘液癌と診断されたのは42例であり,細分類を行い比較検討した.結果:粘液癌は42例(4.0%),そのうち混合型は15例,純型type Aは17例,純型type Bは10例であった.また術後再発では,混合型,純型type B,純型type Aの順で有意に再発が多く認められた.結論:粘液癌はNCCNガイドラインにおいても“予後良好な組織型に対する治療”が推奨されているが,本検討からは細分類による個別化した治療戦略を考慮すべきであることが示唆された.
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臨床経験
  • 六反田 奈和, 堀口 淳, 高他 大輔, 佐藤 亜矢子, 小山 徹也, 竹吉 泉
    74 巻 (2013) 4 号 p. 868-873
    公開日: 2013/10/25
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    はじめに:管状癌は特殊型に分類される比較的稀な腫瘍であり,マンモグラフィ(MG)検診の普及とともに増加する可能性が高い.対象と方法:1997-2011年に教室で経験した管状癌8例を対象とし,臨床病理学的に検討した.結果:年齢は平均62歳.MGでは7例(88%)がspiculaを伴う腫瘤陰影またはdistortionを認め,超音波所見では7例(88%)で不整形低エコー腫瘤を認めた.術式は乳房切除術1例,乳房温存術7例.病理所見で平均腫瘍径1.1cm,センチネルリンパ節生検または腋窩郭清を施行した5例は全例リンパ節転移陰性,ERは全例陽性であった.他病死した1例を除き全例健存している.結語:管状癌は高分化の管腔形成性浸潤癌で予後良好であり,MGで小さなspiculaとして描出されることが多いが,増殖が緩徐で豊富な線維性間質を伴う管状癌の性質を表していると思われた.
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  • 岡本 浩一, 二宮 致, 丸銭 祥吾, 牧野 勇, 藤村 隆, 太田 哲生
    74 巻 (2013) 4 号 p. 874-879
    公開日: 2013/10/25
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    食道癌手術後の頻脈性不整脈は,鏡視下手術を導入してなお,高率な発生率と術後経過に及ぼす影響の重大さから軽視できない合併症である.鏡視下食道癌手術後の術後頻脈性不整脈に対して短時間作用型β1選択的遮断薬であるランジオロールを使用した28例におけるバイタルサインと術後合併症,術後在院日数を後方視的に検討した.ランジオロール投与により開始1時間後には平均143.1/分から117.5/分へと有意に脈拍数の低下を認めた.投与開始後,平均9.1時間で速やかに洞調律に復帰した.投与による血圧低下や呼吸状態の悪化は認めなかった.術後合併症発生は57.1%,術後在院日数は平均50日で,頻脈を発症しなかった症例と比較して有意差を認めなかった.結語:鏡視下食道切除術後の頻脈性不整脈において,ランジオロールは,安全性・簡便性・調節性に優れ,有用な薬剤であると考えられた.
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  • 本城 弘貴, 草薙 洋, 杉本 卓哉, 太田 智之, 加納 宣康
    74 巻 (2013) 4 号 p. 880-884
    公開日: 2013/10/25
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    胃の神経内分泌腫瘍は胃悪性腫瘍全体の約0.6%と比較的まれな疾患であり,分類や病態・治療に関してまだ確立されていない部分も多い.今回,当院にて1994年1月から2011年12月までに手術した胃癌2,094例のうち病理組織学的に胃神経内分泌腫瘍と判明した18例に関して臨床病理学的検討を行った.2010年のWHO分類ではneuroendocrine tumor G1 1例,neuroendocrine tumor G2 3例,neuroendocrine carcinoma 13例,mixed adenoneuroendocrine carcinoma 1例であった.Neuroendocrine carcinomaは悪性度が高く予後不良であるとされているが,比較的早期の段階で手術を行えば長期生存も可能と考えられた.また非切除例でも化学療法により15カ月生存した症例を認めており,化学療法の有用性も期待できると思われた.
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症例
  • 宮部 理香, 雑賀 三緒, 白石 好, 森 俊治, 磯部 潔, 笠原 正男, 田代 和弘
    74 巻 (2013) 4 号 p. 885-889
    公開日: 2013/10/25
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    症例は59歳,男性.右乳房に腫瘤を認め,徐々に増大傾向あり近医受診,切除生検にて神経内分泌癌の診断に至り,加療目的に当院初回受診,右胸筋温存乳房切除術+センチネルリンパ節生検を施行した.術中迅速にてセンチネルリンパ節に転移を認め,腋窩リンパ節郭清を追加で行った.切除標本の病理診断で約1cmの癌の遺残あり,免疫染色にてChromogranin,Synaptophysin陽性であり,神経内分泌癌と診断された.リンパ節転移は2個認められ,またホルモン感受性陽性,HER2陰性,Ki-67 10%の結果であった.術後補助化学療法としてFEC100 4クール施行後,ドセタキセル 4クール施行,現在タモキシフェン内服中である.
    男性乳癌は全乳癌の0.5~1%程度の比較的稀な疾患であり,さらに神経内分泌癌は極めて稀である.治療方針も一定の見解が示されておらず,今後症例の蓄積と検討が必要である.
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  • 渡部 英, 佐藤 雅彦, 根上 直樹, 石戸 保典, 齋藤 徹也, 山田 正樹, 佐藤 英章, 伴 慎一
    74 巻 (2013) 4 号 p. 890-895
    公開日: 2013/10/25
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    症例は47歳の女性,急性腹症で来院.腹部全体の筋性防御と圧痛の所見があり,CTで多量の腹水を認めた.汎発性腹膜炎を疑い,緊急開腹手術を施行した.開腹の結果,消化管穿孔の部位はなく,黄色清の腹水を認め,腹腔内全体に白色の硬い小結節が散在していた.手術は試験開腹術に終わった.手術時に摘出した結節と腹水から低分化型腺癌を認め,原発部位不明の癌性腹膜炎と診断した.腹膜播種結節を免疫染色した結果,病理学的に乳癌由来の組織像と診断した.両側乳房に腫瘤は触知しなかったが,CTで左乳腺に淡い陰影像があり,同部位を穿刺した結果,病理学的に腹膜播種と同様の低分化型腺癌を認め,原発部位は乳癌であることが判明した.
