日本臨床麻酔学会誌
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10 巻 , 1 号
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  • 青柳 卓雄
    1990 年 10 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 森永 俊彦, 無敵 剛介, 片山 達生, 平木 達弘, 大石 一男, 内場 廉
    1990 年 10 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    口蓋扁桃,アデノイド肥大による慢性気道閉塞症状と肥満を主徴とするChubby Puffer症候群の13歳女児(身長159cm,体重89kg)の口蓋扁桃,アデノイド摘出術の麻酔を経験した.肥満,上気道閉塞による気道確保の困難が予想されたが,動脈血酸素飽和度,呼気終末炭酸ガス濃度をモニターしながら笑気-酸素-ハロセンマスクにより,円滑に麻酔を導入することができた.術後,上気道閉塞症状の改善により睡眠時無呼吸発作は消失した.
  • 依光 たみ枝, 国吉 茂, 知念 清
    1990 年 10 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    1983~1988年の5年間に行なわれた80歳以上の麻酔,726件の周術期問題点を検討した.術前合併症として高血圧(37%),不整脈(27%),虚血性心疾患(22%),慢性閉塞性肺疾患(22%)が認められた.約60%が術中に血圧が不安定となり,術後は喘息発作(13%),肺炎,無気肺(12%)が最も多い合併症であった.術後1月以内の死亡率は4.9%で緊急手術は予定手術の7倍,PS4はPS2の25倍,一般外科,脳外科は整形外科,泌尿器科の10倍の死亡率となっており有意に(p<0.01)高かった.しかし80代,90代の死亡率に有意差はなく,予後を決定するのは暦年齢よりも術前全身状態,手術部位がより重要だと思われた.
  • 原田 純, 高倉 康, 後藤 幸生, 坪田 恭子, 丹羽 真理子, 麻生 佳津子
    1990 年 10 巻 1 号 p. 26-33
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    拮抗性鎮痛薬であるエプタゾシンをNLA変法に応用し,麻酔中の循環動態の安定度を,我々が既に報告しているブプレノルフィン,ペンタゾシン,ブトルファノールを用いたNLA変法と比較することにより,エプタゾシンの有用性を検討した.ASA分類1~2の成人患者60名を対象とし,ジアゼパムとエプタゾシンで導入し,麻酔維持は笑気,酸素にて行った.循環動態の安定度は,収縮期血圧,心拍数,RPPの絶対的,相対的変動を算出し評価した.エプタゾシンを用いたNLA変法の安定度は,他とくらべて遜色なく,重大な副作用も見られず,エプタゾシンのNLA変法への応用が可能であると思われた.
  • 島田 孝男, 藤岡 丞, 大森 喜太郎, 溝田 弘
    1990 年 10 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    Crouzon'sdisease, Apert'ssyndromeなど頭蓋,顔面の高度な奇形,変形を主徴とする疾患に対しては,その再建術としてCraniofacial surgery,すなわち頭蓋,顔面骨に対する広汎な骨切り,骨移植術を主体とする術式が用いられる.
    我々も,過去2年間Craniofacial surgeryの麻酔管理56例を経験した.その管理の問題点としては,特有な顔面の奇形や上気道の狭窄に対する麻酔導入,挿管方法の検討,術中,上顎骨の前方移動に伴う経鼻気管内チューブの移動への対策.術中の大量出血(Blood loss/Blood volume,平均92.1%)に対する輸液,輸血管理.術後の呼吸管理など.
  • 福重 哲志, 緒方 理恵, 平木 達弘, 無敵 剛介
    1990 年 10 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    成人開胸手術におけるダブルルーメンチューブの使用状況,合併症などを把握し,より安全な使用方法を検討するために日本麻酔学会指導医認定病院434施設に対して,1987年1年間のダブルルーメンチューブ使用状況に関してのアンケート調査を行った.その結果254施設から回答が得られ,11, 280例の開胸手術のうち3, 392例にダブルルーメンチューブが使用されていた.チューブの位置の確認,虚脱肺への処置などにおいて各施設で統一がみられていない.また,このチューブに由来する外傷などの合併症も見られており,現時点では安易に使用するのではなく適応を慎重に決定し,使用にあたってはブロンコファイバースコープの使用が必須であると思われた.
