日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
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76 巻 , 2 号
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原著
  • 高橋 誠, 清家 和裕, 横山 元昭, 小山 隆史, 亀高 尚, 牧野 裕庸, 深田 忠臣, 鈴木 崇之, 西野 仁惠, 高木 諭隆, 長谷 ...
    76 巻 (2015) 2 号 p. 233-238
    公開日: 2015/08/31
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    目的:急性虫垂炎の診断はしばしば困難で,術後病理学的に虫垂に炎症が乏しいことがあり,このような誤診例の特徴を明らかにすることを目的とした.対象:急性虫垂炎の診断で手術を施行し,虫垂の炎症が乏しかった誤診例25例と正診例119例.方法:臨床症状,検査成績,CT所見を比較した.結果:誤診例の最終診断は憩室炎10例,腸炎5例,婦人科疾患3例,腎盂腎炎1例,不明6例で,誤診例では嘔気(8.0vs.33.6%;P=0.01)が少なく,CT所見では誤診例で虫垂の同定率が低く(44.0vs.94.1%;P<0.0001),短径が短く(7.1vs.9.9mm;P=0.016),虫垂内腔の液体貯留が少なく(27.2vs.90.2%;P<0.0001),腹水貯留が少なかった(8.0vs.55.5%;P<0.0001).結語:消化器症状の有無,CT所見により急性虫垂炎の診断能の向上は可能と考えられた.
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臨床経験
  • 角田 ゆう子, 片山 信仁, 坂本 尚美, 福間 英祐, 星 和栄
    76 巻 (2015) 2 号 p. 239-244
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    微細石灰化のみを呈する乳腺病変におけるMRIの有用性を検討するために,ステレオガイド吸引式乳腺生検(ST-VAB)の病理組織所見とMRI所見を比較検討した.対象とした68例のマンモグラフィ石灰化を集簇性49例と区域性19例に分けて検討した.病理組織所見は良性44例,境界病変6例,非浸潤癌15例,浸潤癌3例であった.68例中MRI所見が要生検の所見は28例で,境界病変を含む悪性は19例(68%)であった.MRIの精度は,集簇性石灰化と区域性石灰化で感度79%と80%,特異度77%と86%であった.MRI偽陰性症例は5例(偽陰性率21%:95%IC5-37%)で,病理組織所見は境界病変であった.初回指摘の微細石灰化病変において乳房MRI検査の結果が良性であれば生検は不要であり,その後の経過観察中に微細石灰化が増加した場合に生検の適応となる.
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症例
  • 稲石 貴弘, 柴田 有宏, 森本 大士, 野村 尚弘, 高瀬 恒信, 矢口 豊久
    76 巻 (2015) 2 号 p. 245-249
    公開日: 2015/08/31
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    症例は83歳の女性.2週間前より右乳房に有痛性腫瘤を自覚し当院を受診した.術前診断は浸潤性乳管癌T2N0M0,Stage IIAであり,右乳房切除術およびセンチネルリンパ節生検を施行した.最終的に病理組織学的検査で乳腺紡錘細胞癌,ER 0,PgR 0,HER2 score 0,Ki-67 labeling index 30~40%と診断された.本人・家族ともに術後補助療法は希望しなかった.術後7日目に退院したが,術後18日目に倦怠感を主訴に再診した.造影CT検査で多発肺転移,肝転移およびリンパ節転移を認めた.急速に増悪し術後30日目に死亡した.乳腺紡錘細胞癌は浸潤癌の特殊型に分類される稀な腫瘍であり,予後に関して一定の見解が得られていない.急速な転帰をたどった乳腺紡錘細胞癌の1例を経験したので報告する.
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  • 吉田 悠子, 多田 隆士, 佐藤 浩一, 和田 了, 荒川 敦
    76 巻 (2015) 2 号 p. 250-253
    公開日: 2015/08/31
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    今回われわれは,線維腺腫に合併した乳腺原発純粋型扁平上皮癌の1例を経験したので報告する.症例は52歳,女性.以前より当科で線維腺腫として経過観察中であったが,腫瘤の増大を自覚し当科を受診した.腫瘤は超音波検査で内部に一部嚢胞成分を伴う腫瘤として認められた.針生検で扁平上皮癌の診断であり,乳房温存術,センチネルリンパ節生検を施行した.病理組織診断では腺癌成分は認められず純粋型扁平上皮癌の診断であった.腫瘍の周囲には線維腺腫様病変が認められ線維腺腫内癌と考えられた.扁平上皮癌の線維腺腫内癌の報告は極めて稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 松本 綾希子, 澤泉 雅之, 蒔田 益次郎, 岩瀬 拓士
    76 巻 (2015) 2 号 p. 254-258
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    58歳,女性.約25年前に豊胸目的でシリコン乳房インプラント(silicone breast implant;SBI)を大胸筋下に挿入されていた.今回,左乳房腫瘤を自覚し,精査にて左乳癌(cT2N0M0,Stage IIA)と診断された.術前の乳房超音波,MRIにてSBIの劣化所見を認めたため,Bt+SNと同時にSBIを摘出し一次二期再建目的に組織拡張期を挿入した.SBIはシリコンジェルの漏出(bleeding)が著明で周囲組織にもジェルが付着していたが,破損・感染・異物肉芽腫形成などの所見は認めなかった.SBIは経年劣化が必発であるが,豊胸術後は医療機関でフォローされていないことが多い.また,乳房再建においてSBI使用が保険収載され,外来でSBI挿入患者を診る機会が増加する.SBI挿入術の既往のある患者を診た場合,適切な画像検査を行い,異常所見を認めた場合は摘出などを含め形成外科医に紹介することが望ましい.