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  • 松本 三明, 久保 陽司, 鳴坂 徹, 橋本 将志
    74 巻 (2013) 4 号 p. 896-899
    公開日: 2013/10/25
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    症例は48歳,男性.左季肋部不快感を訴え来院した.CT検査にて,左腎動脈末梢側分岐部に2.8 cmの動脈瘤を認めたため,手術を行った.正中開腹でアプローチし左腎を可能な限り正中側へ脱転し,腎動脈腹側枝2本と,背側枝1本をそれぞれ大伏在静脈(SVG)2本で再建した.腎保護は氷片による表面冷却と腎保護液(4℃乳酸リンゲル液500mLにヘパリン2ml,メチルプレドニゾロン125mg混注)250mlを最初は動脈瘤から,瘤切開後は30分毎に100mLずつそれぞれ分枝から,そして再建後はSVGから注入し,腎静脈から排出した.腎冷阻血時間は230分であった.推算糸球体濾過量(eGFR)は一時的に低下したが,徐々に改善し6カ月後には術前と同じ値に回復した.末梢側に発生する腎動脈瘤は再建が複雑で困難なことが多く様々な方法が報告されており,術前の詳細な検討が重要である.
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  • 新井 周華, 小田 健司, 布村 正夫, 安藤 克彦, 塩原 正之, 窪澤 仁
    74 巻 (2013) 4 号 p. 900-905
    公開日: 2013/10/25
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    Oxaliplatin,5-FU,Leucovorin(FOLFOX)療法の副作用として呼吸器症状の報告は非常に少ない.今回FOLFOX療法施行中に間質性肺炎を発症した1例を経験した.症例は73歳,男性.多発性転移性肝癌を併発した直腸癌に対して高位前方切除術を施行後,FOLFOX療法を開始した.14回目を施行中に呼吸困難,発汗と血圧低下を認めたため化学療法中止とステロイド投与により症状改善し退院となった.退院後4日目より自宅にて悪寒出現,退院後7日目に当院外科外来受診した.胸部CT検査にて両肺野にすりガラス様陰影と血清KL-6上昇を認めたため,薬剤性間質性肺炎と診断した.高濃度酸素療法を施行し経過観察し症状改善が得られた.
    FOLFOXによる間質性肺炎の発生頻度は低いものの重篤化する場合もあり注意が必要であり胸部X線写真の定期的施行や初期症状を見逃さないことが重要と考えられた.
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  • 河岡 徹, 桑原 太一, 金子 唯, 原田 俊夫, 平木 桜夫, 福田 進太郎
    74 巻 (2013) 4 号 p. 906-911
    公開日: 2013/10/25
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    症例は76歳,男性.主訴は心窩部から右季肋部にかけての疼痛.多発性肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術(以下,RFA)を計5回受けていた.来院時のCTでは右横隔膜の欠損と右胸腔内への横行結腸の脱出を認めた.肝右葉は肝硬変により著明に萎縮していた.横隔膜ヘルニア嵌頓と診断したが,疼痛は翌日には消失し,腸管虚血・閉塞症状も認めなかったため,待機的に鏡視下手術を行った.ヘルニア門は6×3.5cm大で,横行結腸の嵌頓はすでに解除されていた.ヘルニア門を縫縮後,Composite Meshで腹腔側から補強した.RFA後の遅発性合併症である横隔膜ヘルニアは本邦で14例の報告しかなく,その中でも鏡視下に整復した症例は本例が初めてである.背景に高度の肝硬変・肝萎縮を伴っているADL低下症例が多いため,嵌頓が容易に解除される症例などに限定すれば,低侵襲である鏡視下ヘルニア修復術も検討するべきである.
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  • 西 明, 黒岩 実, 鈴木 則夫
    74 巻 (2013) 4 号 p. 912-916
    公開日: 2013/10/25
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    症例は精神運動発達遅滞を有する5p-症候群の27歳男性.20歳頃から固形物摂取が困難となり,27歳時にコーヒー残渣様嘔吐と貧血が出現し当科紹介.食道裂孔ヘルニア,高度食道狭窄の診断で,噴門形成,胃瘻造設を施行.術後1カ月で食道ブジーを行ったが,狭窄は治療抵抗性であり,4回目のブジー時に食道気管支瘻が判明し保存的治療施行.一時瘻孔が閉鎖したが経過中に瘻孔再発し手術(中下部食道切除,瘻閉鎖,食道胃接合部閉鎖,Roux-en-Y脚を挙上し口側食道空腸吻合)を施行した.胃をリザーバーとして用いるtotal gastroesophageal dissociation での再建となった.術後はすぐに胃瘻使用が可能であり栄養管理容易で経過良好であった.逆流性食道炎による著明な食道狭窄は治療に難渋することが多い.各症例のQOLや病態を考慮した治療戦略を練ることが重要である.
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  • 民井 智, 齊藤 正昭, 高田 理, 清崎 浩一, 蛭田 昌宏, 力山 敏樹
    74 巻 (2013) 4 号 p. 917-920
    公開日: 2013/10/25
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    症例は81歳,男性.左主気管支への浸潤を有するStage IVa胸部上中部食道癌との診断で当センター入院となった.放射線化学療法(5-FU 700mg/m2,CDDP 70mg/m2,RT 60Gy)を導入したところ,3コース目終了後に突然の腹痛を訴え緊急入院となった.緊急入院時の腹部CT検査で,下行結腸の壁肥厚とfree air,腹水貯留を認めたため,消化管穿孔との診断で同日緊急手術を施行した.開腹所見では下行結腸脾弯曲寄りに約25mm大の穿孔を認めた.穿孔部を含めた結腸部分切除術,横行結腸人工肛門造設術,下行結腸粘液瘻造設術,腹腔内ドレナージ術を施行した.術後経過は良好で第23病日に退院となった.
    食道癌に対する5-FU/CDDP療法中の下痢や腹痛などの腸管粘膜障害はしばしば散見されるが,大腸穿孔は非常に稀と考えられ,文献的考察を加えて報告する.
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  • 諏訪 雄亮, 菅江 貞亨, 長田 俊一, 長谷川 誠司, 小尾 芳郎, 阿部 哲夫
    74 巻 (2013) 4 号 p. 921-924
    公開日: 2013/10/25
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    症例は56歳,男性.自殺目的で強酸性洗剤を服用し,当院に救急搬送された.保存的治療中に胃穿孔を認めたが軽快し,経口摂取可能となり,酸性洗剤服用後第56病日に退院した.退院64日後,頻回の嘔吐で再入院した.胃体中部から幽門部にかけて腐食性瘢痕狭窄を認めた.内視鏡的バルーン拡張術を約半年間,合計13回施行したが,再狭窄を繰り返すため,初発から306日後に手術を施行した.膵臓,脾臓との癒着が高度で瘢痕狭窄部の切除は困難であったため,壁の伸展が良好であった胃体上部と空腸のバイパス手術を行った.術後経過は良好で常食摂取可能となり術後第14病日に退院した.酸性物質による腐食性瘢痕狭窄を認めた場合,内視鏡的拡張術では改善することが困難であることが多く,早期に外科的治療を選択すべきと考えられた.