  • 三条 芳光, 池田 和之
    1990 年 10 巻 1 号 p. 47-55
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    麻酔ガスモニタにシミュレータを搭載し,実測呼気終末値およびシミュレータからの脳内濃度予測値の両者を,即時麻酔医に提供する方法を検討した.動作スピードの点では,両者の並行動作が可能であり,懸念される情報過多は,徹底してMACを中心にすえた表示方法をとることで克服できることがわかった.特にシミュレータが有効に機能していると思われた用例は,(1)導入時,吸入濃度設定のための指針としての利用,(2)覚醒時,呼気ガス採取が不可能となり実測濃度が得られなくなった後の脳内MACの予測表示,(3)臨床中の抜管後リアルタイムのシミュレーション教材による学生や研修医の教育,などの点であった.
  • 瀧 健治, 佐々木 純, 松谷 裕之, 斎藤 和好, 三上 光治, 工藤 敦子
    1990 年 10 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    直径20mmの陽電極を用いて1.5mAで9分間のイオントフォレーシス麻酔を施行し,その後の麻酔持続時間について検討してみた.イオントフォレーシス麻酔で1%プロカイン,1%リドカイン,0.3%ジブカイン,1%メピバカインの4種類の局所麻酔薬ではほぼ同じ麻酔持続時間を呈したが,局所麻酔薬の深達度からイオントフォレーシスによる局所麻酔法にはジブカイン以外のプロカイン,リドカイン,メピバカインが使用薬剤として適当であることがわかった.また,リドカインの麻酔持続時間は濃度や添加量依存性であり,リドカイン濃度が40倍になると麻酔持続時間は約6倍となり,添加量を4倍にすると麻酔持続時間は約5割増しとなることがわかった.しかし,深達度は4%のリドカイン濃度で最も深く,深達度では4%が限界とみられた.これらの性質は,イオントフォレーシスでの薬剤運搬量が電流量に比例するために見られたイオントフォレーシス麻酔の特性と限界と思われる.
  • 井出 徹, 松前 孝幸, 伊東 範行, 野口 照義
    1990 年 10 巻 1 号 p. 62-65
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    外傷性横隔膜破裂8例に対する緊急手術の麻酔管理について検討した.受傷機転は全例交通事故による介達外力で,破裂部位は左側5例,右側3例,脱出臓器は左側が胃,脾,小腸で右側が肝であった.8例とも重篤な合併損傷を伴っていた.気管内挿管は1例を除く7例に意識下で行い,麻酔法はNLA変法3例,GO-筋弛緩薬3例,GOF, GO-ketamine drip法が各々1例であった.術中は横隔膜縫合が終了するまで用手換気を行い,気道内圧上昇による循環虚脱を防止した.本疾患では致命的な合併損傷が存在することを常に念頭に置き,誤嚥・換気障害・循環虚脱の発生する危険性が高いことを認識し,麻酔管理に当たることが重要である.
  • 遠山 誠, 冨士原 秀善, 木村 亮, 佐藤 一範
    1990 年 10 巻 1 号 p. 66-72
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    QT延長症候群(LQTS)は,死に至る重篤な不整脈を呈することがあり,周術期の管理が重要である.術後,Torsade de Pointes (TdP)型心室性頻拍を呈した症例を経験したので報告する.症例は,69歳女性.盲腸癌のため結腸切除手術施行.術後,第1病日にTdPを起こした.リドカイン静注に反応無く,DCショックで洞調律に回復した.手術前後の心電図でQTcの延長が見られ,遺伝性,二次性の原因はなく,散発ILQTSと診断された.本症は,QT延長があるため手術ストレス等によりTdPを起こしたと考えられる.本症例の麻酔に際しては,不整脈予防のため,十分な鎮静,麻酔深度,使用薬剤の選択が重要であり,また,万一に備えて心臓ペースメーカー,除細動装置等の準備と周術期の監視体制が必要と考えられる.
  • 太田 助十郎, 松元 茂, 萱場 恵, 鈴樹 正大
    1990 年 10 巻 1 号 p. 73-80
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    対象患者6名に全脊椎麻酔(TSB)を行った際,脳波スペクトラム分析とともに,聴性脳幹反応(ABR)あるいは短潜時体性感覚誘発電位(SSEP)を同時に連続測定した.TSBは,C7-Th1より1.5%リドカイン15~20mlのくも膜下腔注入で行った.その結果,(1) ABR (I波以外)とSSEP(Erb電位以外)の各成分はブロック後10分以内に完全に消失し持続した.(2) 58±15 (SD)分後に各消失成分は同時に出現し始めた.この時期は,脳波パワースペクトラムの急速移行と同時に生じた覚醒化よりも平均10分間有意に早かった.(3)このことは,先行する脳脊髄誘発電位波形の再出現をとらえることでTSBの覚醒時期を予測でき,患者への円滑なケアが期待できると思われた.
