飛行機の性能計算に當つて計算の方法如何に拘らず正しく實機の性能を推定するには資料の正確なものを揃へる事が肝要であるから此の基礎資料として次の諸項目に就いて可及的正確なものを得る方法を述べる.
(i) 機體の揚抗極曲線 (ii) プロペラ特性(機體との干渉を含む) (iii) 發動機特性
(i) に對しては風洞模型實驗値を基に摩擦抵抗の規模效果の補正を行ひ實機の値を推定する.
(ii) に對しては風洞模型實驗値を基に空氣壓縮性の影響及機體との干渉の補正を行ひ,その效率を求める.又風洞試驗値の無い場合にも簡潔に性能を推定する.
(iii) に對しては發動機の高度性能に飛行状態に適合した修正を行ふ.
之等を考慮した計算の一例を示し,且つ飛行試驗の解析値と推定値との比較を某機について示す.
抄録全体を表示