【目的】高齢者の慢性腰痛患者を対象にトリガーポイント鍼治療と疼痛局所への圧痛点鍼治療の治療効果を検討した。
【方法】明治国際医療大学附属病院整形外科を受診した6か月以上の腰痛を訴える高齢者39名を対象とし、 コンピューターによりランダムにトリガーポイント群、 圧痛点群、 sham群に群分けし、 5回 (1回/週) の治療を行った (一重盲検比較試験)。
【評価】治療効果は腰下肢の痛み (Visual Analogue Scale :VAS) と腰痛QOLの把握 (Roland-Morris Disability Questionnaire :RDQ) にて評価した。
【結果】5回治療終了時・治療終了1か月後・3か月後にトリガーポイント群は有意な改善がみられたが、 圧痛点群やsham群では有意な改善がみられなかった。
【考察と結語】高齢者の慢性腰痛に対しては、 疼痛領域に存在する圧痛部位に治療を行うよりも、 筋肉由来の痛みを考慮したトリガーポイント鍼治療を用いることで長期間効果が継続することが明らかとなった。
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