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  • 三好 永展, 丹野 弘晃, 向田 和明, 安西 良一, 遠藤 公人
    74 巻 (2013) 4 号 p. 925-930
    公開日: 2013/10/25
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    症例は54歳の男性で,胃体上部早期胃癌に対し胃全摘,Roux-en-Y再建術を施行した.術後4カ月目に間歇的な上腹部激痛を主訴に来院した.触診で著明な上腹部圧痛と腹膜刺激症候を認め,血液検査で肝胆道系酵素と膵酵素が著明に上昇していた.腹部X線検査ではniveau像を認めなかったが,腹部造影CT検査で輸入脚の捻転と絞扼を認めたため緊急手術を施行した.術中所見ではTreitz靱帯からY吻合部までの空腸が腸間膜を軸に時計回りに180度捻転していた.捻転解除後,速やかに虚血腸管の色調は回復したため輸入脚を後腹膜に固定して手術を終了した.
    Roux-en-Y再建後の輸入脚絞扼性イレウスは輸入脚が著明に拡張しても,嘔吐などの腸閉塞症状を欠き,腹部X線写真で無ガス性腸閉塞を示すため診断が困難である.腹部造影MDCT検査が診断に有用であった.
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  • 豊川 貴弘, 寺岡 均, 北山 紀州, 埜村 真也, 金原 功, 西野 裕二
    74 巻 (2013) 4 号 p. 931-935
    公開日: 2013/10/25
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    症例は78歳の女性で,嘔吐・腹痛を主訴に当科受診となった.腹部CTでupside down stomachを呈する巨大食道裂孔ヘルニアを認め,上部消化管内視鏡検査で食道胃接合部に潰瘍性病変を認め生検で中分化型腺癌と診断された.以上より,巨大食道裂孔ヘルニアに併存した早期胃癌と診断し,腹腔鏡補助下胃全摘術,食道裂孔ヘルニア修復術を施行した.最終診断はtype 0-IIc,T1bN0M0,Stage IAで癌遺残度はR0であった.術後合併症は認めず,術後18日目に転科となった.
    Upside down stomachと胃癌の合併例は非常にまれで,鏡視下手術が施行された報告例は本邦1例目である.
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  • 渡邊 貴洋, 大端 考, 佐藤 真輔, 京田 有介, 高木 正和, 伊関 丈治
    74 巻 (2013) 4 号 p. 936-941
    公開日: 2013/10/25
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    症例は39歳の女性で,2011年7月貧血(Hb 4.9g/dL)と黒色便を認め近医に入院となり,上部消化管出血が疑われ当院に紹介され転院となった.腹部CT,小腸造影検査,小腸内視鏡検査にて十二指腸腫瘍による消化管出血・腸重積と診断した.腹痛や腸閉塞症状はなく,開腹下での待機的手術加療とした.術中上部消化管内視鏡を併用し,十二指腸壁を切開し腫瘍を直視下に確認したところ,腫瘍は70mm大で十二指腸球部に基部をもつ有茎性腫瘍であった.術中迅速病理組織学的検査所見でinflammatory fibroid polyp(以下IFP)と診断し十二指腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査所見では,異型性に乏しい紡錘形細胞の増生巣,慢性炎症像を認め,十二指腸IFPと診断された.比較的まれな十二指腸IFPの1切除例を経験したため,文献的考察を含め報告する.
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  • 中村 雅憲, 山田 靖哉, 天野 良亮, 木村 健二郎, 平川 弘聖
    74 巻 (2013) 4 号 p. 942-946
    公開日: 2013/10/25
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    神経線維腫症1型(以下NF1)の42歳男性.平成22年3月,黒色便にて近医受診.上部消化管内視鏡にて十二指腸に腫瘍を認め,当院紹介.腹部CTにて十二指腸下行脚~水平脚に50×50×25mmの腫瘤を認めた.上部消化管内視鏡・EUSで十二指腸下行脚Vater乳頭近傍に中心陥凹伴う21×16mmの粘膜下腫瘍を認め,生検では神経内分泌腫瘍(以下NET)であった.水平脚にも51×31mmの粘膜下腫瘍を認めた.5月に膵頭十二指腸切除術を施行.病理結果はNETとgastrointestinal stromal tumor (以下GIST)であった.術後経過は良好で術後19日目に退院し,現在まで2年8カ月再発を認めていない.NETやGISTが合併したNF1は近年比較的報告されているが,重複症例の報告は少ない.NF1に合併したNETとGISTについて,若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 廣方 玄太郎, 阿部 厚憲, 水上 達三, 松澤 文彦, 濱口 純, 及能 健一
    74 巻 (2013) 4 号 p. 947-951
    公開日: 2013/10/25
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    背景:成人性腸重積は全腸重積の中で5%と頻度は低いが,小児と異なり悪性腫瘍を始めとした基質的疾患が原因であることが多い.乳腺間質肉腫はまれな疾患であり,血行性に肺や肝臓に転移する傾向を認めるが小腸に転移するのはまれである.症例:55歳女性.増大する乳腺腫瘍を認め,左乳房切除を行ったところ間質肉腫の診断であった.6カ月後に腹痛を主訴に受診.イレウスの診断で入院し精査を行ったところ,CTにてtarget signと同部位に腫瘍を認め,その腫瘍を先進部とした腸重積と診断し開腹手術を行った.Treitz靱帯より30cmの空腸に腸重積を認め徒手にて先進部となった小腸腫瘍とともに整復し,腫瘍は小腸部分切除を行い摘出した.他の部位に明らかな腫瘍は認めなかった.病理所見は原発巣である乳腺間質肉腫由来の転移性小腸腫瘍であった.
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  • 高井 昭洋, 串畑 史樹, 藤山 泰二, 竹林 孝晃, 高田 泰次
    74 巻 (2013) 4 号 p. 952-957
    公開日: 2013/10/25
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    症例は23歳,女性.主訴は腹痛.平成24年7月近医での腹部造影CT検査で,肝十二指腸間膜と空腸間膜に石灰化を伴う腫瘤性病変を指摘され,精査目的で当科紹介受診した.血液検査でクオンティフェロン検査が陽性であった.確定診断のために,単孔式腹腔鏡下生検を施行した.手術では,腫瘤と近傍小腸との癒着剥離後,臍部で直視下に生検組織を採取し,その後,腫瘤壁を腹腔鏡下に縫合閉鎖した.術後,手術時採取検体の検鏡でガフキー1号,結核PCR陽性,そして病理検査で乾酪性肉芽腫と診断され,腸間膜リンパ節結核と診断した.本疾患は,術前診断が困難で,一般に腫瘤も大きく,これまで開腹手術が行われてきた.今回われわれは,単孔式腹腔鏡下生検で確定診断を得た症例を経験したので報告した.本疾患では,リンパ節の全摘出が困難な場合,生検部位として乾酪壊死層までの腫瘤壁の楔状切除と結核菌播種の予防のために欠損部位の縫合閉鎖が必要となる.
