日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
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75 巻 , 12 号
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原著
  • 澤崎 翔, 山本 直人, 五代 天偉, 片山 雄介, 沼田 幸司, 沼田 正勝, 樋口 晃生, 塩澤 学, 利野 靖, 益田 宗孝, 赤池 ...
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3225-3229
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    目的:膵頭十二指腸切除術において膵管空腸吻合で用いるロストステントチューブの術後動態および安全性を明らかにする.
    対象と方法:2008年から2011年まで当院で膵頭十二指腸切除を施行し,膵管空腸吻合部にロストステントを留置した91例についてCTでステントの位置を評価し,また体外排出に関して各臨床・手術因子についてretrospectiveに統計学的解析を行った.
    結果:ステントの体外排出までの中央値は244日(57-1493日)であった.術後1年時点での累積遺残率は47.4%で,遺残部位は膵管空腸吻合部が多かった.ステントの体外排出に関する有意な因子は認めなかった.ステント挿入の合併症として膵管内に迷入したステントとの関連が疑われる膵炎を1例認めたが,保存的に軽快した.
    結論:ロストステントは体内に遺残することもあるが,重篤な合併症はなく安全に使用可能であった.
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臨床経験
  • 細野 芳樹, 川口 順敬, 桐生 拓司
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3230-3235
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    目的:仰臥位ダイナミックMRIでの腫瘍位置を熱可塑性プラスチックシェルに介して乳房へ転記する方法(MRIシェル法)を用い,乳癌に対して乳房部分切除術を行う際の精度を評価する.方法:MRIシェル法の側方断端陽性率を乳房での腫瘍占拠部位,BMI(Body Mass Index),年齢で比較検討した.対象:当院でMRIシェル法を用いて行った乳房部分切除術症例45例.結果:側方断端陽性率は24%(11/45),術前化学療法施行例のみでは22%(2/9)だった.腫瘍の占拠部位別では乳頭下領域が100%(2/2),乳房外側下部領域が40%(2/5)と体幹に対して乳房の自由度が高い部分で高い傾向にあった.陽性症例は全て乳管内病変だった.結論:MRIシェル法の断端陽性率は文献で報告された19%~31%と遜色がなく,仰臥位ダイナミックMRIでの腫瘍の広がりを実際の乳房に反映できる有用な方法である.
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  • 遠藤 健, 豊島 明, 赤井 隆司, 天野 隆皓
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3236-3244
    公開日: 2015/06/30
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    内肛門括約筋切除術(ISR)を施行した下部直腸癌93例を検討した.男性69例と女性24例,年齢は平均61歳,進行度はStage別にそれぞれ(0/I/II/III/IV)=(3例/33例/18例/29例/10例)であった.87例(94%)でストマ閉鎖を完了した.ISR後の予後は無再発生存率73%,再発率18%(局所再発率7.2%)で,Stage IIIbの再発率は50%であった.12例に術前化学放射線治療が施行され,組織学的効果判定ではgrade 1a:2例,1b:4例,2:6例で無効例はなく,Stage IVを除く9例中8例が無再発生存中である.ストマ閉鎖後のWexnerスコアは,閉鎖後1カ月までは平均11.6で,その後3カ月で8.6に下降し,6カ月で4.6となり,男女差と術前照射の有無ではスコアの差を認めなかった.6カ月を経過した時点でほぼ全例で「日常生活の制限なし」との回答が得られた.
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症例
  • 岡田 明子, 村田 透, 井上 昌也, 竹之内 靖, 中山 隆
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3245-3248
    公開日: 2015/06/30
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    症例は83歳,女性.左乳房腫瘤を自覚し当院を受診した.視触診・マンモグラフィ・乳房超音波検査・MRIを施行し,左C領域に23mm大の不整形腫瘤を認め,乳癌が疑われた.CTでは左腋窩に10mm大の転移を疑わせる腫大リンパ節を認めたが,明らかな遠隔転移は認めなかった.左乳房腫瘤に対し針生検を施行し,浸潤性乳管癌と診断された.左腋窩リンパ節に対しては穿刺吸引細胞診を施行したが明らかな悪性所見はみられず,左乳房切除術とセンチネルリンパ節生検を施行した.センチネルリンパ節のH.E.染色で類上皮細胞とLanghans型巨細胞,乾酪壊死を認めたため,抗酸菌染色を行ったところ,菌体を認め,結核性リンパ節炎と診断した.乳癌と結核性リンパ節炎が合併したことで,リンパ節腫大に対する診断を困難にさせたと考えられた.
