自作したデータベースを用いて当院手術症例2,038例の手術収入を分析した.全手術収入を手術,麻酔,薬剤,特定保険材料に分け,それぞれの占める割合を診療科別に集計し,また各科の収益率を算出した.結果的に手術,麻酔,薬剤,特定保険材料の内訳は,それぞれ57, 17, 11, 14%を占めた.麻酔では,全手術収入のうち約81%が全身麻酔症例から得られ,また麻酔関連の収入は薬剤も含めれば全手術収入の25%を占めた.また,薬剤・材料関連の全収入に占める割合は約30%に達した.診療科の収益率は,各診療科によって1時間および1件当たりの平均手術料に4倍以上の隔たりがあった.保険診療制度の問題点は多々指摘されているが,手術・麻酔の評価も多くの問題を含んでいるように思われる.
抄録全体を表示