日本臨床麻酔学会誌
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13 巻, 2 号
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  • 谷口 克
    1993 年 13 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 平井 久
    1993 年 13 巻 2 号 p. 105-114
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 麻酔と不整脈の臨床的検討
    山田 満
    1993 年 13 巻 2 号 p. 115-130
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 西川 幸喜, 山蔭 道明, 藤田 智, 川真田 樹人, 並木 昭義
    1993 年 13 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    1981~1990年の10年間に札幌医科大学附属病院にて麻酔科が管理した手術•検査症例は36,159例で,そのうち心臓外科症例を除いた非開心術症例(33,194例)において術中心停止をきたした症例は29例(全非開心術症例に対して0.087%)であった.所属科では,救急部が8例,歯科口腔外科が7例と多かった.そのうち25例は何ら合併症を伴わず蘇生に成功したが,残りの4例は死亡した.術中心停止の原因として,ショックや敗血症など術前状態に起因する症例は5例であった.心•大血管手術や大量出血など手術操作に起因する症例は21例であった.麻酔管理に起因する症例は3例(全非開心術症例に対して0.009%)で,2例は深麻酔によるもの,1例は換気不全によるものであった.麻酔科医は,術中心停止を避けるために適切なモニタリングや心停止前駆症状の早期発見と早期治療に心がけるべきである.
  • 中田 弓子, 柴田 政彦, 多田 仁彦
    1993 年 13 巻 2 号 p. 137-141
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    反射性交感神経性萎縮症(RSD)の患者に圧痛計を用いて疹痛閾値を測定した.疹痛閾値は,RSD群患側では,RSD群健側およびコントロール群と比較して有意に低下していた.また,RSD群の圧痛比(患側の疹痛閾値合計/健側の痙痛閾値合計)は,交感神経ブロックを中心とした治療後に有意に上昇した.圧痛計による疹痛閾値測定は,RSDの客観的診断法の一つとして有用であり,RSD改善度の指標となる.
  • 石部 裕一, 有光 正史, 宇野 洋史, 辻村 謙二, 福喜多 邦夫, 塩川 泰啓, 末包 慶太
    1993 年 13 巻 2 号 p. 142-146
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    小児に対する前投薬として,ミダゾラム注腸投与の効果を,1~6歳の小児109例を対象とし,投与時間(導入30分前と60分前),投与量(0.2mg/kgと0.4mg/kg)および年齢(1~3歳と4~6歳)に分けて検討した.鎮静スコア1(導入時にマスクを嫌がるもの)を無効,スコア2~4を有効,スコア5を過剰鎮静として評価すると,30分前投与群で,投与量に関係なく,年長児の有効率(92~100%)は年少児(54~58%)に比較して有意に高く,この傾向は投与時間を導入60分前にしても同様であった.以上の結果からミダゾラム0.2~0.4mg/kgの30~60分前注腸投与法は,年少児での有効性は十分でないが,4~6歳の就学前児童の前投薬としては有用な方法と思われた.
  • 花岡 一雄, 並木 昭義, 古賀 義久, 土肥 修司, 弓削 孟文, 西山 友貴
    1993 年 13 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    ベンゾジアゼピンの安全性とバルビツレートの速効性と短時間作用性の利点をうまく引き出すために,併用による麻酔導入を行ない,ミダゾラムの併用用量の検討を行なった.全身麻酔患者93例を3群に分けミダゾラムをそれぞれ2mg, 5mg, 8mg静注,1分後にバルビツレートを初回量50mg静注し,導入状態が不十分の場合はバルビツレートを適量追加する方法を用いた.ミダゾラムの投与量を患者の体重によらず個体投与量に固定したにもかかわらず,バルビツレートを併用することにより良好な麻酔導入を得ることができ,導入効果と覚醒の印象と安全性よりミダゾラムの投与量は5mgが適当と考えられた.
  • 70歳以上と70歳未満の比較
    斉藤 朗子, 依田 建吾, 山田 悦子, 松田 知之, 東條 英明
    1993 年 13 巻 2 号 p. 153-159
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    冠動脈再建術52症例を対象として,70歳以上(18例:以下O群)と70歳未満(34例:以下Y群)の二群について術前術後合併症,術中循環動態等について比較検討した.冠動脈病変数,主幹部病変の有無,左室躯出率には二群間に有意差はなかった.術前合併症は70歳未満で喫煙歴,肥満,70歳以上で高血圧,閉塞性動脈硬化症が多かった.術中循環動態は高齢者でも安定しており,麻酔管理上特に問題はなかった.術後合併症発生率はO群で87.8%と高く,敗血症,うっ血性心不全等重篤なものが多かった.死亡率は70歳未満で2.9%,70歳以上で16.7%であり,高齢者ではより慎重な術前のリスク検討が必要であると思われた.
