全日本鍼灸学会雑誌
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55 巻 , 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 栗林 恒一, 笠原 由紀, 田原 壮平
    2005 年 55 巻 2 号 p. 118-122
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鍼治療は免疫応答を調節することにより、アレルギー疾患や膠原病などの自己免疫疾患などの治療を行いうると考えられている。しかし、鍼治療のこれらの疾患に対する有効性については、未だ充分には確立されておらず、また、鍼治療が免疫応答を調節するメカニズムについてもほとんど明らかとなっていない。今回、これまでに報告された鍼の免疫性疾患に対する治療効果や、鍼の免疫応答に与える影響について基礎的に検討された論文を紹介するとともに、それらのデータや、我々の実験室で得たデータから、鍼の免疫応答に与える影響についての仮説的なメカニズムを提示したい。
  • 小島 孝昭, 小川 一, 白石 武昌
    2005 年 55 巻 2 号 p. 123-132
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    【目的】単純性肥満症モデルラットに対する摩擦刺激がエネルギー代謝や体重などに如何なる効果を及ぼすかを検討した。
    【方法】Wistarラットを用い、高脂質・高糖質食で飼育し、食事性肥満ラットとした。胸椎部-腰・仙椎部を刺激部位とし、電気刺激群、摩擦刺激群、無処置肥満対照群に分け15分間、週2回、3週間刺激した。
    【結果】無処置肥満ラットに比し、明らかに (p<0.01) 電気刺激、摩擦刺激群の体重並びに摂食量は減少した。しかし、体重100g当たりの摂食量については三者の間には変化はなかった。刺激後の血中レプチン濃度は刺激前に比し、刺激により減少傾向が認められたが有意な差は無かった。体温・糖・脂質関連血液生化学的所見から「食事性肥満症」は、改善傾向にあった。
    【結語】今回の体幹部の電気刺激・摩擦刺激に起因する体重減少は「耳介鍼刺激」の場合と異なる作用機序の存在が示唆された。この実験結果等から「あん摩・マッサージ・指圧 (あ・マ・指) 」療法の新たな応用の可能性を提示した。
  • 石崎 直人, 高野 道代, 福田 文彦, 矢野 忠, 川喜田 健司, 丹澤 章八
    2005 年 55 巻 2 号 p. 133-141
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    【目的】一回の鍼灸治療で患者が支払う費用と診療費に対する患者の意識を調査することを目的とした。
    【方法】明治鍼灸大学同窓会の会員が全国で開業する鍼灸診療施設に通院する患者を対象に行った調査の中から、鍼灸診療費に関する解析を行った。
    【結果】患者が1回の鍼灸診療に支払っている費用は、3,001円から4,000円の間が最も多く (33.6%) 、次いで2,001-3,000円 (26.2%) であった。患者が妥当と考える費用の平均は、実際の費用について「もっと安いほうがよい」と答えた群 (13.9%) で2,080円、「もう少し安いほうが良い」と答えた群 (28.9%) で2,411円、「これでよい」と答えた群 (51.8%) で3,046円、「高くてもよい」と答えた群 (5.4%) で3,923円であった。患者の診療費用に対する意識は、診療全体に対する満足度と関連していた。
    【結論】患者が一回の鍼灸治療に支払う費用で最も多かったのは3,000円台で、診療費に対する意識は診療全体における満足度にも影響を受けることがわかった。
  • 伊藤 和憲, 井上 智弘, 羽根田 雄介, 越智 秀樹, 北小路 博司
    2005 年 55 巻 2 号 p. 142-149
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    【目的】スポ-ツを長期間行っているものは何らかの障害を抱えていることが多いが、その実態は明らかではない。そこでクラブ活動を行っている大学生を対象に、アンケ-ト形式でスポーツ障害について調査すると共に、アンケートの中で最も多かった腰痛に対して、トリガーポイント鍼治療の効果を検討した。
    【方法】明治鍼灸大学の学生で、運動系のクラブに加盟している350名の中から無作為に150名を選び、競技種目やスポーツ障害の有無、痙痛部位や罹病期間など12項目に対して、アンケート調査を無記名の用紙項目法で実施した。また、アンケート調査の中で最も多かった腰痛に対して、腰痛に効果的と報告されている経穴への治療とトリガーポイント治療の効果を検討した。
