全日本鍼灸学会雑誌
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42 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 豊田 住江, 王 財源, 品川 知子, 松尾 征男, 河内 明, 北出 利勝, 森川 和宥, 兵頭 正義
    1992 年 42 巻 4 号 p. 279-284
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本ペインクリニックの患者数は, 開設以来23年間に新患29,458名, 総数延べ385,000名余りであった。開設期はむちうち症患者が多く, 性別比は男性が多かったが, 数年後からは女性が55%以上を占める。社会の高齢化も相まって年代層も60歳代から70歳代が多くなりつつある。大阪府下より, さらに近畿地域一帯から来院する患者が多い。患者の種類も千差万別で, 腰痛, 腰下肢痛, 帯状疱疹後神経痛など慢性で難治性のものが多く, 方々の施設を転々と廻り, 最後の望みを託して来院するともいえる。そのため, 罹病期間は長期に亘り, 5年以上のものも多かった。治療および成績については疾患によるが, 神経ブロックに鍼灸治療を併用することにより, さらに効果を高めることができる。鍼灸治療は, 置鍼から低周波治療, SSP療法, レーザー治療, 温熱療法など症状に応じ各種の方法を活用した。
  • 健康チェック表の作成について
    黒野 保三, 石神 龍代, 皆川 宗徳
    1992 年 42 巻 4 号 p. 285-299
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    近年, 社会構成が複雑多岐になり, 現代はストレス社会ともいわれるようになってきた。そしていわゆる不定愁訴を訴える人が多くなり, これ等の人々が鍼灸院を訪れるケースが増加しつつある。
    そこで, 筆者は不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の有効性を実証医学的に見出す目的で, 昭和61年10月26日 (社) 全日本鍼灸学会研究部に不定愁訴班を新設し, 健康チェック表の作成と重症度判定基準及び効果判定基準の作成を行った。
    今回作成した健康チェック表は, 筑波大学健康調査表・CMI (コーネル大学健康調査表)・Y-Gテスト (矢田部, ギルフォード性格テスト)・MMPI (ミネソタ式多面人格目録) 等を総合的に検討し, 再現性, 妥当性, 項目数の必要性について統計学的処理をし検討を加えたものである。したがって初診時に患者の状態が自律神経失調性, 神経症性, うつ状態性, その他に層別して把握できるとともに鍼灸治療により, どの項目に対し効果があったのかを統計学的に検討することができる。故にこの健康チェック表を指標として不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の有効性を定量的に見出すことができ, 種々統計処理を行い, 不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の有効性を多角的に検討し、 研究していくことも可能であると言える。
  • 問題点抽出のためのフィールドワーク
    山下 仁, 光藤 英彦
    1992 年 42 巻 4 号 p. 300-307
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    灸療をセルフケアという形態で指導することは, 身体レベルのみならず生活レベルにおいても応用価値が高いと筆者らは考えている。“セルフケアとしての灸療”を推進する上での問題点を明らかにするため, 愛媛県南部の農業地域の住民49名を対象に自宅施灸指導と質問紙調査を1年間行い, (1) 家庭内ケア力の未活性, (2) 施灸行動のもつ時間的拘束性, (3) 灸の熱刺激に対する不耐性, (4) 灸痕に関する皮膚科的障害, (5) 灸療の適応または応用技術の限界, (6) 灸療の推進活動に対する社会的抑制力, という6つの問題点を抽出した。なお, これらの問題点にはそれぞれ対策を検討する余地があった。
  • 頭皮, 全身所見の調査に基づく脱毛症の成因と鍼灸治療の可能性に関する考察
    梶間 育郎, 森 和, 矢野 忠, 国安 則光, 原田 拡
    1992 年 42 巻 4 号 p. 308-318
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    脱毛症の成因については皮膚科学に於いても明確な説明が得られていない。我々は鍼灸治療の種々の脱毛症に対する有効性を検討し, その治療方針を考案するために従来の成因に関する諸説, 及び鍼灸による治験報告を再考すると共に、その成因を多角的視野で検討するために脱毛症患者534名を対象として, 頭皮所見と脱毛症に伴う身体症状の調査を行った。休止期毛性脱毛症群では頭皮の血行不良と身体的過緊張に深い関係がみられた。成長期毛性脱毛症群では自律神経系の変調を想起させる症状が頭皮と身体の双方に高率に認められた。
    よって脱毛症は頭皮のみの疾患ではなく, 全身的機能変調の表出と考えられる。
  • 王 財源, 遠藤 宏, 豊田 住江, 河内 明, 北出 利勝, 兵頭 正義
    1992 年 42 巻 4 号 p. 319-322
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    中国の鍼灸補瀉手技のひとつに「透天涼」と呼ぶ鍼技法がある。古くから伝えられて来た刺入方法で, 涼しいような, 冷たい, あるいは寒いといった寒冷感覚が局所に引き起こされる。今回, 腰痛患者5例を対象として, 局所と遠位の皮膚温度および深部温度を測定した結果, 局所より遠位部において, 温度が下降していくような現象が認められた。また, 患者自身の自覚症状においても「冷たくなるような」,「足が冷えて急にトイレへ行きたくなった」などの感覚が引き起こされた。特に炎症症状のある急性期の腰痛患者では,「大変に気持ちが良い」とのことであった。統計学的にも有意な差が認められた。
  • 渡部 恵子
    1992 年 42 巻 4 号 p. 323-324
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 腰椎ヘルニアによる知覚障害
    中道 敏雄
    1992 年 42 巻 4 号 p. 325
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 富永 諄
    1992 年 42 巻 4 号 p. 326-327
    発行日: 1992/12/01
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
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