日本臨床麻酔学会誌

原著論文

硬膜外モルヒネによる掻痒感は脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔のカテーテル挿入長で変わるか

日高奈已, 立山真吾, 香月博, 高崎眞弓

原稿種別: その他
専門分野: その他
2004 年 24 巻 6 号 p. 201-205
発行日: 2004年
公開日: 2005/03/31

DOIhttps://doi.org/10.2199/jjsca.24.201

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脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(脊硬麻)において, 硬膜外カテーテルの挿入長を変えることによって, 術後の掻痒感に違いがあるかどうかを検討した. 産婦人科手術を受ける40例の患者を対象に, 硬膜外カテーテルを3cm留置した群と6cm留置した群に分け(各20例), 術後の痒みの頻度と程度を比較した. 痛み, 悪心の程度と嘔吐の回数と治療薬の投与についても比較した. 痒みを感じた症例は, 3cm群で9例(45%), 6cm群で4例(20%)で, 群間に有意差があった. そのほかの評価項目に差はなかった. 1か所穿刺の脊硬麻では, 硬膜外カテーテルを長めに留置したほうが, 術後の痒みが少ない可能性が示唆された.

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突発性難聴に対する星状神経節ブロックと上頸神経節近傍レーザー照射併用療法の効果

田畑美織, 松本延幸, 村上康郎, 水上智, 松本勲

原稿種別: その他
専門分野: その他
2004 年 24 巻 6 号 p. 206-211
発行日: 2004年
公開日: 2005/03/31

DOIhttps://doi.org/10.2199/jjsca.24.206

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突発性難聴64例に星状神経節ブロック(SGB)と上頸神経節(SCG)近傍への低反応レベルレーザー照射を併用したところ(SGB+C2レーザー群), SGB単独の62例(SGB群)と比較して治療成績が向上した. 治療効果の判定は, 初診時とほぼ安定状態に達した時点の聴力を比較し, 治癒, 著明回復, 回復, 不変に分類した. その結果, SGB群(治癒 : 11%, 不変 : 27%)に比べSGB+C2レーザー群(治癒 : 30%, 不変 : 8%)で聴力改善度は有意に上昇した(p<0.01). 固有蝸牛動脈より末梢にはSCGからの交感神経線維が分布しており, SCGへのレーザー照射併用により, SGB単独よりさらに広範な交感神経線維が遮断されたものと思われる.

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症例報告

麻酔器の人工呼吸用呼気弁の動作不良により回路内圧が急激に上昇した1症例

浅賀健彦, 別宮小由理, 植木正明, 前川信博

原稿種別: その他
専門分野: その他
2004 年 24 巻 6 号 p. 212-214
発行日: 2004年
公開日: 2005/03/31

DOIhttps://doi.org/10.2199/jjsca.24.212

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脊椎手術の麻酔中に, 麻酔器の突然の故障により急激に回路内圧が上昇した症例を経験した. 本麻酔器は麻酔器メーカーによる点検, 麻酔科医による始業点検でとくに問題は認められなかった. 今回の事故の原因である電気制御障害は突然発生するため, 始業点検で発見できない可能性があり注意を要する.

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アミトリプチリンにバルプロ酸の追加投与が奏効したニューロパシックペインの6症例

武川仁子, 吉見誠一, 木下康

原稿種別: その他
専門分野: その他
2004 年 24 巻 6 号 p. 215-218
発行日: 2004年
公開日: 2005/03/31

DOIhttps://doi.org/10.2199/jjsca.24.215

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アミトリプチリンにバルプロ酸を追加投与して著効したニューロパシックペイン6症例を経験した. 5例は帯状疱疹痛および帯状疱疹後神経痛で, 1例は閉塞性動脈硬化症に合併した神経障害による疼痛であった. 硬膜外ブロック, 直線偏光近赤外線星状神経節近傍照射, 腰部交感神経節ブロックなどの効果が認められたが, 改善度は限られていた. アミトリプチリンにバルプロ酸の追加投与で帯状疱疹痛と帯状疱疹後神経痛症例はほぼ完治し, 投薬を中止できた. バルプロ酸をアミトリプチリンに併用することはニューロパシックペインに有用であると考えられた.

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腹腔鏡下噴門形成術を行ったCornelia de Lange症候群の麻酔管理の1例

本岡明浩, 小笹浩, 内田博, 豊田浩作, 齊藤洋司

原稿種別: その他
専門分野: その他
2004 年 24 巻 6 号 p. 219-222
発行日: 2004年
公開日: 2005/03/31

DOIhttps://doi.org/10.2199/jjsca.24.219

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Cornelia de Lange症候群の4歳女児に対する腹腔鏡下噴門形成術の麻酔管理を経験した. 麻酔管理上, 挿管困難と不慮の横隔膜損傷が問題となった. 挿管困難に対しては, 細径の気管支ファイバースコープを使用して経鼻挿管を行った. 術中に横隔膜を損傷し, 気胸を合併したため呼吸管理に難渋し, 気腹を中止した. 本症候群のような先天異常症候群では, 腹腔鏡下手術中の気胸は気腹圧の影響によって, とくに重篤になりやすい. 重篤な疾患を合併した小児のハイリスクな症例に対して腹腔鏡下手術を行う場合には十分な注意が必要であり, 安易に行ってはならない.

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