糖尿病の鍼灸治療に繁用される天枢, 中〓, 曲池, 脾兪, 肝兪, 足三里, 地機および太衝の8経穴とインスリン分泌との関係について検討を行い, これら8経穴のうちで曲池および肝兪が, インスリン分泌と密接な関係を有することが明らかとなった。この曲池は平田氏十二反応帯の上肢部の, 肝兪は体幹部の第五反応帯にそれぞれ該当するため, この平田氏帯の第五反応帯とインスリン分泌との関係について検討を行った。即ち, 頭部では浮白, 頸部では巨〓, 顔面部では天窓および下肢部では三陰交を選び置鍼刺激を行い糖負荷時のインスリン分泌の消長について観察を行った。
その結果, 平田氏帯の身体各部分における第五反応帯に位置する経穴とインスリン分泌との関係を肯定することのできる成績は, 上肢部の曲池と体幹部の肝兪を除いて今回の実験では得られなかった。
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