全日本鍼灸学会雑誌
Online ISSN : 1882-661X
Print ISSN : 0285-9955
ISSN-L : 0285-9955
33 巻 , 2 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 西條 一止
    1983 年 33 巻 2 号 p. 119-124
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 渡 仲三, 馬渕 良生, 黒野 保三, 堀田 康明, 堀 茂, 石神 龍代, 中村 弘典, 山田 耕
    1983 年 33 巻 2 号 p. 125-133
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    鍼灸がある種の疾患, 特に慢性病に有効であることは古くから良く知られており, その恩恵に浴する患者の数はおびただしい。しかし, 施鍼や施灸が, 何故にどのようにして有効であるのかについては実証性に乏しいことも事実である。ここに鑑みて, われわれはハリの有効性を実験的に実証しようと試み, すでに多くの研究を行なって来た。今回はこの研究の1部をまとめてご紹介したい。本論文の内容は (1) 四塩化炭素による肝傷害に対するハリの予防的, 治療的効果, (2) アロキサン糖尿病に対するハリの治療的効果および (3) 塩化第2水銀による腎傷害に対するハリの効果であり, いずれもハリが予防的または治療的にも有効であることが超微形態学的に実証された。
  • 山下 九三夫
    1983 年 33 巻 2 号 p. 134-137
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    健康の概念は従来専ら身体的異常のない状態と簡単に考えられてきたが, 文明の進歩や社会の複雑化に伴い精神的不健康者が増加し, 心の健康が重要視されてきた。そこでWHOの定義を踏まえ, 健康とは人間らしい精神生活がもたれ, 溌刺とした生きがいのある良い生活が送れる状態で, 個人の心身の他に, 社会面も考慮する巾広い概念といえる。最近はこれに霊的健康を加えた全身的健康を意味する。鍼灸及び気功はこの全身的健康を支えているといえる。次に老人医療においても東洋医学の適応をもっと積極的に考慮されるべきであるし, 健康診断においても東洋医学的診断は重要である。いずれにしても健康科学と鍼灸という命題は医療の中に鍼灸を位置づけるための第一歩といえる。
  • 中村 辰三, 篠原 昭二, 岡本 敏男, 合田 光男
    1983 年 33 巻 2 号 p. 138-144
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    眼の調節機能と経穴との関係や鍼治療による視力改善について調べることを目的とした。
    〔方法〕
    経穴への鍼刺入の前後で調節時間の変化を, Accommodo-poly-recorder で測定した。この結果から有効穴と非有効穴を選び, 視力改善に対する差異について, 10回刺鍼による前後の視力変化を検討した。
    〔結果〕
    (1) 風池・太陽両穴共に術前の平均値に比し, 術後は0.06上昇し, Ggl. Ciliare 刺鍼では0.11上昇した。(2) Ggl. Ciliare 刺鍼 (1981年) では, 無眼鏡群で, 視力が0.4上昇し, 有眼鏡群で0.15上昇した。
    〔結論〕
    視力改善について鍼治療が有効であり, 視力の悪い者ほど改善度も低く, 軽度のものほど改善度が大きく, 早期の鍼治療により良好な結果が得られる。
  • 丸山 衛
    1983 年 33 巻 2 号 p. 145-146
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 松本 勅, 日下 義章
    1983 年 33 巻 2 号 p. 147-153
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    大腿骨骨髄圧を計測して, 鍼刺激と痛刺激 (鉗子によるpinching) の影響を比較検討した。鼠径部の痛刺激では, 同側と反対側の刺激も共に1分以内に回復する骨髄圧のわずかな変化を示した。大腿外側あるいは後側の痛刺激でも小さな変化を示すのみであった。一方, 鼠径部の深部への鍼刺入は著明な低下を起こした。低下の数分後上昇に転じたが,上昇開始後の変化は, コントロール値に復するもの, 上昇が少なくコントロール値まで復さないもの, コントロール値より7~9mmHg高い圧まで上昇して数分間高圧を維持した後, 下降してコントロール値近くに復するものの3タイプに分けられた。骨髄圧の著明な変化と鍼の到達組織の関係を明らかにするため, 皮膚を切開して大腿神経・動脈, 大腿骨栄養動脈を刺激した結果, 栄養動脈への刺鍼と pinching 刺激によって著明な低下が得られ, 再現性も認められた。反対側栄養動脈刺激による変化はわずかであった。