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  • 片山 知也, 水上 達三, 廣方 玄太郎, 蔵貫 勝志, 阿部 厚憲, 及能 健一
    74 巻 (2013) 4 号 p. 958-961
    公開日: 2013/10/25
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    症例は13歳,男性.嘔吐・腹痛を主訴に近医を受診したが症状の改善なく経過.その後,大量の鮮血便がみられたため当院小児科を受診.出血性腸炎と診断され保存的治療を受けていたが,圧痛が腹部全体に拡がってきたため外科紹介となった.即日,急性腹症と診断し腹腔鏡検査を行ったところ,上部空腸に出血性病変が認められ,小開腹のうえ小腸部分切除術を行った.切除標本では多発性潰瘍が認められ,病理組織所見からアレルギー性紫斑病に続発した小腸潰瘍と診断された.本疾患は一般に予後良好とされるが,時として小腸潰瘍を合併し多量出血をきたす可能性がある.よって出血部位の早期診断と治療が必要であると考えられた.
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  • 三野 和宏, 片山 知也, 今 裕史, 岩崎 沙理, 鈴木 昭, 小池 雅彦
    74 巻 (2013) 4 号 p. 962-967
    公開日: 2013/10/25
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    症例は53歳の女性で,胃粘膜下腫瘍に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除を施行し,胃異所性膵の診断であった.術後3カ月目に腹部全体の鈍痛が出現したためCT検査を行ったところ,腹腔内に膿瘍様の腫瘤が認められた.抗菌薬内服で経過観察としたところ腫瘤は縮小し,腹痛も軽快した.腫瘤は移動性であり,腸間膜病変が疑われた.抗菌薬中止後も腫瘤は縮小を続けたが,初回CTから6カ月目のCTにて新たに傍大動脈リンパ節腫大が出現した.悪性リンパ腫を念頭に置き,開腹生検を施行した.移動性の病変は腫大した腸間膜リンパ節であった.病理組織学的検査結果所見は,腸間膜リンパ節,傍大動脈リンパ節ともにdiffuse large B-cell lymphomaであった.術後10カ月現在,R-CHOP療法8コース施行し完全寛解を維持している.CT所見と経過から,術後膿瘍との鑑別に苦慮した症例であった.
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  • 宇田 征史, 吉岡 貴裕, 伏見 卓郎, 佐々木 洸太, 松本 朝子, 村田 年弘, 松川 昭博
    74 巻 (2013) 4 号 p. 968-972
    公開日: 2013/10/25
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    症例は80歳,男性.直腸S状部癌の精査目的CT検査,MRI検査にて回腸腸間膜に長径12cmの一部に石灰化を伴い造影効果のある充実性成分を伴う嚢胞性腫瘤を認めた.小腸腸間膜嚢胞腺癌,重複腸管,変性したGIST等を鑑別診断とし手術を行った.腫瘤は回腸末端から40から50cmの腸間膜に位置し浸潤傾向はなく腸管切除することなく核出術にて完全切除を行えた.摘出した腫瘤は13×6×5cm,256gで病理検査にて充実性腫瘤部に癌細胞を認め他部位の嚢胞壁には正常の円柱上皮,高円柱状異型細胞への移行像を認め嚢胞腺癌と診断された.腸間膜嚢胞に発生する腸間膜嚢胞腺癌は極めてまれな疾患であるが,今回われわれは直腸S状部癌の術前精査にて偶然発見された小腸腸間膜嚢胞腺癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 谷脇 聡, 柴田 康行, 友田 佳介, 越智 靖夫, 齊藤 健太, 前田 祐三
    74 巻 (2013) 4 号 p. 973-976
    公開日: 2013/10/25
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    結腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻は,本邦ではまれだが,増加傾向にある疾患である.われわれは,本疾患に対し腹腔鏡下S状結腸切除術を施行し,良好な経過で治癒した症例を経験したので報告する.症例は44歳,男性.気尿,糞尿で近医より当院を紹介された.注腸造影で憩室と炎症により狭窄したS状結腸が見られた.CT,MRIでは膀胱内の空気と,結腸憩室が膀胱と癒着している所見があり,瘻孔も認めた.悪性所見は見られず,憩室炎によるS状結腸膀胱瘻と診断した.腹腔鏡下S状結腸切除を行ったが,この際,尿管等を十分に確認,温存し,瘻孔部で膀胱と強固に癒着したS状結腸を剥離した.膀胱はインジゴカルミンを混ぜた生食をみたし,漏れのないことを確認したうえで,留置カテーテルを6日間留置したのみで手術的処置は行わなかった.本疾患における腹腔鏡下手術は,患者に対する負担も軽く,早期の社会復帰が可能な有用な手段と考えられた.
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  • 畠 達夫, 坂田 直昭, 海野 倫明
    74 巻 (2013) 4 号 p. 977-981
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は39歳,女性.腹痛を主訴に前医を受診した.CT検査では上行結腸の腸間膜側に管腔内外へ突出する最大径88mmの嚢腫様病変を認めたが,嚢腫は自然縮小し腹部症状も消失したため,経過観察の方針となり当科紹介となった.病変縮小時は上行結腸内腔に突出する所見は消失し,注腸造影検査では腸間膜側に壁外突出する憩室様の壁変形を認めた.初発症状の2年後,腹痛が出現したため再度精査したところ,病変の増大を認め,上行結腸内腔は高度に圧排されていた.腹痛の増大,再燃の可能性もあり回盲部切除術を施行した.病理組織検査では嚢腫様病変の内腔は結腸粘膜上皮に覆われ,平滑筋層を伴っており,正常腸管内腔との交通は認めないことから,球状型・非交通性の結腸重複症と診断した.術前診断の困難な非交通性の結腸重複症の画像診断において,本症例が示した特徴的な画像所見は術前診断に有用と考えられる.
