In this paper we introduce artificial market studies, review their methods and results, and discuss their future directions. First, we give a definition of the artificial market studies and identify their features. According to these features, them, we classify some artificial market studies into three categories and review their typical studies. Next, we discuss frequent criticism about artificial market studies. Finally, we show some future directions of artificial market studies and their requirements.

インターネットの普及に伴い, エージェントと呼ばれる自律的かつ協調的にユーザの代理となって行動するソフトウェアが注目を集めている.エージェントはインターネット上でユーザの代理として, 情報検索をしたり, 他のエージェントと協調的にタスクをこなす必要がある.エージェントはユーザの代理であるから基本的に利己的であり, 他のエージェントと信念や好みに関して競合する.すなわち, エージェントが協調的にタスクをこなすには, 競合的な状況におけるエージェント間の協調機構が必要となる.競合的な状況で協調するためには, 信念や好みを変更した上で合意ができる機構が必要となる.本研究では, 競合的な状況で協調を行うための機構として, ユーザの主観的評価と多属性効用に基づく説得による合意形成機構を提案する.また, 具体的な応用例として, グループ意思決定支援システムGCDSS(Group Choice Design Support System), および, オンラインオークション入札支援システムBiddingBotを実装する.GCDSSの実装では, エージェントが, ユーザの好みを反映しながら, 効果的に合意を形成するための多重交渉方式を提案する.BiddingBodの実装では, エージェントが協調的に複数のオークションサイトに対して入札をする協調機構を提案する.また, 説得に基づく合意形成機構の理論的な形式化として, 価値交換に基づく説得機構のゲーム理論に基づく形式化を示す.以上から, 本論文の目的は以下の3つである.(1)エージェント間の合意形成のための説得機構の実現, (2)エージェント間の合意形成機構の具体的応用, および(3)ゲーム理論に基づくエージェント間の説得機構の形式化.

本論文は, 社会性昆虫における生物学的フェロモンコミュニケーションのマルチエージェント工学におけるモデル化と, その応用に関するもので5章よりなる.第1章では生物学と工学における関連研究を概観している.また, それらの研究に立脚してフェロモンの本質を場として捉え, ベクトル空間としてモデル化することでフェロモン型コミュニケーションに基づくエージェントシステムの統一的定義を提案している.続く第2章ではColorni等の最適化アルゴリズムであるアントアルゴリズムに着目し, その欠点を明らかにした上でその克服のため, 複数コロニーの概念とコロニーレベルフェロモン型コミュニケーションを導入したMultiple Ant Colonies Algorithmを提案し, 巡回セールスマン問題に対する性能評価実験によって有効性を示している.第3章ではフェロモン型コミュニケーションに基づく分散型協調問題解決アルゴリズムを提案し, 多目的最適の要素をもつ配送経路問題への適用でその有効性を示している.第4章ではフェロモン型コミュニケーションの自律的獲得に関して述べており, そこではニューラルネットワークと遺伝的アルゴリズムに基づくエージェントが, 動的な環境において進化的コミュニケーションと創発的群知能に基づいて問題解決が図れることを実験によって示している.第5章では一連の研究成果を取りまとめ, 結論と今後の展望を述べている.

本論文は, 動的環境下において多面的オブジェントを表現できるエージェントモデルEAMMOおよび, その記述処理系について論じたもので6章より構成される.第1章で序論として論文の背景と概要について述べ, 第2章でさらにエージェント指向コンピューティングについて述べた.第3章では, 動的環境下において多面性, 自律性, 自発性を持ったオブジェクトである多面的オブジェクトが抱える多面性問題について, 既存のモデルでは十分に表現できないことについて述べた.続く第4章では, その問題を解決するために, 環境をエージェントとしてとらえ, さらに上級, 下級エージェントを加えた三種のエージェントによる複合モデルEAMMOを提案した.また, 本研究に適したアプリケーションであるサッカーエージェントを実装し, RoboCup97への参加を通してエージェントモデルの有効性を確認した.第5章ではEAMMOを形式的に表現し, その記述処理系を設計, 実装した.また, RoboCup Japan Open '98や, RoboCup '98へ参加し, その有効性を確認した.本処理系はインタプリタ形式を採用しているため処理速度は遅いが, 複数のエージェントを組み合わせた並列処理による全体の速度を改善できる.また, サッカーシミュレーションの実装を通して複雑な動作を適切に表現できることが確認できた.第6章では, 結論として本論文のまとめと今後の課題について述べた.