  • 野中 明彦, 花形 和之, 熊澤 光生
    1993 年 13 巻 2 号 p. 160-163
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    拡張型心筋症を合併する患者の胃全摘術を経験した.麻酔は笑気-ミダゾラムーフェンタニールにて維持した.陽変力作用を目的としてドブタミンを,腎血流増加を目的としてドパミンを使用した.さらに後負荷を軽減するためにプロスタグランディンE1を併用した.術中はSwan-Ganzカテーテルを用い循環管理を行ない,心拍出量の低下をみることなく手術を施行しえた.
  • 福重 哲志, 大瀬戸 清茂, 塩谷 正弘, 深水 陽子, 緒方 理恵, 無敵 剛介
    1993 年 13 巻 2 号 p. 164-169
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    ペインクリニックで原発性脊髄腫瘍9例を経験した.男性6例,女性3例,平均年齢は48.8歳であった.腫瘍高位は頸椎部3例,胸椎部2例,腰椎部4例であり,頸肩部痛および腰殿下肢痛を主訴とし当科受診までの間に腰椎椎間板ヘルニア5例,頸椎症2例,帯状疱疹後神経痛,坐骨神経痛各1例の診断下に20日から8年にわたり治療を受けていた.9例中6例で夜間痛の存在が認められ,硬膜外注入を行なった6例では全例に強い注入時痛を認めた.6例に手術が行なわれ,全例が硬膜内髄外腫瘍であり予後は良好であった.疼痛治療担当者はこの疾患を見逃さないことが大切であり,夜間痛の存在や,硬膜外注入時痛は原発性脊髄腫瘍診断の手がかりとなると思われた.
  • 高橋 健二, 松丸 克彦, 佐多 謙, 菊地 博達
    1993 年 13 巻 2 号 p. 170-173
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は予後不良の疾患であり,特に全身の筋力低下に伴う呼吸抑制や筋弛緩薬への異常反応など麻酔管理上の問題点が多い.今回,65歳のALS患者の右卵巣腫瘤摘出術に脊椎麻酔を施行し,術中術後ともに症状は悪化しなかった.
    ALS患者の麻酔管理においては原疾患の状態を十分に把握することが必要である.また患者が脊椎麻酔における危険性と有用性を十分に理解したうえで本麻酔法を行なう承諾が得られるなら,脊椎麻酔は禁忌にはならないと思われた.
  • 井上 義崇, 谷川 攻一, 重松 昭生, 北野 正剛
    1993 年 13 巻 2 号 p. 174-180
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下胆嚢摘出術95例について,手術時間,麻酔時間,術中のPET CO2, PaCO2, pHの変化,術中合併症を検討した.さらにこのうちの26例については経食道エコーによるモニターを行なって,炭酸ガスの右房内への流入状況を観察した.また合併症等について開腹胆嚢摘出術と比較した.PET CO2, PaCO2, pH,は二酸化炭素による気腹30分後にはいずれも有意な変化を示した.経食道エコーでは26例中11例,42.3%の症例に流入した炭酸ガスの気泡によると思われるエコー像を認めた.また気泡のエコー観察前後でPET CO2の上昇傾向が認められた.開腹胆嚢摘出術との比較では,腹腔鏡下胆嚢摘出術で手術時間は短い傾向にあったが,術中の循環動態が不安定であった症例が多く皮下気腫等の特異な合併症もみられた.
  • 中井 哲慈, 橋本 賢, 梅田 英一郎, 岡本 孝則, 佐藤 哲雄, 青木 正
    1993 年 13 巻 2 号 p. 181-184
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    常位胎盤早期剥離を合併した子癇患者の帝王切開術の麻酔を酸素,笑気,セボフルレンによる全身麻酔で行なった.血圧の制御には,娩出前はニトログリセリン,娩出後はPGE1を用いた.高マグネシウム血症によると思われる筋弛緩薬の作用延長がみられた.
  • 土山 恭生, 小川 幸志, 前田 浩, 伊良 波浩, 水本 洋, 畑埜 義雄
    1993 年 13 巻 2 号 p. 185-188
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    マスクによる前身麻酔下に大腿骨骨嚢胞ステロイド注入術中に起こった静脈空気塞栓症を報告する.麻酔医には知らされないまま透視下に嚢胞確認のため,約50ccの大量の空気が注入された.空気の注入後すぐに頻回の咳と徐脈が起こった.吸入ガスを純酸素に切り替え,硫酸アトロピンを投与することにより徐脈は改善した。パルスオキシメーターによる経皮的酸素飽和度の低下も軽度で短時間であった.以後麻酔と術後経過に特別な変化もなく,神経学的ならびに肺合併症も生じなかった.重篤な合併症は生じなかったものの,骨髄への空気注入の危険性を本報告により再び喚起するものである.