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  • 大川 尚臣, 金川 泰一朗, 小畑 卓司, 野上 浩實
    74 巻 (2013) 4 号 p. 982-988
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,男性.1週間前より1日10行以上の下痢と食欲不振を主訴に来院した.顕著な脱水と電解質異常(低Na,K,Cl血症),それに伴う腎機能障害を認め入院となった.補液による脱水の補正を試みたが,けいれん発作,意識障害および高CPK血症をきたし,急性腎不全へ進行したため血液透析を行った.全身状態は次第に改善したが,粘液下痢が1日6~8回持続していた.大腸内視鏡検査で肛門縁から1~10cmの直腸に大量の粘液と全周性の絨毛腫瘍を認めた.大腸絨毛腫瘍が粘液を大量に分泌し,脱水や電解質異常をきたす稀な病態であるMcKittrick Wheelock syndrome(以下MWS)が知られており,この症例もMWSと診断し,手術を施行した.術後は速やかに症状改善し,約1年3カ月無再発生存中である.自験例は電解質異常と高CPK血症を伴い,透析を要した稀な症例であるので文献的考察を加え報告する.
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  • 三上 和久, 古田 浩之, 中村 崇, 袖本 幸男
    74 巻 (2013) 4 号 p. 989-993
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,男性.3日前からの腹痛,嘔吐にて受診.腹部CT検査にてS状結腸癌による大腸イレウスと診断し,準緊急にて大腸ステントを留置した.ステント留置直後に大量の排便を認め,翌日から食事を開始し,留置後29日目に腹腔鏡補助下直腸前方切除術を施行した.S状結腸は腹壁に吊り上がっていたために癌の腹壁浸潤と診断し,腹壁の合併切除を施行した.病理所見では腹壁を合併切除した部位は癌とは関係なく,ステント断端にて深い潰瘍を形成して漿膜側に炎症性変化をきたし,あたかも癌の腹壁浸潤様の形態を呈していたと診断した.本症例ではステント留置後にステントが移動して,腸管屈曲部に断端が長時間当たっていたことが原因と考えられた.ステント留置後には定期的な画像フォローが必要であり,屈曲部付近では可及的に長いステントを用いて,屈曲部にステント断端が当たる場合には早期手術が望ましいと思われた.
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  • 中島 正夫, 内山 哲史, 足立 淳, 内迫 博幸
    74 巻 (2013) 4 号 p. 994-997
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,女性.直腸癌,多発肝肺転移に対して原発巣切除D3リンパ節郭清術施行後FOLFOXレジメンによる化学療法を開始した.治療効果としてはRESIST評価上PRであったが,19クール施行後に血小板減少により化学療法が継続不能となった.原因検索として各種検査施行し,オキサリプラチン関連脾腫による血小板減少と診断した.肝転移巣が切除可能となったこと,肺転移巣は制御されていること,以降も継続した化学療法が必要であることを考慮し,肝部分切除術,肝ラジオ波焼灼術,脾臓摘出術を施行した.術後血小板数は速やかに上昇を得て,化学療法を再開・継続することができた.オキサリプラチンは肝の類洞内皮細胞障害・閉塞を引き起こし門脈圧亢進,脾腫をきたす.血小板減少が化学療法継続の律速段階となる場合は,原因として脾腫を鑑別に挙げることが重要である.脾摘によって速やかに血小板数は増加し,化学療法を再開・継続できたことから有用な選択肢の一つとなり得ると考えた.
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  • 広瀬 邦弘, 花本 尊之, 石黒 友唯, 高橋 周作, 佐治 裕
    74 巻 (2013) 4 号 p. 998-1002
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,男性.当院泌尿器科で左精巣腫瘍の手術後,化学療法を施行中であった.右下腹部痛と発熱を主訴に受診.WBC 39,490/mm3,CRP 21.78mg/dlと炎症反応の上昇を認め,腹部CT検査では右側結腸に炎症像を認めた.抗生剤で経過をみたが改善しないため,入院5日目に右半結腸切除術を施行.手術後も抗生剤にはほとんど反応せず,術後4日目の腹部CT検査では広範囲に多発性肝膿瘍を認め,術後10日目永眠された.切除標本での病理組織診断でアメーバが検出された.アメーバ感染者の多くは無症状で,約10%が腸管内に侵入して腸管アメーバ症を引き起こすとされている.その発生機序は明らかではないが,宿主側の発症要因としてステロイド剤や抗癌剤の使用などが指摘されており,自験例のように化学療法施行中のため易感染性となっている場合は重症化しやすい可能性が示唆された.
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  • 中村 啓之, 近藤 典子, 山内 淳一郎, 石山 秀一
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1003-1009
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は72歳,男性.前立腺癌で他院通院中,上気道炎症状精査目的の胸部造影CTにて肝S6/7に4cm大で辺縁富血性,中心部石灰化および周囲肝内胆管拡張を伴った腫瘍を指摘された.EOB-MRI・DSA所見もふまえ,肝内胆管癌と診断した.多発性骨腫瘍も認めたが,骨硬化性にて前立腺癌の転移と診断,予後規定因子と考えられる肝がん治療の方針となり肝後区域切除術を施行.切除標本上腫瘍は50×40mm,白色で周囲弾性硬・中心部石様硬であり,被膜を認めず.病理組織学的には中央に硝子様線維化を認め,辺縁に短紡錘形細胞の増生を認めた.周囲肝実質・肝静脈・門脈の破壊・侵襲像も認めた(s1,vv1,vp1).免疫組織学的にCK(-),CD34(+) (S100p(-),HMB45(-))であり,最終的にstage III(t3,n0,m0)の肝類上皮血管内皮腫と診断した.
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  • 石田 馨, 須藤 隆之, 梅邑 晃, 御供 真吾
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1010-1014
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は92歳,男性.2011年9月心窩部痛と嘔吐を主訴に近医受診,精査加療目的で当院紹介となった.腹部超音波検査およびCT検査にて胆嚢,総胆管結石を認めた.血液検査にて黄疸を認め,内視鏡的乳頭切開術による砕石と内視鏡的逆行ドレナージを行った.また,鼠径部に用手還納可能な鶏卵大の腫瘤を認め,右外鼠径ヘルニアと診断した.減黄後,単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術と鼠径ヘルニア根治術を一期的に施行した.出血量は350ml,手術時間は246分であった.術後経過良好で12病日に退院となった.単孔式で胆嚢摘出術と鼠径ヘルニア手術を同時に施行した報告はなく,文献的考察を含め報告する.
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  • 高川 亮, 南 裕太, 渡邉 純, 盛田 知幸, 茂垣 雅俊, 舛井 秀宣
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1015-1018
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    重複胆嚢管は稀な胆嚢管走行異常の一つであり,手術中の胆管損傷の原因となりうる.症例は67歳,女性.検診の腹部超音波検査で胆嚢結石を認め,紹介受診となった.術前のmagnetic resonance cholangiopancreatography (MRCP)検査で重複胆嚢管を疑い,単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.術中胆道造影で胆嚢の描出を認め,右肝管に流入する別の胆嚢管構造を確認し,重複胆嚢管と診断した.