実世界やインターネットを活動の場, 即ち環境とする自律ロボットやソフトウェアエージェントには, 環境の動的な変化に即座に対応しつつ, 環境を認識して目的を効率よく達成できる柔軟な行動選択能力が特に求められる.変化に即応するためには動的な環境を対象とするAIの枠組みが必要であり, 目的を効率よく達成するためにはいわゆる古典的AIに基づく熟考的な枠組みが必要である.従って, 両枠組みを効果的に統合することで上記能力を実現できる可能性がある.そこで, 本論文では, 行動選択の中心であるプランニングと学習に焦点を当て, それぞれにおいて両枠組みを統合した手法である, マルチエージェント実時間リアクティブプランニングと統合型強化学習を提案した.前者は, プランニングを行う複数のエージェントの活性伝搬に基づく協調により, 即応的プランニングと熟考的プランニングを効果的に統合する.後者は, 経験強化型強化学習を行うエージェントと環境同定型強化学習を行うエージェントが, 提案する規則に基づいて並列動作することで, 高い学習効果を早い段階で獲得することを可能とする.そして, 両者を組み合わせた行動選択器の総合的な性能を検証した結果, 組み合わせたことによる弊害は認められず, 両者の特徴の相乗効果により, それぞれを単独で使用した場合よりも高い性能が発揮されることを確認でき, より即応性と熟考性を兼ね備えた行動選択手法を実現することができた.

本論文は, 帰納論理プログラミングで使われる探索空間の抑制機構と, 遺伝的プログラミングで使われる進化的計算手法を融合することによって, 新たな関係知識の学習手法を提案したもので, 8章よりなる.第1章の「序論」, 第2章の「関連研究」に続き, 第3章の「学習手法の統合化」では, 帰納論理プログラミングと遺伝的プログラミングの統合化において, 核となる技術について論じ, 新しい学習手法を提案している.第4章「関係知識の学習」では, 第3章で提案した手法の実験と評価を行い, 帰納論理プログラミングでよく用いられる学習問題と, それでは学習できない問題に対して有効性確認している.第5章の「2分化不能な例からの学習」では, 連続的な教師信号による学習問題を「連続的な例からの帰納概念学習」として定義付け, その学習問題に適用できるようにしたシステムを第3章で提案した手法を拡張することで構築している.人間の感性の学習問題を例として取り上げて実験を行い, 従来の帰納論理プログラミングの枠組みと比較することで, この手法の有効性を示している.第6章「データベースからの知識発見」では, 第3章で提案した学習手法を拡張した述語論理レベルの知識発見手法を提案し, 従来の手法では獲得することが難しい規則も獲得できることを実験により示している.第7章の「考察」, 第8章の「結論」では, 本論文で構築した3つのシステムの研究成果を総括し, 今後の研究の方向性について議論を行なっている.

Propositional learning algorithms successfully extract concepts from data expressed thru attributes and propositions on the attribute values. However, When the concepts acquired by propositional learning algorithms are to be used at later stages, on previously unseen instances from the same designated domain, there is no absolute confidence that the concept learned will fit all the new instances. One of the reasons behind the failure of propositional learning to achieve onehundred percent accuracy on unseen objects, is that actual domains show deficiencies, like missing values, in the quality of the available data. When missing values occur in the data, the propositional learning algorithms produce concepts that classify unseen objects with less accuracy than the classification accuracy obtained by concepts learned from complete data. This dissertation formulates a new mechanism for missing value estimation which can help to reduce the error rate of the learned concepts. The contribution formulated in this dissertationis a cascaded and ordered construction of the decision trees employed to fill the missing values. This variation on the way to obtain what is hereby named Attribute Trees was empirically shown to improve the accuracy of the decision tree learning algorithm on the completed data, while holding the computational cost to an acceptable level. Though the method was successful on increasing accuracy in some domains with artificially introduced missing values, more extensive experimentation revealed that the improvement on accuracy performance is not the general case. Thus, this dissertation additionally tries to identify the reasons for the lack of general applicability of the proposed method. A new analytical tool called mutual information analysis is defined and used for identifying domains that are compatible with the attribute trees approach for filling missing values. As a result, the sort of data for which it is worth to apply the new method was determined.