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  • 矢澤 武史, 川添 准矢, 山本 道宏, 原田 英樹, 山本 秀和, 財間 正純
    76 巻 (2015) 2 号 p. 259-263
    公開日: 2015/08/31
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    症例は67歳,女性.直腸癌,肝転移に対して手術歴あり.1年5カ月前に下大静脈浸潤を伴う肝転移に対して,下大静脈切除再建を伴う肝部分切除術を施行していた.腹部膨満を主訴に来院,腸閉塞の診断で入院となった.CT検査で再建に用いた人工血管が下腹部の小腸内に迷入し,それに伴う腸閉塞と診断し,緊急手術を行った.小腸を切開し腸管内の人工血管を摘出し,小腸壁は縫合閉鎖した.術後の上部消化管内視鏡検査で十二指腸に潰瘍瘢痕を認め,人工血管は十二指腸から腸管内に迷入し,腸閉塞の原因となったと考えられた.これまでに下大静脈再建に用いた人工血管が腸管内に迷入して腸閉塞の原因となった報告はなく,若干の文献的考察を加えて報告する.
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  • 石本 真一郎, 高橋 伸政, 池谷 朋彦, 村井 克己, 星 永進
    76 巻 (2015) 2 号 p. 264-267
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は34歳,男性.草野球の練習中に胸痛が出現し前医受診.胸部X線検査で左肺の虚脱と胸水貯留あり,胸腔ドレナージを施行された.その後,血性の排液が続くために手術療法が考慮され同日当院へ搬送された.搬送後,左血気胸の診断で胸腔鏡下で緊急手術を施行した.血腫を除去すると,胸腔頂部に断裂した2箇所の索状物を認め,そこから出血を認めたため焼灼止血した.その後も肺尖部近傍に血液が貯まるためよく検索すると,上肋間静脈近傍に1箇所癒着が剥がれた痕があり出血を認めたため,凝固止血した.以上の計3箇所から出血を認めた.特発性血気胸と診断した.術後経過は良好であり,無輸血で術後第3病日に退院した.特発性血気胸に対しては早期の手術を考慮すべきであり,出血部位に関しては胸腔内を隈無く検索することが重要である.
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  • 平山 杏, 松田 史雄, 角岡 信男, 稲沢 慶太郎
    76 巻 (2015) 2 号 p. 268-273
    公開日: 2015/08/31
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    神経鞘腫は末梢神経の存在するあらゆる部位に発生しうる良性腫瘍である.頭頸部や胸壁などの発生例はよく知られているが,肺内あるいは気管支原発の神経鞘腫は肺腫瘍全体のうち0.2%と非常に稀である.今回われわれは,末梢肺発生および区域気管支発生の,肺内神経鞘腫の2症例に対する手術加療を経験した.いずれも左肺上葉発生であったが,一方が末梢肺発生であったのに対し,他方は区域気管支近傍からの発生例であった.既報に今回経験した2例を加えた79例の肺内神経鞘腫に関する考察を加えて報告する.
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  • 平田 健, 久我 貴之, 岡 一斉, 尼崎 陽太郎, 国居 由香, 濱野 公一
    76 巻 (2015) 2 号 p. 274-278
    公開日: 2015/08/31
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    食道裂孔ヘルニア門に陥入した成人急性胃軸捻の1例を経験したので報告する.症例は82歳,女性.約1週間前から嘔気・嘔吐を生じたため近医を受診し,上部消化管内視鏡検査で急性胃軸捻と診断され,当院に入院した.経鼻胃管や胃内視鏡による保存的治療で改善せず,全身状態が増悪したため準緊急手術を施行した.食道裂孔へ間膜軸性胃軸捻転を伴った胃,横行結腸,大網が嵌頓していた.食道裂孔を切開しヘルニア内容臓器を還納した.胃は前庭部と体下部で食道裂孔の圧迫で虚血性変化をきたしており,幽門側胃切除術(Billroth I法再建)を行った.ヘルニア嚢を切除しヘルニア門を直接縫合閉鎖した.術後34日目に軽快退院した.現在,再発なく経過している.胃軸捻転症は胃が生理的範囲を超えて回転した状態で,成人例で手術適応となる症例は比較的稀だが,本症例では食道裂孔ヘルニア門に陥入し準緊急手術となった.