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  • 矢野 正雄, 佐々木 建志, 後藤 哲宏, 島尾 一也, 長谷部 行健
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3249-3253
    公開日: 2015/06/30
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    局所進行乳癌からの大量出血というoncogenic emergencyに対してinterventional radiology (IVR)治療が有効であり,良好な結果を得られた2症例を報告する.症例1は右乳癌からの大量出血,出血性ショックにて救急車にて当院に搬送された.緊急輸血を施行し,止血を試みるが大量再出血を繰り返したためIVR治療を施行した.その後,全身化学療法に移行し,最終的に根治術を施行できた.症例2は,右乳癌からの大量出血,貧血にて他院より当院に転院された.IVR治療にて良好な止血効果および腫瘍本体部壊死,縮小を認めた.Performance statusも改善し,前医に再転院し,全身化学療法にて1年6カ月PRを維持した.IVR治療は局所進行乳癌に対する集学的治療の一つとして有用な治療戦略の一つとなると考えられた.
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  • 向原 公介, 峠 幸志, 金城 玉洋
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3254-3258
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    Fibromaは心臓腫瘍の中で比較的稀な良性腫瘍であり,その大部分は幼少期に発見,治療される.今回われわれは,左心室に発生した成人fibromaの1切除例を経験したので報告する.症例は35歳の女性.2008年に胸痛,胸部圧迫感を自覚し複数の施設を受診し左室腫瘍の診断で経過観察となっていた.徐々に胸痛の頻度が増加し,本人の不安感も強く2011年11月に当科を受診した.精査の結果,左室下壁を中心に4cm大の左室腫瘍を認め後乳頭筋を押し上げるような腫瘍であった.弁膜症は認めなかった.2012年1月に腫瘍切除を行った.肉眼的に完全切除が可能であり乳頭筋は温存可能で菲薄化した左室壁は左室形成術を行った.病理結果はfibromaであった.成人左室fibromaは稀な疾患で文献的考察を含めて報告する.
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  • 伊藤 学, 夏秋 正文, 大坪 諭, 古川 浩二郎, 森田 茂樹
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3259-3264
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    大動脈炎症候群を合併した異型大動脈縮窄症に対する手術の長期遠隔の1症例.
    異常高血圧を合併した異型大動脈縮窄症に対して,上行大動脈-腹部大動脈バイパス手術の長期遠隔を検討した.手術時年齢は44歳の女性であり,診断当初の右上肢の収縮期血圧は300mmHgの異常高血圧であった.上肢の降圧と心負荷を目的に手術となった.手術は胸骨正中切開と腹部正中切開のもと,人工血管(Gelseal 16mm)による上行大動脈-腹部大動脈のバイパス手術を施行した.人工血管のルートは横隔膜を貫通し網嚢を通過させ,腹部大動脈にて人工血管の末梢吻合を行った.さらには鎖骨下動脈バイパス手術を,Gore-Tex人工血管を用いて行った.術後の右上肢の血圧は徐々に低下し,術後10年の経過にて安定してきた.本例は大動脈炎症候群に合併した異型大動脈縮窄症であり,現在プレドニゾロン6mgの内服にてコントロール中である.術後21年目の造影CTでは,人工血管の開存は良好であり吻合部動脈瘤など見られなかった.
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  • 今泉 健, 吉村 哲規, 本山 一夫, 平野 隆幸, 中田 拓也, 鶴田 耕二, 加藤 弘之
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3265-3270
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,女性.検診の上部消化管造影で胃壁の異常を指摘され,前医での上部内視鏡検査で胃悪性リンパ腫を疑われ当科紹介受診となった.当院での上部消化管内視鏡検査では,胃体部後壁にびらんを伴う広範囲な陥凹性病変を認めた.生検結果は,diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL)であった.前医での血中Helicobacter pylori (以下HP)抗体が陽性であったため除菌療法を行った.除菌治療後の上部内視鏡検査ではびらんは消失し,褪色調の粘膜面のみとなっていたが,分水嶺付近の生検から腺癌が検出された.胃悪性リンパ腫と胃癌の併存と診断し,腹腔鏡補助下胃全摘術を施行した.切除検体の病理組織検査では,早期の管状腺癌を認めたが,DLBCLは病理学的寛解であった.本症例はDLBCLと早期胃癌の併存で,手術検体からDLBCLへの除菌治療効果を病理学的に確認できた非常に稀な症例であった.
