日本臨床外科学会雑誌
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74 巻 , 9 号
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原著
  • 野崎 功雄, 後藤田 直人, 藤谷 恒明, 福島 紀雅, 藤田 淳也, 伊藤 誠二, 大下 裕夫, 河村 進, 若尾 文彦, 栗田 啓
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2343-2348
    公開日: 2014/02/25
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    前回われわれは,2種類の胃切除クリニカルパス:幽切パス(幽門側胃切除用,術後3日目の食事開始,同8-14日目の退院)と全摘パス(胃全摘用,同4日目の食事開始,同9-16日目の退院)の安全性について報告した.もし幽切パスが胃全摘術にも安全に使用可能ならば,胃全摘患者に早期の食事開始と退院を促すことができるうえ,2つの術式が幽切パス1つで運用できる利点も生まれる.そこで今回われわれは胃全摘患者167例に幽切パスを使用し,前回報告した全摘パス使用の胃全摘患者161例と比較してその安全性を検討した.結果は術後入院期間の中央値は幽切パスが13日で全摘パスの14日に比べて短縮していた.重症合併症は幽切パスが4.2%で全摘パス使用時の6.8%と同等であった.以上より幽切パスは胃全摘術の周術期を比較的安全に管理できることが示され,幽切パスは幽門側胃切除と胃全摘の両術式に対して安全に使用可能と思われた.
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  • 中野 順隆, 寺島 秀夫, 塚本 俊太郎, 真船 太一, 高橋 一広, 今村 史人, 間瀬 憲多朗, 丸森 健司, 神賀 正博
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2349-2354
    公開日: 2014/02/25
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    目的:研修医にとって最初の鏡視下手術として腹腔鏡下虫垂切除術を導入した際の現況について検討した.方法:2011年4月から2012年8月の期間で研修医7名が術者を務めた55例を対象とした.開腹手術(open appendectomy:OA)群31例,鏡視下手術(laparoscopic appendectomy:LA)群24例であり,retrospectiveに比較検討した.研修医全員にとってLAが最初の鏡視下手術であり,事前にドライボックスのトレーニングを指導し,術後,意識調査を行った.結果:両群間で患者背景因子,手術時間,術後在院日数,手術部位感染数のいずれも有意差は認めなかった.全員から,LAは「術野の確保」,「解剖学的な理解」に優れているとの回答を得た.結語:事前トレーニングを適切に行うことで初めてのLAでも手術時間は延長せず,外科解剖学の学習観点でも有益であると考えられた.
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臨床経験
  • 柴田 智隆, 片田 夏也, 根本 昌之, 桜本 信一, 渡邊 昌彦
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2355-2358
    公開日: 2014/02/25
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    食道造影検査および上部消化管造影検査で異常を指摘できない摂食障害が精神的な疾患と診断され,食道アカラシアと診断されるまで長期間を要する場合もある.精神疾患としての治療歴を有する食道アカラシア症例を検討し,食道アカラシアの診断の困難さを明らかにする.
    1997年10月から2010年5月に腹腔鏡下アカラシア手術を施行した65例を対象とした.
    65例中15例(23%)では少なくとも一度は上部消化管内視鏡もしくは造影検査を行われていたが,異常なしと診断されていた.このうち6例で精神疾患としての治療歴を有していた.精神疾患としての治療歴を有する症例は著明な食道拡張を伴わないclassical typeの食道アカラシアであった.
    上部消化管内視鏡検査および上部消化管造影検査で異常を認めない嚥下障害,摂食障害症例では機能性疾患を念頭に置き,食道内圧検査を行うことが重要である.
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  • 竹中 芳治, 佐々木 貴浩, 福岡 麻子, 星野 博之, 宮島 伸宜, 大坪 毅人
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2359-2363
    公開日: 2014/02/25
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    目的:ESDによる大腸穿孔後に保存的治療を施行し,ESD未完遂あるいはESD完遂後ながら病理結果により根治術を要した症例に対する腹腔鏡下大腸切除術(以下,LAC)の根治術としての妥当性を検討した.
    方法:ESD穿孔後保存的治療後にLACを施行した大腸癌5例(穿孔群)の手術所見,手術成績につき検討した.ESD,EMRを穿孔なく完遂後,病理結果によりLACを施行した9例と同時期に施行した通常LAC 200例との比較検討も行った.
    結果:穿孔群のうち4例では穿孔由来の癒着を認めず,手術操作への影響はなかった.3群間で手術時間,術中出血量,術後在院日数,術中偶発症,術後合併症の発生に有意差を認めなかった.
    結語:ESD穿孔後保存的治療が可能であった症例に対しても,穿孔なく完遂されたESD後症例さらには通常の大腸癌症例と同等のLACが施行可能であった.
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  • 吉川 征一郎, 福永 正氣, 李 慶文, 永仮 邦彦, 菅野 雅彦, 平崎 憲範
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2364-2369
    公開日: 2014/02/25
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    緩和手術は切除不能悪性腫瘍患者の症状改善に有効性が期待できるが,苦痛を有する担癌患者に対する侵襲的治療であるため,新たな疼痛の追加や手術侵襲は最小限とすべきである.疼痛が少なく低侵襲な腹腔鏡下手術は有用と考えられる.2005年から2012年10月に施行された腹腔鏡下緩和手術43例について検討した.
    平均手術時間119分,出血量25ml,平均経口摂取開始は3日であった.術後合併症発生率は10%,症状改善率は98%,在院死亡率は19%であった.
    腹腔鏡下緩和手術は症状改善効果,術後経過において良好であり,予後が限定された患者に対する低侵襲手術として有用であると考えられた.
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症例
  • 倉田 信彦, 水野 豊, 森 敏宏, 宮内 正之
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2370-2374
    公開日: 2014/02/25
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    神経線維腫症(neurofibromatosis,NF)はcafé au lait斑と多発性神経線維腫を主な身体所見とする常染色体優性遺伝の疾患である.今回われわれはNFに併発した非常に稀な両側同時性アポクリン癌の1例を経験したので報告する.
    患者は58歳,女性.左乳房腫瘤を主訴に当科受診.全身に神経線維腫を認め,触診上両側乳房に腫瘤を認めた.精査の結果左は浸潤性乳管癌T2N0M0,右はアポクリン硬化性腺症と診断した.左は乳房全摘,センチネルリンパ節生検,腋窩リンパ節郭清,右は生検を兼ねた円状部分切除を行ったが,病理検査は左右ともアポクリン癌で,右は断端陽性であったため温存乳房全摘術を追加した.NFに併発した乳癌は稀ながら両側発生もあることから,診断においては吸引生検や場合によっては生検を兼ねた部分切除を,手術においては放射線照射による2次発癌の危険性を回避するような適切な外科切除が必要であると考えた.