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  • 土屋 堯裕, 青木 豪, 武者 宏昭, 長尾 宗紀, 伊東 賢, 笠島 敦子, 内藤 剛, 海野 倫明
    76 巻 (2015) 2 号 p. 279-285
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は37歳,男性.検診を契機に胃前庭部の粘膜下腫瘤を指摘された.経過観察中に腫瘤は軽度増大傾向を認めたほか,超音波内視鏡上低エコー腫瘤であったものから内部不均一な高エコー腫瘤へと変化を認めた.生検を施行するも診断がつかず,診断と治療を兼ねて外科的切除の方針となった.腫瘤が幽門輪に近接していたことから腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行,病理所見から胃glomus腫瘍と診断した.胃glomus腫瘍は稀な疾患であり術前診断は困難とされるが,発生部位は胃のL領域が大部分を占めており,また,腫瘍が血管に富むことから造影CTにおいて強い造影効果を有する等の特徴を持つ.これら画像的特徴の理解は胃粘膜下腫瘍の鑑別診断を助け,適切な治療方針の決定に寄与するものと考える.
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  • 菅原 宏文, 福岡 健吾, 成田 知宏, 大里 雅之, 水野 豊, 岡本 道孝, 矢嶋 信久
    76 巻 (2015) 2 号 p. 286-291
    公開日: 2015/08/31
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    Gastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)はvon Recklinghausen病や遺伝性病変以外の散発性GISTの多発例はまれである.われわれは,胃GIST術後9年目に切除した十二指腸GISTの1例を経験したので報告する.症例は75歳の女性で,66歳時に胃GISTで幽門保存胃切除術施行し経過観察中であった.経過観察CTで十二指腸水平脚に径20mmの腫瘤を認め,ボーリング生検でGISTと診断し,十二指腸楔状切除術を施行した.胃と十二指腸標本の免疫組織染色でCD34とαSMAの染色性が異なること,c-kit遺伝子exon11変異部位が異なることから,遺伝性背景のない多発性散発性GISTと診断した.十二指腸GISTは超低リスクであり経過観察の方針とした.GISTは多臓器に多発する可能性も念頭に置き経過観察する必要がある.
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  • 石川 奈美, 北浦 良樹, 松本 哲平, 楠本 正博, 土居 布加志, 興梠 隆
    76 巻 (2015) 2 号 p. 292-299
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は60歳の男性で,高度貧血にて受診した.腹部CTにて十二指腸Treitz靱帯近傍の腸管内に血流豊富な5cm大の腫瘤を指摘され,小腸内視鏡検査にて粘膜自潰を伴う粘膜下腫瘍を認めた.十二指腸造影にて腫瘍は十二指腸水平部に位置することを確認し,十二指腸粘膜下腫瘍の診断のもと,腹腔鏡下十二指腸分節切除および完全鏡視下十二指腸空腸吻合を施行した.術後経過は良好で術後10日目に退院となった.病理組織学的にはlow risk GISTと診断された.十二指腸GISTにおいても,腫瘍の局在と大きさを考慮し,腫瘍学的な妥当性を保持しつつ臓器機能温存を追求できれば,その低侵襲性と整容上の利点より,腹腔鏡手術はよい適応と思われた.
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  • 冨田 明宏, 神谷 里明, 川井 覚, 高木 健司, 宇野 雅紀, 佐賀 信介
    76 巻 (2015) 2 号 p. 300-303
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は83歳,女性.3日前からの腹痛を主訴に当院を受診した.上腹部に圧痛を認め,腹部CTでは左上腹部に60×45mm大の小腸と交通する嚢状腫瘤と,腫瘤周囲および肝表面にfree airが認められた.小腸憩室穿孔による腹膜炎と診断し緊急手術を行った.手術所見では腫瘤はBauhin弁より250cm口側の空腸と連続しており,腸間膜の血管から栄養されていた.穿孔部は同定できなかったが,腫瘤に白苔が付着していたことから嚢状腫瘤の穿孔と判断し,腫瘤を含む小腸部分切除を行った.病理組織検査では腫瘤は粘膜,筋層の2層構造を有して小腸と連続しており,真性憩室であった.粘膜下層に膿瘍が形成され,漿膜側への穿孔を認めた.腫瘤が真性憩室であること,それが腸間膜より栄養されていたことから空腸重複腸管症と診断した.
    成人の空腸重複腸管症は非常に稀であり,その穿孔例を経験したので報告する.
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  • 神賀 貴大, 安西 良一
    76 巻 (2015) 2 号 p. 304-307
    公開日: 2015/08/31
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    患者は29歳の女性で,臍周囲の痛みを訴えて受診した.腹部造影CTにて腸重積の診断となった.注腸検査で重積を整復し,Bauhin弁の対側に約3cm大の腫瘍性病変を認めた.翌日に腸重積が再燃し,また,盲腸に腫瘍性病変の存在が疑われるため手術適応と判断した.腹腔鏡手術を施行し,漿膜側からの観察および鉗子による触診では腫瘍性病変は明らかではなかったが,回盲部切除術を施行した.病理所見では,器質的疾患を認めず,成人特発性腸重積の診断となった.本症例は,二期的な手術も考慮して観察のみに留め,術後に下部消化管内視鏡を行うことで器質的病変を否定して腸切除を回避することができる症例であった.