    単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は近年急速に普及している手術手技である.重複胆嚢管であっても,術中胆道造影を確実に行うことで胆管損傷をすることなく安全に手術を行うことが可能と考えられる.今までに重複胆嚢管症例に対して単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した報告はなく,若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 武本 昌子, 安田 武生, 土師 誠二, 中居 卓也, 木村 雅友, 竹山 宜典
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1019-1023
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は50歳,男性.48歳時に胃癌にて幽門側胃切除術を施行された.S-1内服による術後補助化学療法を施行中の定期検査にて胆嚢に隆起性病変指摘された.胆嚢癌疑われ精査加療目的に当科紹介となった.全身検索で胆嚢以外の病変は認めず,PET検査にて同部位のFDGの著明な取り込みを認めたため,胆嚢癌の術前診断にて胆嚢摘出術,肝床部切除術,肝外胆管切除・胆道再建術施行した.摘出標本では胆嚢底部に腫瘍を認めたが胆嚢粘膜に異常を認めなかった.病理検査で胆嚢腫瘍は中分化型腺癌であり,その主体は粘膜下から深部に存在しており前回手術の胃癌病変と類似性が高かったため胃癌の胆嚢転移と診断した.胃癌の胆嚢転移はまれであり,特に異時性転移症例は極めてまれである.今回われわれは,胃癌に対し幽門側胃切除術後に胆嚢転移をきたし,切除施行できた1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 谷口 健太郎, 林 香介, 大森 隆夫, 小倉 正臣, 下村 誠, 小倉 嘉文, 勝田 浩司
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1024-1028
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    今回われわれは腎細胞癌術後胆嚢転移をきたした症例を経験したので報告する.症例は76歳,男性.6年前右腎癌に対して右腎摘術を受けた.その後,腎癌の皮膚転移に対して切除術を受けている.腹部超音波による経過観察中に1年半で約2倍に増大した胆嚢腫瘍を認めた.腹部造影CTでは著明な造影効果を認めており,原発性胆嚢癌の可能性も考慮し,開腹胆嚢摘出術を施行した.胆嚢腫瘍は長径10mm大で,槳膜面に腫瘍の露出は認めなかった.組織学的には明細胞癌で原発巣,皮膚転移巣と同様であり,腎細胞癌の胆嚢転移と診断された.転移性胆嚢癌はまれであり,文献的考察を加えて報告する.
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  • 砂原 正男, 小林 清二, 小笠原 和宏, 草野 満夫
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1029-1034
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    患者は74歳,女性.64歳時から径4cm大の膵尾部嚢胞性腫瘍にて外来で経過観察していた.当初,腫瘍径の増大は緩徐であった.4年後のERPにて主膵管と嚢胞の交通を認めた.4年4カ月後に急性膵炎を発症し,その3カ月後に腫瘍は7cm大に増大していた.初診から約10年後に心窩部つかえ感が出現し,精査にて腫瘍は11cm大に増大していた.ERPでは主膵管と嚢胞の交通は消失していた.膵粘液性嚢胞腫瘍を疑い,膵体尾部脾切除を施行した.腫瘍は厚い線維性被膜を有する嚢胞性病変で,卵巣様間質を一部に認め,粘液性嚢胞腺腫と診断された.膵粘液性嚢胞腫瘍はmalignant potentialを有すること,悪性例では予後不良で,術前の良悪性の鑑別診断は困難であることなどから切除が推奨されている.膵粘液性嚢胞腫瘍に対し長期間の経過観察をした後に切除した1例を経験したので,その自然史解明の一助になると考え,文献的考察を加えて報告する.
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  • 斉藤 良太, 島田 淳一, 北村 博顕, 遠山 洋一, 柳澤 暁, 矢永 勝彦
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1035-1040
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は50歳の男性で,上腹部違和感にて近医受診,腹部USにて膵頭部の膵管拡張を指摘され当院紹介となった.MRCPにて膵頭部に非特異的な走行を示す蛇行した膵管像を認め,一部は嚢胞状に拡張しており分枝型の膵管内乳頭粘液性腫瘍と診断した.経過観察としていたが初診から2年後のMRCPにて嚢胞径が32mmに増大し,かつ壁在結節を疑う所見を認めたため悪性を否定できず幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した.摘出標本の膵管造影を行ったところ,背側膵管と腹側膵管が各々の下枝を介して癒合する膵管癒合異常を示し,広岡らの分類における分枝癒合型2型に相当すると考えられた.病理組織学的診断では微小浸潤を伴った膵管内乳頭粘液性癌であった.非常に稀な膵管像を呈した膵管内乳頭粘液性腫瘍の1例と考えられるため報告した.
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  • 森廣 俊昭, 青木 秀樹, 金谷 信彦, 荒田 尚, 田中屋 宏爾, 竹内 仁司
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1041-1046
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍の膵転移は予後不良との報告があるが,膵切除後の長期生存例も報告されている.大腸癌術後に肝細胞癌を発症し,その後,転移性膵癌を指摘され尾側膵切除術を行った症例を経験したので報告する.症例は75歳女性で,S状結腸癌術後5年目にCTで膵尾部に造影効果を示さない単発の腫瘤が指摘された.膵腫瘤の辺縁は比較的明瞭で,周囲への浸潤はなかった.MRCPで主膵管の途絶や尾側膵管の拡張はなく,膵原発より転移性膵腫瘍が疑われた.尾側膵切除および脾合併切除術を行い,大腸癌膵転移であった.術後10カ月目に多発肺転移が認められたが,化学療法を行っており術後25カ月現在生存中である.悪性腫瘍膵転移の予後は原発巣によるところが大きいと考えられるが,大腸癌膵転移切除症例はまだ報告数が少ないものの比較的長期生存例も報告されている.耐術能があり他臓器に切除不能病変がなければ,膵切除術は十分考慮されるべきものと考えられる.
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  • 田島 ジェシー雄, 足立 尊仁, 松井 聡, 波頭 経明, 山田 誠, 山田 鉄也
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1047-1052
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.上腹部を主訴に近医を受診し,肝機能異常と黄疸を指摘され当院を受診した.精査にて総胆管結石と,膵体尾部に11.7×10.5cm大の充実性多血性腫瘍を認め,脾静脈を経由し,門脈腫瘍栓として進展していた.Fine Needle Aspiration(以下FNA)生検にてCD56,chromogranin A陽性で膵内分泌癌と術前診断し,門脈合併膵体尾部・脾切除術を施行した.病理組織学的に索状・リボン状配列を形成する異型細胞増殖,著明な脈管浸潤を認め,脾静脈・下腸管膜静脈・門脈に腫瘍栓を認めた.免疫染色ではKi67 indexは2%以下,CD56,chromogranin Aは陽性,膵ホルモンはいずれも陰性で,非機能性高分化型膵内分泌癌と診断した.術後13カ月経過し無再発生存中である.門脈腫瘍栓を伴う非機能性膵内分泌癌の報告例は少なく,若干の文献的考察を含め報告する.