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  • 川北 雄太, 伊藤 良正
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3271-3277
    公開日: 2015/06/30
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    症例は63歳の男性で,体上部胃癌の診断で当科へ紹介となった.術前の凝固検査でPTは12.6秒と正常範囲内であったが,APTTは56.9秒と延長していた.出血性胃癌と診断し,胃全摘術を施行したが,術後第1病日にY脚吻合部から腸管内へ出血をきたし,止血・再吻合術を施行した.さらに,ドレーンの腹壁貫通部から腹腔内出血を呈したため,第8病日に開腹止血術を施行した.第VIII凝固因子活性は12.4%と低下を認めたため,後天性血友病Aの可能性を考え,prednisoloneの投与を開始した.すぐに専門医へ紹介し,第10病日に他院の血液内科へ転院となった.転院後,第VIII因子インヒビターは171.3BU/mlと上昇が確認され,後天性血友病Aと診断されたが,突如,致死的不整脈を起こし,心肺蘇生の甲斐なく永眠となった.原因不明の凝固機能異常や出血傾向を呈する場合は,後天性血友病を念頭に置くことが必要であると考えられた.
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  • 上原 拓明, 友利 健彦, 豊見山 健, 野里 栄治, 永吉 盛司, 大嶺 靖
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3278-3283
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は81歳の男性.20年前に胃癌に対して開腹下胃全摘術,結腸前経路Roux-en-Y再建術の手術既往があった.1カ月前より間欠的な右上腹部痛を自覚しており,増強したため当院を受診した.CT検査でclosed loop obstructionを伴う小腸拡張を認め,絞扼性イレウスの診断で,緊急開腹手術を施行した.開腹すると,Treitz靱帯からY脚吻合部までの小腸が,挙上空腸と横行結腸間膜の間隙(Petersen's defect)に嵌頓していた.同部位の壊死が疑われたため,小腸部分切除して吻合再建を行った.Petersen's defectは縫合閉鎖した.術後経過は良好であった.胃癌術後のPetersenヘルニアは比較的稀であり,自験例のように術後20年で発症し小腸壊死に陥った本邦報告は認めなかった.若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 釜田 茂幸, 藤田 昌久, 新田 宙, 石川 文彦, 伊藤 博
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3284-3288
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は24歳の女性で,既往は特になく,前日より出現した腹痛と嘔気を主訴に当科外来へ紹介となった.腹部CT検査では右下腹部の小腸に高度の狭窄を認め,絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.回腸末端から約90cmの小腸壁外と回盲部を繋ぐ索状物を認め,そのループをくぐった小腸が捻転して絞扼されていた.索状物を切除して腸閉塞を解除し,小腸部分切除を施行した.術後経過は良好で,術後11日目に退院した.病理組織学的所見では,腸管外索状物に壊死を伴った好酸球性肉芽腫があり,その中央には変性に陥った線虫と思われる構造が観察され,臨床病理学的にアニサキス症と診断された.陳旧性の消化管外アニサキス症が原因となり,炎症性の癒着を形成して絞扼性イレウスを発症したものと考えた.開腹手術歴がない原因不明のイレウスの場合に,消化管外アニサキス症も鑑別疾患の一つとして検討する必要があると思われる.
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  • 清田 正之, 軸原 温, 小川 龍之介, 中川 浩一, 橋本 雅明
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3289-3293
    公開日: 2015/06/30
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    症例は35歳の男性,激しい上腹部痛を主訴に来院.上腹部を中心に筋性防御を伴う圧痛を認めた.腹部CTで上腹部に造影効果を伴う9cm大の炎症性腫瘤を認め,両側傍結腸溝・骨盤腔に腹水貯留を認めた.小腸原発腫瘍の穿孔による急性汎発性腹膜炎と判断して緊急手術を施行した.開腹すると空腸に8cm程度の腫瘤性病変を認め,表面に穿孔部を認めた.腫瘤を含む同部位の小腸部分切除術を施行した.摘出標本を観察すると小腸からT字型に分岐した重複腸管を認め,その先端が腫瘤性病変へと連続していた.病理組織学的に腫瘤部はHeinrich I型の異所性膵組織と診断された.