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  • 島田 拓, 諸橋 一, 坂本 義之, 小山 基, 村田 暁彦, 袴田 健一
    76 巻 (2015) 2 号 p. 308-312
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    回腸ストーマに癌が発生することは稀であり,その肝肺転移に対する化学療法の報告は見当たらない.われわれは大腸全摘後の回腸ストーマに発症したストーマ癌を切除し,術後に認めた肝肺転移に対し化学療法を施行した.症例は50歳台の男性.27歳時に大腸腺腫症,大腸癌の診断で結腸全摘が施行された.35歳時に残存直腸癌に対し直腸切断術,回腸ストーマ造設術が施行された.平成21年に回腸ストーマ癌と診断され,ストーマ切除・ストーマ再造設術が施行された.術後2カ月目に肝,肺への転移が認められた.原発巣の免疫染色において腸型の腺癌と判定されたことを参考に,大腸癌に準じた化学療法を施行したところ,病変が消失し一旦はCRと判断された.小腸癌に対する化学療法には一定のコンセンサスが得られていない現状があるが,粘液の産生パターンを参考に大腸癌に準じた化学療法を選択し,一定の効果が得られた症例を経験したので報告する.
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  • 森岡 伸浩, 沢津橋 孝拓, 清水 孝王, 中塚 英樹
    76 巻 (2015) 2 号 p. 313-317
    公開日: 2015/08/31
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    症例は65歳,男性.腸閉塞の精査にて盲腸に進行癌を認めた.イレウス管造影では回盲部に全周性の狭窄を認め,小腸が腹腔内右側に偏位していた.大腸内視鏡検査を施行し,大腸癌の診断となった.腹部造影CT検査でSMV rotation signを認めた.3D-CT angiographyで回結腸動脈は,上腸間膜動脈の左側から分岐し,上腸間膜静脈の腹側を走行していた.腸回転異常症を伴った大腸癌と診断し,腹腔鏡補助下結腸切除術を施行した.郭清は回結腸動脈を根部で切離しD3郭清を行った.腸回転異常を伴う大腸癌に対して腹腔鏡下手術を行う場合は,3D-CT angiographyなどの画像技術を駆使した術前評価で,解剖学的異常,腫瘍の位置と血管走行を十分に把握しておくことが重要である.
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  • 入江 彰一, 南村 圭亮, 坪井 浩一, 園田 洋史, 平田 泰, 小林 隆, 森 正也
    76 巻 (2015) 2 号 p. 318-322
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は70歳,男性.下腿浮腫,下痢を主訴に当院受診した.貧血・低アルブミン血症を認め,精査の結果,上行結腸肝彎曲部に全周性2型腫瘍と十二指腸下行部への瘻孔形成を認めた.CT・MRIで,膵浸潤も認めた.結腸十二指腸瘻を伴う上行結腸癌と診断し,結腸右半切除術・膵頭十二指腸切除術(以下PD)を施行した.病理診断はpT4b(膵,十二指腸),muc>tub1,pN0,pStage IIであった.術後補助化学療法としてFOLFOX4を6カ月間行った.術後16カ月間再発なく経過している.大腸癌は他臓器浸潤を認めても完全切除が望ましい.結腸十二指腸浸潤症例では,侵襲が大きくなるが,膵頭十二指腸切除を行うことで予後の改善が期待できると考えられた.
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  • 石原 博雅, 中山 裕史, 片岡 政人, 竹田 伸, 近藤 建
    76 巻 (2015) 2 号 p. 323-326
    公開日: 2015/08/31
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    症例は21歳,女性.既往歴,家族歴は特になし.2012年12月上旬から腹痛,便秘,下痢を繰り返していた.近医で内服処方されたが症状改善せず,腹痛で体動困難となり当院救急外来受診された.腹部CTにて横行結腸に狭窄を認め,大腸イレウスと診断.同時に右卵巣腫瘍も認めた.透視下下部消化管内視鏡検査にて横行結腸に全周性狭窄を認め,横行結腸癌卵巣転移が最も疑われた.経肛門的イレウス管にて減圧した後,腹腔鏡下横行結腸部分切除,D2リンパ節郭清,右卵巣腫瘍摘出術を施行した.術後病理結果は横行結腸印環細胞癌卵巣転移(type4,sig,SE,N2,ly1,v0,H0,P2,M0;stage IV)であった.術後化学療法は拒否され外来にて経過観察としていたが,術後8カ月で左卵巣転移増大・腹膜播種再発を認めた.化学療法の希望もなく在宅にて緩和療養継続としたが,術後13カ月で原病死となった.
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  • 岸本 拓磨, 岡田 禎人, 林 英司, 太平 周作, 石田 陽祐
    76 巻 (2015) 2 号 p. 327-331
    公開日: 2015/08/31
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    症例1は74歳,男性.数日前からの食思不振あり,急性発症の腹痛を主訴に当院救命救急センター受診した.腹部造影CTにて横行結腸脾彎曲側に腫瘤を認め,胃への直接浸潤を認めた.下部内視鏡検査にて横行結腸に全周性腫瘍を認め,上部内視鏡検査では胃体中部に壁外性腫瘍の浸潤所見を認めた.結腸生検より低分化腺癌を認め,横行結腸癌および横行結腸癌による胃結腸瘻と診断した.結腸左半切除術,胃分節切除術を行った.症例2は87歳,男性.2週間前からの食思不振と右上腹部痛あり近医受診し,腹腔内腫瘤疑いにて当院紹介となった.腹部造影CTにて横行結腸肝彎曲側に腫瘤を認め,上部内視鏡検査では胃前庭部に壁外性腫瘍の浸潤所見を認めた.結腸生検にて低分化腺癌を認め,横行結腸癌および横行結腸癌による胃結腸瘻と診断した.結腸右半切除術,幽門側胃切除術を行った.今回われわれは,胃結腸瘻をきたした横行結腸の2例を経験したので報告する.