本論文では, 電子化されたテキストから有用な情報を抽出するための手法についての提案を行う.抽出対象とする情報は, 省略された主語(ゼロ主語)の照応対象と固有表現であり, それぞれ独立した抽出手法により抽出を行なっている.ゼロ主語の照応対象の抽出は第3章で述べられ, 固有表現の抽出は第4章で述べられている.論文全体は5章からなる.第1章の「序論」に基づき, 第2章「理論と背景」では本研究の背景について述べ, 抽出を行なう対象と抽出手法の概要を説明する.第3章「ゼロ主語の同定」ではマニュアル文を対象としたゼロ主語の照応対象の抽出について示し, 言語表現自体が持つ意味(特に個別の領域知識にほとんど依存しない意味)を用いて, ゼロ主語が参照しているものを人称レベルで抽出する手法について述べている.文中の言語表現を用いることにより8割以上の精度でゼロ主語の人称を同定できることを示す.第4章「固有表現抽出」では新聞記事を対象とした固有表現抽出において, 複数のシステムを組み合わせて固有表現の抽出を行なう手法の提案を行なう.この手法に従い, 人手作成のパタンを用いた抽出システムと機械学習による学習結果を用いた抽出手法を組み合わせた結果, それぞれのシステムよりも, より精度の高いシステムが作成できることが確認できた.第5章は結論で研究結果をまとめ, 今後の課題について論じている.

Aiming the implementation of paramenter-free reinforcement learning, the following three pieces of research are presented: -Online reinforcement learning to satisfice: In online reinforcement learning in dynamic environments the exploration rate depends on the nature of the environment. By relaxing the criterion from "optimization" to "satisficing", the proposed method assures the convergence for all parameters, coping with unexpected environmental changes. -Efficient implementation of TD(λ): While the naive implementation of TD(λ) with λ>0 ocsts time complexity linear in the number of states, the proposed method implements TD(λ) precisely and fast by computing each value lazily, or by need. Its computation time per each time step is logarithmic in the number of states, while it needs three times the space complexity of the naive implementation. -TD(λ) using Haar basis functions: An algorithm efficiently implementing TD(λ) learning using Haar basis functions is proposed. The algorithm can maintain and update the information of the infinite tree of coefficients in its finitely compressed form. The system of Haar basis functions includes both broad features, which have strong generalization and averaging ability, and narrow features, which have high precision approximation ability. Especially, TD(λ) for Haar basis functions can approximate arbitrary continuous function on [0, 1) in the limit.

本研究は, 自然言語処理で, これまで十分に扱われていない2つの言語現象(モダリティと比喩)を, 計算機で扱う新しい枠組みを提案している.この枠組みは, 例えば機械翻訳の精度を上げるために利用することができる.本研究では, まず, 日本語・英語を中心にドイツ語・フランス語の文の例よりモダリティの分析を行い, これらを17のカテゴリに分類している.また, モダリティ表現をこれらのカテゴリに分類するアルゴリズムを提案し, その有効性を検討している.比喩については, 日本語とドイツ語の文例の中から, 類似のものを集めて分析し, 両者の間の構造的な類似を抽出している.

本論文は, 制約充足問題の拡張に位置付けられる過制約で部分的に制約違反を許容しつつ制約を満たす解を求める不完全制約充足問題, 及び制約や取り得る値に重みが付された状況下で最適解を求める不完全制約最適化問題の効率的解法の研究について論じたものであり, 7章よりなる.第1章の序論に続き, 第2章と第3章で対象とする制約充足問題について既存の解法について説明し, 本論文で活用する線形計画法について単体法と0-1整数計画法を中心にまとめている.第4章では本論文で不完全制約最適化問題を数理計画法の手法を活用して解く際に必要となる, 不等式制約と最小化を図る目的関数の構成法について論じている.第5章では第4章の手法により構成された不等式制約と目的関数より, 準最適解を得る手法として考案した単体法の反復適用による解法について論じている.単体法により得られた部分解について一部を整数解へ丸めることにより縮小した問題を作り, これを再度単体法を適用する.このことを反復することにより最終的に0-1の準最適解を得ている.また局所探索も有効であるので, この機能も取り入れている.第6章では第5章の原理に基づいて作成したシステムについて記し, その性能評価を重み付グラフ塗り分問題を対象にして行った結果を示している.また実用的応用として, スケジューリング問題について具体例を示し, 従来の解法と比較し良い解がより早く得られている.第7章では本論文の成果を及び今後の課題についてまとめている.

