先づ得られた結果を簡單に掲げておく.
(1) 狭義のJoukowski翼型の外廓線の式を求め,風速分布,空力性能の數式を與へ,翼型に關し,一般に,翼型性能は迎角,肉厚,中心線の各效果が一次的に結合されて表はれ,且つ迎角效果は平板翼の傾向を保持する.
(2) 上の結論から,翼型の研究には,中心線,對稱翼を別個に然もα=0に於て性能を求めておけば良いといふ實際的研究方針の簡單化が可能となる.
(3) 後縁に尖點を持たない對稱翼型を調べて,その2個のパラメーターの幾何學的意味及び風速分布,空力性能との關係を判明し,後縁膨らみの翼型の優秀性を示した.
(4) 翼型表面風速分布式の一つの應用として,表面靜壓式を求めこれより,迎角の影響より獨立した速度計,及び速度の影響より獨立した迎角計の可能性を原理的に示した.
(5) 以上の諸計算はすべて迎角の小さい範圍の近似計算であつて,將來境界層の計算を行ひ,Cxを求めると共に大きな迎角の性能に關する研究にも及ぶ豫定である.
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