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  • 伊藤 栄作, 大平 寛典, 吉田 昌, 柳澤 暁, 山内 栄五郎, 鈴木 裕
    76 巻 (2015) 2 号 p. 332-337
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は幼少期から精神発達遅延が指摘されている16歳,女性.磁石誤飲と肛門内への磁石挿入後の下腹部痛を主訴に来院.直腸内に磁石を認めたが経肛門的に摘出困難であり,CTで磁石による小腸直腸瘻と診断した.自然排泄されることを期待し,保存加療を選択した.しかし,自然排泄されないため第20病日に腹腔鏡下に磁石摘出術を施行.2つの磁石が吸着し一塊となって小腸側粘膜下に存在し,直腸壁は治癒していたため小腸部分切除のみで磁石を摘出しえた.磁石誤飲はCT検査でhalationを起こすため位置の正確な評価は難しく,自然排泄されないことがあるため経過観察は慎重に選択しなければならない.今回は手術時期を遅らせたことにより小腸側に磁石が残っている状態で直腸壁は治癒,閉鎖していたため直腸損傷なく磁石を摘出することができた.
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  • 下村 治, 榎本 剛史, 伊藤 雅昭, 田村 孝史, 大河内 信弘
    76 巻 (2015) 2 号 p. 338-343
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.排便困難を主訴に近医を受診し,下部直腸に巨大腫瘤を指摘され当院に紹介となった.最大径60mm大の直腸GISTの診断で切除を検討したが,肛門温存の希望が強く,術前療法としてメシル酸イマチニブ(以下IM)400mg/日の投与を開始した.治療開始6カ月で45mmまで縮小(縮小率33%)し,腹腔鏡下内肛門括約筋切除術(Laparoscopic intersphincteric resection:Lap-ISR)を施行した.Lap-ISRは下部直腸癌等で,肛門温存を可能にし,短期予後にも影響しない1)として,徐々に広がっている.完全切除が重要となるGISTの手術において,本術式は明確な視野のもとで施行可能であり,有用と考えられた.GISTに対する術前治療に関しては現時点で明確な基準がない.直腸GISTに対する術前治療の報告をまとめ,至適な投与期間と術式について検討した.
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  • 工藤 雅史, 志田 晴彦, 東 久登, 根岸 真人, 山形 誠一, 増田 幸蔵, 井上 雅文
    76 巻 (2015) 2 号 p. 344-349
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は50歳,女性.2013年4月,血便および健診超音波検査での肝腫瘍精査目的で受診した.下部消化管内視鏡検査で直腸Raに隆起性病変を認め,生検で低分化腺癌および内分泌細胞癌の併存と診断された.上部消化管内視鏡検査ではA型胃炎に伴う多発胃カルチノイド腫瘍が観察された.腫瘍マーカーはNSEが45.8ng/mlと高値を示した.CT検査では肝S4に5cm大の腫瘤を認め,直腸傍リンパ節も腫大していた.以上より,直腸腺癌もしくは直腸内分泌細胞癌・肝転移の診断で,低位前方切除術+肝S4部分切除術を施行した.病理組織学的検査では,直腸病変の表層には高分化から中分化腺癌を認め,その深層に内分泌細胞癌が混在していた.肝転移巣およびリンパ節転移巣は内分泌細胞癌の転移であった.現在,術後1年経過するが無再発生存中である.
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  • 横田 祐貴, 門脇 嘉彦, 河本 慧, 田村 竜二, 岡本 貴大, 石堂 展宏
    76 巻 (2015) 2 号 p. 350-355
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    領域外リンパ節転移を伴う直腸癌症例に対して,手術を含む集学的治療を行い,3年以上無再発生存中の1例を経験したので報告する.
    症例は71歳の男性.便潜血陽性にて来院した.領域外リンパ節転移を伴う直腸癌の診断でFOLFIRI+Panitumumabを2コース施行後に,腫瘍縮小に伴う壊死部の穿通を認め,人工肛門を造設した.合計7コース施行後,リンパ節転移は指摘困難となり,高位前方切除術を施行した.病理組織診断は,中分化型腺癌,pT4a,N1,Stage IIIaであった.術後,FOLFIRIを12コース施行したが,大動脈周囲リンパ節に再発を認め,大動脈周囲リンパ節郭清術を施行した.病理組織診断で,直腸癌転移を認めた.再度PET-CT検査を行うと,同部位に多発集積を認め,mFOLFOX6+Bevacizumabを合計5コース施行後,本人希望により,化学療法は行っていないが,無再発生存中である.