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  • 末松 義弘, 河田 光弘, 岡村 賢一, 森住 誠
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2375-2379
    公開日: 2014/02/25
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    症例は60歳,女性.2009年9月20日,呼吸苦にて夜間近医受診し,内服処方され帰宅となる.9月24日再診した際,両側胸水,心電図上V4-6 ST低下認め,急性冠症候群が疑われ緊急入院.低心機能,ショックバイタルのため緊急心臓カテーテル検査施行し,左主幹部を含む3枝病変認めた.大動脈バルーンパンピング挿入し手術目的に当院転院となる.同日緊急off-pump冠動脈バイパス術3枝施行した.術後冠動脈CTにてバイパス開存認めるとともに,左乳房に腫瘤が認められた.乳房エコーにて4時の方向に境界不明瞭,不整形の腫瘤を認めたため,軽快退院後,近医専門医受診にて乳癌と診断.左乳房部分切除術施行した.放射線療法を行いアロマターゼインヒビターの内服治療を行っている.術後約3年半経過した現在,乳癌の再発転移は認めず,狭心発作も出ていない.
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  • 富岡 伸元, 中川 隆公, 高橋 秀史, 松岡 伸一, 谷 安弘, 腰塚 靖之, 佐々木 文章
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2380-2388
    公開日: 2014/02/25
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    診断に苦慮した巨大腋窩腫瘍の1症例を経験したので報告する.症例は51歳,女性.腫瘍表面に潰瘍を形成し出血を伴う腋窩腫瘍を認めた.乳癌の腋窩リンパ節転移を第一に考え,触診,各種画像検査にて乳房内を検索したが腫瘤を認めず,腋窩原発の腫瘍を次に疑った.パンチ生検では低分化腺癌の所見であった.手術は腫瘍切除と腋窩リンパ節郭清を施行した.摘出標本内に正常乳腺およびリンパ節構造を認めず,切除断端,リンパ節転移はともに陰性だった.各種免疫組織化学染色にて乳癌の確定診断となった.最大径が10cmを超える腋窩腫瘍でありながら,同側腋窩リンパ節転移を伴わず,また,大きな皮膚潰瘍を伴う本症例は,潜在性乳癌よりはむしろ異所性乳癌と診断するのが妥当と考えられた.術後補助療法としてアナストロゾールとテガフール・ウラシル配合薬(UFT)を内服し,現在厳重経過観察中である.
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  • 佐藤 伸也, 橘 正剛, 横井 忠郎, 山下 弘幸, 廣田 伊千夫, 江口 徹
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2389-2393
    公開日: 2014/02/25
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    症例は39歳,女性.尿路結石の検査時に高カルシウム血症が判明した.カルシウム11.1mg/dl,無機リン2.6mg/dl,intact-PTH 148pg/mlより原発性副甲状腺機能亢進症が疑われたが,頸部では腫大副甲状腺を同定できなかった.99mTc-MIBIシンチにて中縦隔に淡い集積を認め,胸部CTで肺動脈と大動脈弓に囲まれる位置に1.5cmの腫瘍を認めた.胸腔鏡下に手術を行い,動脈管索の右側に存在していた腫瘍を摘出した.手術翌日にはカルシウム,intact-PTHいずれも正常化した.病理組織検査で腫瘍は副甲状腺腺腫であった.縦隔内に生じる異所性副甲状腺腫は前縦隔あるいは上縦隔に生じることが多いが,稀に動脈管索近傍に生じることがある.
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  • 三隅 啓三, 山下 芳典, 原田 洋明, 倉岡 和矢, 谷山 清己
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2394-2398
    公開日: 2014/02/25
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    症例は50代,男性.前胸部痛出現2カ月後に受診.胸部CTで胸骨腫瘍指摘,PET-CTで胸骨と左第6肋骨に異常集積を認めた.胸骨生検で腺癌骨転移と診断,精査加療目的に当科紹介.諸検査では原発巣を同定できず,胸部打撲の既往と肋骨骨破壊像がないことより,原発不明癌の孤立性胸骨転移と考え,肉眼的完全切除と疼痛緩和目的に,胸骨切除およびComposix meshと4重のMarlex mesh(共にBard社製)を用い胸骨を再建した.切除検体からも原発の同定は出来ず.術後1カ月半のPET-CTで左第6肋骨骨破壊像を含む多発骨転移巣が出現.Second lineまで化学療法施行も骨病変悪化,病的骨折をきたし,術後半年で永眠された.原発不明癌は予後不良疾患であり,予後延長効果は不明であるが,疼痛緩和目的の局所治療としては妥当と考えた.孤立性胸骨転移に対する胸骨切除の報告はなく,手術適応に関しては議論の余地がある.
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  • 岡元 崇, 藤崎 浩行
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2399-2401
    公開日: 2014/02/25
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    心臓脂肪腫は良性心臓腫瘍のなかでも比較的頻度の少ない疾患である1).ときに血栓や他腫瘍との鑑別が困難な場合がある.
    今回,私たちはスクリーニングによって偶然に見つかり,カテーテル血栓との鑑別が困難であった心臓脂肪腫の1例を経験したので報告する.
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  • 藤井 弘通, 青山 孝信, 末廣 泰男, 瀬尾 浩之, 笹子 佳門
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2402-2405
    公開日: 2014/02/25
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    症例は69歳の男性で,全身倦怠感を主訴に前医を自転車で受診した.心電図,心エコー,CTにて急性心筋梗塞後の左室自由壁破裂が疑われ,当院に救急搬送された.循環動態は非常に安定しており,意識消失やショック症状は認めなかった.冠動脈造影検査にて左前下行枝の閉塞が認められた.緊急手術を行ったが,循環動態が安定していたため,まず左内胸動脈を採取した.心嚢内は血腫で充満しており,心尖部に約2cmの亀裂がありblow out型の左室自由壁破裂であったと診断したが,出血は認めなかった.タココンブ®とフィブリン糊によるsutureless法による修復を行った.同時に大動脈内バルーンパンピングにて左室圧を軽減した.体外循環を用いることなく左内胸動脈を左前下行枝に縫合する冠動脈バイパス術を行った.術後経過は良好で術後25日に軽快退院した.自転車で受診した循環動態の安定した左室自由壁破裂の稀な症例であった.
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  • 田中 晴祥, 三輪 高也, 福岡 伴樹, 大島 健司, 木村 保則, 中尾 昭公
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2406-2411
    公開日: 2014/02/25
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    症例は42歳男性で,突然,左背部に放散する左上腹部の激痛が出現し受診した.理学所見では左上腹部に軽度の圧痛のみで腹膜刺激徴候を認めず,白血球増多以外の血液検査異常所見を認めなかった.緊急で腹部ダイナミックCTを行うと,腹腔動脈の起始部が解離し固有肝動脈が途絶していることが分かり,孤立性特発性腹腔動脈解離(以下,本疾患)と診断した.治療は肝機能障害が伴わず全身状態が落ち着いていたため,保存的経過観察として降圧療法を開始した.その後数日で腹痛は改善し,第17病日に無症状で退院した.6カ月後の腹部ダイナミックCTで総肝動脈に径17mmの紡錘状の動脈瘤を認めたが,2年後の再評価で動脈瘤の悪化は無かった.本疾患はまれな疾患であり,その病態・診療方針に関して定見はない.PubMedおよび医学中央雑誌から検索しえた本疾患68例(自験例含む)について検討を行った.