本論文は, 並列Lispシステムとその実現方式, 特に並列構文の効率的評価法であるスティール評価法の実現とその実験評価について論じたもので, 7章からなる.第1章は「序論」である.第2章の「並列Lisp言語PaiLisp」では, 並列Lisp言語PaLispと並列Lispプログラムの実行上の問題を述べている.第3章の「マルチスレッド方式によるPaiLispインタプリタの実現」では, 並列構文の評価法としてEager Task Creation(ETC)を採用し, マルチスレッドを用いて実装したPaiLispインタプリタPaiLisp/MT(ETC)の実現について述べている.第4章の「スティール評価法に基づくPaiLispインタプリタの実現」では, 伊藤教授提案の様々な並列構文の効率的評価法であるスティール評価法(SHE)と, Halsteadら提案のfuture構文の効率的評価法Lazy Task Creation(LTC)のPaiLisp/MT(ETC)を基にした実現について述べ, SHEがプロセス過剰生成問題を解決する優れた並列評価法であることを論じている.第5章の「PaiLispのプログラミング環境」では, 簡便なPaiLispコンパイラや逐次Schemeプログラムの制約的自動並列化システムの試作について述べている.第6章の「PaiLispシステムの実験評価と応用」では, 共有メモリ型並列計算機DEC7000上で実現した3つの評価法(ETC, SHE, LTC)を備えたPaiLisp/MTシステムを実験評価し, インタプリタ, コンパイラともスティール評価法がETCやLTCより優れていることを示している.第7章の「結言」ではまとめと今後の課題について述べている.

生命現象の中で最もよく研究, 理解されているのは代謝, つまり細胞内での物質の分解や合成過程である.バクテリアの持つ基本代謝を個々の酵素機能から再構築できれば, 生命現象の理解にとどまらず, そのバクテリアの未知の遺伝子機能特定, さらにはバイオエンジニアリングへの道が開ける.その前提となるのは, 代謝全体を電子化できる適切な知識表現法, および関連物質の化学構造や酵素反応の電子化技法である.また, コンピュータによる予測結果は, 最終的には実験室で検証しなくてはならない.本研究はこれら一連の問題を整理し, 解決法を与えた.具体的には, 代謝を再構築するための新しいフレームワークと, その記述法を提唱する.このフレームワークにより, 代謝の特徴がグラフで表現でき, ユーザが注目する代謝経路が, 最短経路探索に似たアルゴリズムで検索可能となる.また, 二点間の経路探索を複数個組合わせて, 酵素反応ネットワーク上の任意のサブネットワークを検索, 列挙することも可能になる.また, 代謝物質の化学構造と酵素反応を電子化するのに必要な, 三つの手続きと, それらの新しい解決法を示す:入力された化学構造中の芳香環を検出するもの, 構造をグラフと見なし正規化をするもの, グラフの最大共通部分構造を検出して, 酵素反応における原子の移動先を計算するものである.最後に, 電子化された代謝の解析結果を実験室で検証するための, 新しいパラダイムを示す.遺伝子のノックアウトには, ベクターDNAと呼ばれる様々な機能部位を持った人工遺伝子が使われてきた.DNAコンピューティングは, このベクターの合成を, 構成的かつボトムアップに行なう手段として有効と考えられ, その有効性を数々の基礎実験により実証する.

本論文は, 自然言語処理における構文解析手法であるPGLR法(確率一般化LR法)を音声認識の分野に適用することを論じたもので, 5章からなる.第1章「序論」では, 本研究の背景と目的を述べている.近年の計算機による音声認識は, 音響モデルと言語モデルを組み合せた統計的手法を用いて音声を単語列に変換する枠組に基づいている.その結果は構文的な情報を十分に反映したものとなっていない.本研究では, 音声認識と構文解析を同時に行なうHMM-LR法への組み込みを考慮した言語モデルとして, PGLRモデルを拡張したPGLR^+と呼ぶ確率言語モデルを提案している.第2章「種々の確率言語モデル」では, 音声認識で用いる確率言語モデルについて概観し, PGLR^+モデルの必要性および利点について述べている.第3章「PGLR^+言語モデル: 複数の接続制約を扱うためのPGLR法の拡張」では, 音素や細品詞の接続制約を同時にLR表に組み込むための手法を示している.第4章「PGLR^+言語モデルのperplexityによる評価」では, ATR音声対話コーパスをPGLR^+パーザで構文解析し, テストセットperplexityをbigramモデルやtrigramモデルと比較している.PGLR^+モデルのperplexityはbigramモデル, trigramモデルの値より小さくなり, 本言語モデルの有効性を確認している.第5章「結論」では, 本研究で得られた成果を総括している.

