日本臨床麻酔学会誌
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15 巻, 3 号
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  • 本多 夏生
    1995 年 15 巻 3 号 p. 187-196
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    It is well-known fact that progressive hyperthermia exerts fatal damage on living body. But the lethal mechanism is not fully understood. So physiological studies were performed in animals with whole body hyperthermia by surface warming.
    During hyperthermia, various parameters were serially measured including body temperature, aortic pressure, heart rate, blood gases, tissue blood flow, brain wave, hormonal responses and others. And, a number of pathophysiological changes were observed, including hyperthermia, hypermetabolic state, tachycardia, hypoxia, hyperkalemia, lacticidemia, acidosis, coagulopathy, endotoxins and others. From these results, it is considered that various factors are involved in the aetiology of whole body hyperthermia. but the elevated body temperature, metabolic acidosis, hypotension and hypoxia are the important factors which determine the fatal outcome.
  • 上田 直行
    1995 年 15 巻 3 号 p. 197-201
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 中島 幹夫
    1995 年 15 巻 3 号 p. 202-209
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
  • 横井 雅一, 山田 寛幸, 増田 純一, 松島 誠, 武田 純三, 福島 和昭
    1995 年 15 巻 3 号 p. 210-214
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    偶発的硬膜穿刺の直後に施行した自己血硬膜外注入法(EBP)の効果を検討した。17GのH型針で硬膜穿刺となった122例を,直後にEBPを施行した群(EBP群)と,施行しない群(非EBP群)の2群に分けた。頭痛発症率はEBP群25.9%,非EBP群34.4%で有意差はなかった。後日EBPが必要となった割合は頭痛発症例のうちEBP群20.0%,非EBP群72.7%と,EBP群で低率であった。EBP群では頭痛持続期間が2.5日,非EBP群で4.9日とEBP群で有意に短かった。以上から,硬膜穿刺直後にEBPを行なっても頭痛発症率は低下しないが,重症例は減少すると結論された。
  • 源由 紀子, 三木 英明, 北村 里恵, 山田 聡, 山崎 和夫, 加藤 浩子
    1995 年 15 巻 3 号 p. 215-220
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    1991年1月から1992年12月までの2年間に管理した腎機能障害合併心臓手術27例を対象に,術前腎機能障害の重症度によりクレアチニン・クリアランス(Ccr) 20ml/分以下(A群12例)と20<Ccr≦50ml/分(B群15例)の2群に分けて周術期管理,術後合併症,転帰を比較検討した。A群はB群に比べ体外循環中の限外濾過使用,術後の血液浄化法の使用率が有意に高かった。A群の死亡例は5例(42%)あり,うち4例は術前NYHAIV度で死亡原因は全例多臓器不全であった。B群は,腎保護薬のみで急性期を管理できた。B群の死亡例は2例(13%)で,いずれも直接腎機能障害に起因したものではなかった。
  • 片岡 英一郎, 林 英明, 西内 辰也, 大住 壽俊, 田村 栄稔, 竹田 清
    1995 年 15 巻 3 号 p. 221-226
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    人工股関節全置換術において,同種血輸血を回避する目的で低血圧麻酔と術中自己血回収術を併用した。プロスタグランジンE1による低血圧麻酔を併用した場合(PG群)の回収血の溶血についてイソフルランを用いて低血圧とした群(ISO群)を対照に比較検討した。術後に回収血をCell SaverTMにて洗浄,濃縮し,返血と洗浄廃液中の遊離ヘモグロビン濃度を測定し,溶血率を算出した。両群間に出血量,術中輸血量の差はなかったが,返血,洗浄廃液ともに遊離ヘモグロビン濃度はISO群に比べPG群で有意に低く(P<0.05),溶血率も低かった(P<0.05)。以上の結果より術中自己血回収と低血圧麻酔を併用する場合に,プロスタグランジンE1は溶血防止に有利であると考えられた。
  • 大西 佳彦, 平田 隆彦, 内田 整, 畔 政和
    1995 年 15 巻 3 号 p. 227-232