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  • 古屋 舞, 河田 光弘, 森住 誠, 末松 義弘
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2412-2416
    公開日: 2014/02/25
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    症例は93歳,女性.主訴は嘔気,背部痛.CTで横隔膜レベルに最大径6.5cmのCrawford V型の胸腹部大動脈瘤とその周囲に血腫を認めた.高齢かつHb 5.7と著しい貧血を認めた.人工心肺を用いる開胸開腹手術では救命困難と判断しステントグラフト治療を行う方針とした.全身麻酔下に開腹し腹腔動脈,上腸間膜動脈に左外腸骨動脈からバイパスし,右総腸骨動脈にタバコ縫合をかけてシースを挿入.破裂孔を覆うようにステントグラフト内挿した.術後7日目のCT,腹部超音波でエンドリークを疑う血流なく,バイパスの開存を確認した.術後15日目に退院となった.高齢かつ胸腹部大動脈瘤の破裂というハイリスク患者において腹部分枝再建,ステントグラフト内挿術を施行し良好な結果が得られたので報告する.
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  • 葭矢 健仁, 神崎 正人, 井坂 珠子, 徳光 宏紀, 岡本 高宏, 大貫 恭正
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2417-2422
    公開日: 2014/02/25
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    繰り返す喀血に対し,Endobronchial Watanabe Spigot:EWSによる気管支鏡下気管支充填術で緊急止血し,その後気管支動脈塞栓術を施行し,充填術後3カ月目にEWSを抜去可能であった症例を経験した.症例は30代女性.20代で甲状腺髄様癌に対し,甲状腺左葉峡切術および左頸部リンパ節郭清を施行され,術後両側反回神経麻痺となった.30代で甲状腺右葉に再発し,呼吸困難のため永久気管瘻を増設された.3カ月後,喀血で緊急搬送された.入院後も喀血を繰り返し,喀血の精査,加療目的で当科紹介となった.全身麻酔下に気管支鏡を施行し,右B3入口部から動脈性出血を認め,気管支鏡下にトロンビン液注入,EWSを留置し止血した.さらに,右上葉への気管支動脈を塞栓した.その後,喀血なく経過し,充填術後3カ月にEWSを抜去し,抜去後1カ月が経過し,喀血は認めていない.
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  • 高梨 裕典, 卜部 憲和, 植松 秀護
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2423-2427
    公開日: 2014/02/25
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    症例は36歳,男性.喫煙歴:20本×16年間.胸痛と呼吸困難感を自覚し近医を受診.左気胸として当科を紹介受診した.胸部CTにて左気胸および両側肺野にびまん性嚢胞陰影,小結節影,網状陰影を認めた.生検による確定診断のため,左上葉の嚢胞性病変に対して胸腔鏡下肺生検を施行し,同時にタルク散布による胸膜癒着術を行った.病理組織所見では,気管支および細気管支周囲を中心とした好酸球浸潤と,核に深い切れ込みを有しS-100蛋白およびCD4陽性を示すLangerhans細胞浸潤を認め,肺Langerhans細胞組織球症(PLCH)と診断した.術後経過は良好で,気胸は速やかに軽快した.退院後,外来で禁煙指導を行い,術後6カ月の経過観察で気胸再発を認めていない.多発する嚢胞陰影を伴う続発性気胸において,肺Langerhans細胞組織球症を念頭に置く必要があると考えられた.
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  • 角岡 信男, 平山 杏, 稲沢 慶太郎
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2428-2433
    公開日: 2014/02/25
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    症例1は51歳女性,他病にて入院中に,症例2は58歳女性,検診での腫瘍マーカー異常の精査の際に,それぞれ胸部CTにて7-12mmの辺縁明瞭の両側多発肺腫瘤を認めた.PET-CTではFDGの集積はなく,癌などの既往も認めず.ともに胸腔鏡下肺部分切除施行した.永久病理では共に平滑筋腫であり,免疫染色ではαSMA(+),desmin(+),caldesmon(-),S-100(-),MIB-1 labering index(低値),estrogen receptor(+),progesterone receptor(+)であった.症例2は23年前に子宮筋腫での手術既往あり,症例1は未治療の子宮筋腫を認め術後子宮全摘および両側付属器切除を施行した.両症例とも子宮筋腫肺転移と診断,現在婦人科にて経過観察中である.
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  • 我喜屋 亮, 照屋 剛, 島袋 伸洋, 仲地 厚, 島袋 誠守, 城間 寛
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2434-2440
    公開日: 2014/02/25
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    症例は37歳,男性.検診の胸部X線写真で異常陰影を指摘され当院受診した.胸部CTで右中葉に10×20mm大の結節を認めたが,本人希望により経過観察となった.初回CTより6カ月経過後の胸部CTで結節は21×42mmと増大しており悪性腫瘍が疑われた.PET/CTを施行し,肺病変以外にも骨および腹部リンパ節にFDGの集積を認め,肺腫瘍からの骨および腹部リンパ節転移が疑われた.経気管支肺生検を施行したが診断がつかなかった為,診断目的で胸腔鏡下に肺腫瘍摘出術を施行し,悪性黒色腫と診断された.背部のホクロ様色素斑が自然消退していった既往が術後本人からの病歴聴取にて確認されたが,背部に自然消退後の形跡はなく皮膚病変は確認できなかった.悪性黒色腫の皮膚病変からの肺・骨・リンパ節転移が推測されたが,皮膚病変があったとする証拠が得られなかった為,原発巣不明悪性黒色腫と診断した.
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  • 吉野 敬, 本山 悟, 佐藤 雄亮, 佐々木 智彦, 脇田 晃行, 栗林 邦明
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2441-2445
    公開日: 2014/02/25
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    27歳,男性.約10年前から嘔吐,食事摂取障害,体重減少があり,家庭環境などのストレスによる症状として心療内科にて加療されていた.上部消化管内視鏡検査にて逆流性食道炎を認め,薬物療法を行ったが改善せず,手術適応として外科紹介となった,食道造影および内視鏡検査上,高度の逆流所見と高度の逆流性食道炎を認めた.24時間pHモニタリングでは著明な胃食道酸逆流所見を認め,食道内圧検査では食道一次蠕動波を認めなかった.手術は腹腔鏡下噴門形成術(Nissen法)を施行した.術後経過は良好で現在快適な生活を送っている.比較的まれな若年者逆流性食道炎に対する手術治療経験を報告した.
