膝または股関節手術10症例の脳波,聴性中間潜時反応(MLR),体性感覚誘発反応(SEP)を,硬膜外ブロック併用プロポフォール(P)/亜酸化窒素麻酔下(P 5mg/kg/hr+O, (P 5mg),P 5mg/kg/hr+66%N
2O (P 5mg+N
2O), P 10mg/kg/hr+O
2 (P 10mg))および抜管後に記録,観察した.脳波平均周波数はP投与速度依存性に低下し,P 10mgでは9症例でburst andsuppressionとなったが,P 5mgとP 5mg+N
2Oでは有意差はなかった.MLR波振幅はP投与速度依存性に低下し,潜時は同様に延長した.SEP N 20波の振幅はP 5mg+N
2OでP 5mg, P10mgおよび抜管後より有意に低下し,潜時は各測定点で差がなかった.これらの結果は,Pが大脳皮質自発活動と聴覚路活動を抑制しやすく体性感覚路活動を抑制しにくく,一方,亜酸化窒素はその逆であることを示唆する.
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