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  • 平野 利典, 坂下 吉弘, 宮本 勝也, 横山 雄二郎, 首藤 毅, 中井 志郎
    76 巻 (2015) 2 号 p. 356-360
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    現在本邦では,切除不能な体表部悪性腫瘍による滲出液・出血・悪臭・疼痛といった症状に対する緩和治療としてMohs法が行われている.今回われわれは,直腸癌の会陰浸潤巣から起きた出血に対してMohs法を施行した.患者は63歳の男性で,2010年11月に直腸癌に対して腹会陰式直腸切断術を施行したが半年後に骨盤内再発し,放射線化学療法を行うも徐々に増大して次第に腫瘍が会陰浸潤し体表に露出するようになった.2013年7月に腫瘍表面から出血するようになり,貧血が進行したため輸血を行ったが2日後に再び出血し輸血を要した.今後も繰り返すことが予想されMohs法を行ったところ速やかに止血が得られ,その後も治療を継続し原病死されるまでの約4カ月間再出血することはなかった.Mohs法は皮膚癌や乳癌への使用報告例が多いが,自験例のような内臓癌の皮膚浸潤・転移巣に対しても安全かつ効果的であった.
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  • 春木 孝一郎, 三澤 健之, 柴 浩明, 飯田 智憲, 石田 祐一, 矢永 勝彦
    76 巻 (2015) 2 号 p. 361-364
    公開日: 2015/08/31
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    症例は84歳,女性.12年前に胆管癌に対し膵頭十二指腸切除後,無再発で外来通院中であった.悪寒,発熱を主訴に救急外来受診.肝S5にガスを伴う膿瘍を認めた.入院後腹痛出現し,造影CTでは肝膿瘍の急速な増大を認め,炎症反応の増悪,溶血の進行を認めた.ガス産生菌による肝膿瘍,敗血症による溶血と診断し,抗菌薬投与開始したが,反応乏しく経皮経肝膿瘍ドレナージ施行.内容のグラム染色でClostridium perfringens (以下,C. perfringns)感染症が疑われた.ドレナージ後も溶血および多臓器不全が進行し,来院後20時間で死亡した.後日,血液およびドレナージ穿刺液培養よりC. perfringnsが同定された.今回,膵頭十二指腸切除から12年後にC. perfringensによるガス産生性肝膿瘍により急激な経過で死亡した1例を経験したので報告する.
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  • 武藤 俊博, 山下 克也, 野村 尚弘, 内田 大樹, 市原 透
    76 巻 (2015) 2 号 p. 365-368
    公開日: 2015/08/31
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    症例は72歳,女性.右季肋部痛と労作時息切れがあり,近医受診後当院紹介.直径14cmの巨大肝嚢胞と診断され,腹腔鏡下肝嚢胞天蓋切除術が施行された.直近の症例で超音波凝固切開装置による嚢胞切離後胆汁漏をきたした経験があったので,vessel sealing system系のエネルギーデバイスの一つであるLigaSure blunt tip 5mm(リガシュア)にて嚢胞壁を切開した.細径,十分な把持力,長い凝固切離ストロークが円滑な手術に寄与した.本症例と,超音波凝固切開装置を使用した自験胆汁漏症例の嚢胞切除縁を組織学的に比較したところ,脈管構造のシールは両者で確認できなかったが,リガシュアのシールは断端変性組織の密度が高く幅広いことが観察された.肝嚢胞壁の確実な凝固・切離にリガシュアは有用と思われた.
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  • 岩谷 慶照, 黒田 大介, 福岡 英志, 村田 晃一, 大坪 大, 沢 秀博
    76 巻 (2015) 2 号 p. 369-373
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,indocyanine green 15分血中停滞率(ICG R15)が74.9%と異常高値を示したがChild-Pugh分類ではAであったため,ICG排泄異常症と診断した肝細胞癌(HCC)症例を経験した.症例は66歳,男性.右肩痛を主訴に近隣医院を受診しCT検査で肝右葉に巨大腫瘤が認められ当院に紹介となった.腹部CT・MRI検査で肝S5-7-8に最大径11.5cmの巨大な腫瘤像を,またS6に1.3cmの腫瘤像を認めた.肝動脈化学塞栓療法後,横隔膜の合併切除を伴う右肝切除術を施行し,術後19日目に退院となった.ICG R15のみ異常高値を示す体質性ICG排泄異常症を背景とするHCC症例では治療方針に苦慮するが,広範囲切除であっても安易に手術選択肢を排除せず,総合的に肝機能の評価を行い手術加療の可能性を検討する必要があるものと考える.
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  • 進藤 潤一, 福井 雄大, 橋本 雅司
    76 巻 (2015) 2 号 p. 374-381
    公開日: 2015/08/31
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    症例は81歳,男性.右肝管に主座を置く肝門部胆管癌の診断で紹介された.術前のCT画像で明らかな脈管異常は指摘されず,予測残肝容積も47%で十分と考えられたため,門脈塞栓術は行わずに切除に臨んだが,開腹所見で右側肝円索症例であることが判明した.予定残肝の一部をドレナージする胆管枝が右肝管の腫瘍浸潤部に合流しており,同分枝の合併切除が不可避と考えられたが,当該領域を完全に切除すると予測残肝容積35%となり,ICG15分値10%台の肝予備能では過剰切除と考えられた.そこで,同胆管枝は腫瘍に近い中枢側を切除し末梢側を犠牲にする方針とし,肝実質をなるべく温存するような拡大右肝切除術(右側肝円索の区域解剖に従うと拡大右外側領域切除術)を行った.複雑な胆道癌の症例においては予期せぬ術中判断を要する場合があり,術前に脈管の3次元解剖を詳細に検討しておくことが重要と考えられた.