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  • 山野 寿久, 平井 隆二, 黒田 雅利, 高木 章司, 池田 英二, 辻 尚志
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1053-1059
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    退形成膵管癌は,膵癌の中でも比較的まれで,予後も非常に不良とされている.今回われわれは,主膵管内に進展を示した退形成性膵管癌の1例を経験したので報告する.症例は63歳,女性.心窩部痛,背部痛を主訴に,近医受診し,急性膵炎を疑われ,精査加療目的で紹介された.CT,MRIで膵体部を中心に,膵実質を置換するような形態の長径約8cm大の腫瘤を認めた.辺縁は比較的良く造影され,内部には広範に低吸収域を伴っていた.MRCP,ERCPともに,主膵管は,膵頭部で途絶しており,ERCP時の細胞診で,class Vと診断された.亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を行った.病理検査で,退形成性膵管癌(多形細胞型)と診断された.膵頭部主膵管内に腫瘍細胞が充満するように進展を認めた.術後5週間目から,外来で,補助化学療法を開始したが,術後2カ月目のCTで,多発大動脈周囲リンパ節再発を認め,術後約4カ月で死亡した.
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  • 安立 弥生, 出口 智宙, 梶川 真樹, 原田 明生, 渡邊 和子
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1060-1065
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    膵臓の癌肉腫は,癌腫と肉腫成分の2つの悪性成分から構成された極めて稀な腫瘍である.症例は83歳の女性.虚血性腸炎のために施行した腹部CT検査にて,膵体部の腫瘤を指摘された.画像所見,血液検査より膵癌が疑われ膵体尾部切除術を施行した.病理組織検査では,腫瘍組織に腺癌,肉腫,神経内分泌腫瘍の異なる3成分が認められた.これらの3成分には移行像があり,また,同じK-ras遺伝子変異を有していたため,肉腫,神経内分泌腫瘍への分化を伴う腺癌と診断した.術後1カ月後に肝多発転移再発,10カ月後に原病死し,剖検を行った.膵臓に再発の所見はなく,肝臓に腺癌と神経内分泌腫瘍の転移が認められた.本症例は癌肉腫に相当する腫瘍であり,膵臓の癌肉腫の組織発生を考える上で貴重な症例と思われた.
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  • 平田 啓一郎, 天野 良亮, 木村 健二郎, 村田 哲洋, 大平 雅一, 平川 弘聖, 田中 さやか
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1066-1070
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,女性.嘔吐を主訴に近医を受診した.上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に狭窄を認め,生検にて腺癌と診断され,精査加療目的に当科紹介となった.
    腹部造影CTにて,十二指腸下行脚の壁肥厚,総胆管の拡張を認めた.膵臓には腫瘤を認めず,主膵管の拡張も認めなかった.原発性十二指腸癌の術前診断で手術を施行した.手術所見は十二指腸下行脚に3cm大の腫瘍を認め,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理診断は,十二指腸粘膜下層~固有筋層内の異所性膵組織から発生した膵癌の所見であった.
    今回われわれはまれな十二指腸の異所性膵癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 武内 泰司郎, 出崎 良輔, 大倉 康生, 野田 直哉, 湯淺 浩行, 伊藤 史人
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1071-1074
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    盲腸癌術後3年目に孤立性脾転移をきたし,腹腔鏡補助下脾摘出術を施行した1例を経験したので報告する.症例は68歳男性,盲腸癌にて結腸右半切除術,D3郭清を施行した(C,2型,50×45mm,SE,N1,H0,P0,M0,Stage IIIa).術後3年目のスクリーニング腹部造影CT検査にて脾臓に2.5cm大の造影効果が乏しい円形の腫瘤性病変を認めた.FDG-PET検査にて脾腫瘤に一致して強い集積を認めたが,他部位に集積は認めなかった.盲腸癌の孤立性脾転移と診断し,腹腔鏡補助下脾摘出術を施行した.手術時間2時間56分,出血量は8gであった.病理組織学的検査で大腸癌の転移性脾腫瘍と診断された.術後経過良好で,術後8日目に退院した.術後3年の現在まで再発や転移は認めていない.
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  • 奥田 耕司, 西澤 竜矢, 大島 隆宏, 三澤 一仁
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1075-1080
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    巨大な嚢胞性腫瘤を形成した褐色細胞腫の切除例を経験したので報告する.症例は43歳の女性で,近医で巨大な腹部腫瘤を指摘されたため受診した.CTでは腹腔内を占居する最大径26cmの巨大な嚢胞性腫瘤を認め,血管支配から左副腎由来の腫瘍が考えられた.内分泌学的検査にて尿中カテコールアミン代謝産物の著明な上昇を認めたため,褐色細胞腫と診断した.手術は左副腎褐色細胞腫摘出,左腎合併切除術を施行し,術後経過は良好であった.摘出した腫瘍の重量は5,900gであり,病理組織学的検査にて,比較的転移率の低い高分化型の褐色細胞腫と診断された.検索しえた限りでは,5,000g以上の巨大褐色細胞腫で,術後健存している症例としては,自験例が最初の報告であった.
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  • 川井 廉之, 北岡 寬教, 關 匡彦, 瓜園 泰之, 畑 倫明, 奥地 一夫
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1081-1085
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は78歳,男性.突然の右下腹部痛を主訴に前医を受診.消化管穿孔が疑われ当センターへ紹介となった.腹部造影CT検査にて腹腔内遊離ガスと腹水の貯留を認めた.また膀胱前壁に接しガスを伴う液体貯留を認めた.消化管穿孔を否定しきれず同日試験開腹術を行った.術中,消化管には異常を認めなかった.術後3日目に逆行性膀胱造影を行い膀胱穿孔と診断した.尿道留置カテーテルによって尿のドレナージは良好であることから保存的治療を行い軽快した.膀胱自然破裂はまれな疾患であり,臨床症状も様々であることから術前正診率が低く,他の急性腹症との鑑別が問題となる.本症例と文献的考察から膀胱周囲の液体貯留やガス像といった腹膜外の所見は本疾患を疑うべき所見である可能性が示唆された.