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    通常のサーモダイリューションカテーテルにサーミスタを組み込むことで血管内血流速度を求め,連続的に心拍出量を測定表示するカテーテルを,腹部大動脈瘤にてグラフト置換術を行なった8症例で使用した。連続心拍出量測定装置におけるデータを通常の熱希釈法と比較検討した。腹部大動脈遮断前はよい相関を示したが,遮断中および遮断解除後の相関は軽度悪化した。この差は肺動脈本幹内でサーミスタ測定部が移動するためと推測された。腹部大動脈瘤症例のように大血管を遮断することにより心拍出量が変化する症例では,肺動脈内でカテーテルを至適部位へ移動させることにより,そして熱希釈法を利用して校正を加えることで,この連続心拍出量測定カテーテルは有用であると考えられた。
  • 急性高山病を対象として
    斎藤 繁, 嶋田 均, 福良 治彦, 西川 光一, 守田 敏洋, 藤田 達士
    1995 年 15 巻 3 号 p. 233-237
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    携帯型高圧タンクは高所障害に対する有効な治療器具として現在実地応用されている。しかしながら,現在実際に行なわれている方式では,救助者が足踏みポンプによって換気を長時間継続することが必要であり,救助者の労力を軽減することが課題とされていた。今回われわれは炭酸ガス吸収装置としてソーダライム付きの呼吸回路を応用し,その有効性を実験室,および標高4,000mの高所において確認した。現在のところガモフバッグは高所障害の治療機器としてのみ実地使用されているが,救急高圧酸素治療の対象とされている他の疾患,一酸化炭素中毒症や空気塞栓症についても臨床応用が可能であると考えられ,現地救急医療の効果的な治療機材として有望なものと思われた。
  • 郡山 一明, 古賀 和徳, 蒲地 正幸, 佐多 竹良, 重松 昭生
    1995 年 15 巻 3 号 p. 238-242
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    左肺上葉切除術中,冠動脈スパズムによると考えられるST上昇を認めた1例を経験した。患者の術前安静時の心電図には異常を認めず,既往歴にも問題はなかった。心電図上ST上昇を認める直前に,術中操作に伴う心血管系圧迫により血圧が急激に低下した。われわれの最近の肺切除29症例を検討した結果,11例に術中操作に伴う血圧低下,不整脈を認めた。肺切除症例では,頻回に心血管系圧迫に伴う血圧低下が生じ,特に左肺切除症例に多いことがわかった。肺切除症例の麻酔は,高濃度の吸入気酸素や硬膜外麻酔の併用など冠スパズム発生に関与すると考えられる因子を含んでおり,さらに術中操作に伴う血圧低下も冠動脈スパズムを引き起こす可能性があると考えられる。
  • 新倉 久美子, 西村 チエ子, 小田切 徹太郎, 水戸野 裕之, 村上 育子, 市野 隆
    1995 年 15 巻 3 号 p. 243-246
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    超音波検査で心臓腫瘍および大動脈弁狭窄症と胎児診断されたため,帝王切開分娩に引き続いて外科的治療が施された2症例を報告する。1例は開心術により心臓腫瘍摘出を試みたが救命できなかった。他の1例はバルーンによる弁拡大術により軽快した。
    胎児および出生直後の新生児手術は診断技術の向上,母体の安全,児に対する適切な処置が重要であるが,倫理的問題もあるので,周産期母子保健医療施設で一貫した治療が施されるべきである。
  • 小林 巌, 高橋 広巳, 畠山 廉英, 川名 信, 並木 昭義
    1995 年 15 巻 3 号 p. 247-250
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    原発性副甲状腺機能亢進症患者3名に対し,セボフルランによる麻酔管理を経験した。このうち2名の患者で生理食塩水とエルカトニンによる高Ca血症と脱水の術前補正を必要とした。麻酔中は,1名の患者で血清Ca値が術前値より上昇したが,3症例とも術中不整脈などの合併症もなく,術後覚醒も良好であった。本疾患の麻酔では,術中の安定した循環動態管理と,術後低Ca血症の早期発見が重要である。セボフルラン麻酔の麻酔調節性と速やかな術後覚醒は,これらの面で他の麻酔方法に比べ有用と思われた。
  • 日野 博文, 大川 修, 宮沢 章子, 舘田 武志, 青木 正, 高橋 敬蔵
    1995 年 15 巻 3 号 p. 251-254
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    体外循環中に異常高血糖を示した1症例を経験した。体外循環開始後に高K血症が認められ,1号開始液(ソリタT1®)を用いてダイアライザーにより血清カリウムの補正を図ったが,使用された開始液中の糖が過剰に負荷されたために,高血糖が発生したものと推察された。血糖値914mg/dlを示した時点で,経頭蓋的脳血流速度ドップラーによる平均血流速度は体外循環前に比べて16cm/sec増加し,血糖値の低下とともに平均血流速度も低下した。血糖値の変動に相関して脳血流速度が変化したことより,高血糖が脳血管に対して影響した可能性もあると思われた。
  • 藤村 直幸, 川真田 樹人, 中江 裕里, 其田 一, 宮部 雅幸, 並木 昭義
    1995 年 15 巻 3 号 p. 255-258
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/12/11
    ジャーナル フリー
    エキノコックス症に対する心,肝同時手術の麻酔を経験した。チアミラールで麻酔導入後,笑気・酸素・イソフルランで麻酔を維持した。心臓エキノコックス症に対する手術を人工心肺準備下に肝臓切除術に先立ち行なった。人工心肺を使用せず心外膜および心〓胞切除術が施行でき,心拍出量は増加した。このため,肝臓切除術においても,血圧,脈拍の維持が可能となった。また,イソフルラン麻酔は,心外膜切除時に徐脈を避け,肝切除時に肝血流を維持させる点から有用であったものと思われた。
    心臓および肝臓エキノコックス症に対する同時手術においては,術前の心,肝機能評価に基づき,手術順序を決定することが重要と思われた。
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