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  • 大島 一輝, 赤木 謙三, 堂野 恵三, 土井 玲子, 足立 史朗, 北田 昌之
    76 巻 (2015) 2 号 p. 382-386
    公開日: 2015/08/31
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    症例は30歳台,女性.膵神経内分泌腫瘍の術後フォロー中,左乳房腫瘤を主訴に当科受診となる.視触診にて,左乳房AC領域に約2cmの腫瘤を触知し,乳房超音波検査では27×18×17mmの不整形,境界不明瞭な低エコー腫瘤を認めた.同部位からの穿刺吸引細胞診はclass Vで,ductal carcinomaを疑う所見であった.しかし,腹部CTにて腹腔内の多発リンパ節腫大を認め,経過から膵腫瘍の再発が疑われたため,乳房腫瘤も転移である可能性を疑い,超音波ガイド下バコラ生検を施行した.病理結果は神経内分泌腫瘍の診断であり,乳腺転移の可能性が強く示唆されたが,乳腺原発の神経内分泌腫瘍の可能性を否定しきれなかったため,摘出生検を施行した.摘出した腫瘍には乳管内病変が存在せず,膵神経内分泌腫瘍の乳腺転移と診断した.乳癌との鑑別に難渋した膵神経内分泌腫瘍の乳腺転移という非常に稀な症例を経験したので報告する.
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  • 林 昌俊, 栃井 航也, 小久保 健太郎, 高橋 啓, 丹羽 真佐夫
    76 巻 (2015) 2 号 p. 387-391
    公開日: 2015/08/31
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    症例は78歳,男性.平成26年3月に食欲低下,全身倦怠感で近医より精査のため当院内科に紹介された.LDH異常高値,脾腫などより血液疾患を疑い骨髄生検を行ったところ,びまん性大細胞型B細胞悪性リンパ腫と診断された.プレドニゾロン30mg/dayの投与を開始した.投与開始3日目に上腹部痛出現とともに血圧低下をきたしショックとなった.CT上脾と胃体部大彎の間,胃体部腹側に広がる血腫とextravasationを認めた.脾臓破裂,または短胃動脈系からの出血を疑い緊急手術を施行した.脾臓上極に約20mm大の破裂部を認め,脾臓摘出術を施行した.術後合併症なく術後14病日に血液内科に転科,17病日にR-CHOP療法で化学療法を開始した.しかし,病状悪化し脾臓摘出後75病日に永眠した.悪性リンパ腫においては,脾臓破裂をoncology emergencyとして念頭に置いて治療する必要があると考えられた.
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  • 宇治 祥隆, 石見 拓人, 徳永 美喜, 新上 浩司, 山口 方規, 高尾 貴史
    76 巻 (2015) 2 号 p. 392-395
    公開日: 2015/08/31
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    症例は75歳,男性.2013年2月に胃癌,腸間膜浸潤に対して,胃全摘術+胆嚢摘出術+脾臓摘出術+横行結腸,小腸部分切除術を施行し,進行度はT4a(SE),N3,M0,P0,CY0,H0,Stage IIICであった.術後補助化学療法としてTS-1+Docetaxel(DTX)を施行したが,術後10カ月でCEAの上昇を認め,右副腎の軽度腫大を認め,胃癌の転移が指摘された.TS-1+DTXを再開したが,術後17カ月では右副腎は増大しており,他への転移は認めなかった.PET-CTでも異常集積は右副腎だけであり,胃癌術後の孤立性右副腎転移と診断し,腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.病理組織所見では胃癌の副腎転移に矛盾しなかった.術後はCPT-11での術後補助化学療法を行い,再発所見は認めていない.
    胃癌副腎転移の切除例は珍しく,低侵襲である腹腔鏡下で切除できた症例であり,文献的考察を加えて報告する.
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  • 高野 奈緒, 片岡 政人, 稲岡 健一, 中山 裕史, 竹田 伸, 近藤 建
    76 巻 (2015) 2 号 p. 396-400
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,女性.左下腹部の腫瘤を主訴に近医を受診,CTにて左下腹部に腫瘍を認め,当院紹介となった.精査にて左卵巣癌または平滑筋肉腫の診断にて開腹手術を施行した.開腹所見上腫瘍は左卵巣静脈へ進展するように存在したが,左正常卵巣は存在し,腫瘍摘除および左付属器摘除術を施行した.病理組織学的に左卵巣静脈壁平滑筋組織は腫瘍と連続しており,免疫組織染色にてdesmin・muscle specific actin陽性,S-100・CD34・c-kit陰性にて,左卵巣静脈原発平滑筋肉腫と診断した.経過良好で,術後6カ月経過し再発は認めていない.卵巣静脈原発の平滑筋肉腫は稀な疾患であり,切除した1例を経験したので報告する.