    重複腸管に異所性膵を伴うものは珍しく,腫瘤穿孔による腹膜炎症状で手術に至った症例は極めて稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 櫛引 敏寛, 児嶋 哲文, 平口 悦郎, 橋田 秀明, 三井 潤, 和田 雅孝
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3294-3299
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は38歳,女性.潰瘍性大腸炎に対し,昭和62年から平成元年にかけて3回にわたり手術を受け,大腸全摘となり,回腸人工肛門を造設された.平成24年1月に回腸人工肛門粘膜と皮膚との接合部にポリープを認め,近医で治療を受けたが,ポリープの増大があり,平成25年3月に当院紹介受診となった.初診時,回腸人工肛門部に8×6×3cm大の腫瘍性病変を認めた.生検の結果adenocarcinomaで,腹部造影CT検査では腸間膜リンパ節転移が疑われた.同年4月に回腸人工肛門切除,皮膚合併切除,腸間膜リンパ節郭清,および左下腹部に回腸人工肛門再造設術を行った.回腸人工肛門癌は人工肛門造設後20年以上経過してから発症することが多く,長期にわたる定期的な人工肛門部の診察が重要であると思われる.
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  • 秋田 聡, 谷川 和史, 末廣 和長, 佐藤 元通, 喜安 佳人, 北澤 理子, 北澤 荘平, 渡部 祐司
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3300-3304
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    S状結腸重複症による穿孔性腹膜炎の稀な症例を経験した.症例は81歳,男性.1年前から切除不能肺癌で対症療法を受けていた.腹痛を主訴として来院し,保存的治療を行うも増悪した.CT撮影を行い,骨盤内嚢胞と腹腔内遊離ガスを認め緊急手術を行った.膀胱壁に癒着したS状結腸に連続した嚢胞を認めた.嚢胞壁の小穿孔による限局性腹膜炎の所見であった.嚢胞をS状結腸と共に切除した.嚢胞とS状結腸は径5mmの瘻孔で交通し,嚢胞には便汁が充満していた.病理検査で嚢胞に腸粘膜を認め,重複腸管と診断した.消化管重複症は通常小児にみられる先天性疾患である.成人発症の大腸重複症は極めて稀である.成人の大腸重複症を文献的に検討し,臨床像を呈示する.
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  • 久保田 竜生, 川田 康誠, 外山 栄一郎, 大原 千年
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3305-3308
    公開日: 2015/06/30
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    症例は97歳,女性.便秘,下腹部痛などを主訴に紹介受診.腹部CT検査において,横行結腸に広範な腸重積を認め当院消化器科に入院となった.イレウスの所見はないが,先進部の造影効果は微弱であり,腸管虚血を疑われた.空気整復では解除困難であったため外科紹介となり手術を行った.回腸終末~盲腸は上行結腸内に陥入しており,横行結腸正中まで拡張していた.整復は困難であり,右半結腸切除術を行った.切除標本では,盲腸に壁の肥厚を認め脂肪腫などの存在を疑ったが,病理組織学的所見では,盲腸の肥厚像は粘膜下の浮腫と血管の拡張,線維芽細胞の増生像を認め,持続する循環不全による変化のためと考えられた.これより特発性腸重積症と診断した.術後経過は良好であった.成人に発症する特発性腸重積は稀な疾患であり,今回われわれは,97歳と超高齢者に発症した腸重積を経験した.若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 徳田 和憲, 發知 将規, 古手川 洋志, 吉山 広嗣, 原田 雅光, 河崎 秀樹
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3309-3312
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    臓器移植後の免疫抑制剤使用によって,悪性腫瘍の発生頻度が高くなるといわれている.今回,われわれは腎移植後の大腸癌に対する腹腔鏡下手術を経験した.症例は58歳の男性で,2009年に糖尿病性腎症にて生体腎移植し,3年後に下行結腸癌を認め,腹腔鏡下下行結腸切除を施行した.手術時間は210分で,出血量は10ml,最終診断はD,2型,14×17mm,tub1,MP,N1,H0,P0,M0 Stage IIIaであった.術後合併症なく退院した.ポート位置をずらすことで腹腔鏡下にて手術施行しえた.今後,腎移植後患者の大腸癌増加が予想されるが,腹腔鏡下手術は低侵襲で腎移植後患者に対しても,選択肢の一つとして考慮されるべき術式であると考えられた.
