全日本鍼灸学会雑誌
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37 巻 , 2 号
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  • 河内 明, 豊田 住江, 北出 利勝, 南川 正純, 松尾 征男, 新田 優, 王 財源, 桂川 鉚一郎, 御厩 恵利子, ロザノ フランシ ...
    1987 年 37 巻 2 号 p. 75-79
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    同一人名ボランティア10名を対象に, ランニングなどの運動負荷による痛覚域値の上昇と鍼麻酔による痛覚域値の上昇との関連性について検討した。いずれに於ても痛覚域値の上昇を認めることが出来たが, 両者の間に有意な相関関係を認めることは出来なかった。運動および鍼による痛覚域値の上昇は, ナロキソンでいずれも拮抗されることからエンドルフィンメカニズムが関係していることはたしかであるが, その他の機序も関与していると考えられる。
  • 坂本 秀治, 錦織 綾彦, 川本 正純
    1987 年 37 巻 2 号 p. 80-85
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    生殖腺, 内分泌系における加齢現象の機序と灸刺激の効果について検索した。Wistar系成熟雌性ラットの卵巣を摘除すると同時にこれを皮下に移植することにより, 人為的に乱した発情周期を正常化させる条件について観察し, 性周期のリズムに対する灸の作用について検討を加えた。去勢移植の当日より4日ごとに10回, 艾量5mgを百会, 左右京門穴相当部位に等分に施灸。40日間の施灸期間および終了後さらに40日間, 周期性誘発の成否を膣上皮細胞像から観察した。結果は施灸により, プロゲステロン2mg投与で誘発し得た周期性 (4日周期で, 投与日と相関を示すリズム) に集束する傾向を示した。中枢抑制物質レセルピン投与では周期性の乱れが大きく, 自律周期の回復も遅れた。
  • 亀井 順二, 松原 一太, 大島 清, 可世木 辰夫
    1987 年 37 巻 2 号 p. 86-93
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    前回に続き子宮内膜〓爬のハリ麻酔効果を検討した。
    今回スコア表を改善し, より実用的なものとした。
    症例を413例に増やしたが, CMI test 馬島変法による分類「自律神経失調型」は効果が悪かった。
    術者の手術手技と効果差を検討したが, 有効率の高い術者で63%, 低い術者で14%~26%と, 有効率に差が認められた。
    痛みの訴えの客観化を目的に, 手掌~前腕間の皮膚電位差測定を行い痛みとの関連を観察したが, ハリ麻酔無効群に高い電位が出現する傾向は認められたが, 評価法としてはさらに検討を要すると思われる。
  • 野口 栄太郎
    1987 年 37 巻 2 号 p. 94-104
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    筆者は, 鍼灸治療の効果判定法を検索する目的で膝痛症患者と健康者の大腿四頭筋, ハムストリングの階段昇降時の筋活動を表面電極法による筋電図で観察し, その活動パターンについて分析した。その結果, 健康者の大腿四頭筋では階段昇降時の立脚相から遊脚相にかけて明確な2峰性のパターンを示すのに対して膝痛症群では不規則な活動パターンを示すことを既に報告 (全日本鍼灸学会誌 35巻3, 4号) した。
    本研究では, 大腿四頭筋に加えて前脛骨筋及び腓腹筋を対象に観察し, 分析した。
    (1) その結果, 大腿四頭筋は健康者で, 2峰性パターンを示し, 膝痛症群では不規則であった。
    (2) 階段昇降時の1歩行周期で膝痛症群の前脛骨筋, 腓腹筋の筋活動は, 健康者に比べて活動が高い傾向にあり, 常時筋収縮を行っていることが判った。
    (3) 階段降行中の大腿四頭筋及び腓腹筋の筋活動の測定は, 膝関節機能の客観的評価に有用であり, 膝痛症患者の鍼灸治療の対象として重要である。
  • 岡本 連三, 腰野 富久
    1987 年 37 巻 2 号 p. 105-110
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    一般にリウマチと呼ばれる疾病のうち頻度の多いものは, 変形性関節症と慢性関節リウマチである。両疾病とも種々の関節を侵すが, 歩行障害を著明にもたらすのは, 変形性膝関節症と膝関節のリウマチである。前者は, 膝内側部の軟骨が摩損され内反膝変形をきたすため, 高位脛骨骨切り術によって膝アラインメントを正す方法が一般に行われている。一方, 後者では膝の内・外側ともに侵されるため, 人工膝関節置換術が行われる。慢性関節リウマチでは, 多関節に破壊性変化がくるため, しばしば多関節に人工関節置換術が行われる。人工関節術後の感染は治療に難渋するため, 鍼灸治療上十分な注意が必要である。
  • 宮本 俊和, 小林 英雄, 森 英俊, 吉川 恵士, 西條 一止, 黒田 哲也, 細川 哲夫, 富安 猛
    1987 年 37 巻 2 号 p. 111-119
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    スポーツ障害に対する鍼の効果を調べるために, 筑波大学陸上部員112名に対し競技別に見た痛み・だるさの部位, CMI健康調査を行い, そのうち鍼治療を受けた部員51名に対し痛み・だるさの程度, 鍼治療の効果, 効果の持続時間などについて調査した。また健康成人12名に対し握力エルゴメータによる鍼・マッサージ, 無処置後の60秒間の筋力の比較をした。その結果,