本論文は神経生理学や心理学的知見を導入して, パターンの多様性に影響されない視覚神経回路網モデルの構築を目的としており, 6章より構成される.第1章の「序論」に続いて, 第2章では, 既に提案されている視覚神経回路網モデルであるネオコグニトロンの構成・学習方法について定式化するとともに, 回転したパターンに頑健性がないことを実験により確認した.第3章では, 新しいボトムアップ型神経回路モデル(回転対応型ネオコグニトロン)を提案している.実際に手書き数字を用いた数値実刑により, パターンの変形・位置ずれ・拡大縮小・ノイズだけでなく, パターンの回転にも完全に頑健であることを示した.第4章では, 回転対応型ネオコグニトロンを含むネオコグニトロン型神経回路モデルの学習過程を解析し, その結果から高速に学習を行なうアルゴリズムを提案している.本アルゴリズムを用いることで, 認識性能に影響を及ぼすことなく, 学習時間が約1/680に短縮することを確認している.第5章では, 回転した文字を必ずしも瞬時に認識せず心的回転により初めて認識するというヒトの認識機能を実現する視覚モデルを提案している.数値実験により, パターンの多様性に頑健であることを明らかにした.また, 鏡像回転パターンに対する提案モデルの挙動が心理学的事実と符号するという興味深い結果も得られた.第6章「結論」では本論文の成果をまとめ, 今後の課題を述べている.

Web repositories are exposed in form of a huge amount of heterogeneous information sources. The information is overwhelming the users. Besides the target information itself, the changes upon the previously released information are significant and worth being notified to those who perceived the out of date information as soon as possible. The changes made in Web repositories occur at unpredictable rates. Unfortunately, stock type information source has no means to inform its prospective users about the changes. While the stock type information source occupies a large percentage of sources on the Web, it is necessary to have a system that monitors changes on the Web, and provides comprehensive presentation to the prospective users. In this thesis, the author proposes a mechanism that provides change monitoring and presentation service for a large group of users based on coalition among service agents. The service agents keep improving the overall utilization factor by several schemes based on the decision made by game analysis. The author apply a cost model to the service mechanism in order to study the cooperative behavior of the service agents. The reduction of cost is designed to comply with the level of cooperation among service agents. As a result, when the proposed monitoring service is used among users, the Web repositories will virtually turn into flow type information system where the information of changes automatically flows to the users who are interested. This lets the information providers update their information pages and be confident that the pu to date information will be delivered to the potential users shortly after the actions.

本研究の目的は, 相異なる要求をもった利用者が共有されたコンピュータネットワークを利用する際に, ミクロ経済学で提案されてきた価格調整機構を応用することによって, それらの要求をよりよく反映し, かつ限りある資源を有効に利用する手法を開発し, その有効性を実アプリケーションへの実装を通して検証することである.本研究の枠組においては, 利用者の選好を代表する消費者エージェント, 応用システムの性能を代表する生産者エージェントがそれぞれ定義され, それらの利己的行動と価格調整機構とを通じて, 最終的には無駄のないパレート最適な割当てが実現される.本研究では3次元仮想空間を用いたデスクトップ会合システムFreeWalkにおける通信制御にこの手法を応用した.このようなネットワーク資源の動的割当てを考える場合, ネットワークへの要求の変化に割当て機構が追従できることが必須である.特に市場機構に基づく計算では, 需要と供給との均衡を求めるために多数の繰り返しを含む収束計算となり, 計算に要する時間的コストは無視できない.このため計算コストを左右する各種のトレードオフについて分析を行った.以上の成果をもとに, 市場モデルにより資源の割当てを行うシステムであるQoS Marketを実装し, その評価を行った.QoS Marketの特色としては, 市場モデルによる資源割当ての他に, 移動エージェントによる繰り返し計算にともなう通信メッセージ数の大幅削減を達成していることが挙げられる.