  • 智原 栄一, 坂井 由美, 堀 義幸, 橋本 悟, 田中 義文, 宮崎 正夫
    1990 年 10 巻 1 号 p. 81-86
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    右室にのみ機能的狭窄を持つ肥大型心筋症は極めて稀で病態解明も不十分である.患者は無症候であったが整形外科手術前の心雑音精査により,右室側への中隔肥厚が著明で右室内のみ圧較差がみられる本症と診断された.虚血性心疾患に準じ前投薬にジアゼパムやペチヂン等を用い,十分に鎮静しGOF麻酔にて管理した.心収縮増強時に左室流出路の閉塞を示唆する動脈圧波形変化を示すと共に,ハロセンによる心収縮抑制時には収縮期雑音の消失を見る等,興味ある循環動態を示した.術後のイソプロテレノール誘発試験にても左室内圧較差は認め得なかったが,麻酔中は前・後負荷を維持しつつ心収縮力を抑制する左室型の肥大型心筋症同様の管理が有効と考えられた.
  • 松田 義雄, 池ノ上 克, 平野 隆博, 松本 俊彦, 茨 聡, 外西 寿彦
    1990 年 10 巻 1 号 p. 87-94
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    分娩後に発症した呼吸不全(肺水腫)7例の臨床的検討を行った.発症頻度は0.15%であり,産科合併症として全例に妊娠中毒症が見られたことが特徴的であった.Swan-Ganzカテーテルによる血行動態の観察と膠質浸透圧の測定により,7例の肺水腫は左心不全によるもの(2例)・静水圧-膠質浸透圧差の変化によるもの(2例)・毛細血管透過性の亢進によるもの(3例)に分類された.これらの病態の解明並びに治療を的確に行うために,Swan-Ganzカテーテルを使用したセントラルモニタリングが産科領域での重症患者の管理にも有用であることが改めて認識された.
  • 小野 健二, 中山 啓子, 工藤 一大, 奥津 芳人
    1990 年 10 巻 1 号 p. 95-98
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    帝王切開時にプロスタグランジンF (PGF2a)によると思われる血圧上昇と不整脈をきたした2症例を報告する.症例1胎児仮死のため緊急帝王切開となった.児娩出後子宮収縮の目的でPGFを子宮筋内へ投与した.直後より患者は頭痛を訴え,血圧は上昇し,多源性の心室性期外収縮が多発した.約10分後に期外収縮は消失した.症例2骨盤位のために帝王切開が行われた.児娩出後PGFを子宮筋内に投与した.直後より血圧が上昇し,上室性期外収縮が多発し約5分間続いた.PGFを子宮収縮薬として子宮筋内へ投与する場合は全身的影響が現れる可能性があり,その適応も慎重であるべきである.
  • 渡辺 昭彦, 原田 有三, 水口 章, 並木 昭義
    1990 年 10 巻 1 号 p. 99-102
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    高度肥満患者(167cm, 154kg)の脛骨近位端関節内骨折に対する硬膜外麻酔を経験した.この経験から,高度肥満者でのTuohy針による穿刺操作は予想以上に容易であると思われた.高度肥満者では,術後の合併症を減らすためにも全身麻酔より伝達麻酔が望まれる.この点,硬膜外麻酔は脊椎麻酔に比較して穿刺部位に制約されず麻酔の調節性にも優れ,また技術的にも安全で,高度肥満患者においては特に有用性が高いと考えられる.もっと積極的に試みてよい麻酔方法である.
  • 中谷 桂治, 行岡 秀和, 藤森 貢
    1990 年 10 巻 1 号 p. 103-106
    発行日: 1990/01/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    口蓋扁桃,アデノイド肥大による慢性気道閉塞症状と肥満を主徴とするChubby Puffer症候群の13歳女児(身長159cm,体重89kg)の口蓋扁桃,アデノイド摘出術の麻酔を経験した.肥満,上気道閉塞による気道確保の困難が予想されたが,動脈血酸素飽和度,呼気終末炭酸ガス濃度をモニターしながら笑気-酸素-ハロセンマスクにより,円滑に麻酔を導入することができた.術後,上気道閉塞症状の改善により睡眠時無呼吸発作は消失した.
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