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  • 岡村 拓磨, 蛭川 浩史, 武居 祐紀, 齋藤 敬太, 佐藤 洋樹, 多田 哲也
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3313-3316
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    S状結腸軸捻は,腹腔鏡下手術のよい適応であるが,単孔式手術の報告はまだ少数である.当科では2011年から2012年の間に,S状結腸軸捻に対して単孔式腹腔鏡補助下手術を施行した4例を経験し,良好な結果を得たので報告する.男性1例,女性3例.年齢は16―87歳(中央値41).手術時間は110-166分(平均137分),出血量は少量-50ml.全例合併症なし.術後在院日数は7-20日(平均12日).退院後16-39カ月の経過で全例に再発を認めていない.本症に対する単孔式手術は安全に施行でき,整容性に優れるため,治療選択肢の一つになりうると考えられた.
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  • 上田 正射, 大西 直, 野中 亮児, 藤江 裕二郎, 小嶋 啓子, 門田 卓士
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3317-3321
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は47歳,男性.他院にてS状結腸癌に対し,姑息的バイパス手術施行後,mFOLFOX6+bevacizumabを行ったのち,S状結腸切除術を行った.病期診断はStage IVであった.その後,当科紹介となり,術後補助化学療法としてmFOLFOX6を6クール施行.S状結腸切除から10カ月後,頭痛・嘔吐・頸部痛が出現し緊急入院した.髄液細胞診にて髄膜癌腫症と診断された.症状緩和目的にて全脳照射(30Gy/10Fr)を施行し,第30病日に退院した.しかし,意識と呼吸状態が悪化し,緊急入院した.症状悪化し,S状結腸切除から12カ月後に原病死した.大腸癌の髄膜癌腫症は稀であるが,特に組織学的に高悪性度の症例において頭痛や神経症状を認めた際は本症を疑いMRIや髄液穿刺を計画すべきである.診断,治療法について文献的考察を加え報告する.
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  • 竹下 修由, 田崎 健太郎, 菅本 祐司, 福長 徹, 木村 正幸, 松原 久裕
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3322-3325
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は56歳,男性.2011年8月,S状結腸癌に対し腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した.病理所見は,moderately differentiated tubular adenocarcinom(tub2),ss,ly2,v2,n1,stage IIIaであった.術後補助化学療法として,Capecitabineを半年間内服した.2013年4月頃より肛門周囲に違和感を認め,8月の受診時に症状の訴えがあり,肛門5時の皮下に3cmほどの腫瘤を触れた.生検にてadenocarcinoma(tub2)が認められ,原発巣と組織が類似し,S状結腸癌肛門転移が疑われた.これに対し,腹会陰式直腸切断術を施行した.病理所見はadenocarcinoma(tub2),局在は上皮下であり,断端は陰性であった.以上から,S状結腸癌肛門転移と診断した.術後経過良好にて退院され,術後9カ月現在,無再発生存中である.
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  • 今西 俊介, 山崎 一馬, 児玉 多曜, 近藤 悟, 小松原 利英
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3326-3331
    公開日: 2015/06/30
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    症例は77歳,女性.直腸癌イレウスにて当科初診.大腸ステントを留置し減圧後,術前精査を施行.下部消化管内視鏡検査にて下行結腸に閉塞性大腸炎を認め,生検組織よりサイトメガロウイルス腸炎の診断.注腸検査にて同部の狭窄を認めた.ステント留置より27日目に腹腔鏡下低位前方切除術を施行.閉塞性大腸炎をきたした下行結腸を含む十分な腸管切除により術後合併症なく退院した.大腸癌イレウスでは一般的に閉塞部より口側腸管の術前診断は困難である.大腸ステントは大腸の閉塞病変に対し2012年に本邦で保険診療として認められ,大腸癌の緩和医療や術前の減圧治療として広く普及しつつある.大腸ステントは術前の患者QOLが改善するのみならず,術前に口側結腸の評価を行う上で非常に有効な手段であると示唆された.