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  • 西口 由希子, 田仲 徹行, 高山 智燮, 松本 壮平, 榎本 泰典, 中島 祥介
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2446-2452
    公開日: 2014/02/25
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    非常に稀とされる食道大細胞型内分泌細胞癌の1例を経験したので報告する.症例は54歳,男性.検診で食道隆起性病変を指摘され紹介となった.食道扁平上皮癌T2N1M0 Stage IIの診断にて術前化学療法を施行後,胸腔鏡下食道亜全摘術を施行した.術後病理検索にて食道大細胞型内分泌細胞癌T2N4M0 Stage IVaと診断した.術後補助化学療法を施行するも術後3カ月目にリンパ節,胸膜再発をきたした.化学療法レジメンを変更し施行するも抗腫瘍効果認めず,治療開始より8カ月後に死亡された.食道内分泌細胞癌は予後不良とされるが,集学的治療が長期予後を得るには重要との報告もある.しかし治療方針についての統一見解はなく,集学的治療の選択に際しては当疾患の予後を考慮し抗腫瘍効果を早期に見極め治療が奏効しない場合には速やかにbest supportive careへの移行を念頭に置いた総合的な診療が肝要と考えられた.
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  • 小南 裕明, 藤野 泰宏, 川崎 健太郎, 田中 賢一, 前田 裕巳, 富永 正寛
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2453-2458
    公開日: 2014/03/25
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    症例は70歳の男性で,体重減少(-6kg/6カ月)と食欲不振,寝汗を主訴に近医を受診し,上部消化管内視鏡検査で残胃に凹凸不整な隆起性病変が指摘された.30年前に十二指腸潰瘍に対して幽門側胃切除術が行われていた.CT,透視検査で残胃の内腔に直径10cmを超える腫瘍を認め,内視鏡下生検でgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.残胃全摘+脾摘,Roux-en-Y法再建術を行い,術後の病理学的検索の結果はGIST,mitotic index 10/50HPFsだった.Imatinibによる補助化学療法を継続中で,術後1年6カ月間無再発で生存中である.
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  • 坊岡 英祐, 永瀬 剛司, 金井 歳雄, 今井 俊, 赤津 知孝, 中川 基人
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2459-2463
    公開日: 2014/03/25
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    症例は71歳,男性.1996年11月に胃癌に対して,胃全摘出術,D2,Roux-en-Y再建術,胆嚢摘出術,脾臓摘出術を施行.術後経過は良好であったが,術後15年目の2011年1月頃より食後嘔吐,経口摂取量低下が出現し,同年11月,当院を受診した.上部消化管造影検査で端側吻合による盲端は著しい拡張を認め,狭窄部より口側の挙上空腸は嚢状に拡張していた.食道裂孔部における挙上空腸の通過障害の診断で2012年2月,手術を施行した.食道空腸吻合部は縦隔内にあり,吻合部より肛門側の空腸が横隔膜にて絞められ,それより口側空腸の拡張を認めた.吻合部より約2cm口側の食道を横隔膜脚に固定し,拡張した空腸盲端を切離し手術を終了した.術後は経口摂取良好となった.胃全摘出術,Roux-en-Y再建術施行長期経過後に食道裂孔部において挙上空腸が通過障害をきたした症例を経験したので報告する.
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  • 岡本 光平, 川西 賢秀, 今村 博司, 岩澤 卓, 堂野 恵三, 北田 昌之, 足立 史朗
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2464-2469
    公開日: 2014/03/25
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    症例は70歳台,男性.心窩部痛を主訴に近医受診.精査の結果,胃噴門癌と診断され,加療目的に紹介受診となった.当科にて施行した上部消化管内視鏡検査での腫瘍からの生検では小細胞癌の診断であった.手術加療の方針とし胃全摘術を施行した.術後の病理検査にて腫瘍の主成分は術前の生検で指摘されていたように小細胞癌であったが,一部に横紋筋肉腫で構成された部分が認められた.また腫瘍に通常の腺癌の成分は認められなかった.術後病期はpT3N1M0 pStage III Aであった.現在術後7カ月であるが,無再発生存中である.胃小細胞癌はかなり稀な腫瘍で胃癌の0.1~0.95%とされている.また胃横紋筋肉腫は現在までに約50例の報告が為されている稀な疾患である.胃小細胞癌に横紋筋肉腫を伴う症例は現在までに2例が報告されているだけである.本症例は非常に稀少であると思われたため若干の学術的考察を加え報告する.
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  • 大島 有希子, 手島 伸, 矢崎 伸樹, 斎藤 俊博, 武田 和憲, 鈴木 博義
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2470-2475
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は88歳,男性.息切れ,手足の浮腫みを主訴に近医を受診し,採血にて著明な貧血,白血球増多を認めた.上部消化管内視鏡検査にて胃体下部大彎に1型腫瘍を認め,中分化型腺癌と診断された.術前白血球は30,500/μl,血性G-CSF値は119pg/mlと上昇していた.出血制御を目的に胃全摘術を施行した.病理組織診断ではtub2,pT4a(SE),ly3,v3,N3b(16/34),pPM0,pDM0,M1(LYM),Stage IVで,G-CSF染色陽性であった.術後白血球数は減少し経過は良好であったが,術後化学療法は行わず,肝転移,リンパ節転移の進行を認め,術後9カ月で死亡した.G-CSF産生胃癌は比較的稀で,本邦報告例の検討を含め報告する.
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  • 有元 淳記, 長谷川 洋, 坂本 英至, 小松 俊一郎, 法水 信治, 新宮 優二
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2476-2481
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,男性.食後の嘔気を主訴に受診した.上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部の全周性3型腫瘍と,上十二指腸角にdelleを伴う粘膜下腫瘍を認めた.生検では,胃病変は中分化腺癌と診断されたが,十二指腸病変の確定診断は得られなかった.CTでは胃前庭部の壁肥厚と膵頭十二指腸領域に造影効果の乏しい腫瘍を認めた.胃前庭部癌,十二指腸粘膜下腫瘍あるいは幽門下リンパ節転移の十二指腸浸潤の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織学検査でAFP産生胃癌ならびに血行性膵転移と診断された.血行性膵転移をきたしたAFP産生胃癌の症例は極めて稀であり,文献的考察を加え報告する.
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  • 伊藤 元博
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2482-2485
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    患者は84歳,女性で,17年前胃癌にて胃切除(Billroth-II再建)を施行された.昼食後突然の上腹部痛が出現し,近医を受診した.その後嘔吐が出現し,翌日当院を紹介受診した.右上腹部に圧痛,筋性防御,反跳痛を認め,血液検査所見で炎症反応の上昇を認めた.また,腹部造影CT検査で十二指腸水平脚の尾側に腹腔内遊離ガス像と液体貯留を認めた.以上より発症26時間後に十二指腸水平脚穿孔と診断し緊急手術を施行した.開腹すると腹腔内に茶褐色の腹水を約300ml認め,十二指腸水平脚下壁にピンホール大の穿孔部位を認めた.穿孔部位に憩室,潰瘍性病変は認めず,手術は単純縫合閉鎖,十二指腸減圧チューブ,腹腔ドレナージを施行した.術後30日目に軽快退院した.本症例は潰瘍,輸入脚閉塞症,憩室,魚骨,外傷,腫瘍などによる二次的な要因は認めず,特発性十二指腸穿孔と考えられた.
