全日本鍼灸学会雑誌
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65 巻 , 1 号
全日本鍼灸学会雑誌
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
巻頭言
シンポジウム
  • 形井 秀一, 大田 美香, 辻内 敬子, 大塚 素子, 伊田屋 幸子
    原稿種別: シンポジウム
    2015 年 65 巻 1 号 p. 2-13
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/06
    ジャーナル フリー
     お灸が、 現代の日本の鍼灸治療においてどのような役割を担えるのか、 その可能性を探るために、 灸の基礎的・臨床的効果や現代における灸の有り方を検討した。
     大田美香氏は、 バイオインフォマティクスにより灸の実験対象を絞り込むことが可能である事を紹介し、 バイオインフォマティクス解析から灸の“熱”をキーワードとした研究結果を報告し、 今後、 灸の作用予測研究の発展の可能性を示した。 辻内氏は、 1980年代から、 開業鍼灸師の立場で灸の魅力を伝えるお灸の普及活動を始め、 産科領域の臨床研究に取り組み、 同領域に於ける灸の効果について、 多くの成果を明らかにしてきたことを述べた。 また、 大塚素子氏は、 灸が 「治療文化」 として愛媛で継承されてきたことの意味を明らかにし、 また、 愛媛県立中央病院漢方内科鍼灸治療室での鍼灸臨床や、 周産期母子センターでのセルフ灸指導の実践等を紹介し、 時系列分析を踏まえて、 灸が人生の途上で重要な役割を担った例を紹介した。 そして、 米国在住の伊田屋幸子氏は、 2008年にMoxafricaが、 アフリカにおいて始めた結核に対する直接灸の実践とその成果を報告し、 その成果を踏まえて、 今後、 鍼灸がさらに大きく発展する可能性があることを強調した。
総説
  • 矢野 忠
    原稿種別: 総説
    2015 年 65 巻 1 号 p. 14-24
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/06
    ジャーナル フリー
     伝統医学の特性からいって鍼灸の発展の方向性は、 ローカル化であろう。 西洋医学がグローバル化の道を歩んできたのに対し、 伝統医学はひたすらローカル化の道を進んできた。
     では日本鍼灸のローカル化、 すなわち日本化によって創られた特色とは何か、 それは繊細な鍼灸手技、 豊富な鍼灸用具、 切診を重視した診察法、 様々な治療法の折衷や併用である。 それらは、 日本の文化的、 精神的風土により形成されたものであり、 日本人の感性や心性 (メンタリティ) が強く影響している。
     伝統とは時代に培われ、 時代とともに生き、 時代を経て伝えられてきたものである。 伝統医学である鍼灸も同様であり、 その時代の人々に寄り添いながら育まれ、 伝えられてきた。 このように鍼灸は伝統という特性を内包した医学・医療であることから、 いつの時代においても人々のニーズに応えることができるはずである。 そのことを再確認し、 鍼灸の未来を展望することが必要ではなかろうか。
原著
  • 高士 将典, 和辻 直
    原稿種別: 原著
    2015 年 65 巻 1 号 p. 25-35
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/06
    ジャーナル フリー
    【緒言】鍼灸臨床では身体的な愁訴を主に診ているが、 その背景には心理・感情状態が深く関わっていることが多い。 五蔵の病は心理・感情と関連するが、 その詳細は明確にされていない。 本研究では心理・感情面と東洋医学における五蔵の症状との関連性を調査し、 特に怒りや抑うつについて検討した。
    【方法】本研究の趣旨に同意したK 専門学校と本学学生を対象 (男性60名、 女性42名、 平均年齢25±8歳) とした。 調査票は3種類を用い、 東洋医学の五蔵状態を推測するために東洋医学健康調査票 (OHQ57) を、 心理学的尺度は、 怒りの心理尺度であるSTAXI日本語版の34項目内の24項目とベック抑うつ尺度を用いた。 調査期間は2012年6月~7月に行った。
    【結果】OHQ57における五蔵の平均点は肝が5.1±3.1点、 心が4.6±3.2点、 脾が5.2±3.1点、 肺が3.8±3.3点、 腎が3.9±2.7点であった。 STAXIの平均点は特性怒りが23.0±5.1点、 怒り表出18.8±4.1点、 怒り抑制20.8±3.8点、 怒り制御18.9±3.5点であった。 ベック抑うつ尺度は平均12.4±8.0点であった。 五蔵とSTAXI、 抑うつ尺度の相関は、 STAXIの特性怒りと肝、 怒り表出と肝・心・肺に、 ベックの抑うつでは心・脾で有意な相関を得た。
    【考察・結語】怒りや抑うつは五蔵の中で肝が関連あるとされている。 本研究でも、 個人の怒りやすさを表す 「特性怒り」 で五蔵の中で肝のみが関連性を示した。 怒りを外部に向ける傾向を示す表出は、 肝と心と肺に関連性がみられた。 また因子分析で具体的な表出方法を検討すると、 肝ではOHQ57で肝の病証を疑う群と疑わない群での因子が見いだせ、 病証を疑う群では怒りの攻撃的表現が認めた。 一方、 心では因子が見出されず、 肺では病証を疑う群の因子抽出ができなかった。 以上より肝は他の蔵よりも怒りの表出で特徴を認めた。
国際部報告
  • 若山 育郎, 石崎 直人, 斉藤 宗則, 鶴 浩幸, 深澤 洋滋, 増山 祥子, 山田 昌紀, 西村 理恵
    原稿種別: 国際部報告
    2015 年 65 巻 1 号 p. 36-46
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/06
    ジャーナル フリー
     WFAS2014鍼灸国際シンポジウムは、 2014年10月31日 (金) ~11月2日 (日) に米国ヒューストンのRoyal Sonesta Hotelにて開催された。 10月31日の執行理事会のあと、 11月1日~2日にかけ900名を超える参加者を得て学術大会が開催された。 大会テーマは 「East Meets West - Shaping the Future of Healthcare」、 演題数は基調講演を含めて216題で日本からの演題は11であった。
     WFAS執行理事は昨年のシドニー総会で改選があり、 現在の執行理事総数は日本からの3名を含め76名であるが、 今回は39名が出席していた (委任状は10名)。 執行理事会は、 昨年の改選で新たに任命されたLiu Baoyan会長の挨拶で始まり、 事前に配布された議案に沿って議事が進められた。 例年の如く中国語と英語での会議である。 今回日本からは、 WFAS2016東京大会を一部変更してWFAS2016東京/つくばとすることを提案し、 それが承認された。 全日本鍼灸学会と日本伝統鍼灸学会によるWFAS企画委員会で検討した結果、 主会場をつくば国際会議場とし、 ポストカンファレンスを東京で開催する (予定) ことにしたためである。 今回、 会場 (つくば国際会議場) と日程 (2016年11月4日~6日:学術大会は5~6日の2日間) が決定したため今後それに向けて準備が行われることになる。
編集者への手紙
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