    1. 競技により障害部位に特徴があり, CMIでは, I領域の人よりもII領域III・IV領域になるにつれ痛みの部位が多くなった。
    2. 鍼による効果は78.4%に見られた。
    3. 握力エルゴメータによる筋力の比較では鍼治療群が一番筋力低下の度合が少かった。
  • 長谷川 汪, 寺沢 宗典, 湯浅 とみの
    1987 年 37 巻 2 号 p. 120-123
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    糖尿病の鍼灸治療の研究の一環として経穴-経絡とインスリン分泌との関係を検討する目的で手の陽明大腸経の遮断を試みた。
    (1) 曲池に生理食塩水を注射した群, (2) 曲池を氷嚢で冷却した群, (3) 曲池に圧を加えた群の三群に分け, 合谷に鍼刺激を行いインスリン分泌の動態について観察を行った。その結果, これら三群とも糖負荷時のインスリン追加分泌, 分泌総量および分泌反応において有意の低下が認められた。
    これらの事実は, 曲池に加えた干渉作用により合谷に与えた刺激の伝播が阻害されたこと, 即ち, 大腸経の経絡遮断現象が起こったことを示唆するものである。
  • 包 向陽, 干 致順, 〓 申田
    1987 年 37 巻 2 号 p. 124-131
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    中国では脳血管障害は, 高齢患者の内で癌や心臓病とならんで注目されている。そのうち脳血栓は3分の2を占めて, その後遺症―片麻痺についての予防と治療はたいへん重要な課題になっている。今日本で, その基礎理論の方面で深く研究しているが, 臨床の実際では広汎に使われているのはやはり薬物療法とリハビリテーションである。日本では同疾患に, 針刺をあまり使っていないから, その効果と機序について検討された報告もあまり多くないようである。
    私は昨年の4月に中国黒龍江中医学院針灸学部から新潟大学脳研究所神経内科に参って研修したが, 今はもう一年間近くになる。この一年間近くの間は, 時々漢方医学で治療できるお医者さんを訪問したり, 針灸マッサージの先生方と御相談したりしたが私どもの頭部透針で脳血栓による片麻痺を治療した経験は多くの先生方に興味を持たれた。そこで十年間の入院患者432例の脳血栓による片麻痺における針刺治療とその効果, 機序について紹介する。
  • 石井 陶泊
    1987 年 37 巻 2 号 p. 132-134
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 篠原 鼎
    1987 年 37 巻 2 号 p. 135-144
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    鍼灸の古典診断法の中で, 古典が最下級とみなした切診 (触診) がある。このように規定したことは, 現代においては逆ではないかと考える。その切診を大きく分類すると,
    (1) 橈骨動脈, あるいは総頸動脈, あるいは後脛骨動脈の, 搏動部の圧脈状を, 根拠とした24脈状診と,
    (2) 手足部, あるいは腹部の, 経絡・経穴の皮下硬結点あるいは圧痛点を, 根拠とした24点診断法と,
    (3) 腹診と,
    (4) 舌診等がある。
    現在心機図計があり, 簡易心電図と, 橈骨動脈圧脈波図と, 総頸動脈圧脈波図と, 後脛骨動脈圧脈波図から, 成人病に関係ある動脈硬化症等を, 自動診断できるようになっている。一方, 日本の鍼灸臨床の場では, 現代医学の脳波計等の高級診断器が使えないのと, 鍼灸治効にとって科学的な指標になる診断器がないので, 混乱を増幅しているのではないかと考える。それゆえ, この心機図計を鍼灸臨床の場で使えば, なにも指頭感覚による24脈状診は, いらないのではないかと考える。そこで, 心機図と, 東洋医学八要脈の当はめをおこなった結果,
    1) S-S間隔 (脈間隔) で, 遅脈・数脈が判る。
    2) S-P時間 (動脈頂点時間) とDh/Ch% (切痕有無) で, 滑脈・〓脈が判る。
    3) Ph/Ch% (圧脈波高比) で, 浮脈・沈脈が判る。
    4) S-C 時間 (駆出時間) で, 大脈・緩脈が判る。
    ことが, 判明した。このことにより, 約1500年間伝承仮説であった, 東洋医学の脈診の根本問題が解決されたと思われる。
  • 上山 茂, 岩槻 弘, 織田 ふみ, 粕谷 啓次, 佐藤 正喜, 関 隆治, 高橋 春夫, 戸苅 茂男, 塚田 ミサ, 富沢 庸義, 七川 ...
    1987 年 37 巻 2 号 p. 145-151
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    鍼灸を科学し人々の健康管理に貢献できるようにするため, 茨城地方会の有志は各自の治療院を受診した患者の実態調査をした。
    調査期間は昭和60年9月から11月までで, 14鍼灸院に来院した患者1823名を対象とし, 11段階の日常生活状態の程度と, 8段階のつらさの程度からなる評価表を作成し来院ごとに経過表に記録した。
    その結果, 40・50代をピークとした患者が多く, 性別では女がやや多かった。治療回数は1回のみが30%も占めており, 主訴は腰を中心に筋骨格系疾患が多かった。初回時の程度は日常生活状態にそれほど影響を受けないものが多かった。また, 70%近くのものに治療効果が見られた。
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