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  • 杉山 朋大, 高原 秀典, 田渕 幹康, 永吉 直樹, 横山 正, 實光 章
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2486-2490
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は73歳の男性で,夕食直後の急激な腹部膨満と右下腹部痛を自覚し救急外来を受診した.腹部造影CTにて門脈ガス血症と上腸間膜動脈起始部に約2cmに渡る造影不良域を認めたが腸管壊死所見は認めなかったため保存的に加療を行った.後日精査にて上腸間膜動脈慢性閉塞に伴う回腸末端部の重度の虚血性小腸炎と診断し,待機的に回結腸動脈の血行再建術を行った.術後6カ月に渡り外来にて経過観察中であるが摂食後の腹痛や下血等の症状なく経過している.門脈ガス血症を呈した重度の虚血性小腸炎の報告例はまれであり治療法についてはいまだに確立された見解はないが,治療には腸間膜血流の維持が重要であると考えられている1).主幹動脈に閉塞を認める重症虚血性小腸炎患者に対し腸間膜動脈血流の維持を目的とした血行再建は加療の一つの選択肢となりえるものと思われたため文献的考察を加えて報告する.
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  • 若田 幸樹, 梶原 啓司, 草場 隆史, 重政 有, 碇 秀樹, 米満 伸久
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2491-2496
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は66歳女性で,エアロビクス中に上腹部痛が出現し当院を受診した.腹部CT検査で肝両葉に樹枝状に広がる門脈内ガス像を認めた.しかしCT検査直後に腹痛が消失し,画像上も明らかな腸管壊死を認めなかったため保存的加療の方針とした.翌日のCT検査で門脈内ガス像はほぼ消失していた.その後は経過良好であったが,第29病日に腹痛が出現し,画像検査で回腸狭窄を認めたため回腸部分切除術を施行した.術後は順調に経過し第48病日に軽快退院した.5カ月後,スカッシュ中に再度上腹部痛が出現し,前回同様に上腸間膜静脈内ガス像を認めた.受診時ショックバイタルを認め,緊急手術を施行したが腸管虚血・壊死を認めず試験開腹で終了した.術後経過は良好であったが,前回吻合部近傍の回腸狭窄を認め,第49病日に回腸部分切除術を施行した.保存的加療で軽快後に虚血に起因する腸管狭窄を繰り返した稀な非閉塞性腸間膜虚血症の1例を経験した.
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  • 勝部 亮一, 和久 利彦, 佐藤 直広, 神原 健, 劔持 雅一, 藤原 俊義
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2497-2501
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,男性.潰瘍性大腸炎のために大腸全摘・回腸人工肛門造設状態であり,肺癌stage IV(脳・肝・骨転移)の化学療法目的に当院に通院中であった.起床時から腹痛・人工肛門の脱出があり外来を受診した.肉眼的所見と腹部CTの結果,脱出腸管の浮腫・虚血性変化が強いために整復は困難と判断し,緊急手術となった.全身麻酔下に詳細に観察すると回腸が重積して人工肛門から脱出していた.重積した回腸を正常部分まで体外へと導出した後用手的に重積を解除してから壊死腸管を切除し,人工肛門を再造設して手術を終了した.回腸人工肛門からの回腸の重積脱出は非常にまれで原因が明らかではないが,腹圧の上昇や腹腔内経路による人工肛門造設に加えて,肺癌脊髄転移による腸管蠕動異常が生じたことが原因になり得ると考えられた.
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  • 島田 翔士, 嶋田 昌彦, 大西 達也, 関 博章, 安井 信隆, 松本 秀年
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2502-2506
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は35歳女性で,妊娠17週.嘔吐,腹痛を主訴に受診した.下腹部に圧痛を認め,右下腹部に腫瘤を触知した.腹部エコーで右下腹部に2cm大のmassを認めた.腹部MRIを施行し腸重積と診断し同日緊急手術を施行した.開腹すると回腸結腸型の腸重積であった.Hutchinson手技で整復したところ,回盲弁から60cm口側に憩室を認め,同部位が先進部と考えられた.憩室を含め4cmにわたり小腸部分切除術を施行した.病理組織は真性憩室でMeckel憩室を先進部とした腸重積と診断した.術後経過は良好で妊娠39週5日に帝王切開術にて出産となった.妊娠中のイレウス症状は妊娠に伴う諸症状と紛らわしく,またX線検査が敬遠されるため,確定診断は必ずしも容易ではない.母児双方への悪影響を排除するため早急な治療が必要である.妊娠中にMeckel憩室による腸重積を発症した症例は極めて稀であり若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 和田 亜美, 高橋 剛, 黒川 幸典, 瀧口 修司, 野島 聡, 森 正樹, 土岐 祐一郎
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2507-2512
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は62歳,男性.4年前に進行胃癌に対し腹腔鏡下胃全摘術を施行.術後3年7カ月の画像検査にて,小腸腸間膜に腫瘍を指摘された.その後,増大傾向を示し,PET-CTにてFDGの集積を認めたため,胃癌の再発を含む悪性疾患を疑い,腹腔鏡手術の方針となった.腫瘍は,前回Roux-en Y再建を行った際の小腸間膜切離・修復部位に一致し,第一空腸動静脈直上の腸間膜に存在した.腹腔鏡操作による剥離操作を行い,腸管切除なしに,腫瘍のみ摘出しえた.組織学的には紡錘形細胞の増生を認め,免疫染色ではCK(AE1+3),c-kit,CD34,SMA,S100は陰性,β-catenin陽性であったことからデスモイドと診断した.デスモイドは外傷・手術などの機械的刺激がその発生に関与するとされているが,近年盛んに行われるようになった腹腔鏡手術後発生の報告は極めて稀で,文献的考察を加え報告する.
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  • 林 昌俊, 栃井 航也, 小久保 健太郎, 高橋 啓, 松本 光善
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2513-2516
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は62歳,女性.主訴は腹痛.平成23年4月,子宮頸癌にて,術前化学療法(5-FU,CDDP)を施行後,広汎子宮全摘術,膀胱部分切除術,尿管新吻合を施行された.病理検査は扁平上皮癌 keratinizing type stage IIbであった.平成23年10月中旬から食後の腹痛出現.10月27日には嘔吐も認め再入院した.long tubeを挿入し造影すると,小腸に全周性の狭窄を認めた.癒着性または子宮頸癌再発による腸閉塞と診断し手術を施行した.骨盤底には局所再発と考えられる腫瘤を触知した.また,回盲弁より約60cm口側の回腸に3cm大の腫瘍を触知した.腹水,播種結節なく,小腸部分切除術,S状結腸により人工肛門造設術を施行した.病理学的検査にて小腸腫瘍は高分化型扁平上皮癌であり,子宮頸癌小腸転移と診断した.今回われわれはまれな子宮癌小腸転移を経験したので報告する.
