プロポフォールの制吐作用を検討するために,亜酸化窒素・酸素と硬膜外麻酔併用下で腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った150例を対象にして嘔気と嘔吐の発生率を比較した.麻酔の導入にチオペンタール6mg・kg
-1を用いた群(T群),プロポフォール3mg・kg
-1を用いた群(P1群),プロポフォール2mg・kg
-1で導入後,手術終了まで5mg・kg
-1・h
-1で持続投与した群(P2群)の3群に分け,いずれも酸素・亜酸化窒素・ベクロニウム・硬膜外麻酔で維持した.術後24時間の嘔気発生率はT群で50%,P1群で3296,P2群で40%と3群間に有意差を認めなかつた,嘔吐発生率,制吐薬使用率も差はなく,5mg・kg
-1・h
-1のプロポフォール持続投与では効果的な制吐作用がないと考えられた.
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