全日本鍼灸学会雑誌
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57 巻 , 1 号
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巻頭言
第55回 全日本鍼灸学会学術大会 (金沢)
ワークショップ 安全委員会
  • 山下 仁, 形井 秀一, 江川 雅人, 石崎 直人, 宮本 俊和, 楳田 高士, 今井 賢治
    2007 年 57 巻 1 号 p. 2-15
    発行日: 2007/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    より安全な鍼灸臨床を目指すためのアイデアを、ワークショップ参加者とともに考えることにした。当委員会が今回提示したテーマと各委員により提供された情報は、次のとおりである :
    1. 鍼の抜き忘れの防止
     1) 防止法の工夫
     2) インシデント報告システムの効果
    2. より清潔な押し手
     1) 指サック・グローブ使用の長所と短所
     2) 鍼体に触れない刺鍼法の試みの変遷
     3) クリーンニードル開発の現状
    討論時間は十分でなかったものの、参加者からいくつかの貴重なアイデアをいただいた。また、新しく開発されたクリーンニードルに対する反響が大きかった。刺鍼に関するこのような新しい器具や手法が従来の伝統的な鍼灸臨床に浸透してゆく際の様々な影響についても討論してゆく必要があると思われる。今後さらに各関連施設や鍼灸院あるいは業団体など各方面からのアイデアや意見を集約していきたい。
臨床体験レポート
  • 坂口 俊二, 井原 奈都子
    2007 年 57 巻 1 号 p. 16-24
    発行日: 2007/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎にて外用剤で治療中の20歳男性に対し、中医学に基づく鍼灸治療を併用した例を報告する。
    症例を四診情報より肝脾不和証とし、疏肝健脾を目的に鍼と皮疹部への棒灸を合わせて、概ね週1回の間隔で8回の治療を行った。
    評価は、〓痒を評価する日誌に、Visual Analogue Scale (VAS) を追加した変法を用い、アレルギー反応の指標として白血球数、好酸球数、IgE値などを用いた。
    〓痒の治療前後の平均VAS値 (mm) は、手指34→24、膝窩部22→9、背中67→31にそれぞれ減少し、また腸鳴などの随伴症状も消失した。血液所見は白血球数 (/μl) 6,100→4,300、好酸球数 (%) 4.6→1.9に変化したが、IgE値は変化しなかった。
    皮膚科の標準治療に鍼灸治療を併用した結果、〓痒感や随伴症状の軽減がみられ、本疾患に対する鍼灸治療併用の有効性が示唆された。
  • 佐藤 裕, 四戸 豊, 佐藤 健一, 坂本 望, 今井 康雄, 城 茂治
    2007 年 57 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2007/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    68歳女性の顔面神経麻痺患者に星状神経節ブロック、薬物治療、経皮的神経刺激通電療法による治療を開始した。初診から1カ月後、十分な改善を認めず難治例とも思われたが、その後鍼治療を取り入れたところ症状は徐々に改善し、初診から10カ月後、麻痺症状は消失した。49歳女性の三叉神経麻痺患者に星状神経節ブロック、薬物治療、経皮的神経刺激通電療法などにより治療を行っていたが、症状は改善せず、麻痺に神経痛様疼痛を伴うようにもなり治療に苦慮していた。鍼治療を取り入れたところ症状の軽減を認め治療を継続している。これら神経麻痺2症例に対し、鍼治療が有効な治療手段であった。神経ブロック、薬物治療に鍼治療を併用することは極めて有用と考えられる。
論考
  • 斉藤 宗則, 和辻 直, 篠原 昭二
    2007 年 57 巻 1 号 p. 31-46
    発行日: 2007/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    【目的】五更泄は寅卯時 (朝3~7時) にのみ出現する慢性の泄瀉であるが、その時間的概念や病機については諸説があり、その定義や概念は統一されていない。そこでこれらを明確にするため文献調査を行った。
    【方法】『中華医典』を用いて「五更泄」「五更瀉」「腎泄」「腎瀉」をキーワードとして検索し、書籍でその記述内容を確認したものを時代ごとに並べた。次に、五更や時辰という時間の概念、五更泄の病機と証候、五更泄の発症時間と病機、五更泄の名称、五更泄と痢疾、五更泄と現代医学といった視点から考察を行った。
    【結果】その結果、「五更泄」は31冊37件、「五更瀉」は12冊14件、「腎泄」は91冊216件、「腎瀉」は38冊74件であった。五更泄は12世紀中頃に腎の病とされた「腎泄」を源とし、その後病機が漸増し、「腎泄」の時間が子時 (23時~) まで拡大された。病機には腎陽虚、酒積、寒積、食積、肝乗脾土、少陽気虚、?血などがあった。
    【考察】五更泄と腎泄は共通する部分が多いが、その主たる病機の違いを述べると、五更泄は五更に肝・少陽の旺盛や火が生じることによって生じ、腎泄は子時に腎水が旺盛になることで子時から卯時に泄瀉が起きると考えられる。これらの症状の発現と時間帯との関連には疑問が残った。一方、名称については16世紀後半には五更という時間帯が強調されているが、腎泄の発症時間が亥子まで含まれたため、五更泄という名称が主とならなかった可能性がある。
国際部報告
  • 若山 育郎
    2007 年 57 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2007/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    第6次執行理事会第3回委員会 (写真) は2006年11月24日 (金) 午後3時からシンポジウム会場であるSanur paradise Plaza Hotelで開催された。出席者は、議長であるWFAS会長Deng Liangyue (〓良月・中国) の他、David P. J. Hung (洪伯榮・米国) 前WFAS会長を含む副会長7名 (うち代理1名)、執行理事6名 (うち代理1名) などであった。欠席理事は8名であった。執行理事会の日本側メンバーは黒須幸男 (WFAS副会長、全日本鍼灸学会国際部顧問)、津谷喜一郎 (WFAS執行理事、全日本鍼灸学会参与・前国際部長) であるが、両氏とも都合により欠席のため、それぞれご本人からの委嘱状をいただき、国際部から若山と高澤直美が代理メンバーとして、東郷俊宏がオブザーバーとして出席した。
    中国国家中医薬管理局の副局長Li DaNing (李大寧) の挨拶の後、WFAS事務局長Shen ZhiXiang (沈志祥) が議長となり、中国語、英語で議事が開始された。議案および資料は、当日その場で配布された。まず、当日の議題を以下に列記し、その後各議案について説明する。
    1. 2007~2009年度においてWHOとWFASが協調していくための計画草案
    2. WFAS事務局からの提案
     2-1 WFAS加盟学会の新規開拓
     2-2 各国加盟学会学術シンポジウムに対する支援
     2-3 世界鍼灸雑誌World Journal of Acupuncture-Moxibustionの活性化
     2-4 各種委員会事務局の設置
    3. WFAS事務局から4つの新委員会設置についての提案
    科学技術委員会 (Science and Technology Committee)、大学間協調委員会 (University Cooperation Committee)、国際ボランティア委員会 (International Volunteer Working Committee)、鍼灸と中医薬の国際標準化基金管理委員会 (Management Committee of Acupuncture and Traditional Chinese Medicinal International Standardization Foundation)
    4. WFAS入会資格についての検討
    5. 各種委員会の委員候補者についての検討
    6. WFASウェブサイトおよびインターネット・ツールボックスに関する報告
    7. 次年度のWFAS20周年記念北京大会についての報告
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