  • 小田 博久, 佐藤 暢, 森川 和宥, 和田 清吉
    1983 年 33 巻 2 号 p. 154-161
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ヒト皮膚直流抵抗の身体部位差による性質を調べる目的で, 直流12V, 両極短絡時200μAの条件で直径1cmの湿式電極を用いて, ほぼ原穴位置に相当する良導絡代表測定点 (中谷) について通電量を測定した。被検者には, 健康成人82名を用い, さらに健康成人4名について経時的変化をも計測した。得た測定値を主成分分析により数学的に解析した。その結果, ヒト皮膚直流抵抗測定値は, 上肢と下肢, 上肢全体, 下肢全体, 片側上肢, 片側下肢, 上肢の外側 (背側), 上肢の内側 (掌側) が, 夫々のなかで密接に関連して変動を示す結果を得た。
  • 篠原 正明, 山内 教宏, 小田 博久, 上村 浩一, 佐藤 暢
    1983 年 33 巻 2 号 p. 162-168
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    患者15名を対象として, 安静仰臥位, 右星状神経節刺針 (SG刺針), 更に右星状神経節ブロック (SGB) を行い, 良導絡の代表測定点24ヵ所の通電電流値をノイロメーターで測定し, 自律神経系への影響を調べた。
    右上肢, 左上肢, 右下肢, 左下肢の平均電流値は, 安静20分間の後には前の値に比較して66~73%の範囲で, すべて有意に減少した。SG刺針30分後の平均電流値は, 安静仰臥位20分後の値に比較して, 109~117%の範囲ですべて有意に増加した。次に, SGB 20分後の平均電流値は, SG刺針後の値に比して, 82~91%の範囲ですべて有意に電流値の減少をみた。すなわち, 安静仰臥位とSGBは電流値を有意に低下させ, SG刺針は電流値を有意に上昇させることが判明した。
  • 米島 芳文, 宮村 健二, 嵐 正春, 岩田 昌弘, 物応 武, 西条 一止
    1983 年 33 巻 2 号 p. 169-176
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    健康成人10名を椅子坐位とし, 右風池穴に5種類の刺鍼手技をそれぞれ1分間施し, ポリグラフで瞬時心拍数及び手指脈波高を観察した。データを推計処理した結果各手技間に微妙な差を認めた。雀啄術及び置鍼術は刺激後の早い時期に有意な心拍数減少を示した。脈波高は刺激中有意に減少し, 刺激後有意な増大に転じた。特に置鍼術の脈波高増大は長く続いた。細指術は心拍数が刺激中有意に増加した。接触鍼は脈波高が刺激後有意な増大を示さなかった。押手のみの場合は刺激中から刺激後に及ぶ有意な心拍数減少をみたが, その幅はやや小さい。脈波高は有意な減少を示さなかった。
  • 中村 満, 繩田 隆生, 松岡 憲二, 小田原 良誠, 長谷川 汪, 田和 宗徳, 池内 隆治, 大田 信太郎, 西牧 紀子
    1983 年 33 巻 2 号 p. 177-184
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    うつ病は近年増加の一途をたどり, 鍼灸の臨床においても仮面うつ病の患者にしばしば遭遇する。これらの患者には症状の原因である抑うつ感情に対する治療が必要である。今回, 仮面うつ病スクリーニングテストを行い, うつ傾向の者を選び出し鍼治療を行った。
    方法: Actual Group として百会, 身柱, 心兪, 巨闕, 神門, 三陰交, Placebo Group として陶道, 風門, 水分, 下廉, 懸鐘を選び金鍼にて置鍼10分, 週3回の治療を行った。
    結果: Actual Group は4週後には71%が正常域に達し, 精神症状と身体症状ともに改善された。Placebo Group では4週後でも64%が抑うつ領域にあった。
    結論: 精神疾患によく用いられる経穴による鍼治療で精神症状と同時に身体症状の改善をもたらし, うつ状態の寛解か認められた。
  • 内田 輝和, 藤原 秀雄, 井元 利明, 岡田 成喜, 井上 博雄, 本田 泰弘, 川野 由倫子, 竹内 克成, 小坂 二度見
    1983 年 33 巻 2 号 p. 185-190
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    明らかな基礎疾患を有しない本態性高血圧患者に対して, 耳介の降圧点を利用し, 皮内針のみによる降圧効果を検討した。
    降圧剤を服用しない高血圧群, 境界域群の患者では, 著効32%, 有効52%で, 本法による降圧効果を84%に認めた。降圧剤服用の高血圧群, 境界域群の患者では, 著効21%, 有効29%で, 本法による降圧効果を50%に認めた。3ヵ月間の長期観察例においても, 収縮期, 拡張期血圧ともに有意の低下を示した。