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  • 小林 弘典, 藤本 三喜夫, 中井 志郎, 宮本 勝也, 横山 雄二郎, 坂下 吉弘
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2517-2521
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は11歳の男児で,下腹部痛を主訴に受診した.腹部造影CTでSMV rotation signを認め,小腸は右側,結腸は左側に偏在しており,下腹部正中に腫大した虫垂を認めたため,腸回転異常症併存急性虫垂炎と診断し緊急手術を行った.全身麻酔下に臍切開単孔式手術を行い,マルチプルトロカール法にて5mmトロカールを2本穿刺した.腹腔内を観察しnonrotation typeの腸回転異常症であることおよびLadd靱帯やpedicleなどの異常膜状構造物がないことを確認した.虫垂の同定は容易であり,トロカール穿刺間の筋膜を小切開し虫垂を引き出し直視下に虫垂切除を行った.腸回転異常症併存急性虫垂炎に対して腹腔鏡手術を施行した症例の報告はまれであり,腸回転異常症併存急性虫垂炎に対する単孔式腹腔鏡補助下手術の有用性を若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 住田 亙, 大島 一夫
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2522-2525
    公開日: 2014/03/25
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    背景:先天性大腸狭窄症(本症)はまれな先天奇形である.今回,異物誤飲による大腸穿孔を契機に診断された多発性膜様狭窄症の1例を経験したので報告する.
    症例:症例は2歳女児.高熱,嘔吐を認め,総合病院を受診し,絞扼性イレウスで手術適応として当院に搬送となった.手術所見は,大腸に複数箇所の狭窄部位を認めた.下行結腸の狭窄部の口側で腸管が穿孔していた.穿孔部位からおはじきが摘出され,狭窄部位で引っ掛かり穿孔したと診断した.双孔式人工肛門を作成し,穿孔部位は単純閉鎖した.小腸には明らかな狭窄部位を認めなかった.現在は人工肛門を閉鎖し経過を観察している.
    考察:本症は非常にまれで,特に複数の狭窄部位を認めた報告は検索しうる限りない.異物の誤飲を経過観察する際,通常であれば通過する大きさであっても,本症を伴っていると通過せず穿孔をきたす場合もあり,経過観察の際に本症の存在も考慮するべきと考えられた.
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  • 芳澤 淳一, 大久保 洋平, 唐澤 文寿, 中山 中, 竹内 信道, 伊藤 憲雄
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2526-2531
    公開日: 2014/03/25
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    症例は72歳,女性.40歳頃より腹壁瘢痕ヘルニアを指摘されていた.心窩部痛と嘔吐を主訴に来院した.左側腹部に直径25cmの腹壁瘢痕ヘルニアを認め,腹部CTでは腹壁瘢痕ヘルニア内にS状結腸と小腸が脱出していた.小腸の造影効果は軽度低下していたが,腸閉塞所見はなかったため,入院後保存的に加療を行った.入院3日目にも病状は改善せず,再度CT検査を行ったところ,脱出小腸の造影効果は消失し,腸閉塞所見も出現していたため緊急手術を行った.ヘルニア嚢内に下行結腸からS状結腸が脱出し,さらにS状結腸腹膜垂がヘルニア嚢に癒着することで小腸35cmが内ヘルニアとなり壊死性変化を伴い拡張していた.腹膜垂を切開して壊死腸管を切除,腹壁瘢痕ヘルニアの修復も行った.腹壁瘢痕ヘルニア内で発症した絞扼性イレウスおよび腹膜垂による腸閉塞はいずれもまれであり,文献的考察を含めて報告する.
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  • 南野 佳英, 中村 文隆, 今村 清隆, 岡田 尚也, 嶋口 万友, 高田 実
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2532-2535
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    患者は77歳,男性.以前家族性血友病Bの診断を受けたが,その後フォローアップを受けていなかった.下血主訴に前院へ救急搬送となり,Hb値3.5g/dlの高度の貧血を認めた.下部消化管内視鏡検査で上行結腸の2型進行癌と診断された.腫瘍出血に対し,血友病医療のガイドラインに従い血液凝固因子の補充を行い,当院へ搬送となった.搬送後に撮影したCT検査で小腸間膜に腫瘤も認め,小腸GISTを疑った.単孔式腹腔鏡下結腸右半切除および小腸部分切除術を行った.術中,術後ともに出血のエピソード無く経過し,術後7日目に転院となった.
    血友病に対する腹腔鏡下手術の報告は少ない.単孔式腹腔鏡下結腸右半切除は血友病B患者においても安全に施行可能で,出血を抑えた有用な術式である可能性が示唆された.
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  • 池西 一海, 志野 佳秀, 成清 道博, 西尾 和司, 中谷 勝紀, 堤 雅弘
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2536-2540
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    大腸の悪性リンパ腫は大腸の悪性腫瘍全体の0.1-0.7%とまれな疾患である1).今回,腸重積の診断で緊急手術を施行した大腸悪性リンパ腫の症例を経験した.症例は75歳男性で腹痛と下血を主訴に当院を受診した.右下腹部に圧痛があり,眼瞼結膜に貧血を認めた.腹部造影CTにて上行結腸内に陥入した腫瘤性病変を認めた.盲腸腫瘍の腸重積と診断し,高度の下血も伴っていたため,緊急手術を施行した.手術所見で回盲部が重積しており腫瘤を触知し,周囲リンパ節は腫大していた.切除標本で回盲弁を挟むように隆起性病変が存在した.病理組織学的検査所見でびまん性大細胞型B細胞性悪性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma)と診断した.術後化学療法を再発予防で施行し,術後1年3カ月無再発生存中である.大腸悪性リンパ腫の成人腸重積は極めてまれであり,文献的考察を含めて報告する.
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  • 田中 宏明, 池田 拓人, 小倉 康裕, 上田 祐滋, 島尾 義也
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2541-2545
    公開日: 2014/03/25
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    55歳の女性.検診にて腹腔内腫瘤を指摘され当院へ紹介された.触診で左上腹部に手拳大で可動性不良の硬い腫瘤を触れた.腹部超音波では境界明瞭,内部エコー不均一な充実性腫瘤として認め,CT所見では80×70×45mm大の境界明瞭,造影効果の乏しい腫瘍であった.原発不明の腹腔内腫瘍との術前診断のもとに,腹腔鏡下に切除術を施行した.腫瘍は横行結腸間膜と茎状に連なる形で存在し,周囲組織への浸潤は認めなかった.摘出標本では割面が白色調の充実性腫瘍であった.病理所見では免疫染色にてc-kit,CD34が陰性,抗平滑筋アクチン染色が陽性であり腸間膜原発の平滑筋腫と診断された.腸間膜平滑筋腫は極めて稀な疾患であり,良悪性の鑑別が難しく,組織学的所見が生物学的悪性度とは必ずしも一致しない.術後2年以上経過するが再発兆候は認めていない.今回,横行結腸間膜原発の平滑筋腫の1切除例を経験したので文献的考察を含め報告する.