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  • 高山 由理子, 及川 卓一, 萩原 謙, 村山 公, 鈴木 武樹, 高山 忠利
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3332-3337
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,女性.健診にて,胆嚢壁に近接した充実成分を伴う嚢胞を指摘され当科受診した.腹部超音波検査は,胆嚢および十二指腸に接するように60×28mm大の隔壁を伴った嚢胞性病変を認めた.DIC-CTは,造影されない軟部陰影を同部位に認めた.胆嚢壁外性嚢胞性疾患と診断し,審査腹腔鏡も踏まえ手術を行った.術中所見は,胆嚢壁外性に単純嚢胞性病変認め,腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った.病理組織学的検索にて悪性所見は認めず,免疫染色にてリンパ管腫の診断となった.術後経過は良好で,合併症なく退院した.胆嚢リンパ管腫は現在まで報告例が欧文で11例,和文で3例と稀な疾患である.胆嚢の嚢胞性疾患および悪性腫瘍との鑑別が困難であり,手術にて確定診断を得ているのが現状である.健診にて発見され,症状出現の無い時期に手術にて確定診断を得ることができた1例を報告する.
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  • 諸藤 教彰, 堀 明洋, 森岡 淳, 河合 清貴, 松葉 秀基, 渡邊 学, 垣内 洋
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3338-3343
    公開日: 2015/06/30
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    症例は51歳,男性.慢性膵炎および糖尿病で近医通院中であった.全身倦怠感を主訴に近医を受診し,糖尿病の悪化と血液検査にてCEA 22.6ng/mlと高値を認めたため,当院へ紹介された.腹部造影CTで膵尾部に長径約6.3cmの多房性の嚢胞性腫瘍を認めた.さらに,腹部MRI・腹部超音波検査を施行し,同様に膵尾部に嚢胞性腫瘍の所見を認め,加えてCEA高値であったことから,悪性の膵嚢胞性腫瘍を完全に否定できず,膵尾部膵管内乳頭粘液性腫瘍由来の浸潤癌を疑い,膵体尾部切除を施行した.病理診断にて黄色肉芽腫性炎症と診断された.膵の黄色肉芽腫は稀であり,画像診断では鑑別が困難な疾患である.文献的考察を加えて報告する.
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  • 玉置 裕香, 吉田 泰, 村野 武志, 外山 栄一郎, 北岡 光彦, 那須 二郎
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3344-3347
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.尿意切迫感で当院泌尿器科を受診し,MRI検査で膀胱直腸窩に7cm大の石灰化腫瘤を認め,形態や部位より巨大腹腔内遊離体と診断した.無症状であったため経過観察していたが,2カ月後に排尿困難,腹痛が出現したため再診.血液検査所見で炎症所見の高値,高度腎機能低下を認めた.CT検査所見と合わせて骨盤内腫瘤による腎後性腎不全,急性腎盂腎炎と診断した.全身状態改善のために泌尿器科で腎瘻造設し,その後に当科で骨盤内腫瘤摘出術を施行した.摘出標本は85×70mm,病理結果で腹腔内遊離体と診断した.術後腎瘻抜去後も腎機能増悪はなく,尿意切迫感に対して保存的治療を行い改善した.腹腔内遊離体は通常は無症状であり経過観察となるが,自験例のように巨大腹腔内遊離体では,骨盤内に嵌り込み尿閉や便秘などの症状を呈する場合があるため,症状出現前に摘出手術を検討することも必要である.
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  • 和久 利彦, 園部 宏
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3348-3353
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,女性.高血圧症のためCa拮抗薬・MR拮抗薬を近医で処方され,正常高値血圧・正常K値を維持していた.他院で肺結核診断後,当院内科入院となり,4剤併用療法開始後,II度高血圧・低K血症を認めた.RFPによるCa拮抗薬の降圧効果減弱を認めたのでARBを追加した.CTで右副腎結節を認め,内分泌検査よりPAが疑われた.内分泌検査のためにMR拮抗薬を一時中止し,薬物代謝酵素誘導の弱いRBTへ変更後,I度高血圧になった.しかし,RBTの副作用発現でRFPへ変更した.内分泌検査と副腎シンチにより,右アルドステロン産生副腎腺腫と診断した.4剤併用療法2カ月後に2剤併用療法を始めたが,低K血症に対しMR拮抗薬を増量して,肝障害が出現したためMR拮抗薬の減量,RFP・INHの服薬を一時中止とした.結核治療開始4カ月後に腹腔鏡下右副腎摘出術を施行したが,術直前までの血圧はII~III度高血圧であった.術直後より血圧は正常高値でKは正常化した.