本研究では, ハイパー構造を有する情報空間での情報探求を支援するための適応的ハイパーメディアシステム構築に際する1フレームワークを提案した.ユーザの探索状態に適応的なナビゲーション情報を生成するために, ユーザの探索活動モデルの構築, およびナビゲーション情報生成に関わる全ての処理を階層型協調問題解決モデルにより統合したフレームワークである.本フレームワークに基づくナビゲーションシステムは, ハイパー構造を有する学習リソースを利用した学習・訓練に対して機能する.システムは, ユーザからのナビゲーション要求を受けると, ユーザの活動履歴の物理的特徴および意味関係に関する特徴を捉え, 探索活動モデルを構築する.そして, そのモデルをより望ましい状態へとガイドするためのナビゲーション情報を生成し, ユーザに提示する.ハイパー空間全体を構成要素の物理的構造, および意味関係構造を反映させた形でモデル化するために, 自己組織化特徴地図を拡張させた学習方法を開発した.本手法は他の分類法と比較し, 重み初期値の影響の回避とカテゴリー境界やその周辺に位置するデータ分類の正確さに関して有効である.この学習方法を利用して, ハイパー空間を構成する各要素間の意味関係構造を表現するモデルであるハイパー空間の意味関係特徴地図(Hy-SOM)を設計した.この地図を探索活動へのナビゲーション情報の生成に活かすことで, ハイパー空間の大域的特徴を見据え, 局所の特徴をも考慮し, ユーザの対策状態に応じたナビゲーション方略の立案と具体化が可能になる.その結果, システムが生成するナビゲーション情報がユーザの探索状態を改善し得ることが評価実験により示された.

計算機ネットワーク環境の爆発的な普及は大規模な情報を利用する機会を増加させ, 情報のブラウジング手法への注目を集めた.情報のブラウジング時には対象となる情報の全体構造と注目部分の詳細な内容が同時に把握できることが望ましい.しかし, 一般的な計算機環境ではこれらを同時に把握する環境は提供されていない.そこで, 本論文では情報の全体構造と注目部分の詳細な内容の同時把握を可能にする情報作業空間の構築を目的とする.まず1章で情報作業空間の発展について述べ, 本研究の目的と意義を整理する.次に2章では, 情報構造を効果的にブラウジングするための情報視覚化手法について検討し, 順序付き階層構造の3次元視覚化手法を提案する.提案手法の有効性はブラウジングを想定した評価実験により確認された.3章では情報作業空間全体と注目部分の詳細を同時に提示するために, CRTと透過型Head Mounted Display(HMD)を併用する拡張現実感による情報提示手法を提案する.提案手法の有効製は評価実験により確認された.4章では3章の手法で用いる拡張現実環境における位置ずれ問題をコンピュータビジョンの手法を適用して解決し, ビデオシースルー型拡張現実環境提示システムを試作してその有効性を確認した.最後に5章で全体を総括する.

本論文は, 設計過程において問題を解決する際に, 判断の材料となる特定の情報に設計者が注目する方法=注視点を制御する方法を, 知識として明示的に取り扱う仕組みについて論じたものであり, 7章から成る.第1章の「序論」に続き, 第2章の「従来研究と研究方針」では, 関連研究を概観し, 本論文の立場と基本方針を明らかにした.第3章「注視点の制御を指向した分類子システムの提案」では, 説明に基づくプロトコル解析を手法として提案し, この手法を用いた設計実験によって, 注視点を制御する知識を仮定する妥当性を検証した.更に, 本論文の計算機シミュレーションに用いた分類子システムについて, 本論文の観点から見た問題点を考慮し, 標準的な枠組みを拡張した注視点制御指向型分類子システムを体系的に提案した.第4章「注視点制御過程の計算機シミュレーション」では, 簡単な経路探索問題を例題として計算機シミュレーションを行い, 注視点制御知識の有効性を検証した.続く第5章「注視点制御機構の工学的応用」では, 現実的な部品配置問題を例題として, 注視点正規知識の再利用性を検証し, その有用性を示した.第6章「注視点を制御する知識に関する議論と考察」では, 工学的な研究であることを意識し, 注視点を制御する知識の仕組みに関して, その可能性と限界について述べた.第7章「結論と展望」では, 研究成果と得られた知見を整理し, 本論文の結論を述べ, また今後の展望を記した.