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  • 田口 昌延, 佐田 尚宏, 赤松 郁夫, 石橋 敏光, 市川 一仁, 安田 是和
    76 巻 (2015) 2 号 p. 401-407
    公開日: 2015/08/31
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    神経鞘腫は上下肢を中心とした末梢神経の存在する部位に発生する.今回,腹直筋内という極めて稀な部位に発生した本疾患の1例を経験した.症例は53歳,女性.開腹歴なし.近医で左下腹部の腹壁腫瘤を指摘され,精査加療目的に当院へ紹介となった.腹部超音波検査では4cm大の腹直筋と連続した境界明瞭な分葉状の低エコー腫瘤を認めた.腹部造影CT検査では漸増性に造影された.腹部造影MRI検査ではT1強調画像で不均一に造影され,T2強調画像で内部がやや不均一な高信号を呈した.腹壁デスモイド腫瘍を第一に考え切除の方針とした.腫瘍と周囲の腹直筋,腹直筋後鞘と腹膜の一部を合併切除した.摘出は容易であった.病理組織学的診断は神経鞘腫で悪性所見は認めなかった.腹直筋内発生の神経鞘腫は現在まで6例の報告しかなく希少であるが,腹直筋内に腫瘤を認めた場合には本疾患も考慮することが推奨される.
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  • 横山 達郎, 磯谷 正敏, 金岡 祐次, 前田 敦行, 高山 祐一, 深見 保之
    76 巻 (2015) 2 号 p. 408-412
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,女性.健診で異常を指摘され精査目的で当院を受診した.腹部造影CTで上腸間膜動脈(SMA)の右腹側に境界明瞭で造影効果を伴わない20×20mmの腫瘤を認めた.EUS-FNA検査ではわずかに末梢神経様の間質が認められた.MRI検査ではT1強調で低信号,T2強調で高信号,dynamic studyでは辺縁が早期に濃染し,後期相にかけて腫瘤が明瞭化した.以上の所見より後腹膜原発の神経鞘腫を第一に考え,腹腔鏡下腫瘍摘出術を施行した.術中所見では,腫瘍は脾静脈と下腸間膜静脈に接しており,SMA神経叢と連続していた.病理所見では,c-kit・CD34・α-SMAの免疫染色では染まらず,S-100蛋白で染まる紡錘形細胞の核や細胞質を認め,神経鞘腫と診断した.SMA神経叢に発生する神経鞘腫を腹腔鏡下に摘出しえたので報告する.
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  • 今岡 祐輝, 池田 聡, 漆原 貴, 板本 敏行
    76 巻 (2015) 2 号 p. 413-417
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    患者は76歳,男性.2トン漁船に乗船中に10トンの船舶と衝突して受傷した.来院時,血圧低下ならびに呼吸促迫,左会陰部に2cm程度の裂傷を認めた.また,胸部痛・両臀部痛を認めた.左鼠径部には軟らかい腫瘤を触知した.全身造影CT検査を施行し,右血気胸,右多発肋骨骨折,多発骨盤骨折,被膜下肝損傷,腹腔内free air,左鼠径ヘルニアを認めた.また,左臀部~腹部にかけて造影剤の血管外流出を認めた.以上より,骨盤骨折・外傷性腸管損傷と診断し血管塞栓術と右胸腔ドレナージ施行後,緊急手術を施行した.手術所見では,腹腔内ならびに左ヘルニア嚢内は便汁で汚染され,断裂したS状結腸を認めた.腹腔内を洗浄し,S状結腸を部分切除し,腸管吻合を行った.内鼠径輪は腹腔内より単純閉鎖し,会陰部裂傷よりドレーンをヘルニア嚢内に留置した.鼠径ヘルニア内の外傷性S状結腸断裂は非常に稀であるため,文献的な考察を踏まえ報告する.
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  • 池田 温至, 粟根 雅章, 滝 吉郎
    76 巻 (2015) 2 号 p. 418-423
    公開日: 2015/08/31
    ジャーナル フリー
    術後会陰ヘルニアに対し,Bard® Composix meshを用いて治療しえた2症例を経験したので報告する.
    症例(1):68歳,女性.直腸癌に対して腹腔鏡下直腸切断術を受けた.術後6週目頃より会陰部の膨隆が出現し,会陰ヘルニアと診断した.Bard® Composix meshを用いて腹腔鏡下会陰ヘルニア根治術を施行した.現在術後2年10カ月を経過したが,ヘルニアの再発は認めていない.
    症例(2):67歳,女性.巨大な肛門管癌に対し腹腔鏡下直腸切断術,左広背筋遊離皮弁施行.術後5カ月頃より座位時に臀部の違和感を生じるようになり,CTを撮影したところ,子宮筋腫が骨盤底に落ち込んでおり,会陰ヘルニアと診断.開腹下に子宮摘出および同メッシュにて骨盤底形成を行った.現在術後9カ月を経過したが,ヘルニアの再発は認めていない.
    メッシュを用いる会陰ヘルニア根治術は有用な術式と考えられた.
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