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  • 後野 礼, 小野 朋二郎, 覚野 綾子, 興津 茂行, 山中 若樹
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3354-3357
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    72歳,女性.20歳頃に左卵巣奇形腫切除の既往あり.2009年9月の腹部単純CTで後腹膜腫瘍を指摘されたが経過観察とされた.2012年4月の腹部造影CTで増大傾向を認めたため,手術目的に当科紹介となった.CTでは大動脈左側の左腎下極レベルに51mm大の造影効果良好な多房性嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜腫瘍の診断で腹腔鏡下に切除術を施行した.術中所見では周囲への浸潤はなく,腫瘍の栄養血管は左卵巣動脈から分岐していた.肉眼所見は表面平滑で軟らかく,内部に隔壁を有し,内容はコロイド様の液体であった.病理所見では甲状腺濾胞組織のみであったが,術後の甲状腺精査では異常所見を認めず,甲状腺腫瘍の転移は否定的であった.甲状腺の発生学的考察からは後腹膜に甲状腺組織が発生することは考えにくく,今回の症例で栄養血管が左卵巣動脈であったことや左卵巣奇形腫の切除既往があることなどから,卵巣奇形腫の後腹膜再発と診断した.
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  • 澤崎 兵庫, 高梨 節二, 浅沼 和樹, 諸星 直輝, 石後岡 正弘, 河島 秀昭
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3358-3363
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は,43歳の女性.入院5カ月前に前医で腹式卵巣嚢胞核出術と子宮筋腫核出術を受け,経過良好で退院した.1カ月前の受診で持続する腹痛と腸管拡張を認め腸閉塞と診断.保存的加療後,症状改善なく当院紹介受診となった.腹部CT所見で腸閉塞を疑い,開腹手術を施行した.手術所見では,明らかな絞扼部位を認めず,回腸末端に1.5cm大の弾性硬の腫瘤を触知し,その口側腸管の拡張を認めた.悪性腫瘍が否定できなかったため,回盲部切除D3郭清を施行した.病理組織所見は,回腸末端部に輪状の狭窄を認めた.粘膜に病変認めず,狭窄部割面は白色,筋層から漿膜下組織の線維化が著明で内部に子宮内膜間質を伴った子宮内膜を認めた.腸管傍リンパ節にも子宮内膜組織の像を認めた.
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  • 宇高 徹総, 山本 澄治, 遠藤 出, 井野川 英利, 久保 雅俊, 水田 稔
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3364-3368
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    大網裂孔ヘルニアは内ヘルニアの1つで,まれな疾患であり,特徴的な臨床所見に乏しく術前診断は困難とされてきた.2010年から2013年の間に当科で術前診断にMD-CTが有用であった6例の大網裂孔ヘルニアを経験した.年齢は58~83歳(平均65.3歳)で,男性5人・女性1人であった.MD-CTの画像上の特徴として,横行結腸の腹側に位置する拡張した小腸,closed loop,腸間膜や小腸の収束像が有用な所見であった.開腹歴のないイレウス例では大網裂孔ヘルニアを念頭に置く必要がある.MPRを用いたMD-CT検査が有用であり,大網裂孔ヘルニアを診断できる可能性がある.
