2000年の当院麻酔科管理症例のぅち,20歳未満と心臓大血管手術症例を除いた3,432例を対象とし,高血圧の頻度,術前治療の有無と方法,周術期血圧の関連を検討した.高血圧合併頻度は18%,このうち術前治療群は66%であった.治療群の入院時血圧は収縮期140±18mmHg,拡張期80±13mmHgで,両値とも非治療群より有意に低かった.臓器障害/心血管病合併率は治療群が非治療群より有意に高かった.全身麻酔症例では,降圧薬1剤投与群は非治療群より手術室入室時拡張期血圧が有意に低かったが,術中血圧変動や降圧薬投与には差はなかった.高血圧患者の麻酔では,術前治療のいかんにかかわらず,その術中血圧管理に細心の注意を要すると考えられた.
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