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  • 土田 智一, 足立 武則, 原 信寿, 鹿島 康薫, 早乙女 勇, 廣田 紀男
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2546-2550
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    59歳,男性.便秘,下腹部痛を主訴に外来受診.腹部X線写真で全結腸の拡張,腹部CTでS状結腸壁肥厚と口側腸管の拡張を認めた.大腸内視鏡検査でS状結腸内腔を占める腫瘍を認め,経肛門的イレウス管を挿入した.減圧,洗浄を行い,再度造影CTを施行したところS状結腸腫瘍のほか横行結腸内腔を占める腫瘍,多発肝転移が確認された.翌日注腸検査を行うと下行結腸にカニ爪状陰影が見られた.横行結腸腫瘍による腸重積と考え,圧を加え重積を解除した.挿入後7日目にHartmann手術,横行結腸部分切除術を行った.経肛門的イレウス管は待機手術を可能にするだけでなく,狭窄より口側の大腸検索にも有用である.合併症として出血,穿孔,潰瘍形成などが報告されているが,今回われわれは経肛門的イレウス管留置が原因と考えられた腸重積を経験した.多発大腸癌はまれな病態ではなく,イレウス管留置の際には合併症の1つとして留意する必要があると考えられた.
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  • 廣田 昌紀, 長谷川 順一, 三方 彰喜, 清水 潤三, 金 鏞国, 三輪 秀明, 根津 理一郎
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2551-2556
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は70歳,男性.水様性下痢,体重減少を主訴に当院受診.精査にて空腸とS状結腸に浸潤した内瘻合併横行結腸癌と診断し,結腸左半切除(D3)・空腸合併切除術を施行した.横行結腸癌が空腸とS状結腸に浸潤し,3臓器間に内瘻形成が認められた.組織学的には中分化型管状腺癌を伴う粘液癌で,pSI(jejunum/sigmoid colon),pN0,sH0,sP0,cM0 Stage IIであった.術後5年経過し再発・転移は認めていない.内瘻合併結腸癌でも,治癒切除を目指した積極的な他臓器合併切除により比較的良好な予後が期待できると考えられ,若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 石田 誠, 佐野 周生, 寺田 卓郎, 三井 毅, 須藤 嘉子, 山口 明夫
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2557-2561
    公開日: 2014/03/25
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    症例は64歳,男性.高血圧,狭心症にて内科通院中にスクリーニングの腹部CTにて肝腫瘤を指摘された.血液検査にてHBs抗原陽性以外,特記すべき異常は認めなかった.腹部造影CTにて肝S8に2cm大の辺縁濃染を示す乏血性の低吸収域を認めた.肝EOB-MRIでは肝細胞相において腫瘤中心部と辺縁部に造影効果に違いを認め,拡散強調像にて高信号を呈した.以上のことから,鑑別診断として硬化型肝細胞癌や炎症性偽腫瘍などがあげられたが,肝内胆管癌の診断にて肝S8亜区域切除術を施行した.術中,肝表面にやや発赤しわずかに隆起した腫瘤を確認できた.肉眼的に腫瘤は不整形の境界明瞭な白色結節で,組織学的には好酸球の豊富な炎症細胞浸潤の内側に類上皮細胞の柵状配列とその内部に壊死層が存在し,その一部にアニサキスの虫体を認めた.したがって肝アニサキス症と診断した.
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  • 草間 啓, 中田 伸司, 袖山 治嗣, 町田 泰一, 西尾 秋人, 渡辺 正秀
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2562-2566
    公開日: 2014/03/25
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    症例は37歳の女性で上腹部痛を主訴に平成21年12月に当院受診.腹部超音波検査で肝腫瘍を指摘され,外科紹介となった.腹部造影CTで肝S1に7.0cmの造影早期相で不均一に強く造影され,平衡相で周囲肝実質より低吸収となる境界明瞭な腫瘤を認めた.腹部MRI検査では,腫瘍は境界明瞭,T1強調像で低信号,T2強調像で不均一な高信号を示し,CT検査と同様に造影早期から腫瘍内部は不均一に濃染した.T1強調位相コントラスト画像では信号強度の低下を認めず,脂肪成分の存在は確認できなかった.肝細胞癌の可能性も完全には否定出来なかったため,肝左葉切除術を施行した.腫瘍は6.5×5.5×6.0cmの赤褐色の腫瘤で,病理組織学的には好酸性の胞体を持つ類上皮型の平滑筋細胞が増生し,脂肪成分は認められなかった.また腫瘍全周にわたり線維性の被膜様構造を認め,免疫染色ではHMB-45,α-SMAが陽性で,肝血管筋脂肪腫と診断された.
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  • 國府島 健, 渡邉 佑介, 遠藤 芳克, 渡邉 貴紀, 甲斐 恭平, 佐藤 四三
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2567-2571
    公開日: 2014/03/25
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    右胃大網動脈(RGEA)を使用した冠状動脈バイパス術(CABG)後に発生した肝細胞癌に対して肝後区域切除術を施行した1例を経験した.症例は78歳男性.平成13年に心筋梗塞にて他院で左内胸動脈,大伏在静脈,RGEAをグラフトに用いてCABG施行された.平成25年2月,C型慢性肝炎を背景とした肝細胞癌の診断で当科紹介となり,肝後区域切除を施行した.RGEAグラフトは肝表面や肝円索などと癒着していたが,開胸を加えることでグラフトをほとんど触る必要なく手術を施行しえた.術中,術後に合併症は認めなかった.RGEA使用CABG後の上腹部手術は,グラフトと周囲の癒着剥離による損傷や,圧迫などの機械的刺激によるスパスム(攣縮)によって心原性ショックになる可能性がある.術前の心機能やグラフトの評価,術中は注意深く愛護的な手術操作が要求される.
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  • 砂原 正男, 倉内 宣明, 常俊 雄介, 鈴木 伸作, 木村 純, 工藤 和洋, 下山 則彦
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2572-2576
    公開日: 2014/03/25
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    症例は71歳の男性で,C型慢性肝炎経過観察中に肝に腫瘤性病変を指摘され入院した.腹部CTでは肝S4に早期濃染と洗い出しを認める病変を認めた.CTAPでは肝S6にも門脈血流欠損域を認めたが,CTHAでは早期相で濃染するものの後期相では明らかな洗い出しを認めず,非典型的な多発肝細胞癌の診断にて手術を施行した.病理組織学的,免疫組織化学的にS4の肝細胞癌とS6の細胆管細胞癌からなる重複肝癌と診断された.細胆管細胞癌と肝細胞癌は,ともに慢性肝疾患を背景に持つことが多く臨床像が類似しているが,両者の重複肝癌は極めてまれであり,本邦報告例とともに文献的考察を加えて報告する.