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  • 小寺澤 康文, 石井 隆道, 吉田 真也, 住井 敦彦, 安川 大貴, 京極 高久
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3369-3374
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    腸間膜に関連した内ヘルニアにより小腸イレウスを発症し,いずれも嵌入腸管を温存しえた4例を経験したので報告する.症例1は39歳,男性.小腸の絞扼性イレウスを疑い,審査腹腔鏡を行った.小腸間膜裂孔ヘルニアと診断し,開腹下にヘルニアを修復した.症例2・症例3は各々55歳,男性と65歳,男性.共に虫垂切除の既往があり,癒着性イレウスを疑い保存的治療を行ったが,改善がないため審査腹腔鏡を行った.S状結腸間膜内ヘルニアと診断し小開腹下に修復した.症例4は37歳,男性.絞扼性イレウスの診断のもと開腹手術を行い横行結腸間膜内ヘルニアと診断した.術前診断は得られなかったが,4例中3例に審査腹腔鏡を早期に行うことで全例,腸管を温存できた.内ヘルニアを画像所見のみで診断するのは困難な場合がある.時期を逸しない手術療法が必要であり,審査腹腔鏡は内ヘルニアにも有用であることが示唆された.
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  • 野中 隆, 濱田 聖暁, 永吉 茂樹, 徳永 隆幸, 北島 知夫, 伊東 正博
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3375-3378
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は60歳台,女性.腹部不快感を主訴に近医を受診し,腹部CTで骨盤内腫瘤を認め当院紹介となった.腹部造影CTでは,左内腸骨動静脈末梢枝沿いに径24mmの腫瘤を認め不均一な造影効果を呈していた.骨盤造影MRIのT2強調画像では,辺縁高信号,内部は不均一な造影効果がみられた.発生部位,画像所見から仙骨神経由来の神経鞘腫が考えられた.悪性腫瘍も否定できず,reduced port surgeryにて腫瘤摘出術を施行した.病理組織学的所見では,構成細胞に異型性無く神経鞘腫と診断された.神経鞘腫はSchwann細胞から発生する腫瘍で,骨盤内後腹膜に発症する頻度は約1%とされており極めて稀である.治療法は被膜を含めた外科的切術が第一選択であるが,本症例のように狭小な骨盤深部の手術においては,腹腔鏡手術は低侵襲かつ視認性に優れ,有用なアプローチである.
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  • 中原 健太, 日高 英二, 竹原 雄介, 向井 俊平, 石田 文生, 工藤 進英
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3379-3383
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    症例は59歳の男性.頻尿を主訴に受診.CT検査では骨盤内に回腸,直腸,膀胱を圧排する70mm大の腫瘤を認めた.MRI検査ではT2強調像で低信号の被膜を有し,腫瘤内部は低信号域と高信号域が混在したモザイク状であった.骨盤内悪性腫瘍を疑い,摘出手術を施行した.腫瘤は周囲の腸管と強度に癒着していたため,回腸と直腸を合併切除して腫瘤を摘出した.病理組織学的には線維性被膜下に拡張した血管が存在し,広範囲に出血壊死を伴っていた.悪性所見は認めずchronic expanding hematomaと診断した.本疾患は悪性疾患との鑑別が問題となる.また,治療としては被膜も含めた完全切除が必要である.しかし,遷延する炎症や出血のため周囲との癒着が高度であることが多く,完全切除のために隣接臓器の合併切除を要することも多い.本症例のように腹腔内での報告は稀であり,文献的考察を加え報告する.
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  • 大木 悠輔, 児島 洋, 山本 祐司, 佐藤 公一, 吉田 素平, 渡部 祐司
    75 巻 (2014) 12 号 p. 3384-3388
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    Undifferentiated pleomorphic sarcoma(UPS)は主に四肢に発生する腫瘍であり,腹腔内や腹直筋直下に発生する例は稀である.
    症例は79歳の男性で,左中腹部腫瘤を主訴に当科受診した.腹部超音波検査で腹壁から栄養血管の流入を確認し,positron emission tomography/CTで高度FDGの集積がみられた.開腹幽門側胃切除術の正中切開創があったためデスモイド腫瘍を鑑別として挙げたが,悪性腫瘍の可能性も否定できず腫瘍の発生起源の鑑別およびマージンを確保するため腹腔鏡観察を併用し,腹直筋合併腫瘍摘出術を行った.最終的にUPSであり,腫瘍マージンが確保できていることを病理診断で確認した.
    腹直筋直下に発生するUPSを経験したが,腹腔鏡観察は腫瘍起源確認のみならずマージン確保の点からも有用であると考える.
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支部・集談会記事
編集後記
第76回 日本臨床外科学会 総会 演題:取下げ,訂正,変更,追加
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