    【結果】アンケートの有効回答率は68.6%であり、回答者の平均年齢は20.3±1.7歳、競技種目としてはサッカーが最も多く、全体の77.6%でスポーツに伴う何らかの痛みが存在していた。障害部位としては腰殿部が最も多く、罹病年数は平均3.1±2.3年であった。また、受診した治療機関としては鍼灸院が最も多かったが、その半数で治療効果がなかったと回答した。一方、最も多かった腰痛に対して鍼治療を試みたところ、経穴治療よりもトリガーポイント治療の方が腰痛に改善が認められた。
    【考察】今回行ったアンケート結果から、スポーツ選手の多くは何らかの疼痛を抱えており、その痛みは慢性化する傾向にあった。一方、スポーツ選手の慢性腰痛治療には、疼痛局所へ刺鍼を行うよりも、原因となる筋肉を把握し治療を行うほうが有効であった。
  • 鶴 浩幸, 江川 雅人, 高橋 則人, 松本 勅, 苗村 健治
    2005 年 55 巻 2 号 p. 150-158
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    【目的】老人保健施設に入所中の重症肺気腫患者の1症例に対して鍼治療を行い、臨床的効果を検討したので報告する。
    【症例と方法】症例は老人保健施設入所中の88歳男性で、呼吸困難を主訴とし、肺気腫の診断にて、在宅酸素療法を受けていた。Fletcher-Hugh-Jones呼吸困難重症度分類でV度と判定され、鍼治療前は%肺活量88.0%、1秒率38.2%、%1秒量30%と、重症の肺気腫と考えられた。東洋医学的には、脾腎両虚証と弁証した。鍼治療は週1~2回の頻度とし、最初は腰痛に対する鍼治療を開始し、その後、呼吸困難と肩こりに対する鍼治療を加えた。呼吸困難に対して計21回 (全鍼治療回数は33回) の治療を行った。安静時呼吸困難はNumerical Scaie (NS) 、労作時呼吸困難は6分間歩行試験後のBorg Scale、運動耐容能は6分間試験による歩行距離で評価した。腰痛、足腰のふらつき、肩こりはNSまたはPain Scaleで評価した。
    【結果と考察】鍼治療により労作時呼吸困難、運動耐容能や呼吸機能検査上の改善にまでは至らなかった。しかし、腰痛、足腰のふらつき、肩こりなどの改善に伴って、安静時呼吸困難が消失した状態で安定するようになった。このことは、高齢者、特に老人保健施設に入所が必要な腰痛、肩こり、足腰のふらつきなど多様な症状を合併する全身状態の良くない患者では、肺気腫による安静時呼吸困難の改善のために、全身的な治療としての鍼治療が有効である可能性が示唆された。
  • 校條 由紀, 村田 守宏, 稲田 英己
    2005 年 55 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    【はじめに】長寿高齢化に伴い国民の健康意識は高い1) 。鍼灸を現代医療とともに活用することで保健に貢献できる2) 。鍼灸が、より身近な医療の選択肢となるよう啓蒙活動の課題を調べた。
    【方法】市民健康フエスティバルに、鍼灸あんまマッサージ指圧 (以下、鍼・灸・按とする) 体験コーナーを設け、来訪者にアンケート用紙の記入を依頼した。
    【結果と考察】全体的に鍼・灸・按への関心は高かった。全体の約半数が、鍼・灸の未利用経験 (以下、経験とする) 者だった。「はりや灸はなんとなくこわい」と答えたのは鍼・灸の未経験者に多かった。今後の鍼の利用を希望していたのは、鍼の経験者は全員で、鍼・灸の未経験者は少なく、体験の有無が今後の利用に大きく関係していた。情報の不足と健康保険の利用の不自由を多くの人が感じていた。今後の啓蒙活動には、よい体験と有用な情報と利用しやすい健康保険が課題である。
  • 内田 輝和
    2005 年 55 巻 2 号 p. 172-176
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    オーストラリアのゴールドコーストで第6回WFAS世界鍼灸学術大会に参加した機会を利用し、大会に参加されていた陳思敬氏の治療室に訪問した。そこでオーストラリアでの鍼灸に関する法律や環境などについて事情を聞き、補足情報を追加し報告する。
  • 2005 年 55 巻 2 号 p. 230
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
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