  • 中江 裕里, 高橋 俊彦, 宮部 雅幸, 並木 昭義
    1993 年 13 巻 2 号 p. 189-192
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    軽度の耳下腺腫脹と著明な血清アミラーゼ値の上昇により術後耳下腺炎と診断された症例を経験した.耳下腺の腫脹は手術後1日目から6日間持続したが,炎症症状を欠き,局部の冷却湿布と通常の上腹部手術術後管理に準じた抗生剤および輸液管理により軽快した.耳下腺腫脹の原因としては手術中のバツキングによる腹圧上昇,気管内チューブによる咽頭反射の亢進による唾液腺の静脈うっ血に起因する耳下腺管の閉塞が考えられた.術後耳下腺炎はまれな合併症であるが,日常の麻酔管理における操作が原因となりうることを常に銘記すべきと思われた.
  • 内田 幸介, 小野田 昇, 三田 秀孝, 崎尾 秀彰, 奥田 千秋
    1993 年 13 巻 2 号 p. 193-196
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    喘息の既往を有する66歳の男性において,恥骨後式前立腺摘除術が行なわれた.手術終了後の筋弛緩薬リバースの最中に,突然の頻脈と血圧の下降をきたし,全身の紅潮と顔面の浮腫および皮下静脈の怒張を呈し,ついに心停止に至った.ただちに心肺蘇生を行なったが,ドパミンおよびドブタミンでは十分な昇圧効果が得られず,アナフィラキシー様ショックによるものと考え,ノルアドレナリンの投与を開始した.末梢血管抵抗は著明に低下しており,血中のブラディキニンは高い値を示していた.本症例の病態にブラディキニンの関与している可能性が考えられる.また,アレルギー性疾患を有する患者では筋弛緩薬のリバース時に十分な注意を要すると思われる.
  • 大園 清信, 上村 裕一, 吉嶺 孝和, 小田 利通, 吉村 望
    1993 年 13 巻 2 号 p. 197-201
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    右肺門部腫瘍の上大静脈•右心房浸潤により急速に発症した上大静脈症候群における腫瘍切除術の麻酔を経験した.腫瘍の浸潤により上大静脈の狭窄が進行し,意識障害をも呈する術前状態であったため,麻酔導入による呼吸,循環動態の変化に伴う状態の悪化が予想された.そのため,局所麻酔下に右腋窩静脈から右大腿静脈に一時バイパスを作成し,その後麻酔導入を行なった.右内頸静脈圧はバイパス作成により低下し,麻酔導入によっても上昇することなく,合併症を認めずに管理することができた.
  • 太田 宗一郎, 鈴木 照, 原田 知和, 竹中 元康, 下中 浩之, 土肥 修司
    1993 年 13 巻 2 号 p. 202-205
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    腎摘位での腎盂尿管腫瘍の腎尿管全摘除術中に起こったと思われる鎖骨の病的骨折の症例を経験した.術後,右肩および鎖骨部の疼痛を訴えたため同部X線写真を撮ったところ鎖骨骨折を確認した.術前の胸部X線写真上にも右鎖骨に嚢腫状の骨破壊像が存在したため,転移性骨腫瘍による病的骨折と考えた.本症例は非常にまれであるが,術前回診の重要性を再認識させられた1症例であった.病的骨折をきたす可能性のある疾患を有する患者の移動および体位変換は注意深く慎重に行なわなければならない.
  • 松田 真也, 奥谷 龍, 河野 克彬, 福田 多恵子, 岡本 健志, 青木 彰
    1993 年 13 巻 2 号 p. 206-210
    発行日: 1993/03/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    要旨 透析患者の肝切除術の麻酔管理を経験し,これら症例の問題点をあげ,その予後について検討した.全例手術当日に透析を施行し,術中は,観血的動脈圧,心拍数,さらに肺動脈圧等の循環動態監視下で麻酔および輸液管理を行なった.予後は2例が死亡,2例が生存であった.術前の合併症や透析歴,除水量に差はなかったことより,この違いは,肝切除範囲にもよるが,術中輸液量の差,術中肝庇護の有無に関係していると推測された.以上より,死亡例の1.5ml•kg-1•時-1に比して生存例の6.0, 8.0ml•kg-1•時-1と十分な輸液負荷,さらに,術中肝庇護目的によるプロスタグランジンE1の持続投与下で周術期管理を行なうことにより,透析患者の肝切除術症例も十分,好成績が得られるものと推測された.
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