本論では実時間探索問題を時間制約付きの最適化問題としてとらえ, 制限時間で目的地点までの探索を終了することのできる時間制約付きヒューリスティック探索を提案しており, また, その機能を持つブラウザベースのナビゲーションシステムの構築も行っている.本論文は8つの章より構成されている.第1章は「序論」で, 第2章ではナビゲーションシステムの経路探索とはどのよなものかを, グラフの探索, データアクセス, 及び, 再探索の実行といった観点から明らかにしている.第3章では時間制約付きヒューリスティック経路探索とその理論的な特徴を述べ, 実際のナビゲーションシステムで利用されているデジタルマップを用いた実験から, 長い制限時間に対して最適化率の高い経路を生成し, 目的地点付近の探索を削減することで, 時間通りに探索を終了といった特徴を実証している.第4章では実時間探索への適用し結果的に移動する経路はほぼ最短経路となることが示されている.第5章では外界から得られる環境情報を利用して動的に経路変更を行うといった状況に適用した場合の特徴を, 複数の移動体の渋滞回避をシミュレートすることで明らかにしている.第6章では本方法に基づく経路探索技術とインターネット技術を利用したブラウザベースのナビゲーションシステム実装の詳細が述べられている.第7章では関連研究について述べ, 第8章は結論と今後の展望をまとめたものである.

本論文は, 人間が持っている問題解決知識を, 効果的に利用するための問題解決手法について論じたものである.一般に, 日常生活における人間の問題解決は, 多くの場合, 特定の単純な解決プロセスをテンプレート的に繰り返し使いながら解決しているが, それによって大きな支障を来すことはない.そこで, 本研究では, 大まかな解決方針と解決目標の姿が予め分かっているクラスの問題に対して, 厳密な探索などを使わずに, 最終ゴールへの到達を保証しながら問題を解決する一方法の提案と検討を行った.本研究にて提案する手法は, まず, 対象問題の解決プロセスを, 人間の経験的知識に基づきいくつかの副問題に分割する.特に, 上流側の副問題のゴールが, 隣接する下流側の副問題に内包されるよう, 以下の要素 ・各副問題の状態空間を表現する条件 ・各副問題の任意の状態を次の副問題の中の新しい状態に変えるオペレータ ・各副問題においてより良いオペレータを選択するための単調評価関数を抽出しながら分割を行い, コンピュータに実装するもの である.このように再構成された解決過程を「フェーズフロー」と呼ぶ概念として定式化した.本研究で提案するアプローチの有効性を評価するために, パズル, ゲーム, その他, より実際的な例題のプロトタイプシステムを作成し検討を行ったところ, 多くの問題において, 準最適解を出力しながら, 確実に, そして短時間で最終ゴールへ導くことができた.

We consider a system of autonomous distributed agents which make decisions based on their payoff information. In the case that there are some interference caused by task precedence, resource conflicts and so on, realization of cooperation among agents should be an important factor to increase efficiency of the whole system. In this paper we discuss such a problem in the framework of noncooperative game theory, and propose a method of realizing situations in which agents perform cooperatively without damaging their autonomy. We change payoff information indirectly by controlling evaluation parameters for each agent. Numerical results suggest that there is an efficient way of deciding evaluation parameters according to the characteristics of agents.

In the field of data mining, much attention has been paid to the Basket Analysis. Basket Analysis derives frequent itemsets from database, but its ability of mining is limited to transaction data consisting of items. Some approaches to discover characteristic graph structure from a set of given graph structured data have been researched in the field of inductive machine learning. However, most of them are not suitable for the applications which require to search all frequent graph patterns in the large amount of data. In this paper, we propose a novel principle and its algorithm that derive the characteristic patterns which frequently appear in massive graph structured data. Our algorithm can derive all frequent patterns from both the directed and undirected graph structured data having loops, multiple types of nodes and links.

We present a method for embedding two mechanisms, which eliminate redundant inferences caused by case-splitting, into a model generation theorem prover. One is proof condensation which eliminates unnecessary subproofs by calculating their relevancy to the proof. Another is folding-up which eliminates duplicate subproofs by using lemmas extracted from the proof. These two mechanisms are achieved by extracting literals that have contributed to the proof. We have implemented the method on a UNIX workstation and evaluated its effects for some typical problems taken from the TPTP problem library. Experimental results show that the method has the effect of eliminating redundant proofs.

Linear logic is introduced by Girard, and is sensitive to quantity. Quantitative rules are obtained by induction in this logic. This paper proposes quantitative semantics for linear logical formulas, and proposes a method of induction. Soundness and completeness of this method with respect to the semantics are also shown. The semantics of linear logical formula is given as a set whose elements are multi-set. Multi-set is a set whose elements can repeatedly appear, i.e.the number of element is sensitive. Quantity is represented in this manner. Entailment relation between formulas is given as inclusion relation between the sets which are the semantics of these formulas. Our logic system is a sub-system of full propositional linear logic. This system is sound with respect to the proposed semantics. The method of induction from positive only example is proposed. In linear logic, normal form of a formula, such as clause in predicate logic, is hard to introduce. Thus, the inductive operations are defined by substitution of sub formulas. Soundness of the inductive method is proved straightforwardly from soundness of the logic system. Positive only example allws that the model of hypothesis has too much elements. Thus, minimal hypothesis is introduced which is defined as a hypothesis whose proper subset connot be a hypotheses. Finally completeness of the inductive method with respect to minimal hypothesis is proved.