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  • 清田 誠志, 形部 憲, 酒部 克, 金沢 源一, 田中 宏
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2577-2581
    公開日: 2014/03/25
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    症例は73歳,男性.総胆管結石に対して内視鏡的乳頭切開切石術の既往あり.肝機能障害とCRP高値にて当院紹介となる.腹部CTにて,胆嚢結石と胆嚢壁肥厚および胆嚢周囲腹壁の低濃度腫瘤を認め,腹壁膿瘍を伴う急性胆嚢炎と診断され入院となる.保存的に加療するも軽快せず.造影CTにて,腹壁膿瘍の増大と門脈臍部から左右分岐部および右前区域枝内に低濃度構造物を認めた.急性胆嚢炎が原因となった門脈血栓と診断した.胆嚢炎に対して腹壁膿瘍ドレナージや抗生剤投与など保存的加療を施行し,門脈血栓は画像にて経過観察した.胆嚢炎は軽快し,門脈血栓は臍部のみが残存した.門脈血栓の伸展のないことを確認した上,待機的に開腹下胆嚢摘出術を施行した.開腹時,胆嚢結腸瘻を認めたため結腸楔状切除を施行した.術後,創部感染を合併したが術30日目に軽快退院となる.急性胆嚢炎が原因となった門脈血栓症の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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  • 東 勇気, 木下 淳, 尾山 勝信, 伏田 幸夫, 藤村 隆, 太田 哲生
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2582-2586
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    気管支胆管瘻はまれな病態であり,治療が困難とされている.今回,気管支胆管瘻に対して経胆管的塞栓術が奏効した1例を経験し,これまでに同様の報告はないため,文献的考察を加え報告する.症例は64歳男性,多発肝転移を伴う進行胃癌に対して,化学療法後に,胃全摘術(D2郭清,膵体尾部・脾臓・結腸・肝合併切除)を施行した.術後1年半で肝S5再発を認め,肝部分切除術を施行した.高度の癒着により,右横隔膜と肺を損傷し,縫合閉鎖した.肝切除の2年後,肝に再々発をきたし,化学療法を開始した.経過中に発熱と胆汁様喀痰を認め,気管支胆管瘻による胆汁性肺炎と診断した.保存的加療で一時的に改善するも再燃し,肝移巣増大に伴う総胆管狭窄が一因と考えPTCDを行ったが,効果は乏しく,経胆管的に瘻孔閉鎖を行ったところ,速やかに肺炎は改善した.他の治療での治癒が困難な症例に対して経胆管的気管支胆管瘻塞栓術は一つの選択肢と考えうる.
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  • 木下 満, 初野 剛, 中山 裕史, 片岡 政人, 近藤 建
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2587-2592
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    Hemosuccus pancreaticusは膵管内からVater乳頭を経由した消化管出血をきたす疾患である.症例1は46歳,女性.アルコール多飲歴あり,他院で膵腫瘍を指摘されていた.下血と腹痛で当院入院.腹部CTで膵尾部に直径27×32mmの腫瘤,内部に高吸収域を認めた.内視鏡的逆行性膵管造影を施行し,hemosuccus pancreaticusと診断,膵体尾部脾合併切除術を施行した.症例2は73歳,男性.腹痛と黒色便で他院で膵腫瘍疑われ当院受診.腹部CTで膵尾部に直径7×8mmの腫瘤,また脾静脈閉塞による左側門脈圧亢進症を認めた.以上より,hemosuccus pancreaticusと診断し膵体尾部脾合併切除術を施行した.病理所見では2例とも慢性膵炎に起因する脾動脈瘤破裂による膵管内穿破であった.今回著者らは2例のhemosuccus pancreaticusを経験したため報告する.
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  • 長谷川 傑, 佐藤 勤, 齊藤 絵梨子, 若林 俊樹, 太田 栄, 伊藤 誠司
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2593-2597
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    総肝動脈血流が何らかの原因で閉塞している場合,種々の経路の側副血行路から肝動脈血流が維持されている場合が多い.このようなケースで膵頭十二指腸切除(PD)を行う場合,側副血行路からの肝動脈血流をいかに維持するかが重要である.血流の経路として,上腸間膜動脈(SMA)から膵周囲のアーケードを介する胃十二指腸動脈からの経路に依存することが多いが,左胃→胃壁→右胃動脈を介した経路が発達している場合がある.今回,早期十二指腸癌に対しPDを必要とした症例で,左胃→右胃動脈を介した経路が発達しており,これを温存することで動脈再建を行うことなく安全に手術を施行しえた1例を経験した.このような特異な血行動態を示す症例では,CT動脈造影をもとにした手術のプラニングと術中の血流量の確認が重要である.
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  • 渡辺 俊之, 三浦 恵美, 柿原 知, 原田 真悠水, 中山 洋, 佐々木 愼
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2598-2603
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は52歳,男性.大腸ポリープ切除後の経過観察のため受診した際,4年間で7kgの体重減少があることを訴えた.腹部CTを施行したところ,脾臓に造影効果の乏しい境界明瞭な5cm大の腫瘤が認められた.画像診断で悪性腫瘍を完全には否定できず,患者も切除を強く希望したため,用手補助下腹腔鏡手術(HALS)による脾臓摘出術を行った.腫瘤は6.5×5.0×4.0cm大で,割面では白色充実性の内部に赤褐色の小結節を多発性に認めた.組織学的には線維性硬化性間質を背景に多数の血管腫様結節を認め,CD34,CD8,CD31を用いた免疫組織学的所見から,sclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)と診断した.本邦におけるSANTの報告例は9例のみで,非常にまれな疾患である.画像による診断が困難であることから,確定診断のためには手術が必要と考えられる.
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  • 和久 利彦
    74 巻 (2013) 9 号 p. 2604-2609
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    症例は78歳の女性.汎血球減少で当院紹介.汎血球減少とLDH・sIL-2Rの高値を示した.内分泌検査では,血中コルチゾールは正常値,血中ACTH・血中ノルアドレナリン・尿中ノルメタネフリンの値が上昇し,血中アドレナリン・尿中メタネフリンの値が低下した.CT検査では,左右副腎は内部が比較的均一で7cmに腫大し,PET検査では,左右副腎のみにFDGの異常集積があった.副腎原発の悪性リンパ腫が疑われ,確定診断のため腹腔鏡下に右副腎腫瘍部分切除を行った.病理組織所見では,大型で異型性を有するリンパ球のびまん性増殖が認められ,免疫染色ではCD3・CD5・CD10・CD56陰性,CD20陽性であった.DLBCLとの診断でR-CHOP療法を行ったが,術後5カ月目には中枢神経系への浸潤も認め,術後8カ月目に死亡した.予後不良な疾患のため,腹腔鏡下生検による迅速な確定診断と化学療法の開始が肝要である.
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