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  • 高橋 一広, 塚本 茂樹, 高橋 さつき, 斎藤 昌宏, 大河内 信弘, 平山 克
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1086-1091
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    腹直筋皮弁で再建した直腸癌によるFournier壊疽の1例を報告する.79歳男性.糖尿病,アルコール依存症で経過観察されていた.陰嚢痛で泌尿器科を受診し,Fournier壊疽と診断された.陰嚢切開ドレナージを行い,その後の精査で直腸癌と診断された.感染コントロール目的にS状結腸人工肛門造設し,全身状態の改善を待ち,腹会陰式直腸切断術を施行した.手術により生じた広範囲会陰部欠損に対し,右腹直筋皮弁で閉鎖した.皮弁の生着は良好で,感染徴候も認めなかった.本例のように会陰部の広範囲炎症を伴う直腸癌に対し,広範囲会陰部欠損を伴う腹会陰式直腸切断術を行う必要がある.患者の基礎疾患および骨盤腔内の感染防御の点から腹直筋皮弁による再建術は有用であると考えられた.
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  • 窪田 公一, 田中 知博, 纐纈 真一郎
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1092-1095
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は23歳,女性.怒責時の右鼠径部痛で受診された.右鼠径部に腹圧で膨隆する腫瘤を触知し圧痛を認めた.CTでは右鼠径部に嚢胞性腫瘤を認めた.右鼠径ヘルニアに併存した嚢胞と判断し手術を行った.鼠径管を開放し暗赤色の嚢胞とそれに続くヘルニア嚢を確認した.ヘルニア嚢を高位結紮して嚢胞ごと摘出しMarcy法で内鼠径輪を閉鎖した.病理組織学的所見では,嚢胞は中皮細胞により内腔を被覆された腹膜鞘状突起であり子宮内膜症の組織像を伴っていた.
    女性において,開存して残存した腹膜鞘状突起はNuck管と呼称され,そこに液体の貯留したものがNuck管水腫である.子宮内膜症は子宮内腔以外で子宮内膜細胞が増殖したもので,Nuck管水腫内での発生はまれである.今回われわれは,成人のNuck管水腫内に発生した子宮内膜症の症例を経験したので報告した.
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  • 出口 勝也, 大林 孝吉, 上田 英史, 國嶋 憲, 大同 毅
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1096-1100
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    CTで術前診断した右大腿ヘルニア内虫垂嵌頓の1例を経験したので報告する.症例は70歳の女性で,右鼠径部膨隆を主訴に当院を受診した.右鼠径部に弾性軟で,還納不可な腫瘤を触知した.血液検査では炎症所見は認めなかった.腹部単純CTにて,右大腿ヘルニア嚢内に盲端に終わる虫垂を認め,右大腿ヘルニア内虫垂嵌頓と診断し,同日手術を施行した.術中所見ではヘルニア嚢内に虫垂が嵌頓し,虚血性変化を認めた.同一創より虫垂を切除し,mesh plugを用いて右大腿ヘルニア修復術を施行した.術後経過良好にて第4病日に退院となった.大腿ヘルニア内虫垂嵌頓はまれであり,古典的な虫垂炎の身体所見を認めず,診断が困難である.術前診断にはCTでの画像診断は有用である.今回,本邦報告22例に自験例を含め,文献的考察を加え報告する.
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  • 宮坂 大介, 山口 晃司, 菊地 健司, 松永 明宏, 新関 浩人, 池田 淳一
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1101-1106
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    腰部には上腰三角,下腰三角と呼ばれる2つの腹壁抵抗減弱部が存在し,この部位に腹壁ヘルニアを発症することがあり,腰ヘルニアと称されている.今回われわれは,腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した腸骨採骨術後の腰ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は74歳男性.67歳時に頸椎圧迫骨折に対し椎体形成術を受け,その際に右腸骨採骨術が施行された.今回2年前より右腰部膨隆を自覚し当科初診.上行結腸をヘルニア内容物とする腸骨採骨術後の腰ヘルニアと診断し手術を施行した.左半側臥位,3ポートで手術を開始.回盲部を授動し,4.2cm大のヘルニア門を剖出,3cmのオーバーラップを確保するため直径10cmの円形に形成したバードコンポジックスメッシュ®を留置,全周をアブソーバータック®で固定,回盲部を腹壁に数針固定し,良好な視野,操作性のもと終了とした.術後経過良好で第6病日退院,術後7カ月再発なく経過中である.
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  • 眞鍋 周太郎, 月川 賢, 小野田 恵一郎, 牧角 良二, 松岡 博光, 大坪 毅人
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1107-1111
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は39歳,女性.右外鼠径ヘルニアでmesh-plug法による修復術を施行された.術後1カ月から,右鼠径部に母指頭大の膨隆が時折出現するようになったが,疼痛ないため放置していた.術後1年半が経過し,同部位に軽度疼痛を伴う膨隆を認めた.以前よりみられていた症状と異なることから前医を受診し,鼠径ヘルニアの術後再発疑いで当院を紹介受診された.身体所見では,右鼠径靱帯より尾側に用手還納困難な鶏卵大の腫瘤を触知した.CT検査では大腿ヘルニアの所見であり,手術の方針とした.手術診断は大腿ヘルニアで,内容は卵管・卵管采であった.血流障害の所見はなく,内容を大腿輪より還納し,大腿輪はUPP法にて修復し手術終了とした.現在,術後5カ月経過しており再発なく経過している.鼠径ヘルニア術後で,ヘルニア内容が卵管,卵管采であった大腿ヘルニアの稀な1例を経験したので報告する.
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  • 橋本 敏章, 古井 純一郎, 赤司 隼人, 川上 悠介, 北島 正親, 加藤 丈晴, 伊藤 裕司
    74 巻 (2013) 4 号 p. 1112-1117
    公開日: 2013/10/25
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,女性.2012年1月より慢性関節リウマチ(RA)でメソトレキセート(MTX)による治療中であった.同年8月,右乳房の腫瘤を主訴に当科受診.無痛性で可動性良好であった.MMGおよびUSで右乳房上外側領域に約2.8×1.0cm大の境界明瞭で内部比較的均一な楕円形腫瘤を認めた.針生検を行い,H.E.および免疫染色の結果Non-Hodgkin lymphoma(diffuse large B-cell type)と診断された.PET-CTの全身検索で右乳房と盲腸に集積を認めた.大腸カメラで盲腸癌と診断された.リンパ節を含めた他臓器病変は認めず,乳腺原発の悪性リンパ腫と盲腸癌の同時性重複の診断となった.まず,盲腸癌に対し回盲部切除・リンパ節郭清を行った.高分化型腺癌(pSS,ly0,v0,n0,pStage II)であった.乳腺の悪性リンパ腫はAnn Arbor病期分類stage IEAであり,血液内科で化学療法および放射線療法となった.RAおよびそのMTX治療を契機に発症したと思われた乳腺悪性リンパ腫と盲腸癌の同時性重複のまれな病態を経験したので文献的考察を加え報告した.
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