Extracting classification rules from pre-classified instances is an important field of knowledge discovery. Typically, enormous number of classification rules are embedded in the given instances and a discovery system has to extract only useful rules effectively. There are many types of useful rules depending on what the discovered rules are used for and this paper deals with discovery of an exception rule in which each condition in its bodies has no or negative correlation with its conclusion (class label) but the combination of the conditions predicts the conclusion accurately. Exception rules are important because such hidden relationships may be unknown, new knowledge for human experts. In this paper, we first propose a new criterion that judges whether a body of a rule to be evaluated is realy required to predict its conclusion by comparing its accuracy with those of more general rules. We also propose a discovery algorithm, IIS, to extract exception rules with respect to the above criterion from training instances represented by numeric attributes. IIS effectively searches exception rules by iteratively specializing possible intervals of attributes in a rule's body. The empirical results with UCI repository show that IIS is sufficiently fast to extract exception rules with three or less attributes in their bodies.

This paper proposes a novel method to schedule parallel execution of planning and action of a mobile robot. The method considers the following two types of parallelism. (1)acting while planning: if a partial planning result can be used to determine feasible actions, such actions can be executed while the planning process is still going. (2)planning while acting: if the result of the current action is predictable, planning for the next action can start in advance of the completion of the current action. The proposed method uses the notion of planning-action consistency to guide the scheduling. The method has been successfully applied to a mobile robot navigation problem under sensor uncertainty.

The immune system is one of the adaptive biological systems whose functions are to identify and to eliminate foreign material. Applying this system to the engineering problems, these processes are regarded as an effective search and optimization. In this paper, we propose an optimization algorithm, called Adaptive Memorizing Immune Algorithm(AMIA), based on an immune system with two memory mechnisms. The one, primary memory mechnism is msed 1)to memorize antibodies that have useful characteristics as solutions and 2)to improve ability of local searching. The other, secondary memory mechanism is used to restrain re-searching of memorized solutions. Some computer simulations are designed to investigate the performance of the immune algorithm. The results of simulations represent that the immune algorithm shows good performance for multimodal functions.

A novel and generic theory is formulated to characterize the structure of simultaneous equations. Based on the theory, an algorithm is developed to discover the structure of simultaneous equations governing an objective process through experiments, and the algorithm is implemented to the "Simultaneous Structure Finder(SSF)"program. SSF combined with another system SDS which discovers a quantitative formula of a complete equation derives a quantitative model of simultaneous equations reflecting scientfic laws underlying the objective process. The power of the proposed approach comes from the use of "minimal complete subsets" contained in any simultaneous equation set. They can be identified through controlled experiments on the objective process. This novel definition nicely characterizes the structure of simultaneous equations, and provides a measure to efficiently prune unnecessary search to identify simulaneous structure of an equation set. In this paper, the theoretical foundations of the structure identification and the algorithm of SSF are presented, and its efficiency and practicality are demonstrated and discussed with large scale working examples. Since the conventional equation discovery systems could not find such simultaneous equations in an efficient manner, this work is expected to provide a new research field on the scientific equation discovery.

In recent years, Web pages have become the most available resource of information. However, it is hard to express a user interest by words, so people are hard to access those information by using search engines. In this paper, we suggest a system which supplies keywords used in real Web pages. This system aims at making up a lack of user's knowledge and filling the gap between user's knowledge and real information. Along with these, a two-dimensional search interface is supplied to a user. In this interface, keywords are classified by a user interest and are arranged with expressing the relation between a user interest and Web pages cleary. As a result, a user can make his/her own interest concrete and can get disirable pages quickly.

This paper presents an improvement of theorem prover A-SATCHMORE. Considering every consequent atoms of non-Horn clauses in a given clause set are derivable, A-SATCHMORE may suffer from a potential explosion of the search space when some of such consequent atoms are precisely underivable. In this paper, we introduce how to exclude those underivable consequent atoms of non-Horn clauses from our computation.