    血漿レニン活性は針治療1週間後に低下する傾向をみせるが, 正常範囲内の変動であり, 生理的意義があるとは考えにくい。降圧作用についての作用機序は不明である。
  • 高木 敏和, 伊藤 不二夫, 杉山 典行
    1983 年 33 巻 2 号 p. 191-195
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    複雑な関節疾患である膝疾患 (Knee Dysfunction) に対する鍼, Mobilization の効果を Weight Balance Analyzer (以下WBAと略す) を用いて kinematic 側面より計測した。方法は治療前・後における主観的改善度の問診及びWBAを用いての主要因子の変化の比較検討であった。結果は主観的改善度・客観的改善度とも有意に改善した(P<0.005)。治療別では鍼が pain (疼痛・圧痛) に有効であり, Mobilization は stiff (柔軟性・可動性) に優れていた。総合的には両者併用群が最も優れていた。関節症のリハビリテーションは随意的筋力増強訓練と同時に反射性運動を促進する必要があると思われた。
  • 中村 弘典, 黒野 保三, 渡 仲三
    1983 年 33 巻 2 号 p. 196-200
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    最近の糖尿病に対する治療目的は, 合併症の予防に重点をおくようになっている。しかし, 食事療法や運動療法などの基本的治療法以外に, 適切に合併症を予防する治療法はない。そこで, 今回は臨床研究として, 糖尿病患者に対し鍼治療を施し, 自覚症状や血糖値などの糖尿病状態, 及び合併症の指標となる理化学的所見について観察した。対象患者は, 病歴が長く, 糖尿病状態の変動が激しいもので, 来院時には, FBS (Fasting blood sugar) は, 328mg/dlで, そして, 多くの自覚症状を訴えていた。鍼治療開始後, 自覚症状が徐々に軽減し, FBSは正常値を示した。また, 他の理化学的所見や併用治療にも若干の改善がみられた。
  • 佐々木 和郎, 西條 一止, 石川 弘
    1983 年 33 巻 2 号 p. 201-206
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    特有な異常眼球運動とめまいを呈する Wallenberg 症候群の1症例に対し鍼治療を行い治療後, 動揺視及びめまい感の改善が観察されると共に良好な経過を示した。そこで鍼治療の効果を他覚的に観察するためDC-ENG (直流電気眼振計) を用い検査を行った。その結果, 鍼治後に明らかな異常眼球運動の改善が観察できた。
  • 角田 忠男, 窪田 俊夫, 森 和, 大野 正博
    1983 年 33 巻 2 号 p. 207-211
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    リハビリテーションプログラムの実行を妨げる難治性疼痛及び筋トーヌス亢進に対して低周波磁気鍼療法を施行した。評価方法として脳波, マイクロバイブレーションの測定, 痛み愁訴の調査, R. O. M. 測定を行なったところ, 通電刺激後では脳波α帯域の増大, M. V. のθ帯域の減少とα帯域の増大, 痛み愁訴の減少, R. O. M. 増大等の傾向を示した。又, M. V. による筋トーヌスの評価では筋トーヌス亢進の程度により異なったパターンを示し, リハ医学上頻繁に用いられる持続的伸長法においてα帯域を中心に著明なパワーの減少がみられた。このことにより, 低周波磁気鍼療法は痛みに対して有効であり, 又M. V. は筋トーヌスの評価に応用できる可能性があることがわかった。
  • 吉備 登, 塚本 祐壮
    1983 年 33 巻 2 号 p. 212-219
    発行日: 1983/11/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    小児気管支喘息患者を対象に, 中谷の良導絡測定法を用いて良導絡興抑頻度パターンより患児の鍼灸医学的特牲を観察するために, 推計学的な検討を加えた。その結果, 男女間や測定月間では有意な差はなく, 各年齢層においては特性のあるパターンがみられた。小学生患児においてはアレルギー性疾患家族歴, IgE値, アトピー性皮膚炎の有無では差はなく, 発作の有無や重症度では若干の差を認めた。同年齢のほぼ同じ条件で測定された, いわゆる健康小児との比較においては, 多くの良導絡に有意差が認められたが, なかでも, F3 (腎経と相似) の抑制の頻度が最も多かったことに我々は注目している。今後, 臨床面に応用しながら, その経過を観察していきたいと考える。
feedback
Top